オリンパス望遠レンズの選び方 マイクロフォーサーズ規格、レンズシリーズ、コスパよくそろえるなど
それでは、オリンパス望遠レンズの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の3つ。
【1】マイクロフォーサーズシステム規格で設計
【2】オリンパスのレンズシリーズには3種類のライン
【3】オリンパス望遠系のみで交換レンズを揃える方法
上記の3つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】マイクロフォーサーズシステム規格で設計 パナソニックのカメラと交換レンズも同規格
マイクロフォーサーズ判センサー(17.3mm×13.0mm)を使用するミラーレスカメラとその交換レンズに共通した仕様がマイクロフォーサーズ規格です。同規格を採用したカメラやレンズは、同然、カメラマウントもレンズマウントもこの規格に沿って設計、製造されています。
この記事で紹介するオリンパスのレンズは、マイクロフォーサーズの規格に沿っており、また、パナソニックのカメラと交換レンズも同規格で作られています。ですから同規格のオリンパス、パナソニックのカメラとレンズは完全に互換性があります。
さらに、パナソニックだけでなくマイクロフォーサーズ規格に賛同する汎用レンズメーカーの製品であれば互換性はあります。オリンパスのカメラ用として交換レンズを選ぶときには、パナソニックの「おすすめレンズ」の項も参考にされるといいでしょう。
【2】オリンパスのレンズシリーズには3種類のライン 「PROシリーズ」「PREMIUMシリーズ」「STANDARDシリーズ」
オリンパス交換レンズのシリーズには「PROシリーズ」、「PREMIUMシリーズ」、「STANDARDシリーズ」という3つのラインがあります。
「PROシリーズ」のレンズは、優れた光学性能と防塵、防滴、耐低温の構造をそなえ過酷な撮影シーンでもつねに高画質な写真が確実に得られるように設計されています。ハードな撮影環境でと高いクオリティを追求するプロ写真家でも満足して使えるように設計されたレンズシリーズです。
「PREMIUMシリーズ」は、おもに大口径(絞り値の明るい)単焦点レンズが揃っています。高解像力な描写とともにやわらかなぼけ描写も可能な小型で軽量タイプのシリーズです。
「STANDARDシリーズ」は、おもにズームレンズがラインナップされているラインです(将来、単焦点レンズが加わる可能性もありますが)。小型で軽量な、そして手頃な価格で購入できて撮影を愉しみたいユーザーに向けたズームレンズが揃っています。
【3】オリンパス望遠系のみで交換レンズを揃える方法 手ごろな安い価格で組み合わせる方法も
オリンパスの望遠レンズも、広角レンズと同じようにズームレンズは「PROシリーズ」と「STANDARDシリーズ」にラインナップされています。いっぽう単焦点レンズは「PROシリーズ」と「PREMIUMシリーズ」にラインナップされ、現在のところ「STANDARDシリーズ」には単焦点レンズはありません。
もし自分には広角系や標準系レンズは必要ない、望遠系レンズだけでラインナップを揃えたいという希望であれば、おすすめしたい選び方は予算別にふたつあります。
ひとつめは、超望遠単焦点レンズと望遠ズームレンズの組み合わせです。600mm相当画角の「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」と、80mm~300mm相当画角の「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」の"贅沢な"組み合わせですね。
ふたつめは、手ごろな価格での組み合わせです。150mm~600mm相当画角の「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」と75mm単焦点レンズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8」とを組み合わせてみるという方法はどうでしょうか。
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望遠レンズの選び方のポイントをふまえて、写真家・カメラ評論家の田中 希美男さんに選んでもらった商品、編集部で選んだ商品を紹介します。

