ヘッドランプは登山の必需品
登山やキャンプなどのアウトドアに欠かせないヘッドランプ。山道を移動するときや、薄暗いテント内で作業するときに活躍します。懐中電灯のように手で持つ必要がなく、両手が自由に使えるのがメリットです。
山の天気は急変しやすいため、日中であっても視界が悪くなることがあります。また、想定より日が落ちるのが早く、あっという間に暗闇に包まれてしまうこともめずらしくありません。事故やケガといったリスクを回避するためにも、ヘッドランプを準備しておきましょう。
登山用ヘッドランプの選び方 山岳写真家に聞いた
山岳写真家の荒井裕介さんへの取材をもとに、登山用のヘッドランプをを選ぶときのポイントをご紹介します。
明るさやLEDの色で選ぶ
水やホコリをシャットアウトし寒さにも強いモデルです。
ヘッドランプの明るさは「ルーメン」という単位であらわされ、数値が高いほど周囲を明るく照らすことができます。真っ暗な山道と薄暗いテント内では必要な光量が異なるので、使用環境に合わせて選ぶことが大切です。状況に合わせて使い分けるなら、明るさを段階的に調節できるモデルを選ぶのもいいでしょう。
最近ではほとんどのヘッドランプにLEDが使用されており、LEDの色味もさまざまです。
ワイルドライフクリエーター、山岳写真家
白色のLEDは明るく視認性がよいです。しかし、手もとを確認したり地図を確認したりする際に明るすぎる場合があります。
暖色の電球色のLEDがあると目にやさしく快適に使用できます。最大の光量や照射時間だけではなく、最小での使用時の場合や手もとの視認性にも注目して選ぶのもポイントです。
光の強さや照射範囲を調節できると便利
光の強さや照射範囲を調節できる機能を備えたヘッドランプもあります。暗い山道を歩くときは、広範囲を明るく照らすワイドビーム機能があると便利です。先がよく見えるので、道の形状や障害物を早めに察知できるでしょう。
また、一点を強い光で照らすスポットビーム機能があれば、ある1カ所を集中的に確認したい場合に役立ちます。
「バッテリー式」か「電池式」で選ぶ
ヘッドランプの給電方法は、バッテリー式と電池式の2タイプ。バッテリー式と電池式の両方に対応した便利なモデルもあります。
「バッテリー式」はわざわざ電池を購入する必要がなく、充電するだけで使えるのがメリットです。ただし、バッテリー切れに注意しなければならないため、予備のバッテリーやモバイルバッテリーを用意しておくといいでしょう。
「電池式」は、電池の交換だけですぐに使えるのが魅力です。予備の電池をストックしておけば、突然電池が切れてしまっても困りません。また、電池式には、ライト部分に電池を入れる一体型と、電池を入れるケースが別になった分離型があります。
防水・防塵性能にも注目しよう
山の天気は変わりやすいので、出発時は晴れていても、途中で突然の雨や雪に見舞われることもあります。ヘッドランプが濡れることを想定して、防水性に注目するのも大事です。防水性能は「IPX」であらわされ、IPXのあとに続く数字が大きいほど、防水性能が高くなります。
また、防水に加えて防塵性能がある場合は、IPXのXの部分に数字が入ります。たとえば、「IP67」なら、防水性能が7、防塵性能が6ということになります。
装着感や操作性も重要
ヘッドライトを快適に使用するために、装着感や操作性も確認しておきましょう。
ずれにくく安定感のある太めのストラップを選ぶ
動作や振動でずれないヘッドランプを選ぶために、ストラップの形状に注目しましょう。細くて弱いストラップだとかんたんに外れやすいので、太めでフィット感のあるタイプがベターです。
固定力と安定感を重視するなら、頭のまわりだけでなく頭頂部もストラップで固定できるモデルを選ぶといいでしょう。着脱にやや手間がかかるものの、しっかり頭にフィットして思い通りの場所を照らせます。
ボタンの大きさやセンサー機能をチェック
ヘッドライトは手元が見えにくい暗い環境で使うものなので、わかりやすい位置にボタンがあると便利です。グローブをつけたまま操作する場合は、ボタンが大きく押しやすいものを選びましょう。
操作性にこだわるなら、手をかざすだけで電源のオン・オフやモード変更ができるセンサー機能つきのモデルがおすすめです。グローブをつけたままでも手が汚れていても、気にせず操作できます。
用途に合わせて付加機能の確認を
ワイルドライフクリエーター、山岳写真家
照度調整機能、レッドライト、エマージェンシーシグナル(緊急時連続点滅信号)などヘッドランプには意外と多くの機能がついています。キャンプなどでは照度調節機能だけでもじゅうぶんですが、天体観測や野生動物の観察などにはレッドライト機能はほしいものです。
また、登山での利用時ではエマージェンシーシグナルは必要になります。自身の活動内容に見合った機能を有するヘッドライトを選択することはもちろん、活動内容に合わせた照射時間や充電、交換バッテリーの有無も重要な機能です。長期の行動ではバッテリーの充電のみではなく交換可能か、乾電池を使うタイプをおすすめします。
照射範囲と行動時間を考えて選ぶ
小型軽量ながら強めの光量に防水機能付き。
ワイルドライフクリエーター、山岳写真家
ヘッドランプはアウトドアには欠かせないアイテムです。山中で夜間の行動やテント、山小屋での生活などさまざまですが、装備として取り入れるならば状況に合わせて選びましょう。
富士登山のように着用して登山をする場合は、バッテリーや光量の容量があるものがおすすめです。テントや山小屋のみの利用でれば、最低限手もとや足もとが照らせるものであればじゅうぶんです。
また、充電タイプやバッテリー交換タイプなど充電環境によっても使い分ける必要があります。照射時間と行動時間を考え、自分に合ったものを選ぶようにしてください。
登山用のヘッドランプおすすめ15選 ジェントスやブラックダイヤモンドなど!
ここからは、山岳写真家の荒井裕介さんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介します。初めてヘッドランプを選ぶ方や、用途によってどのヘッドランプを使えばいいかわからない方も参考にしてみてください。

