日本のSF小説おすすめ22選
ここからは、日本のSF小説のおすすめ商品をご紹介します。

見事な物語展開。ジュブナイルの名作
昭和40年代ごろに、SF作家は盛んにジュブナイルと呼ばれる少年少女向けのSFを発表しました。筒井康隆氏の「時をかける少女」や、眉村 卓氏の「ねらわれた学園」など、今も映像化されて残っている作品も、この時期に書かれたジュブナイルです。その多くはのちにNHKで、「少年ドラマシリーズ」としてテレビドラマ化されました。
それらの作品のなかでも名作の呼び声が高いのが、この「夕ばえ作戦」。偶然手に入れたタイムマシンによって忍者の抗争に巻き込まれる中学生の物語なのですが、中学生が知恵と現代の科学を使って忍者と互角の闘いをする様子が描写されていてリアリティがあるのです。なかでも、当時の日本人は現代の中学生より体格的に貧弱だったという点に目をつけた物語展開が見事。
ラノベの源流としても押さえておきたい名作です。大人はもちろん、はじめてSF小説を手にする10代の方でも気軽に楽しめる作品。

タイムトラベル系では必読。日本SFの傑作
タイムトラベル系の物語のなかでも、日本SFの傑作として語り継がれている作品です。なにより、戦前の豊かで都会的で享楽的だった東京の描写が素晴らしく、戦争で日本が失ったものの大きさが伝わってきます。それと同時に、それが物語の核となってクライマックスへと繋がる構成もまた見事なのです。
読み進めるとともに、「マイナス・ゼロ」というタイトルの重みがひしひしと伝わる感動作でもあります。アメリカのSF作家ハインラインの傑作タイムトラベル小説にして猫小説の名作『夏への扉』に比肩する日本SFの傑作。時間モノ(タイムトラベル系)に興味がある方はぜひ、読んでみてください。

息もつかせぬエンターテインメントの傑作選
現在のラノベやファンタジーの源流を作ったといっても過言ではない、ラノベの元祖ともいわれる「超革命的中学生集団」や、妖怪や怪物のバトルものの元祖といわれる「ウルフガイ」シリーズ、映画もヒットした「幻魔大戦」など。これら数々の名作を残した日本SFの巨匠のひとり、平井和正氏の傑作選です。
SFハードボイルドの傑作「サイボーグブルース」シリーズを全編収録、ウルフガイシリーズのプロトタイプともいえる「悪徳学園」などの名作短編がまとめて読めるお得な一冊です。
とにかく読みやすく、ページをめくる手が止まらないエンターテインメント小説群なので、ラノベやマンガに慣れた人にぜひ読んでもらいたいです。

日本SF初期の傑作短編を一気読み!
『時をかける少女』の筒井康隆氏が編集した、1960年代に書かれた日本のSF短編傑作集です。
日本SFの黎明(れいめい)期の傑作が余すところなく収録されている、宝石箱のような短編集。シリアスなものから笑ってしまうもの、考えさせられるもの、見たこともない世界を描いたものなどバリエーション豊かです。
また、収録されている作家はその後も大活躍する方々なので、ここで読んで面白かった作家のものを集中的に読むといったブックガイド的な使い方もできます。手はじめに著名な作家の作品を読んでみたい方におすすめ。
冒頭の星 新一氏の傑作『解放の時代』を読むだけでも、この短編集の凄さがわかるでしょう。なにより、1960年代の作品とは思えない現代性に驚いてください。

日本SFトップランナーのデビュー作
「カッコいい文章を読みたければ山田正紀を読め」というくらいカッコいい文章でカッコいい物語を書く、日本SFのトップランナーのひとりである著者のデビュー作です。
想像できないものを描写したいという著者ならではの、「人が人のまま人類を支配する神の存在」に気がつく過程の描写が素晴らしいです。
見えないどころか存在さえ感じ取れない敵に戦いを挑もうとする姿にきちんとリアリティを持たせているあたりは、正にフィクションならではのおもしろさ。最後まで読んで「あれ? これで終わり?」と思った方は、続編『神狩り2』もあります。
ミステリーファン、伝奇ファン、言語学ファンなどに幅広くおすすめする傑作です。

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日本のSF小説の選び方
ここからは、日本のSF小説の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の3つ。
【1】奇想が主流! 今読んでも楽しめる昭和のSF小説
【2】日本のSF小説にはさまざまな種類がある
【3】名品多数、短編集にも目を向けましょう
上記の3つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】奇想が主流! 今読んでも楽しめる昭和のSF小説
SF(サイエンスフィクション)は空想科学小説として生まれ、日本では昭和40年代ごろに定着。この当時に生まれた名作の多くは、科学技術や最新の科学理論をベースにしつつも、奇抜なアイディアと日本独自の想像力を武器にした物語でした。
日本のSFは、定番である宇宙船やロボットといった機械的な存在が中心というより、むしろ日常生活のなかに起こる不思議の裏にある科学に注目しています。日常的なものや科学といった現実的なものから想像力を飛躍させて、見たことのない景色へと読者を連れていくタイプの作品が多いのです。
そんな想像力に富んだ昭和の名作を手にとってみるのもおすすめ。あくまで日常的な視点をベースにしているため物語自体があまり古びず、ミステリーやラノベの読者にも抵抗が少なく読めると思います。
【2】日本のSF小説にはさまざまな種類がある
日本のSF小説の名作には、リアルな日常からはじまって、いつの間にか日常が崩れ、物語が宇宙的規模へと広がっていくようなストーリーのものが目立ちます。それは、現在のラノベにまで受け継がれる日本のSFの基本スタイルなのかもしれません。
また、未来を舞台に人間ドラマを描くものや今いる世界自体に疑問を呈するものなど、「世界はどうしてこういう世界なのか」についての物語が多いのも特徴です。それは今の「異世界もの」に似ているようで、まったく違うジャンルの物語といえるでしょう。
いわゆる異世界モノにもの足りなさを感じたら、日本のSFの名作を手にとってみてください。宇宙規模のもの、または時空を超えるものなのか、「どのような世界を描いた作品が読みたいか」によって選ぶ作品が変わってくるのが日本のSFなのです。
【3】名品多数、短編集にも目を向けましょう
日本SF界の巨匠のひとりであり、生涯ショートショート(短編よりさらに短い作品)を書き続けた星 新一氏の例を持ちだすまでもなく、短編小説の名品が多いのも日本のSFの特徴です。「時をかける少女」で有名な筒井康隆氏も、初期は数多くの短編小説の傑作を書いています。日本のSF小説、ホラー小説の金字塔として語り継がれる小松左京氏の「くだんのはは」も短編小説です。
同一設定のなかで、複数の短編小説が連鎖する連作にも傑作がたくさんあります。名作というと長編小説が挙げられがちですが、取っつきやすくSFのエッセンスが詰まった短編小説にもぜひ目を向けてください。読みやすいのも短編集の魅力です。
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独特の世界観が日本のSF小説の魅力
フリーライター、小物王
初期の名作が定着して現代のSF小説になっています
現代の作品のなかでは当たり前の要素として使われている超能力やタイムトラベル、超越者とのバトル、未来世界などを日本人のなかに定着させていったのは、黎明期のSF作家たちです。
もちろん、その背後には欧米のSF作品があります。ただ、それらにインスパイアされながら、日本の小説の世界にフィクションならではのおもしろさを浸透させていったのが、初期SFの名作なのです。
本記事では、そのなかでも読みやすさや現代性を重視して選びました。エンターテインメントであろうという意志がとても強かった当時のSFは本当に読みやすいので、気軽に手に取ってみてください。
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