タムロン製広角レンズの選び方 写真家・カメラ評論家が解説
写真家・カメラ評論家の田中希美男さんにタムロン広角レンズを選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。レンズを選ぶときにどこを見ればいいのかを解説していますので、基礎知識として身につけておきましょう。
ズームか単焦点か
写真家、カメラ評論家
じっくりと撮影をしてすぐれた画質を求める人には単焦点レンズ、素早く撮影してシャッターチャンスを逃したくないという人にはズームレンズがおすすめです。
タムロンは数年前に、高性能な単焦点レンズをシリーズ化しました。その第一弾としてSP35mmF1.8、SP45mmF1.8、SP85mmF1.8の3本が発売されました。この3本の単焦点レンズの大きな特徴は、F1.8という大口径レンズながらすべてのレンズに手ブレ補正(VC)の機能を内蔵していること。
適度なコントラストがあり諧調描写力にすぐれていることから、単焦点レンズであればこのなかから選ぶといいでしょう。
レンズ名称を知って機能を見分けよう
写真家、カメラ評論家
「SP」の記号が付いたレンズは、タムロンが特別に高品質な設計基準で作ったことをあらわしています。
「Di」「Di II」「Di III」などの記号は、対応するカメラの種類をあらわしています。「Di」はフルサイズ判一眼レフカメラ用、「Di II」はAPS-C判一眼レフカメラ用、「Di III」はフルサイズ判、APS-C判、マイクロフォーサーズ判を問わずミラーレスカメラ用の交換レンズです。
お手持ちのカメラに合うレンズはどれかを、この名称から見分けてみてください。
そのほかの記号を知ろう!
写真家、カメラ評論家
ほかに「VC」はレンズ内手ブレ補正、「USD」はAF駆動用の超音波モーターをあらわしています。
タムロンが独自に開発したAF駆動用モーターをあらわす記号として、「HLD」は高トルク小型モーター、「PSD」は圧電セラミックス素子を使った超音波モーター、「RXD」は改良型のステッピングモーターをあらわします。さらに、レンズコーティングの名称として「BBAR」や「eBAND」があります。
eBANDコーティングはいわゆるナノ構造のレンズコーティングで、透過率を飛躍的に向上させる働きがあります。難しい記号類ですが、必要な機能を知る大事な手がかりです。
タムロンの広角レンズおすすめ10選 レンズの種類・焦点距離・F値もチェック!
ここまでで紹介したタムロンの広角レンズの選び方のポイントをふまえて、写真家・カメラ評論家の田中希美男さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。ほかのレンズや純正レンズなどとも比較しながら、自分の作画意図を実現させてくれる1本を選んでください。


特殊レンズコーティングを施した超広角ズーム
レンズサイズはやや大きくて重いですが、それは写りのよさを最優先した結果。非常に描写性能のいい高性能な広角ズームレンズです。超広角15mmから広角30mmまでをカバーし、開放F値はF2.8でズーミングしてもF値は変化しません。対応マウントはニコンF、キヤノンEF、ソニーAマウントが用意されています。
タムロン独自のAXコーティングやeBANDコーティングなどを組み合わせて透過性のいいレンズに仕上げていて、画面全体がクリアーな描写をします。またレンズ第一面(いちばん前面のレンズ)の表面には、撥水性、撥油性にすぐれた効果を発揮する高耐久の防汚コーティングも施されています。自然を撮るために、山や川、ハイキングなどをしながらカメラを担ぐ方向きです。



広角から中望遠まで使えるソニー用レンズ
フルサイズ判ソニーEマウントカメラに対応した、28mmから標準画角までをカバーする光学約2.7倍のズームレンズです。ソニーαシリーズのフルサイズ判ミラーレスカメラのほか、APS-C判ミラーレスカメラにも使用することができます。特長は最短撮影距離(19センチ)が短いこと。無限遠の遠景から数センチの至近距離まで、自由自在にフレーミングして撮影ができるという大きな魅力があります。
レンズ全長は約12センチ、重さは約550グラムで、フルサイズ判用でズーム全域F2.8の開放F値のズームレンズとしては小型で軽量。モーター音が静かなので動画撮影に効果を発揮します。ソニーをお持ちなら互換性に富んだこのレンズはおすすめできます。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする タムロン・広角レンズの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのタムロン・広角レンズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかの関連記事はこちら 【関連記事】
タムロンのレンズの傾向とは 写真家・カメラ評論家からのアドバイス
写真家、カメラ評論家
タムロンの最近の交換レンズはニコン用とキヤノン用のものが圧倒的に多く、それもフルサイズ判の一眼レフカメラ用が多いです。ソニーのマウントも(対応レンズは少ないですが)Aマウント用が多くなっています。一眼レフカメラのペンタックスKマウントのレンズの数は少なく、対応レンズがあったとしても「旧型」に属するレンズばかりです。
ミラーレスカメラ用としては、マイクロフォーサーズ用に「14-150mm F/3.5-5.8 Di III」、キヤノンEF-MとソニーEマウントの「18-200mm F/3.5-6.3 Di Ⅲ VC」、そしてフルサイズ判ミラーレスカメラ用としてソニーEマウントの「28-75mm F/2.8 Di III RXD」がラインナップされているだけです。
現在のタムロンのおもなレンズラインナップには、一眼レフカメラ用の、フルサイズ判対応の交換レンズが多く揃えられています。とくに望遠系レンズは、ほとんどがフルサイズ判の一眼レフカメラ用レンズです。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
多摩美術大学付属多摩芸術学園・写真科卒業。撮影分野は、おもにクルマを中心に人、モノ、料理、風景、スナップ、ファッション、ドキュメントなど被写体を問わない。 ほかに、カメラ雑誌などに新型カメラやレンズのテストのレポート、撮影技法などの解説をする。