ニコン望遠レンズの選び方を紹介
ニコン望遠レンズの選び方を紹介します。レンズ、モーター、絞りのタイプなどポイントを解説します。あなたのニコン製カメラと、被写体にピッタリの望遠レンズが選べるよう、ぜひ解説を役立ててください。
ニコンのレンズは「FX」と「DX」2種類のフォーマットがある
「FX」はフルサイズ、「DX」はAPS-C判用
ニコンの一眼カメラとレンズには2つのグループがあります。
(1)フルサイズ判一眼レフカメラとそれに対応したレンズ
(2)APS-C判一眼レフカメラとレンズ
ニコンではフルサイズ判を「FX」、APS-C判を「DX」とよんで区別をしています。つまり、レンズ名を見てDXの記号のあるものはAPS-C判カメラ用、ないものはすべてフルサイズ判カメラ用です。
フルサイズ判もAPS-C判もレンズは同じFマウントで、制限はありますが相互で使用可能です。
焦点距離で選ぶ APS-Cはフルサイズの1.5倍の焦点距離
こちらのレンズの場合、「55-300mm」の部分が焦点距離を表す。50mm前後が、人間の視界に近いいわゆる標準域のレンズ。つまり、標準域から望遠域までをカバーしたレンズを意味する。
レンズに表記されている~mm~mmといった数字が焦点距離です。この距離で画角(写すことができる範囲)が決まります。人の目は画角でいうとおよそ50mm前後の「標準」レンズに近い画角といわれています。35mm以下は、より広い範囲を写すことができる「広角」、反対に、85~105mmを中望遠、135~300mm程度までが望遠といわれ、400mm以上のものは超望遠レンズと呼ばれています。
ボケを活かした撮影や、暗所撮影などはフルサイズ判のほうが有利な場合が多いですが、手持ち撮影、野鳥や航空機などの望遠撮影には、コンパクトなAPS-Cはとても便利。
撮影シーンに合わせて、焦点距離にも注目してみましょう。
焦点距離と画角の関係|70mm~600mmで比較
焦点距離とは、レンズの中心からカメラ内部のイメージセンサー(撮像素子)までの距離のことを指します。レンズに記されている「~mm」の数字はその距離を示しています。その数字(距離)によって画角(写せる範囲)が変わってきます。
明るさか画角変更のしやすさで選ぶ
中望遠域のレンズは、被写体が人物のポートレート撮影で大活躍。きれいなボケ味を出すことができ、かつ明るいレンズなので、暗い環境でもより多くの光量を取り込むことができる。
明るい単焦点レンズ・画角変更に便利なズームレンズ
レンズには焦点距離が固定式の「単焦点レンズ」と、範囲内で焦点距離を変えられる「ズームレンズ」があります。
単焦点レンズは開放の明るい大口径レンズが多くあります。ズームレンズに明るいものは多くはありません。F値の明るいレンズを望むなら単焦点レンズがおすすめです。
しかし、単焦点レンズには便利さとスピーディーさはありません。その点ズームレンズはかんたんに望みの画角に変えられます。とくに望遠系レンズでは、ズームレンズの便利さを実感することができます。
少し前は単焦点レンズとズームレンズとでは描写性能にかなりの違いがありましたが、最近はレンズ設計技術が向上して大きな「差」は少なくなりました。
単焦点かズームかで選ぶ 花? 風景? 望遠レンズで何を撮る
中望遠域のレンズは別名「ポートレートレンズ」と呼ばれるほどきれいなボケを描写してくれる。さらに、単焦点のF値の明るさが加われば、それはもうポートレートのためのレンズと言わんばかり。
望遠レンズには、単焦点レンズとズームレンズがあります。
単焦点レンズは、焦点がひとつ(単)のレンズです。明るさ以外にも、小さい、ボケがキレイなどが特徴。単焦点はポートレート、風景などの撮影に向いています。
ズームレンズは、画像をかんたんに拡大縮小できるレンズです。動物、スポーツなどの撮影に向いています。
撮りたいシーンや被写体に合わせて、単焦点かズームかにも注目してみましょう。
オートフォーカスのモーター・絞りのタイプはそれぞれ3種類ある
ステッピングモーターを採用した「AF-Pレンズ」は高速かつ静粛なピント合わせが可能。さらに、望遠レンズにぜひほしい手振れ補正機能「VR」を搭載。防塵防滴設計も備わり大変優秀。
カメラに合わせて互換性のあるレンズを選ぼう
ニコンのレンズ名には記号がついていますので解説します。
レンズ名に「AF/AF-S/AF-P」KW (発売年が古い順)などの記号があります。これはオートフォーカスの駆動用モーターの種類です。
「AF」は一般的なマイクロモーター、「AF-S」は超音波モーター、最近登場した「AF-P」はステッピングモーターです。
新しいものほどAF動作音(ピントを合わせるためにレンズ内のモーダーが駆動する音)が静かです。ただし、互換性がないカメラもありますので注意が必要です。
商品名の絞り値の横に表示されている「D/G/E」(発売年が古い順)などの記号は絞りのタイプをあらわしています。古いカメラボディなどはDタイプでないと使えないものもありますので注意です。
「VR」はレンズ内に手ぶれ補正の機能を備えたレンズのことです。
サイズや価格もチェック シーンに合ったサイズ・予算に合った価格のレンズを
望遠レンズは性能によって価格も上昇します。プロカメラマンに愛用されているニコン製望遠レンズひとつは、200万円を超える価格です。
また、望遠レンズは、サイズが大きく重いレンズが数多くあります。三脚に固定して使うのであれば、ある程度の大きさや重量があっても大丈夫ですが、手持ち撮影では不便なことも。
望遠レンズを選ぶ際は、予算と性能、サイズなどもチェックして、無理なく使える商品を選びましょう。
最短撮影距離で選ぶ
最短撮影距離0.5mまで被写体に近づくことができる。遠くの被写体を狙うことはもちろん、近くから煽るような迫力ある写真まで撮れる。
最短撮影距離とは、どこまで被写体に近寄れるかを表す数値です。最短撮影距離を超えてしまうと、ピントが合わなくなってしまいます。最短撮影距離が短い広角レンズに対して、望遠レンズは長くなります。
ニコン望遠レンズのおすすめ13選 スポーツ撮影に
ここからはニコン用の望遠レンズを13点紹介します。持ち運びに便利な軽量タイプ、ユーザー満足度の高い超望遠など、お手持ちのニコンカメラにマッチする商品を見つけてください。

