ヘッドランプは登山の必需品
登山やキャンプなどのアウトドアに欠かせないヘッドランプ。山道を移動するときや、薄暗いテント内で作業するときに活躍します。懐中電灯のように手で持つ必要がなく、両手が自由に使えるのがメリットです。
山の天気は急変しやすいため、日中であっても視界が悪くなることがあります。また、想定より日が落ちるのが早く、あっという間に暗闇に包まれてしまうこともめずらしくありません。事故やケガといったリスクを回避するためにも、ヘッドランプを準備しておきましょう。
登山用ヘッドランプの選び方 山岳写真家に聞いた
それでは、登山用ヘッドランプの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の7つ。
【1】明るさやLEDの色で選ぶ
【2】光の強さや照射範囲を調節できると便利
【3】「バッテリー式」か「電池式」で選ぶ
【4】防水・防塵性能にも注目しよう
【5】装着感や操作性も重要
【6】用途に合わせて付加機能の確認を
【7】照射範囲と行動時間を考えて選ぶ
上記の7つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】明るさやLEDの色で選ぶ
ヘッドランプの明るさは「ルーメン」という単位であらわされ、数値が高いほど周囲を明るく照らすことができます。真っ暗な山道と薄暗いテント内では必要な光量が異なるので、使用環境に合わせて選ぶことが大切です。状況に合わせて使い分けるなら、明るさを段階的に調節できるモデルを選ぶのもいいでしょう。
最近ではほとんどのヘッドランプにLEDが使用されており、LEDの色味もさまざまです。
【2】光の強さや照射範囲を調節できると便利
光の強さや照射範囲を調節できる機能を備えたヘッドランプもあります。暗い山道を歩くときは、広範囲を明るく照らすワイドビーム機能があると便利です。先がよく見えるので、道の形状や障害物を早めに察知できるでしょう。
また、一点を強い光で照らすスポットビーム機能があれば、ある1カ所を集中的に確認したい場合に役立ちます。
【3】「バッテリー式」か「電池式」で選ぶ
ヘッドランプの給電方法は、バッテリー式と電池式の2タイプ。バッテリー式と電池式の両方に対応した便利なモデルもあります。
「バッテリー式」はわざわざ電池を購入する必要がなく、充電するだけで使えるのがメリットです。ただし、バッテリー切れに注意しなければならないため、予備のバッテリーやモバイルバッテリーを用意しておくといいでしょう。
「電池式」は、電池の交換だけですぐに使えるのが魅力です。予備の電池をストックしておけば、突然電池が切れてしまっても困りません。また、電池式には、ライト部分に電池を入れる一体型と、電池を入れるケースが別になった分離型があります。
【4】防水・防塵性能にも注目しよう
山の天気は変わりやすいので、出発時は晴れていても、途中で突然の雨や雪に見舞われることもあります。ヘッドランプが濡れることを想定して、防水性に注目するのも大事です。防水性能は「IPX」であらわされ、IPXのあとに続く数字が大きいほど、防水性能が高くなります。
また、防水に加えて防塵性能がある場合は、IPXのXの部分に数字が入ります。たとえば、「IP67」なら、防水性能が7、防塵性能が6ということになります。
【5】装着感や操作性も重要
ヘッドライトを快適に使用するために、装着感や操作性も確認しておきましょう。
▼ずれにくく安定感のある太めのストラップを選ぶ
動作や振動でずれないヘッドランプを選ぶために、ストラップの形状に注目しましょう。細くて弱いストラップだとかんたんに外れやすいので、太めでフィット感のあるタイプがベターです。
固定力と安定感を重視するなら、頭のまわりだけでなく頭頂部もストラップで固定できるモデルを選ぶといいでしょう。着脱にやや手間がかかるものの、しっかり頭にフィットして思い通りの場所を照らせます。
▼ボタンの大きさやセンサー機能をチェック
ヘッドライトは手元が見えにくい暗い環境で使うものなので、わかりやすい位置にボタンがあると便利です。グローブをつけたまま操作する場合は、ボタンが大きく押しやすいものを選びましょう。
操作性にこだわるなら、手をかざすだけで電源のオン・オフやモード変更ができるセンサー機能つきのモデルがおすすめです。グローブをつけたままでも手が汚れていても、気にせず操作できます。
【6】用途に合わせて付加機能の確認を
照度調整機能、レッドライト、エマージェンシーシグナル(緊急時連続点滅信号)などヘッドランプには意外と多くの機能がついています。キャンプなどでは照度調節機能だけでもじゅうぶんですが、天体観測や野生動物の観察などにはレッドライト機能はほしいものです。
また、登山での利用時ではエマージェンシーシグナルは必要になります。自身の活動内容に見合った機能を有するヘッドライトを選択することはもちろん、活動内容に合わせた照射時間や充電、交換バッテリーの有無も重要な機能です。長期の行動ではバッテリーの充電のみではなく交換可能か、乾電池を使うタイプをおすすめします。
【7】照射範囲と行動時間を考えて選ぶ
ヘッドランプはアウトドアには欠かせないアイテムです。山中での夜間の行動やテント、山小屋での生活などさまざまですが、装備として取り入れるならば状況に合わせて選びましょう。
富士登山のように着用して登山をする場合は、バッテリーや光量の容量があるものがおすすめです。テントや山小屋のみの利用であれば、最低限手もとや足もとが照らせるものであればじゅうぶんです。
また、充電タイプやバッテリー交換タイプなど充電環境によっても使い分ける必要があります。照射時間と行動時間を考え、自分に合ったものを選ぶようにしてください。
ヘッドランプの役割で選ぶ 山岳写真家からのアドバイス
夜間や日の出前の早朝に歩行の行動予定がある場合は、光量が大きく、照射距離が長いものを選ぶことをおすすめします。ヘッドライトは、アウトドア活動において唯一の光源になる場合も多く、装備の確認から行動をサポートしてくれる重要な道具。
アウトドアでは朝方や夕方に思いのほか手もとが暗いと感じる場合が多いため、一般登山のために初めて買うならば、バランスのとれたものがよいでしょう。
また、トレイルランニングやアドベンチャーレースを視野に入れるならば、バッテリーが別のものを選ぶようにしましょう。ただ、どちらのスタイルにも機器の故障はつきもの。余裕があれば、コンパクトなサブ機を同時に携帯することをおすすめします。
登山用のヘッドランプおすすめ11選 ジェントスやブラックダイヤモンドなど!
ここからは、山岳写真家の荒井裕介さんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介します。初めてヘッドランプを選ぶ方や、用途によってどのヘッドランプを使えばいいかわからない方も参考にしてみてください。

