宮部みゆきのおすすめ人気作品49選！短編・長編、映画・ドラマ化された代表作まで

隣家の犬を誘拐する中学生の物語

宮部みゆきの記念すべきデビュー作です。オール讀物推理小説新人賞を受賞した表題作を含めて、合計5編の短編作品が収録されています。

表題作では、中学生・三田村誠が主人公。三田村一家は、念願のタウンハウスに引っ越したものの、隣家の犬の鳴き声に悩まされることになります。

そこで誠はその犬を誘拐しますが、予想もつかない展開になり…。

ほかには、テレビドラマ化された「サボテンの花」や「祝・殺人」などが楽しめます。

過酷な運命に立ち向かう少年の冒険

280万部以上の売りあげを記録し、英語版での受賞歴もある人気作です。

11歳の少年・亘（わたる）は、両親の離婚を受け入れられずにいました。そしてそんな現実を変えるために、怪物のいる異世界「幻界（ヴィジョン）」へと旅立ちます。

運命を覆してみせると意気込む彼の、波乱万丈な姿を描いた愛と勇気の冒険ファンタジーです。

高層マンションの不可解な殺人事件に迫る

直木賞を受賞した長編小説で、日本文学史に残る宮部みゆきの傑作。映画やドラマにもなった作品です。

東京都荒川区にある高層マンションで、ある凄惨な殺人事件が起こります。しかし、事件が起こった部屋に住んでいるはずの人と被害者は別人。

そんななか、記者が事件関係者にインタビューをしていく形で物語が進んでいきます。

凶悪事件へとつながる緊迫の4日間

ミリオンセラーを記録した、ミステリー・サスペンスの傑作です。テレビドラマ化もされました。

「レベル7まで行ったら戻れない」という、不可解な言葉を残していなくなった女子高生。一方、記憶を失った状態で目を覚ました若い男女の腕には、「Level 7」の文字が浮かびあがりました。

カウンセラーは女子高生を探し、若い男女は自分たちの正体を調べはじめますが、そのうち2つの追跡行が交わって凶悪事件へと導かれていきます。

無関係に見える3つの死の真相

日本推理サスペンス大賞を受賞した長編小説です。

マンションの屋上からの飛び降り、地下鉄への飛び込み、タクシーへの飛び込みと、3つの事件が発生。それぞれの事件はなんの関係もないように見えましたが、魔の手はさらに4人目へと伸びはじめます。

そんななかタクシー運転手の守が逮捕され、知らないうちに事件の背後にある真実に近づいていくというストーリーです。

泥棒と双子が挑む6つの謎解き

単行本が発売されて以来、100万部を売りあげた人気短編小説です。

泥棒は2億円の遺産を継いだ女性宅へ盗みに入りますが、屋根から落ちてしまい中学生の双子に助けられます。双子の両親は家出中で、泥棒はいやいやながら2人の父親代わりとなることに。

そして3人は不思議な事件やできごとにつぎつぎと巻き込まれてしまい、6つの謎解きに挑みます。

笑いあり涙ありのユーモアミステリーです。

宮部みゆきの初期作品をまとめて楽しめる

宮部みゆきがデビュー直後に発表した6つの短編を収録した1冊です。表題作である「返事はいらない」は、失恋したことで犯罪の片棒を担ぐにいたった女性心理を巧みに描写。

そのほか、切なくあたたかい気持ちになれる「ドルシネアにようこそ」や、山本周五郎賞を受賞した長編作『火車』の原型ともいえる、カード破産した女性の悲劇を描いた「裏切らないで」など、サスペンス要素のある話からハートウォーミングな話まで楽しめます。