PETZL(ぺツル)『イーライト(E02P3e)』






出典:Amazon
明るさ | 最大26ルーメン |
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光の特徴 | 白色光 |
ストラップ | - |
バッテリー | リチウムイオン |
防水機能 | 水深1m(IP67) |
重量 | - |
その他機能 | 誤操作ロック |

Black Diamond(ブラックダイヤモンド)『ストーム(BD81089)』














出典:Amazon
明るさ | 250ルーメン |
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光の特徴 | 白、赤、緑色 |
ストラップ | ダブルアジャスター |
バッテリー | 単4アルカリ電池4本 |
防水機能 | IP67 |
重量 | 110g(電池込) |
その他機能 | ロックアウト機能 |

milestone(マイルストーン)『Trailmaster(MS-F1)』

出典:Amazon
明るさ | 最大約850ルーメン |
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光の特徴 | 2灯のLED(白色、電球色)搭載 |
ストラップ | トップベルト |
バッテリー | 専用バッテリー(付属) |
防水機能 | IPX5 (防噴流形) |
重量 | 180g(電池込) |
その他機能 | クイックダイヤルシステム |

PETZL(ぺツル)『ピクサ3(E78CHB2)』




















出典:Amazon
明るさ | 100ルーメン |
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光の特徴 | ワイド、ミックス、スポット |
ストラップ | ヘッドバンド |
バッテリー | 単3アルカリ電池2本 |
防水機能 | IP 67(防塵・水深1mで 30 分間の防水、水に浸かった後のメンテナンス不要) |
重量 | 160g |
その他機能 | ダイアル式スイッチ |

