オリンパス広角レンズの選び方 マイクロフォーサーズ規格、シリーズ、手ぶれ補正など
写真家、カメラ評論家の田中 希美男さんに、オリンパス広角レンズを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
マイクロフォーサーズ規格に注目! パナソニックのレンズ交換型カメラと互換性あり
写真家、カメラ評論家
オリンパスのレンズは、レンズ交換型ミラーレスカメラで使われる「マイクロフォーサーズ」という共通規格に準じて設計、製造されています。
ミラーレスの代表的なメーカーであるパナソニックをはじめ、ほかのメーカー製のカメラ、レンズでも、同規格準拠であれば互換性があり、取り替えて使えるのがメリットです。
したがって、オリンパスのカメラ用に広角レンズを選ぶなら、パナソニック製などほかのメーカーを含め、マイクロフォーサーズ規格かどうかに注目するといいでしょう。
オリンパス『M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO』
オリンパス製のマイクロフォーサーズ規格の広角ズームレンズです。
>> Amazonで詳細を見るほしいと思ったレンズをシリーズから選ぶ 「スタンダード」「PRO」「PREMIUM」
写真家、カメラ評論家
オリンパスの広角レンズには「スタンダード」、高画質を誇る「PRO」、単焦点にこだわった「PREMIUM」があります。もちろんシリーズでそろえる必要はなく、自分にとって最適だと思うレンズをチョイスすればOKです。
たとえば、スタンダードシリーズの超広角レンズとPREMIUMシリーズの単焦点レンズ、PROシリーズの手ぶれに強い高画質レンズを組み合わせたり、単焦点だけ高画質にこだわって選んだりもアリです。また、マイクロフォーサーズシステム規格のほかのメーカーのレンズを選ぶのもいいでしょう。
オリンパス『M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0』
PREMIUMシリーズの単焦点レンズ。撮影シーンで好みのレンズを使ってみてください。
>> Amazonで詳細を見る手ぶれ補正機能が備わっているものを選ぶ オリンパス製のカメラ&レンズがおすすめ
写真家、カメラ評論家
オリンパスのカメラ本体に手ぶれ補正機能が備わっているため、オリンパスの広角レンズは手ぶれ補正機能(IS)を内蔵していないものがほとんどでした。しかし、最近は手ぶれ補正機能を内蔵したオリンパス製レンズが増加中です。
レンズとカメラ本体の手ぶれ補正を同時に作動させると、補正効果を向上させられますが、実はレンズ側ISとカメラボディ側ISの動作を完全にシンクロさせるのは技術的に難しく、世界で初めて実現したのがオリンパスなのです。現在もオリンパス製のレンズとカメラの組み合わせに限定された技術です。
したがって手ぶれが気になるなら、オリンパス製のカメラとオリンパス製の広角レンズの組み合わせがなんといってもおすすめです。
オリンパス広角レンズのおすすめ11選 単焦点からズームレンズ、超広角レンズまで、安い商品も
うえで紹介したオリンパス広角レンズの選び方のポイントをふまえて、写真家、カメラ評論家の田中 希美男さんに選んでもらったおすすめ商品、編集部で選んだ商品を紹介します。

オリンパス『M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO』


























出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 11群14枚、7枚(円形絞り) |
---|---|
最小絞り | 2.8:0.191~0.211 |
最短撮影距離 | 20cm |
最大撮影倍率 | 0.12倍(35mm判換算0.24倍相当) |
フィルター径 | - |
最大径×長さ、重さ | 78.9×105.8mm、534g |
手振れ補正 | - |
クローズアップ撮影にイチ推しの広角レンズ
「PROシリーズ」の広角ズームレンズ。マイクロフォーサーズ規格の広角ズームレンズのなかでは、このレンズがイチ推し! ちょっと価格は高めですが、価格以上のすぐれた性能を備えています。
フルサイズ判換算で14~28mm相当という超広角画角をカバー。開放F値はF2.8で、どれだけズームしても変化しないコンスタントF値レンズとなっています。また、防塵防滴、耐低温仕様となっているので、厳しい撮影条件下でも気にせず使えるところも魅力。
実は私の愛用レンズの1本でもあるこちら。被写体まで約7.5cmという至近距離でも撮影できるので、広角レンズならではの強い遠近感を生かしたクローズアップ撮影にぜひ使ってみては。