宮部みゆき版の「世にも奇妙な物語」

表題の「地下街の雨」を含む、7作品からなる短編集です。SFやホラー、ミステリーなどさまざまな感覚を味わえる「宮部みゆき版 世にも奇妙な物語」といえる作品。

裏切りをテーマとした表題作の「地下街の雨」、女性にいたずら電話をかける男を描いた「混線」、人間の悪意がゾクッとさせる「ムクロバラ」など、全体的にホラーとミステリーが融合した幻想的なテイストのものが多くなっています。

江戸を舞台にした月夜のこわい不思議話

漫画にもなった、時代ものの短篇小説です。

木綿問屋の跡取りである藤一郎に、縁談が持ち上がりました。しかし女中のおはるのお腹に子どもがいることがわかります。その後、藤一郎は店を追い出されてしまったおはるのもとへ遣いを出しますが、そこで小僧が見たものは…。

人の闇が映しだされた、心をざわつかせる9つの物語です。

特殊能力を持った女性の仇討ち

こちらは特殊能力をテーマにした長編小説で、映画化や漫画化もされています。

青木淳子は、念じるだけでどんなものも燃やせる「念力放火能力」を持った女性。あるとき男性を殺そうとしている4人組を目撃し、3人を焼き殺しましたが残りのひとりは逃走してしまいました。

淳子は、息絶えた男性に仇討ちを約束。

正義とは、そして裁きとはなにかを考えさせられる、スーパーヒロインの死闘が繰り広げられます。

東北の山村に訪れた災いに立ち向かう

時代小説の到達点とされる長編作です。

舞台は江戸・元禄時代の陸奥の国（東北）。山深い場所にある村が、ひと晩で壊滅状態となってしまいます。永津野藩主側近の妹である朱音は村で生き残った少年を助けましたが、彼が語った真相は想像を絶するものでした。

突如としてあらわれた災いに対して、民はいかに立ち向かうのか。

宮部みゆき渾身の冒険群像活劇です。

本所7不思議を題材にした怪事件

吉川英治文学新人賞を受賞した、時代小説の短編集です。深川の7不思議に関する、7つの物語を収録。

「片葉の芦」では、近江屋藤兵衛が殺され、藤兵衛といがみあっていた娘・お美津が犯人だと噂が流れます。お美津から幼いころに受けた恩を忘れずにいた職人が、ことの真相を探りはじめて…。

下町で起きた事件と、それを取り巻く人情味あふれる世界が描かれています。

新たなに話が追加された完全版

鰹や白魚、柿、菜の花などの「初もの」が織り交ぜられた謎に、岡っ引きの茂七が子分の糸吉・権三らと挑む時代小説のミステリー短編集です。1999年に出版された「初ものがたり」に、新たに３編を追加した完全版！

正体不明の稲荷寿司屋の親父や「拝み屋」の少年など、個性的な人物が次々に登場します。茂七親分の人情味のあるキャラクターも人気のお話です。

人の心に巣くう闇や秘密を描いた短編集

江戸の市井に生きる人々を描いた、全８編の時代小説からなる短編集です。タイトルにもなっている「堪忍箱」では、開けてはいけないと言われている箱の謎がテーマ。

訳ありの子どもを引き取って面倒をみていた夫婦が抱える秘密に迫る「お墓の下まで」など、人の心が抱える秘密や闇を扱った話が続きます。とはいえ、最後には温かな気持ちになれるものが多いので、すっきりしない終わりが苦手な方でも安心して読めるでしょう。

江戸を懸命に生きる人々の心情が伝わる

江戸を舞台とした、下町の人情と怪異がテーマの12の話からなる短編集です。それぞれの話は短いながらも登場人物たちの描写が巧みで、そのキャラクターや心情に切なくなったり、ほほえましくなったりすることでしょう。

ハッピーエンドもあればバッドエンドもあり、話のメリハリもばっちり。長編や現代モノが苦手という方におすすめした１冊です。

本がテーマの謎と事件が起こる連作短編集

東京の下町にある小さな古書店「田辺書店」を舞台に、店主のイワさんと孫の稔が謎を解いていくミステリー短編集です。「本」をテーマに、大小さまざまな事件が次々に起こります。