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) 『アイコン(BD81071)』








出典:Amazon
明るさ | 500ルーメン |
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光の特徴 | 遠距離モード/近距離モード:照度75%で点灯、ディミング(増/減光)、ナイトビジョン:赤・緑・青 |
ストラップ | ハーネス |
バッテリー | 単3アルカリ×4本 |
防水機能 | IP67(粉塵が中に入らない/深さ1mに30分没しても影響を受けない) |
重量 | 300g(電池込み) |
その他機能 | 誤点灯を防ぐロックアウト機能 |
GENTOS(ジェントス)『 LEDヘッドライト(GH-001RG)』












出典:Amazon
明るさ | 約300ルーメン(Highモード) |
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光の特徴 | - |
ストラップ | - |
バッテリー | 専用リチウムポリマー充電池または 単4形アルカリ電池×4本 |
防水機能 | 有 |
重量 | - |
その他機能 | 後部認識灯 |
GENTOS(ジェントス)『 ヘッドライト(GT-391D)』








出典:Amazon
明るさ | 320ルーメン |
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光の特徴 | - |
ストラップ | - |
バッテリー | 電池:単三アルカリ電池3本 |
防水機能 | 有 |
重量 | 270g |
その他機能 | インスタントオフスイッチ |
GENTOS(ジェントス)『ヘッドライト(CP-095D)』














出典:Amazon
明るさ | 95ルーメン |
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光の特徴 | 白色LED |
ストラップ | ヘッドバンド |
バッテリー | 単3形アルカリ電池×1本 |
防水機能 | 有 |
重量 | 65g |
その他機能 | 1m落下耐久 |
milestone(マイルストーン) 『LEDヘッドライト( MS-B4)』






出典:Amazon
明るさ | 220ルーメン |
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光の特徴 | LED:メイン=ナチュラルウォームカラー、サブ=レッド&クールホワイト |
ストラップ | - |
バッテリー | 単4アルカリ乾電池×3本 |
防水機能 | 有 |
重量 | 約41g(本体のみ)/約97g(電池込み) |
その他機能 | 無段階照度調節機能、ディミングメモリー機能、ワイド照射(約120度) |
Helius『 LEDヘッドライト』














出典:Amazon
明るさ | 12000ルーメン |
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光の特徴 | LED |
ストラップ | 4つヘルメットクリップ |
バッテリー | - |
防水機能 | - |
重量 | 300g |
その他機能 | 角度調整、ズーム機能、USBモバイル電源 |
GENTOS(ジェントス)『HLP-1805』
















出典:Amazon
明るさ | 500ルーメン(Highモード時) |
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光の特徴 | 白色LED×1 |
ストラップ | ヘッドバンド、シリコンバンド、ヘルメットホルダー |
バッテリー | 専用リチウムポリマー充電池 3.7V 1,800mAh または 単3形アルカリ電池×3本 |
防水機能 | IP64準拠 |
重量 | 185g(電池込み) |
その他機能 | レバー操作でスポットビームからワイドビームまで無段階に調節可能 |
LEDLENSER(レッドレンザー)『MH6』














出典:Amazon
明るさ | 200ルーメン |
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光の特徴 | Power LED×1 |
ストラップ | ヘッドバンド |
バッテリー | 専用充電池または単4電池x3本 |
防水機能 | IPX6(耐水形) |
重量 | 約93g(電池込み) |
その他機能 | ヘッド部にあるスイッチは片手で操作可能 |
n-force(エヌフォース)『SP-260R』


















出典:Amazon
明るさ | 1,000ルーメン |
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光の特徴 | 白色LED、赤色LED |
ストラップ | ヘッドバンド |
バッテリー | 単3電池×3 |
防水機能 | IP67 |
重量 | 130g |
その他機能 | センサーに手をかざすだけで素早くオン/オフ |
OLIGHT(オーライト)『H2R NOVA』


















出典:Amazon
明るさ | 2,300ルーメン |
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光の特徴 | 明るさ5段階調節 |
ストラップ | ヘッドストラップ |
バッテリー | OLIGHT専用 3000mAh 18650充電池 |
防水機能 | IPX8(2M) |
重量 | 64g |
その他機能 | オン/オフ時:次第に明るくなり、次第に消える |
FUKANG『ヘッドランプ マルチライト』
















