パススルー対応のモバイルバッテリーとは?
パススルー対応モバイルバッテリーとは、本体に充電をしながら接続している機器へ給電し、モバイルバッテリーとスマホなどの接続機器を同時に充電が出来る製品を指します。
未対応製品の場合、ACアダプター-モバイルバッテリー-スマホのように接続するとモバイルバッテリーが満充電になる、もしくはACアダプターから外さない限りはスマホに給電されませんが、パススルー対応であれば両方を同時に充電することが可能です。
外出先でモバイルバッテリーとスマホのバッテリーが少なくなっている場合やスマホの充電器が壊れて緊急で充電が必要な場合などにも使いやすいため、使用の幅が広がると言えます。
パススルー対応モバイルバッテリーは発熱に注意!
一見するとメリットしか無いように感じるパススルー対応モバイルバッテリーですが、通常のモバイルバッテリーに比べて発熱量が多いという点がデメリットとして挙げられます。充電と給電の両方を同時にこなすため、どうしても普通のものよりも電力のやり取りが増えてしまうのが主な理由です。
機構上仕方ないデメリットではあるものの、かなりの高温になってしまい長時間そのままだと低温火傷や熱暴走を引き起こしてしまう可能性も。長時間の利用は避けたり、どちらかが満充電になったら一旦電源から外すというような工夫が必要です。
パススルー対応モバイルバッテリーの選び方
それでは早速パススルー対応モバイルバッテリーの選び方について見ていきましょう。ここでは5点のポイントに絞って解説します。
容量選びで迷ったら、10,000mAh以上を!
一昔前のモバイルバッテリーは2-3,000mAh程度しか容量が無いものが多くありましたが、最近だと5,000mAh以上が主流になっています。中でも10,000mAhを超えるようなものであればiPhoneであれば2.5回以上、その他スマホであれば2回程度の満充電を行うことができます。10,000mAhを一つの基準にしながら選択すると良いでしょう。
複数ポートを搭載していると便利!
スマホの他にもタブレットやスマートウォッチ、その他周辺機器などに同時に給電したい場合は複数のポートを備えているものを選びましょう。同時に接続を行うことにより、より効率的に充電を行うことができます。小容量のものであれば1~2個程度、大容量のものであれば3個以上のポートを持つものもあります。
また、「すべてのポートの合計出力容量」も重要です。いくらポート数が多くても合計出力数が低いと充電に時間がかかり、急速充電が出来ません。スマホであれば急速充電の目安は2.4A以上のため、一口あたり2.4A以上を出力できる製品を選ぶと良いでしょう。
持ち運ぶなら、サイズや重量をチェック
モバイルバッテリーはもちろん持ち運んで使用するということが大半です。なので、出来るだけコンパクトで軽いものが好適ではあるものの、あまり軽すぎると今度は容量や充電速度などが心もとなくなってしまうという弊害があります。
10,000mAhであればおよそ200g前後、20,000mAhであればおよそ350g前後のものが多いため、実際に触ったり同じ重さのものをカバンに入れて持ってみたりしてシミュレーションを行っておくと良いでしょう。
過熱防止機能がついていると安心!
記事冒頭で、デメリットの部分でパススルー対応モバイルバッテリーは発熱しやすいと述べましたが、一定の温度以上にならないように出力を調整する「過熱防止機能」が付いていると安心して使用できます。
この機能がついていないと際限なく本体温度が上がり、火傷や発火などの事故に繋がってしまうおそれがあります。もちろん過熱防止機能が付いているからと過信して高温になる場所に放置したり長時間の使用を行ったりなどは避けましょう。
残量表示機能付きならひと目で確認できる!