本のタイトルにもなっている「淋しい狩人」という作品も、本編のなかに登場。この作品に関わる謎とある事件がリンクして……。イワさんと稔のやり取りや、田辺書店によくやってくる刑事・樺野俊明との関わり合いなどにほっこりしながら読み進められるでしょう。

地球人の夢に逃げ込んだ死刑囚を追え

コミカライズもされている、宮部みゆきのSF小説です。惑星「テーラ」で起こった大災厄により、人間の意識と肉体を切り離すという実験の被験者であった50人の死刑囚の意識が、地球人の夢のなかに逃亡してしまいます。

主人公のシェンとその師匠であるマエストロは、50人の死刑囚を追って地球人の夢に潜る「ドリームバスター」。実はシェンの母親は、その50人の死刑囚の１人で……。

2つの事件が絡み合う、宮部みゆきの長編デビュー作

名門校のエースであり、高校野球界のスーパースターでもある諸岡克彦が、ガソリンをかけられて焼死するという放火殺人が発生したところから物語は始まります。容疑者とされたのは、克彦の弟の達也。

探偵事務所の調査員である蓮見加代子は、事件の真相を解き明かすために動き出します。それと同時期に、ある製薬会社で恐喝事件が発生。放火殺人と恐喝事件を、「パーフェクト・ブルー」というキーワードが結びつけていき……。

このお話の語り手が、元警察犬のマサであるのもポイントです。

16年前の殺人事件を追う「模倣犯」の続編

「模倣犯」の9年後を舞台にした、ミリオンベストセラ－作品。

主人公は「模倣犯事件」によるトラウマを抱えたライター・前畑滋子です。彼女のもとに、「12歳で亡くなった息子が特殊能力を持っていたのかを知りたい」という奇妙な依頼が舞い込み、物語がスタート。

滋子が16年前の殺人事件の謎に迫るなかで、楽園を追い求める家族の姿が描かれていきます。

悪意の伝染がテーマの「杉村三郎」シリーズ第三弾

大手企業の広報室に勤める「杉村三郎」が主人公のシリーズ第三弾です。ドラマ化もされた話題作が、待望の文庫化！

杉村はある日、バスジャック事件に巻き込まれます。警察の突入と犯人の自殺によりあっさり解決したかと思いきや、後日、死んだバスジャック事件の犯人から、人質だった人たちに慰謝料が届くのです。

お金が絡んだ人間の心の闇や悪意が次々に伝染していき、最後には思いがけない結末に。

人気の連作短編時代小説1作目

累計230万部以上を記録する「三島屋変調百物語」シリーズの1作目です。

17歳のおちかは、ある事件を境に心を閉ざしてしまい、叔父夫婦が営んでいる袋物屋「三島屋」に預けられることに。そこでおちかのことを心配した叔父は、客から「変わり百物語」を聞くよう言いつけます。

客の不思議な話はおちかの心を溶かしはじめ、それとともに事件も明らかになっていくのが特徴です。

悩む人々の生きざまを描く一作

累計300万部を超える人気の「杉村三郎」シリーズ。こちらは、その第1作目となる作品です。

杉村三郎は、結婚条件として今多コンツェルンの広報室で働くことに。そして事故死した会社の運転手家族から、亡き父のことを本に書きたいという相談話を聞きます。

普通に見える運転手の人生をたどりながら、人々の深い悩みがていねいに描き出されていくのが魅力です。

連続毒殺事件が起こる杉村三郎シリーズ

累計300万部を売りあげた「杉村三郎」シリーズの2作目。吉川英治文学賞受賞作品で、2007年には本屋大賞10位に選ばれました。

本作に登場する原田いずみは、今多コンツェルンの広報室で雇われたアルバイトです。彼女はトラブルメーカーだったため解雇されましたが、杉村はいずみとの連絡窓口になることに。