描写性能にすぐれた大口径望遠ズームレンズ
解像描写力が高く、とてもシャープな写りを可能にする高性能なズームレンズです。オリンパス自慢の高画質タイプで、さすがのPROレンズであると実感させられるレンズでもあります。マイクロフォーサーズのカメラを使っている方で、「良い望遠ズームがほしい」と考えているなら一番におすすめしたいズームレンズです。
80mm〜300mm相当の画角をカバーし、ズーム全域で最短撮影距離は70cmです。優れた防塵、防滴、耐低温性能を備えているので、悪条件でも気にせずに撮影が続けられます。ピントリングを前後することで瞬時にAF/MF(オートフォーカス/マニュアルフォーカス)の切り替えが可能です。オリンパスのカメラなら全てのボディに手ブレ補正の機能が備わっているので、ぶれを抑えてレンズの高い性能を充分に発揮することができます。

小型軽量な90mm相当のF1.8レンズ
とても小型で軽量、明るい中望遠レンズです。フルサイズ判換算で90mm相当で、開放F値(小さいほど明るい)はF1.8の明るさです。また、価格は3万円以下で購入できることもあります。
ちなみに、オリンパスのレンズで同じ45mmで開放F値がF1.2の『M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO』というレンズもあります。もし予算的に余裕があるようでしたら、こちらをおすすめしますが、価格はF1.8レンズの約4〜5倍します。
F1.2とF1.8では絞り値でたった一段分の差しかないので、それほど違いはありません。また、45mmのF1.8レンズは最初にも書いたとおり、シャツの胸ポケットにすっぽりと入れられるほど小型で軽量のうえに、写りはシャープです。
ぼけを生かした手軽な撮影を楽しむのであればF1.8レンズがおすすめです。シルバーとブラックのふたつのカラーモデルが用意されています。

小型で描写性能も良好な望遠レンズ
レンズの最大径が約6センチ、全長は約7センチで重さは約300グラムであり、フルサイズ判換算で150mm相当で、開放F値はF1.8と明るい望遠画角のレンズです。持ってみると中身には高性能な光学レンズがぎっしりと詰まった印象を受けます。
また、ぼけ味が美しいのがこのレンズの特徴でもあります。柔らかくてきれいなぼけ味で、画面周辺でぼけのカタチが崩れず丸くて美しいぼけ描写を可能にしてくれます。金属製の鏡枠でブラックとシルバーの二つのカラーモデルが用意されていますのでカメラボディの色に合わせて選ぶこともできます。

遠景風景から至近の虫まで自在に撮影可能
フルサイズ判換算で120mm相当の画角の望遠マクロレンズです。最短撮影距離で撮ると100円硬貨が画面からはみ出すほどクローズアップができます。その際、100円硬貨とレンズ先端部とは約10センチほどの距離があるので(これをワーキングディスタンスという)、照明を少し工夫するだけでレンズの影が画面に写り込むことなく撮影ができます。
また、レンズ鏡筒にはワンタッチで指定撮影距離や撮影倍率にセットできるダイヤルがあるので、素早く希望するクローズアップで撮影することができます。マクロレンズですので至近での描写性能は良いですが、当然ながら中距離も遠距離での撮影でも優れた描写性能を誇っています。近づいて撮影できない昆虫など小さな生き物、花壇の中の小さな草花を撮影するには最適なレンズです。