モバイルバッテリーの中には現在のバッテリー残量に応じてランプの色や点滅状態が変わったり、液晶が付いていてそちらを見れば残量が%表示されていたりなど残量がすぐに分かるようになっているものがあります。
こういった製品であればあとどの程度使用できるのかということが一目瞭然なため、利便性が高いと言えるでしょう。そういったランプを利用して手元灯としても使えるようにしているモデルもあります。
パススルー対応モバイルバッテリーの人気メーカー
ここではパススルー対応モバイルバッテリーの中でもとくに人気のあるメーカー3社の特徴をご紹介します。
Anker (アンカー)
AnkerはGoogleで働いていた数名を中心として2011年に設立された中国のメーカーで、主にモバイルバッテリーやスピーカー、イヤホンなどを中心に展開しています。
Ankerの製品はコスパが高く、低価格帯でも大容量のバッテリーやPD対応のものなども少なくありません。また、ECサイトなどでのレビューやカスタマーの声を直接開発チームが確認し、迅速に問題点を解決する「Direct to Customer」方式も有名です。
ELECOM(エレコム)
ELECOMは1986年に大阪で設立された老舗の大手PC周辺機器メーカーです。マウスやキーボード分野では国内でもトップシェアをほこっており、販売している商品数は型番ベースでおよそ17,000点で年間4,000点以上が開発され、3-4年の周期ですべての製品が入れ替わるようになっているのが特徴。
その中でモバイルバッテリーも数多く手掛けており、デザイン性よりコスパと機能性にこだわった製品が多く輩出されています。
Maxell(マクセル)
元々は日立グループの記録メディアブランドとして1961年に設立された企業でしたが、2017年に独立し、現在はマクセル株式会社として乾電池やモバイルバッテリー、DVDなどの記録媒体を制作しています。
急速充電に対応したモデルやマグネット式の吸着パッドを採用したモデル、カラーバリエーション豊富な製品などユニークな製品ラインナップが特徴。家電量販店などでも多数展開されているので、手に入りやすいのもメリットと言えます。
パススルー対応モバイルバッテリーのおすすめ10選
急速充電対応で、ノートPCにも使える!
AnkerのUSB急速充電器とモバイルバッテリーの利便性を組み合わせたフォルムが特徴の売れ筋モデルです。充電器として45W、モバイルバッテリーとして20Wの大容量出力をほこり、超高速での急速充電に対応。
スマホだけでなく小型のノートPCなどにもしっかりと充電できる頼もしい性能をしています。約0.03秒に1回行われる温度管理チェックにより、安全性が高いという点も見逃せません。
簡易的なスタンドとしても動画視聴に便利!
Ankerのマグネットを搭載した小型のモバイルバッテリーです。強力なマグネット式ワイヤレス充電を行うことができ、約900gまでの重量に対応。
主にiPhoneなどを充電する際に大活躍してくれます。折りたたみ式のスタンドを備えているので、簡易スマホ立てとしても利用することが可能。横置きで動画視聴やゲームなどを充電しながら行えます。
高級感のあるデザインがアクセント
10,000mAhという大容量でありながら4,000円以下という低価格を実現させたELECOMのパススルー対応モバイルバッテリーです。USB-Cポートは20WのPD出力に対応しているため、急速充電を行うことが可能。
USB-Aポートも最大で12Wの出力となっているため、充電能力は申し分ありません。革をあしらった高級感のあるデザインとなっており、外で出して使用しやすいのもメリットです。
LEDライト搭載で災害時にも活躍
日本のPC周辺機器メーカーであるオーム電機から販売されている大容量モバイルバッテリーです。とくに急速充電の規格に対応してはいませんが、USB-Aポートを2口搭載しているため、機器2つを同時に充電することが可能。
コスパに優れており、2,000円台で購入できるというのは大きな魅力と言えるでしょう。本体中央に明るいLEDライトを搭載しており、災害時の懐中電灯代わりとして使える点も利点です。
クレジットカードより小さい超コンパクト設計
2005年にドイツで設立され、現在は中国の深セン市にてモバイルバッテリーなどを手掛けているAUKEYの売れ筋モデルです。黒・白・ピンクの3種類のカラーバリエーションを展開しており、自分の好みに合わせて選ぶことが出来るのが利点。
また、174gでクレジットカードよりも小さい本体は持ち運びもしやすく、カバンの中にサッと入れておくことが出来ます。さまざまな急速充電規格に対応しているため、どんなスマホでも使用しやすいというのもポイントと言えるでしょう。
カラバリが豊富、好みのカラーを選べる
重量約130gと軽量で持ち運びしやすいマクセルの小型モバイルバッテリーです。電池残量がひと目でわかる4基のLEDを搭載しているため、あとどれくらい使用できるかが分かりやすいのがポイント。
カラーバリエーションは8色展開されており、自分の好みの色を幅広く選ぶことが出来ます。急速充電や複数機器の同時給電は出来ないものの、その小ささや軽量さから緊急時の予備バッテリーとして持ち運びしやすい製品と言えるでしょう。
電池残量がひと目で確認できる!