経歴詐称やクレーマーぶりに翻弄されるなか、街では無差別と思われる連続毒殺事件が起こり、物語は進んでいきます。

ネット上の疑似家族と殺人事件の関係とは？

タイトルからゲームのようにワクワクする内容かと思いきや、ロールプレイング（割り当てられたキャラクターを演じること）がテーマの小説です。

住宅地で起きた殺人事件の被害者は、インターネット上で自分を「お父さん」とする疑似家族を形成していたことが発覚。ネット上の家族と事件の関係は？犯人は誰なのか？

『クロスファイア』から「石津ちか子」が、『模倣犯』から「武上悦郎」が登場するクロスオーバー作品であることもポイントです。

カード破産した人の凄惨な人生

こちらは山本周五郎賞を受賞した長編作です。ドラマ化されたほか、韓国では映画作品が制作されました。

登場する本間俊介は休職中の刑事。ある男性に頼まれ、彼の婚約者・関根彰子の居場所を捜すことになります。

徹底的に足取りを消しながらみずから失踪した彰子は、なぜ自分の存在を消す必要があったのか。

その謎を解くカギは、カード社会で自己破産した人の壮絶な人生に隠されていました。

彼女の真の姿に迫っていく、すぐれたミステリー小説です。

卓越したSF時代小説

日本SF大賞を受賞、ドラマ化もされた長編小説作品です。

主人公の浪人生は、2月26日の未明に宿泊していたホテルで火事に遭遇。謎の男に助けられ間一髪で逃れるものの、ふと気がつくと昭和11年「二・二六事件」前後の東京にいることを知ります。実は、謎の男には時間旅行をする特殊能力があり、二・二六事件という歴史の転換点にタイムスリップさせられていました。

不可解な事件にかかわることになってしまった浪人生をとおして、昭和史や当時の人々の息吹を伝えるストーリーになっており宮部みゆきの持ち味がこの1冊で楽しめるでしょう。

連続殺人事件の意外な結末

毎日出版文化賞特別賞や司馬遼太郎賞など、複数の受賞歴があるミステリー小説です。2002年には映画化もされました。

ある日公園のごみ箱から女性の右腕が発見され、世間を震撼させる連続女性殺人事件へとつながっていきます。

やがて、交通事故死した男性の家から殺人の記録が見つかり、事件は解決するかに思えましたが…。

犯人・被害者家族・警察それぞれの視点で、事件を描ききっています。

学校内裁判を描く現代ミステリー巨編

宮部みゆき初となる法廷ミステリーで、売上は300万部以上を記録。2013年の本屋大賞で7位にランクインしたほか、映画・ドラマ化もされるなど高い人気を集めています。

クリスマスの朝、校庭でひとりの中学生が転落死しました。匿名の告発状や過熱するマスコミ報道によって混乱が高まるなか、藤野涼子は死の真相を探るために学校内裁判をはじめることに。

「事件」「決意」「法廷」の3冊にわたる長編で、読みごたえのある作品に仕上がっています。

特殊能力を持つ少年の物語

日本推理作家協会賞（長編部門）の受賞作品です。

雑誌記者の高坂昭吾は車で東京に向かっているときに、道端で立ち往生していた少年・稲村慎司を拾いました。すると慎司は突然、自分が特殊能力者だと言いはじめます。

それを証明するように、2人が遭遇した死亡事故の背景を語りはじめ…。

他人の心が読める少年の悲劇が描かれていきます。

長屋で起こった事件の陰謀に挑む

長編の時代ミステリー小説「井筒平四朗」シリーズの作品です。

鉄瓶長屋で人がひとりずつ消えていくという連続事件が発生。怠けもの同心の井筒平四郎や美形少年の弓之助、神出鬼没の黒豆などユニークなキャラクターが次々に登場し、事件の裏に隠された陰謀へと挑みます。