人物撮影やスナップ撮影に重宝される中望遠単焦点
ニコンのフルサイズ判(FX)一眼レフ用交換レンズです。85mmの中望遠レンズで、代表的なポートレートレンズでもあります。
私たちが目で見る遠近感にたいへんに近い自然な描写をするレンズであること、人物撮影をするときに近づきすぎず離れすぎずの最適な「間合い」で撮影できることなどがポートレートレンズと言われるゆえんです。
F1.8の開放F値は狙ったところに正確にピントを合わせると、その前後のぼけ味がとてもナチュラルに描写されます。
レンズのサイズも適度な大きさですし、スナップ撮影にも利用できる万能レンズと言えるでしょう。
手軽な撮影をたのしみたい人には、ぜひ常備しておいてほしいレンズです。

定番300mm単焦点の高い描写性能
ニコンのフルサイズ判(FX)一眼レフ用望遠レンズです。焦点距離300mmレンズは望遠レンズとして「定番」でもあります。
最近では300mmまでカバーするズームレンズが手ごろな価格で出ていますが、そうしたズームレンズに比べて単焦点レンズが勝っている点がいくつかあります。そのひとつが描写性能です。
ズームレンズは備えている多焦点でほどほどの性能を維持しなければなりませんが、単焦点レンズはひとつの焦点距離に全力を注いでレンズ設計されます。
比べれば、やはり単焦点レンズの写りに軍配があがります。高い描写性能を求める方におすすめのレンズです。
望遠撮影初心者も楽しく使える
ニコンフルサイズ(FX)一眼用、Eタイプの超望遠ズームレンズです。
すぐれた手ブレ補正機能を搭載。野鳥撮影や飛行機撮影に向いた、超望遠撮影初心者も扱いやすいレンズです。
Eタイプのレンズは、D2、D1シリーズなどの使用できないカメラ、D4、D3Xなどバージョンアップが必要なカメラがあるので、注意しましょう。

フルサイズ一眼用、望遠ズームでも軽い
ニコンのフルサイズ判(FX)一眼レフ用交換ズームレンズです。
ニコンには「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR」という似たスペックのレンズがありますが、そちらはAPS-C判カメラ用のレンズです。
約680グラムという軽量が特徴で、望遠ズームでありながら持ち運びに利点があります。
F値がF4.5~5.6と少し暗めですが、シャッタースピード換算で最大4.5段分もの補正効果のある手ぶれ補正(VR)を搭載してますのでF値の暗さをカバーしてくれます。
高速で静かなAF、ズーム全域で1.2メートルの近距離までピントが合わせられる、防塵防滴への配慮もされています。