オリンパス『M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO』
























出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 11群15枚、9枚(円形絞り) |
---|---|
最小絞り | 1.2:0.199~0.201 |
最短撮影距離 | 20cm |
最大撮影倍率 | 0.15倍(35mm判換算0.3倍相当) |
フィルター径 | 62mm |
最大径×長さ、重さ | 68.2×87mm、390g |
手振れ補正 | - |
広角レンズとは思えない、美しいぼけ味が魅力
開放F値がF1.2と、明るさが際立つオリンパスの単焦点レンズです。フルサイズ判換算で34mm相当の広角画角。高性能の「PROシリーズ」とあって、ピントとリングを前後にスライドするだけでAFとMFを瞬時に切り替えられる、レンズ鏡筒は耐久性にすぐれた金属製など、細部までしっかり作りこまれています。
もちろん、描写性能も秀逸! 被写体まで約10cmの至近距離での撮影が可能で、絞り値F1.2で撮影すれば広角レンズと思えないほど背景を大きくぼかすこともできます。エッジ部分が強調される2線ぼけ、エッジ部分が溶けるにじみぼけとちがい、やわらかく均一にぼけるため、立体感あるナチュラルなポートレート写真が撮れます。

オリンパス『M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0』








出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 8群11枚、7枚(円形絞り) |
---|---|
最小絞り | 2:0.195~0.205 |
最短撮影距離 | 20cm |
最大撮影倍率 | 0.08倍(35mm判換算 0.16倍相当) |
フィルター径 | 46mm |
最大径×長さ、重さ | 56×43mm、130g |
手振れ補正 | - |
小型軽量ながら超優秀な単焦点レンズ
オリンパスの「PREMIUMシリーズ」を代表する単焦点レンズで、「PROシリーズ」に匹敵するほどの実力を備えていると評判です。実際に私も使っていますが、レンズサイズからは想像もつかないほど優秀です。
レンズサイズを小型化しながらも、すぐれた描写性能をキープ! フルサイズ判換算で24mm相当の画角をカバーしており、ピントリングをスライドするだけでAFからMFに切り替わり、手動ですばやくピント調整できます。
このレンズでぜひ試してほしいのが、近くから遠くまで画面全体にピントの合ったパン・フォーカス写真。撮影距離3mの位置に被写体をセットしてF8に絞り込んで撮影してみましょう。かんたんに美しい風景写真が仕上がりますよ。

オリンパス『M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6』




出典:楽天市場
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 8群12枚、7枚(円形絞り) |
---|---|
最小絞り | - |
最短撮影距離 | 25cm |
最大撮影倍率 | 0.1倍(35mm判換算 0.2倍相当) |
フィルター径 | 52mm |
最大径×長さ、重さ | 56.5×49.5mm、155g |
手振れ補正 | - |

シグマ『16mm F1.4 DC DN』










出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 13群16枚、9枚 (円形絞り) |
---|---|
最小絞り | F16 |
最短撮影距離 | 25cm |
最大撮影倍率 | 1:9.9 |
フィルター径 | 67mm |
最大径×長さ、重さ | 72.2×92.3mm、405g |
手振れ補正 | - |
シグマ製広角レンズで高画質をかんたんに
さまざまなカメラメーカーの汎用交換レンズを手がける「シグマ」による広角レンズ。マイクロフォーサーズ規格なので、オリンパス製カメラにも使えます。
マイクロフォーサーズ用フルサイズ判換算で32㎜mm相当の画角で、開放絞り値はF1.4からと能力はじゅうぶん。マイクロフォーサーズ判センサーよりふたまわりほど大きなAPS-C判センサーのカメラにも対応するので、マイクロフォーサーズ規格のカメラでは画面中央部だけを使います。レンズは画面中央ほど解像力もコントラストも向上するので、このレンズをオリンパスのカメラで使うのは贅沢なことと言えます。
当然ながら写真の仕上がりはピカイチ! リーズナブルに高画質な写真を撮りたい人におすすめです。

コシナ VoightLander(フォクトレンダー)『NOKTON 10.5mm F0.95』

出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 10群13枚、10枚 |
---|---|
最小絞り | F16 |
最短撮影距離 | 17cm |
最大撮影倍率 | 1:8.2 |
フィルター径 | 72mm |
最大径×長さ、重さ | 77.0×82.4mm、585g |
手振れ補正 | - |
マニュアルフォーカス専用 F0.95の明るい広角
ドイツで18世紀中期から続く名門光学メーカー「VoightLander(フォクトレンダー)」ブランドのマイクロフォーサーズ規格レンズ。
AF機能を備えないMF専用レンズで、フルサイズ判換算で21mm相当の画角になります。最短撮影距離は17cm。レンズ全長が約8cmなので、レンズ先端から10cmそこそこの至近距離で撮影可能です。
そして、『NOKTON(ノクトン)10.5mm』レンズの特長は、なんといっても開放F値がF0.95であること。絞り値F1.4よりワンランク以上も明るいF値なので、ぼけを生かした撮影が容易にできます。AFに頼らず自分でピントを合わせ、ていねいに撮りたいこだわり派に使ってほしいレンズです。
オリンパス『M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8』