謎が謎を呼ぶ展開で、宮部ワールドを堪能できる1作です。

富次郎に語られる百物語

累計230万部以上を売りあげる「三島屋変調百物語」シリーズの第7弾です。

江戸・神田の三島屋では、変わり百物語がおこなわれています。勤番武士は不可解な火消しにまつわる話を、団子屋の屋台を引いている娘は母親の念について、そして粋な老人は宿に泊まったおばけの話を、それぞれ富次郎に語り捨てながら物語が展開。

嘘と真実・善悪のすべてが詰まった、江戸怪談の新骨頂です。

江戸深川の不思議な事件を解き明かす

連作時代ミステリー小説「きたきた捕物帖」シリーズの第2弾です。

江戸では宝船の絵を持っていると子宝に恵まれるという噂があります。しかしある家で赤ちゃんを失ったとき、弁財天がなぜか消えてしまいました。

そんなころに弁当屋一家が殺され、彼らをよく知る北一が事件の真相を探ることに。

事件を解き明かしながら、北一が大人になっていくストーリーです。

復讐を描いた一夜の緊迫ストーリー

ドラマ・漫画化された長編小説です。

関沼慶子は散弾銃を携え、すべてを終わらせようと自分を捨てた男の披露宴会場に向かっていました。

一方、釣具店で働く織口邦男は、客としてやってきた慶子が銃を持っていることを知り、銃を奪ってある目的を果たすための計画を考えつきます。

復讐をテーマに、緊迫の一夜を描いたノンストップ・サスペンスです。

猟奇事件を追ううちに開く悲嘆の門

上下巻にわたって描かれた、長編小説です。

三島孝太郎は、インターネット上の情報を監視するサイバー・パトロール会社でアルバイトをする大学1年生。切断魔が死体を切り取る猟奇的な殺人事件が発生し、孝太郎は事件の監視チームに入ります。

そんなときに、同僚の大学生が行方不明となって…。

犯人と関わりながら、孝太郎の心も徐々にむしばまれていきます。

父の汚名を晴らそうと奮闘する切なく温かい物語

江戸深川を舞台にした、長編時代小説。

主人公の古橋笙之介は、上総国搗根藩で小納戸役を務める古橋家の次男です。賄賂の疑いをかけられた父が自殺し、江戸へ行くことに。写本の仕事をしながら父の汚名を晴らそうと真相究明にあたりますが、思いがけない結末へとたどり着きます。

人生のほろ苦さや長屋の人たちの温かさが心にしみるストーリーです。

宮部みゆきと担当編集による珍道中

作家・宮部みゆきが、担当編集とともに赴いた地について語り尽くした散文集です。以前に出版された『平成お徒歩日記』に、書き下ろし一編を加えた新装完全版。

両国にある吉良邸跡（赤穂浪士が討ち入った場所）から始まり、伊勢神宮までの道のりをユーモラスに綴っています。赤穂浪士の討ち入りや市中引き回しのルート、島流しの場所など、特に歴史好きにはたまらない1冊となっています。

売れっ子２人による捧腹絶倒な対談集

宮部みゆきと女優＆エッセイストの室井滋による対談集です。結婚・仕事・趣味などについて、女性２人が語り尽くしています。

さらに、宮部みゆきの書き下ろしエッセイと、室井滋が初めて執筆に挑戦したミステリーを収録。２人のキャラクターと作品を両方楽しめる、お得な１冊です。

自分にとっての10大事件は何かを考えさせられる

宮部みゆきと昭和史研究家・半藤一利が、「昭和史の10大事件」をテーマに討論した内容を収録したものです。２人とも昭和時代の事件に対する造詣が深いことから、討論が白熱している様子が伝わってきます。

「昭和金融恐慌」や「二・二六事件」、「大政翼賛会と三国同盟」といった歴史の授業で習う内容から、「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件（宮崎勤事件）」といった多くの人々の記憶にも残っている事件まで、幅広く取り上げられています。