APS-C用の低価格望遠ズーム
ニコンのAPS-C判(DX)一眼レフカメラに対応したズームレンズです。
フルサイズ判換算で82.5mm~450mm相当の望遠画角をカバー。最短撮影距離はズーム全域で1.4メートルまで。手ぶれ補正はシャッタースピード換算で最大3段分の効果があります。
小型軽量で低価格な望遠ズームレンズをお探しの方におすすめの一品。
似たレンズでフルサイズ判(FX)対応の「AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR」があります。
ニコンレンズはFXレンズでもAPS-C一眼レフに使用することができますので、もしフルサイズ判とAPS-C判の一眼レフをお使いなら購入時に選択肢にいれておくといいでしょう。
三次元ハイファイな中望遠単焦点レンズ
ニコンフルサイズ版(FX)一眼レフ用の、中望遠単焦点レンズです。ニコン独自の三次元的ハイファイ(高再現性)を採用しています。
使い道は、ポートレート、スナップ、風景など。ポートレートでは、ピントのあっている部分は高い解像度でくっきりと、周囲はなだらかなボケ感で奥行きを感じる撮影が可能です。
ズーム全域で高画質を実現
スーパーEDレンズを採用し、ズーム全域で高画質を実現できる、フルサイズ判(FX)一眼用レンズです。焦点距離80mmから超望遠400mmまでをカバーしています。
VR(手ブレ補正)つき5倍ズーム、クラス最高レベルのAF速度などの機能を搭載。野生動物や野鳥、光量の少ない夕景の鉄道撮影などに活躍するでしょう。
旅先の瞬間を逃さないトラベルレンズ
高倍率ズームレンズにもかかわらず小型で、軽量約570gのレンズです。広角24mmから望遠200mmまで、どんなシーンにも対応でき、最短撮影距離0.5mで、テーブルの上の料理や植物、花まで幅広く撮影可能です。
小型でありながら高い描写力を備えたレンズです。
まるで目の前にあるかのような繊細さと美しさ
子供の運動会での姿や旅行先での移動中など、写真を撮ってもブレや色にじみが心配なことは多いですよね。遠くの人や景色を写したいとき、このレンズは特に力を発揮します。VR機構を搭載していて、手ぶれ補正により動きながら、また動いている被写体を精密に描写することが可能です。
小型のレンズであるため軽く、持ち運びもしやすいので快適な撮影ができます。望遠レンズの中では比較的安価な製品ですので、お財布にも優しい製品です。
広角から望遠まで幅広くカバーする小型レンズ
「遠くのものも撮りたいけど、近くのものも撮りたい。」そんな要望に応えるのがこの製品です。広角から超望遠まで、あらゆる距離をこれ一つで撮影可能にし、マルチな場面において活躍します。また、小型軽量レンズであるため携帯しやすく、旅行中でも持ち運びやすくなっています。
EDレンズ搭載による優れた光学性能が、透明感のあるシャープな描画を可能にしています。手ぶれ補正もあるため、動きながらでも快適に撮影できます。
激しい動きも細かく描写するアウトドア向きレンズ
「踊る人」や「流れる滝」。この製品はそのような「激しく動く被写体」を細部まで描写することに長けています。1/1600秒の素早いシャッタースピードが、一本一本の髪の毛や飛び跳ねる水しぶきまで正確にとらえます。動きの大きいアウトドア向きのレンズです。
また、シャッタースピードを変更すれば陰影のあるマクロな風景の撮影や、高い解像力が高画質での撮影も可能に。三脚なしでも、手ぶれ補正によりパワフルな描画ができます。
遠くのものも精密に写す高性能レンズ
高倍率のズームレンズにより、近くのものから遠くのものまで幅広く撮影でき、かつ細部まで繊細な描画を可能にしています。また小型で軽量タイプなので持ち運びにも優れ、長時間の使用も手が疲れにくく、ストレスなく行えます。
ブレ軽減効果の高いVR機構を用いた手ぶれ補正により、動きながらでもダイナミックかつシャープな描写ができ、高い臨場感を一枚の写真に写せます。これ一つで、幅広い場面をカバーできる高性能な望遠レンズです。
立体的な陰影と繊細さが描写するシャープな臨場感
美しい風景を撮りたいとき、この製品のもつ遅いシャッタースピードは写真全体の陰影を際立だせてくれます。色収差を抑えることで詳細なディテールが表現され、幻想的な写真に仕上げることが可能です。高性能な手ぶれ補正で、大事なシャッターチャンスを確実にとらえることが可能に。
絞りや焦点距離を調節することで、背景にぼかしを入れ被写体のみをくっきりと表せます。多彩なシーンにおいて活躍し、手軽に高画質な美しい写真を撮れるレンズです。
【番外編】サードパーティーの望遠レンズ4選 他社製ニコンマウントレンズ!