ハイコストパフォーマンスなレンズ
汎用の交換レンズメーカーであるシグマのマイクロフォーサーズ対応レンズです。56mmはフルサイズ判換算で112mm相当の中望遠レンズになります。APS-C判にも使用することができます。マイクロフォーサーズ判のカメラと組み合わせれば、カバーする画角の描写は本来のレンズが写せる画角(APS-C判画角)の周辺部をカットして、画面中央部の描写性能のいい部分だけを使うわけですから、大変に贅沢なレンズだといえます。
価格も約5万円以下で購入できることもありますから、とてもお買い得なレンズといえます。
小型で軽量設計!気軽に超望遠撮影が楽しめる
35mm判換算で600mm相当の超望遠焦点域を423gという、軽量設計かつ小型化を実現した製品です。レンズ表面にはゴーストやフレアを排除するZEROコーティングが施されており、クリアな描写性能が実現しました。スーパーEDレンズ1枚とEDレンズ2枚が使われているので、色収差も効果的に排除されます。
高速で静音のオートフォーカス「MSC機構」が採用されていて、静止画だけではなく動画撮影もスムーズに行えます。
圧倒的な機動性!スリムデザインの超望遠レンズ
超望遠レンズながら、オリンパス初のレンズ内強力手ぶれ補正機能により、三脚なしの手持ちできれいに撮影可能です。3枚使用されたスーパーEDレンズによって、最高レベル解像力を実現。
ゴーストやフレアーを大幅に抑える「Z Coating Nano」は、新コーティング技術です。最大で1.4mの距離まで近寄って、テレマクロの撮影が可能です。コンパクトかつ軽量でありながら、防滴防塵性能と耐低温性に優れた製品で、シーンを選ばず利用できます。
運動会でも使いやすい!小型の軽量レンズ
小型かつ軽量なので、フットワークよく気軽にシャッターが押せます。持ち運びもしやすく、運動会などのスクールイベント、街でのスナップ撮影などにもピッタリのレンズです。コンパクトなのに、フルサイズ判換算で300mmの本格的な望遠撮影が楽しめます。
自然なボケ味も堪能できる製品です。高速で静かなピント合わせを体現できるオートフォーカス「MSC機構」が搭載されており、静止画撮影も動画撮影もスムーズに行えます。
小型軽量なのに超望遠撮影ができる!高性能レンズ
小型で軽量なのにレンズ単体で最大800mm相当の超望遠撮影が楽しめます。ズーム全域においては最短撮影距離が1.3m、最大撮影倍率は0.57倍を実現しました。花や昆虫といった小さな被写体を捉える際に優れたテレマクロ性能を発揮します。ピント位置が異なった写真を複数撮影し、自動で合成する深度合成モードにも対応しています。
防塵防滴性能にが優れているので、色々な環境でも安心して使用できます。撮影距離によってオートフォーカスの駆動範囲を切り替えられるフォーカスリミットスイッチや、レンズ内の手ぶれ補正機構も搭載されています。
こだわりのボケの質と解像力!高い描写性能を実現
超精密な収差測定器によりこだわりの美しいボケが生み出されました。最短の撮影距離が50cm撮影倍率は0.1倍という高い接写性能を備えています。「Z Coating Nano」の使用でゴーストやフレアは大幅低減されており、高速静音なピント合わせのためのMSC機構も使われています。
随所に密封シーリングが施されており、安心の防滴防塵性能、耐低温性能によって気象条件が悪い中でも撮影可能です。フォーカスリングやL-Fnボタンといったプロ写真家対応の操作性も充実しています。
「オリンパス望遠レンズ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする オリンパス交換レンズの売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでのオリンパス交換レンズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
マウントアダプターでクラシックレンズを使ってみる 写真家・カメラ評論家からのアドバイス
オリンパスのカメラもパナソニックのカメラも、マイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラです。ミラーレスカメラはフランジバック(マウント部からイメージセンサー面までの距離のこと)がとても短いという特徴があります。ですので、マイクロフォーサーズ規格ではない他者の交換レンズでも、規格に見合ったマウントアダプターをカメラとレンズの間に接続させることによって、使用を可能にします。
現在、マイクロフォーサーズ規格に合わせたマウントアダプターはたくさんの種類が販売されています。購入の際には、カメラボディ側にマイクロフォーサーズマウントをセット、もう片方に使用しようとしているレンズが取り付けられるマウントを選ぶ必要があります。しかし、AFは作動しません。MF撮影のみであること、露出モードとしては多くのレンズで絞り優先オートやマニュアル露出での撮影はできますが、その他のモードは不可です。
【関連記事】オリンパスのミラーレスカメラおすすめはこちら
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多摩美術大学付属多摩芸術学園・写真科卒業。撮影分野は、おもにクルマを中心に人、モノ、料理、風景、スナップ、ファッション、ドキュメントなど被写体を問わない。 ほかに、カメラ雑誌などに新型カメラやレンズのテストのレポート、撮影技法などの解説をする。