宮部みゆきの魅力が詰まった１冊

幅広いジャンルの作品を生み出し続けている作家・宮部みゆきを知るのにぴったりの１冊です。ロングインタビューや映画監督や作家との対談、未収録エッセイなどがたっぷり収録されています。

さらには、作家生活&全作品年表も掲載されており、宮部みゆきファンにはたまらない内容でしょう。特に、ここでしか読めない15本の未収録エッセイは必見です。

平和な日常が壊れた「僕」の成長を描く

主人公の「僕」は、両親とともにごく平和な日常を過ごしていました。しかし、ある日突然、母親に5億円ものお金が追贈されたことで生活が一変します。

周囲から嫌がらせを受けたり、本当に自分の子なのか父親から疑われたり……。「僕」は自分の出生を知るために、親友の島崎とともに調査を始めるのでした。

中学生探偵が事件の謎に挑む

タイトルからもわかるとおり、主人公は刑事を父にもつ中学生の八木沢順。両親の離婚により、父とともに東京の下町に引越し、身のまわりの世話をしてくれる家政婦・ハナも交えた新たな生活がスタートします。

順が越した先の町では「どこかの家で人殺しがあった」という噂が広まっており、ちょうど同じころ、父はバラバラ死体が見つかった事件を担当することに。興味をもった順は噂と事件について調べ始め、最後には意外な真実にたどり着くことになります。

財布が語る10の事件

財布を語り手にしながら連続保険金殺人事件を描いた、斬新な短編集です。ミリオンセラーを記録し、映画化もされました。

森元隆一がひき逃げされた事件は、じつは殺人事件だったことが判明。

事情聴取を進める刑事は、夫をひいた人物がどうなったのか聞こうとしない森本の妻・法子を不審に感じます。

隆一には8,000万円もの生命保険がかけられていましたが、受取人である法子にはアリバイがありました。

刑事の財布、探偵の財布、死者の財布…10の財布”が語る短編物語は、やがてひとつの長編となっていきます。

宮部ワールドの原点となる時代小説

歴史文学賞佳作を受賞した、時代小説の短篇集です。表題作は、江戸中に出没する辻斬り「かまいたち」の物語。

町医者の娘であるおようは、ある日偶然かまいたちに出会ってしまいます。その後長屋の向いに目つきが鋭い男・新吉が越してきますが…。

そのほか、純粋な夫婦のなかに生まれた欲望を描いた「師走の客」と、超能力を題材にした「迷い鳩」「騒ぐ刀」も収録されています。

不思議な写真の謎に挑む心温まるミステリー

タイトルからもわかるとおり、「写真」がカギとなるミステリー小説です。主人公の花菱英一は、築33年で木造二階建ての「小暮写眞館」に、一風変わった両親・弟と一緒に暮らしています。

ある日、ひとりの女子高生が不思議な写真を持ち込んだことで、英一は写真の謎に挑むことになり……。ミステリーではありますが、高校生の少年の目線で進むため、サクッと読みやすい雰囲気になっています。

【デメリットや気になった点】

グロテスクな内容などが苦手な人は読むのを避けたほうがいいです。（R.M.さん／女性／35歳／会社員）

【デメリットや気になった点】

終わり方にはもやもやが残ります。（O.M.さん／女性／40歳／主婦）

【デメリットや気になった点】

雑誌記者である主人公の目線で語られ、超能力が使える少年の心情がつかみにくいので、少しもやもやする部分もあるかもしれません。（Y.W.さん／女性／35歳／自営業）

【デメリットや気になった点】

読み進めにくいと感じる方もいるかもしれません。（N.F.さん／女性／38歳／会社員）

【デメリットや気になった点】

刺激的な物語というより、ほっこりした作品です。癒されたい人におすすめ。（H.T.さん／女性／30歳／パート）