マイクロフォーサーズとは?
マイクロフォーサーズとはカメラ内部にある「イメージセンサー」の規格を指します。イメージセンサーはデジタルカメラの心臓ともいえる装置で、画像をデジタル信号として捉える働きをしています。
このイメージセンサーのサイズは、各メーカーそれぞれ縦横比が異なるため、そのサイズをある程度統一するべくこうした規格が存在するのです。さらに大きいサイズに「APS-C」「フルサイズ」などがあります。
マイクロフォーサーズ・ミラーレス一眼の選び方 特徴を押さえる!
写真家でカメラ評論家でもある田中希美男さんに、マイクロフォーサーズのカメラを選ぶときのポイントについて教えてもらいました。マイクロフォーサーズシステムのカメラには安価なものから高価なものまで、幅広いラインナップがあります。どのような点に着目して商品を選べばいいのか、ぜひ参考にしてください。
マイクロフォーサーズの特徴を知ろう
マイクロフォーサーズカメラとは、フォーサーズ(Four Thirds:4/3型)の大きさのイメージセンサーを使ったコンパクトなカメラとそのシステムのことです。そのシステムの約束ごとに沿って設計、開発されたカメラが、レンズ交換式のミラーレス一眼カメラです。ボディマウントやレンズマウントのこまかな仕様などが決められていて、それに適応するカメラやレンズ、アクセサリー類であればメーカーを問わず互換性があります。一種のユニバーサル(汎用式)カメラシステムと考えればいいでしょう。
このマイクロフォーサーズシステムに参加しているおもなカメラメーカーにはオリンパス、パナソニック、ライカなどがあり、交換レンズ専用メーカーではシグマ、タムロン、コシナなどがあります。マイクロフォーサーズの規格に沿っていれば、カメラとレンズのメーカーが違っていてもなんの支障もなく使うことができます。
より小型で軽量なカメラやレンズを選ぶ
マイクロフォーサーズのミラーレスカメラは、使用されるセンサーサイズの小ささをメリットとして、レンズ交換式カメラとしては小型軽量に作られている点が特徴です。ラインナップはプロ用の機種から初心者向けや女性向けまでそろっています。
撮影機能や性能については一般のレンズ交換式カメラやレンズと同等以上のものもあります。そのため、マイクロフォーサーズの魅力のひとつである小型軽さをポイントに選んでみるといいでしょう。また、同等の機能や性能を備えたほかのレンズ交換式カメラに比べてやや低価格の機種が多いことも特徴です。
予算を抑え、よりコンパクトなカメラがほしいという人には、マイクロフォーサーズシステムのカメラが適しています。
オリンパスとパナソニックの違いを知る
オリンパスにはOM-DとPENの2つのシリーズがあり、すべての機種にボディ内手ブレ補正の機能が備わっています。さらに、OM-Dシリーズのミドルクラス以上は防塵防滴の構造になっています。交換レンズにも防塵防滴レンズ(PROレンズ)を選んで組み合わせれば、大雨大嵐の中でも気にせず撮影可能。PENシリーズのカメラはコンパクトカメラに似ています。
パナソニックはボディに手ブレ補正の機能の有無の差があります。手ブレ補正非搭載のカメラを選んだら、交換レンズは手ブレ補正の機能を備えたものがいいでしょう。静止画撮影だけでなく動画撮影にもすぐれた性能を備えているので、両方撮影したい人にはパナソニックがおすすめです。
マイクロフォーサーズ・ミラーレス一眼おすすめ5選 画素数・シャッター速度・ISO感度・ボディ内手ブレ補正の有無もチェック!
マイクロフォーサーズ・ミラーレス一眼の選び方のポイントをふまえて、写真家/カメラ評論家の田中希美男さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。マイクロフォーサーズという同じシステムをベースにした商品とはいえ、それぞれの商品ごとに特色があるため、自分がカメラになにを求めるかを考えながら、希望に合致するカメラを探してみてください。

高機能・高性能と小型・軽量を両立させたカメラ
一眼レフカメラのような外観デザインと操作性を備えた小型軽量な本格的ミラーレスカメラです。オリンパスOM-Dシリーズで、強力な手ブレ補正機能と高い防塵防滴の構造を備えた上級者向けのカメラです。
防塵防滴の構造の「PROレンズ」と組み合わせれば、どんな過酷な撮影状況でもカメラやレンズに気を使うことなく撮影に集中できます。連写機能にもすぐれていてAF(Auto Focus:オートフォーカス=自動的にピント調整をする機能)やAE(Automatic Exposure:自動露出=最適な光量をえるために環境に応じて撮影設定を自動的に調節する機能)を連動させながら最高18コマ/秒で動く被写体を撮影し続けることができます。
できるだけコンパクトなカメラ機材でフットワークよく撮影をしたいというアウトドア派の人に向いているカメラのひとつです。

多彩な撮影機能を備えたコンパクトなミラーレス一眼
OM-Dシリーズのトップクラスに位置する「E-M1 Mk II」や「E-M1X」とほぼ同等の機能と性能をもつミラーレスカメラです。カメラサイズはそれらよりも、さらに小型軽量です。高い防塵防滴の構造を持ち、強力な5軸手ブレ補正を備え、最高10コマ/秒の高速連写も可能です。
そのほか、ピントをわずかにズラしながら高速連写をし、それをカメラ内で合成してピントの深い1枚の写真に仕上げる深度合成モードやインターバル撮影、4Kでのタイムラプス動画撮影も可能。幅広い写真表現ができるアートフィルター撮影モードも備えています。すぐれた機能をもつカメラがほしい、しかし予算も抑えたいという人におすすめです。