出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 6群9枚、7枚(円形絞り) |
---|---|
最小絞り | F22 |
最短撮影距離 | 0.25m |
最大撮影倍率 | 0.08倍(35mm判換算 0.16倍) |
フィルター径 | Ø46mm |
最大径×長さ、重さ | Ø57.5mm x 35.5mm/120g |
手振れ補正 | なし |
オリンパス『M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ』

出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 7群8枚、5枚(円形絞り) |
---|---|
最小絞り | F22 |
最短撮影距離 | 0.2m(焦点距離14mm)/0.25m(焦点距離42mm)/ 一部ズーム中間域 0.29m |
最大撮影倍率 | 0.23倍(35mm判換算0.46倍相当) |
フィルター径 | Ø37mm |
最大径×長さ、重さ | Ø60.6×22.5mm/93g |
手振れ補正 | なし |
オリンパス『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO』
















出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 9群14枚、7枚(円形絞り) |
---|---|
最小絞り | F22 |
最短撮影距離 | 0.2m |
最大撮影倍率 | 0.3倍(35mm判換算 0.6倍相当) |
フィルター径 | Ø62mm |
最大径×長さ、重さ | Ø69.9×84mm/382g |
手振れ補正 | なし |
ズーム全域F2.8小型プロ仕様の各種受賞レンズ
ズーム全域F2.8の明るさを備えた、重さとサイズのバランスがよいズームレンズです。プロ仕様の防塵設計と共に、防滴カメラと組み合わせたときには、保護等級1級(IPX1)の防滴機能が最大に発揮されます。ゴーストやフレア対策のために施されたレンズ表面のZEROコーティングが、不要な光を排除しクリアな画像を描き出します。
AF中にフォーカスリングを手前に引くと、瞬時にMFに切り替わる「MF(マニュアルフォーカス)スクラッチ機構」が搭載されており、イメージ通りのピントに素早く切り替えできます。世界の専門誌団体によるEISAや、日本のグッドデザイン賞を受賞し高い品質が評価されています。
オリンパス『M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO』
























出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 11群15枚、9枚(円形絞り) |
---|---|
最小絞り | F16 |
最短撮影距離 | 0.2m |
最大撮影倍率 | 0.15倍(35mm判換算0.3倍相当) |
フィルター径 | Ø62mm |
最大径×長さ、重さ | Ø68.2×87mm/390g |
手振れ補正 | なし |
オリンパス『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO』


















出典:Amazon
レンズ構成、絞り羽根枚数 | 11群17枚、7枚(円形絞り) |
---|---|
最小絞り | F22 |
最短撮影距離 | 0.15m(Wide) / 0.45m(Tele) |
最大撮影倍率 | 0.3倍(Wide) / 0.21倍(Tele) |
フィルター径 | Ø72mm |
最大径×長さ、重さ | Ø77.5 x 116.5mm/561g |
手振れ補正 | 5軸シンクロ手ぶれ補正 |
「オリンパス・広角レンズ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする オリンパス・広角レンズの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのオリンパス・広角レンズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
マウント(変換)アダプターで使えるレンズも カメラ評論家からのアドバイス
写真家、カメラ評論家
オリンパス製カメラに使える広角レンズは、同じオリンパス製のほか、マイクロフォーサーズ規格に準じたパナソニックやほかのメーカーなどいろいろあります。マイクロフォーサーズ規格ではない交換レンズであっても、マウント(変換)アダプターを使用すれば使えるレンズもたくさんあります。ただし、マウントアダプターを使用した場合はAFでは作動せず、カメラにあらかじめ設定された撮影モードのほとんどが使えないのでご注意を。
広角レンズが気になったら、オリンパスのカメラで使えるかどうか、まずは規格やマウントアダプターの有無を調べてください。レンズによって異なる、多彩な撮影を楽しんでください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2019/12/16 コンテンツ追加・修正と価格を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 花島優史)
多摩美術大学付属多摩芸術学園・写真科卒業。撮影分野は、おもにクルマを中心に人、モノ、料理、風景、スナップ、ファッション、ドキュメントなど被写体を問わない。 ほかに、カメラ雑誌などに新型カメラやレンズのテストのレポート、撮影技法などの解説をする。