望遠側でも一定F値1.8! 凄腕ズーム
APS-C判一眼レフカメラ対応のシグマ製DCズームレンズです。
75mm~150mmとズーム比は約2倍程度ですが開放F値がF1.8という大口径レンズ、それにズーミングしてもF値は一定で変化しません。単焦点レンズなみのスペックです。
たとえば、85mmF1.8、100mmF1.8、135mmF1.8といった定番レンズ3本を1本のレンズで間に合わせることができるというわけです。このようなスペックを備えたズームレンズはほかに見あたりません。
最短撮影距離は95センチですから、F1.8開放絞り値で至近距離の撮影をすればズームレンズとは思えない大きなぼけ味をいかした写真を撮ることもできます。

ユーザー満足度が高い超望遠ズーム
150mmから超望遠の600mmまでをカバーするニコンフルサイズ判(FX)一眼レフ用のタムロン製望遠ズームレンズです。
レンズ名にある「G2」とは、同じスペックで発売していたズームを改良して性能を向上させた2代目レンズという意味。
初代の150~600mmも併売されていますが、せっかく購入するなら2代目をおすすめします。
ニコンのAPS-C判一眼レフにも使用でき、フルサイズ判換算で225mm~900mm相当の超望遠ズームとなります。
実際、そうして使っているユーザーが多く、野鳥や飛行機、レーシングカーの撮影をする人たちに人気だそうです。
コスパにすぐれた超望遠レンズ
ニコンフルサイズ判(FX)一眼用の、シグマ製超望遠ズームレンズです。「気軽に超望遠レンズを」との構想のもとに開発され、コンパクトでコスパがよく、ズーム全域で画質が高いです。。
繊細な風景写真、カーレースなどの撮影に向いています。ボディを変えてもレンズを使えるマウント交換サービス(有償)も魅力です。
手ブレ補正・インナーズームで安定感バッチリ
タムロンSP 70-200mm F/2.8 (Model A009)を改良した大口径ズームレンズです。5段手ブレ補正、インナーズーム構造なども備えており、構え方も安定します。
手持ち撮影、窓越しの風景撮影、金網越しの動物撮影にもピッタリ。ニコン用のフルサイズ判(FX)仕様です。
「ニコン・望遠レンズ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ニコン・望遠レンズの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのニコン・望遠レンズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ニコン望遠レンズに関するQ&A よくある質問
中望遠レンズが「ポートレートレンズ」と呼ばれるのはなぜですか?

85~100mmあたりの中望遠域がポートレート(人物)に最も適した画角で撮れる焦点距離だからです。中望遠は標準ほど広く背景は写せませんが、望遠ほど狭すぎず、適度に周囲の様子が伝わります。風景の雰囲気を残しつつ人物を撮影するのに適した「画角」なのです。運動会やスポーツ撮影にも最適です。
【関連記事】ニコン望遠レンズに関するそのほかの商品
ニコン望遠レンズを使用する際の注意点 写真家からのアドバイス
レンズ選びはカメラとの互換性を要チェック
ニコンはたいへんに歴史の古いカメラメーカーで、一眼レフカメラの「Fマウント」はそのまま続いています。古いレンズでも、最新型一眼レフカメラに取りつけて使えるレンズもたくさんあります。
しかし、長い歴史の間にカメラもレンズもどんどん進化し、「互換性」の問題が出てきました。レンズとカメラを組み合わせて使用するときにもっとも注意しなければいけない点です。
レンズとカメラとの互換性については大変に複雑で、ニコンのホームページに一覧表がありますが、すぐにはわかりづらいでしょう。確実な方法はニコンのカスタマーサポートセンターに問い合わせて確認することです。
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