マイクロフォーサーズ一眼のフラッグシップ機種
パナソニックのマイクロフォーサーズカメラのなかでトップに位置する機種です。ボディ内に手ブレ補正の機能を備え、手ブレ補正を搭載した交換レンズと組み合わせればハイブリッドでより強力な手ブレ補正が可能になります。
動画撮影の機能にも秀でていて4K動画はもちろん、動きの速い被写体でも滑らかな動画を可能にする高速なフレームレート(60p=秒間60コマ)での撮影モードも備えています。4Kフォトの機能を利用すれば約800万画素相当の画質で60コマ/秒の高速連写が可能で、さらに6Kフォトを選べば1800万画素相当の画質で30コマ/秒の連写も可能など、静止画も動画もワンランク上を望んでいる人におすすめです。

すぐれた撮影機能で小型軽量、スタイリッシュな一台
EVF(電子ビューファインダー)を搭載したマイクロフォーサーズ一眼には、EVFがカメラ中央部に配置されて一眼レフのようなスタイルと、ボディ左側に配置され全高を低く抑えている機種があります。GX7 MK3は後者のなかでトップ機種となるものです。
一見コンパクトカメラのようですが、中身は上級カメラ並みの撮影機能を備えています。一眼レフカメラのような外観デザインは好みでない人にはおすすめのカメラです。ボディ内に手ブレ補正の機能を内蔵させ、最高9コマ/秒の高速連写や高性能な追尾AFの機能も備わっています。内蔵EVFはチルト可能なので、二眼レフカメラのようにファインダーを覗きながらウエストレベルで撮影できます。

小型軽量、低価格なレンズキットミラーレスカメラ
明るいF値の単焦点レンズと標準ズームレンズがカメラボディとセット販売されたダブルレンズキットモデル。ボディとレンズを別々に購入するより低価格で入手できるメリットがあります。初心者が使いやすいようにシンプルな操作系と小型で軽量なカメラに仕上げられています。付属のズームレンズは24~64mm相当の画角をカバーし、単焦点レンズは50mm相当のF1.7の明るいF値のレンズで4K動画撮影もできます。
ボディカラーはブラック・オレンジ・ホワイトがあり、ブラックボディにはブラック、オレンジ・ホワイトボディにはシルバーのレンズが付属します。オレンジとホワイトのキットモデルは明るい雰囲気があります。
「マイクロフォーサーズ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする マイクロフォーサーズの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのマイクロフォーサーズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
マイクロフォーサーズミラーレス一眼に関するQ&A よくある質問
コンデジやスマホカメラとの違いは何ですか?

コンデジやスマホカメラとの違いはセンサーサイズの違いです。センサーサイズが違うと「画角」と「画質」にも影響が出ます。たとえば、iPhone7・8に使用されているセンサーサイズは「1/3型」(4.8×3.6mm)の小型センサー、コンデジが「1インチ」(13.2ミリ×8.8mm)、「マイクロフォーサーズ」(4/3型)のイメージセンサーサイズが17.3mm×13.0mm。マイクロフォーサーズとスマホとでは約3.5倍の差があります。
マイクロフォーサーズのレンズはどのメーカーが出していますか?

主にパナソニック、オリンパス、シグマ製があります。マニュアルフォーカスではKowa、Voigtländer(COSINA)製があります。ボディではオリンパス、パナソニック製があります。
マイクロフォーサーズ市場の今後について教えてください。

カメラ市場全体がフルサイズ中心に展開していく傾向にあります。現在、マイクロフォーサーズ規格を牽引するパナソニックやオリンパスがコロナ渦の影響もあり、より単価の高いフルサイズのラインナップを拡大させつつあります。マイクロフォーサーズの強みである軽さとコストをいかにアピールできるかが今後を左右すると思われます。
【関連記事】マイクロフォーサーズ・カメラに関する商品情報
マウントアダプターを用意すれば多くのレンズが使える
現在マイクロフォーサーズのレンズ交換式ミラーレスカメラを発売しているのはオリンパスとパナソニックの2社のみです。しかし、どちらのメーカーも互換性があるので、メーカーを気にすることなく選ぶことができます。カメラボディはオリンパス製、交換レンズはパナソニック製の組み合わせも可能ですし、その逆もまたしかり。また、交換レンズについては他社製を選ぶこともできます。
マイクロフォーサーズに対応していないレンズでもマウントアダプターを用意すれば(レンズによって多少の機能的な制限はありますが)マイクロフォーサーズのカメラと組み合わせることができます。そのため、フィルムカメラ時代のレンズを探してきて、それを最新型カメラでたのしむという人も多くいます。
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多摩美術大学付属多摩芸術学園・写真科卒業。撮影分野は、おもにクルマを中心に人、モノ、料理、風景、スナップ、ファッション、ドキュメントなど被写体を問わない。 ほかに、カメラ雑誌などに新型カメラやレンズのテストのレポート、撮影技法などの解説をする。