出典:Amazon
明るさ | 1,200ルーメン |
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光の特徴 | L2白色LED×1灯、XPG2 LED×4灯 |
ストラップ | ヘッドバンド |
バッテリー | 21700リチウム電池/18650リチウム電池/単4乾電池x3本 |
防水機能 | IPX4 |
重量 | - |
その他機能 | 6モード切り替え |
子ども向けのヘッドランプおすすめ3選 操作が簡単で安全!
両手をフリーにして駆けまわりたいお子さまほど、ヘッドランプをつけてあげたいもの。操作がかんたんなものやヘッドバンドに工夫のあるものなど、お子さま向けの商品をご紹介します。
PETZL(ペツル)『ティキッド(E091BA)』
















出典:Amazon
明るさ | 20ルーメン |
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光の特徴 | 白色光(強、弱、点滅の3モード) |
ストラップ | ヘッドバンド |
バッテリー | 単4アルカリ電池3本(付属)、リチャージャブルバッテリー『コア』(別売) |
防水機能 | IPX4 (全天候型) |
重量 | 80g |
その他機能 | 蓄光リフレクターつき |
SUNREI『LEDヘッドライト』


















出典:Amazon
明るさ | 350ルーメン |
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光の特徴 | 白色LED×2、赤色LED×1 |
ストラップ | ヘッドバンド |
バッテリー | 単4型乾電池2本使用 |
防水機能 | IPX6 |
重量 | 約42g |
その他機能 | - |
LOGOS(ロゴス)『neos ノンタッチヘッドライト』
















出典:Amazon
明るさ | LED球値:約100ルーメン、ロゴス基準値:約59ルーメン |
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光の特徴 | LED(強、弱、点滅、レッドライト) |
ストラップ | ヘッドバンド |
バッテリー | 単四アルカリ乾電池×3pcs(別売) |
防水機能 | IPX4 |
重量 | 約50g |
その他機能 | ノンタッチモード |
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ヘッドランプの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのヘッドランプの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ヘッドランプの役割で選ぶ 山岳写真家からのアドバイス
ワイルドライフクリエーター、山岳写真家
夜間や日の出前の早朝に歩行の行動予定がある場合は、光量が大きく、照射距離が長いものを選ぶことをおすすめします。ヘッドライトは、アウトドア活動において唯一の光源になる場合も多く、装備の確認から行動をサポートしてくれる重要な道具。
アウトドアでは朝方や夕方に思いのほか手もとが暗いと感じる場合が多いため、一般登山のために初めて買うならば、バランスのとれたものがよいでしょう。
また、トレイルランニングやアドベンチャーレースを視野に入れるならば、バッテリーが別のものを選ぶようにしましょう。ただ、どちらのスタイルにも機器の故障はつきもの。余裕があれば、コンパクトなサブ機を同時に携帯することをおすすめします。
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ヘッドランプについて5つのポイントをおさらい
1)着用した状態で登山をするならバッテリー容量や光量が重要
2)テントや山小屋のみの利用なら足もとが照らせる程度で充分
3)天体観測や野生動物の観察などにはレッドライト機能つきが理想
4)登山で使うならエマージェンシーシグナルは必須
5)光量や照射時間だけではなくLEDの色にも注目
少しの時間、手元を照らすだけであればそこまで性能にこだわる必要はありません。登山や釣りなど、長時間ヘッドライトを使う場合には連続照射時間が長いもの、緊急時にも役立つものいいでしょう。使用する環境や行動時間に見合ったヘッドランプを選んでください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(制作協力:やきさんま、掲載:マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
※2020/12/23 コンテンツ追加・修正のため記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 下田結賀子)
ブッシュクラフト、狩猟、ULスタイル、沢登りなど様々なアウトドアに取り組む。海外生活の経験もあり銃器やトイガンにも造詣が深い。 アウトドア料理やビンテージアウトドアアイテムのレストア、道具作りにも造詣が深く自作アイテムのみでの山行も行う。 フェールラーベンのアンバサダーとしても活動している。