老舗の国内大手PC周辺機器メーカー、サンワサプライの20,000mAhという大容量が大きな特徴のモバイルバッテリーです。価格は少し高めなものの、ACコンセント出力が出来るようになっており、ノートPCへの給電や電力の消費が少ない扇風機などの家電にも使用することが可能。利便性の高さが売りです。
本体にマグネットが内蔵されているため、デスク横などにピタッと固定をすることが出来るのもポイント。USB-Aポートを2口搭載しています。
薄型スリム設計のベーシックモデル
メモリーカードや記録媒体などの製品が有名な台湾のメーカー、シリコンパワーのパススルー対応モバイルバッテリーです。2ポート合計出力数2.1A、容量5,000mAhと基本的なスペック面はそこまで高機能ではありませんが、比較的安価で購入できるという点と、とにかく小さく薄い本体が大きな特徴。
とくに厚さは12.3mmしかなく、かさばりやすい主要なモバイルバッテリーの中でも抜群の小ささを特徴としています。ストラップホールがついているため、落下防止などの観点からも優秀と言えます。
最大で同時に3デバイスの充電が可能
USB-Cで入出力が可能な高コスパパススルー対応モバイルバッテリーです。USB-C1口、USB-A2口になっており、最大で同時に3台の機器を充電することが可能。
主だった急速充電規格には対応していないものの、この価格帯でこの容量ということを考えるとコスパが高いと言えるでしょう。入力専用のmicroUSBも搭載されているので、パススルーを行いながら3台同時充電も可能です。
大容量の次世代モバイルバッテリー
約24,000mAhと群を抜いて大容量になっているのが特徴のAnkerのパススルー対応モバイルバッテリーです。これだけ大容量になっているため、MacBook Airでもフル充電を行うことが可能。iPhoneであれば5回程度の満充電を行うことができます。AC出力も最大で100Wまで対応しており、カメラなどの小型家電にも使えるのは大きなポイント。
小さなポータブル電源といっても差し支えのない性能を持っています。搭載されているLEDは環境に合わせて点灯の強さを変えたり災害救助要請時のフラッシュモードなどが備わっているため、万が一の防災グッズとしても重宝するでしょう。
「パススルー対応モバイルバッテリー」のおすすめ商品の比較一覧表
パススルー対応モバイルバッテリーの活用シーン
こちらでは具体的なパススルー対応モバイルバッテリーの利点や活用できる場面をご紹介します。
(1)出張先や旅行先
外泊先で一日モバイルバッテリーを併用しながらスマホやタブレットを利用し、明日また使用しなければいけないけれども余分な充電器は持ってきていない…という状況にパススルー対応モバイルバッテリーは重宝します。
同時に充電を行うことができるため充電器は一つで良いですし、充電器が内蔵されているモバイルバッテリーであれば本体をAC電源に直接挿入、その他の充電したい機器をモバイルバッテリーに挿すだけですぐに充電を完了できます。
出先での手間を格段に減らせるのがパススルー対応モバイルバッテリーの最大の利点と言えるでしょう。
(2)お出かけ前や就寝中
外出時間までもうそんなに時間がないけどまだ準備が終わっていない、少しでも充電したいと言う切羽詰まった状況でもパススルー対応モバイルバッテリーであれば、バッテリー本体と充電機器を接続してコンセントに挿しておくだけで充電を開始できます。
こちらであればセッティングの時間を最小限にし、他の準備に時間を費やすことが出来るというのが利点です。また、宿泊先のホテルなどで充電するためのコンセントの数が限られている場合に、パススルー対応であれば一つの給電口から2つとも同時に充電することができます。
非対応の場合はどちらか片方しか充電できない上に片方の充電終了後、充電を差し替える必要がありますが就寝中にわざわざ起きてそんなことをするのは煩わしいですよね。こちらもパススルー対応で解決できます。
(3)充電器が壊れたとき
今まで使用していたスマホの充電器が突然壊れてしまい、困ってしまった場合にもパススルー対応モバイルバッテリーは好適。この場合は充電器も兼ねた製品が望ましいですが、モバイルバッテリーをAC電源に差し込んでスマホをそのままケーブルで繋ぎ、今までと変わらない充電を行うことが可能です。
充電器を兼ねたパススルー対応モバイルバッテリーは急速充電に対応している場合が多く、スマホが急速充電出来るのであればすぐに充電が終わるのも大きなポイント。充電器が壊れてしまった場合でも不都合を感じず使用することが出来るでしょう。
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まとめ:利便性の高さから活用の幅が広がる!
今回はパススルー対応モバイルバッテリーの選び方とおすすめ製品、使用に便利なシーンについてご紹介しましたが、いかがですか。
最近では非対応製品とそこまで価格も変わらずに購入することが可能で、利便性の高さから活用の幅が広がる機能ということが言えます。みなさんもこれを機会にパススルー対応モバイルバッテリーを導入し、便利な生活を手に入れてみてくださいね。
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「家電・オーディオ」「パソコン・スマホ」「カメラ・ビデオカメラ」を担当。シンプルでミニマルなガジェットには目がなく、つい散財してしまう。とくに、白無地のガジェットが大好物。ひそかに、折りたたみ式のスマートフォンへの乗り換えを計画中。