シリーズ最高のマルチビームヘッドランプ
登山はもちろんのこと、災害時の使用にもおすすめの照射力。各国の山岳ガイドや登山者にも多くの支持を受けているモデルです。
100ルーメンで90mの照射が可能な大光量でありながら、バッテリー一体型のコンパクトな設計が携帯にも便利です。遠くと足もとを同時に照らすこともできるので、夜間や早朝の歩行を余儀なくされる登山でも安心して使えます。ビギナーが最初に手にするヘッドライトとしてもおすすめできる商品です。

超小型軽量でリーズナブル
小型でも照射力29mもあり、5モードの切り替えが可能です。エマージェンシーシグナルやレッドライトも装備した本格派です。テント泊や山小屋、ツーリングはもちろんのこと、トレイルランニングやアドベンチャーレースのサブライトとしても選んでいただけます。
防水機能は1m防水で、雨天時でも安心して使えるのがおすすめのポイントです。

バッテリー交換可能で高機能
防水機能をはじめ、さまざまな機能が盛り込まれたバッテリー別タイプのヘッドライト。一時的に高照度を使用可能な「パワーブスースター機能」や「誤操作防止ロック」など使い勝手抜群のアイテムです。
なかでもUSBで充電可能なリチウムイオンバッテリーが取り外し可能で、現地でバッテリー交換も可能になります。またリールタイプのベルトを装着しており、ヘッドウェア装着時でもかんたんに調整できるのが便利です。

遠征時に適したハイエンドモデル
ハイエンドモデルのヘッドランプです。ナイトビジョンモードやバッテリー残量メーターなど基本のモードを備え、最長で500時間の照射が可能なヘッドランプです。登山に限らずケービングや災害時における使用など幅広くカバーしたモデルです。
ハイエンドモデルもアルカリ電池を使用し、バッテリーを本体に装着するハーネスも付属しています。寒冷地でもバッテリーを温めることができるので、どんな状況下においても使いやすい仕様となっています。冒険やレースを始めるならば、このヘッドライトを選ぶとよいでしょう。
頑丈なつくりで耐久性良
2mの高さから落としても壊れないという頑丈さが特徴的なヘッドランプです。防水加工もされているので、雨の中でも使うことができます。また、電池は電池式とバッテリー式のハイブリッドタイプなので、好みや場所に合わせて変えることができます。
後方に存在を知らせる後部認識灯がついているので、山の中でも安心です。頑丈で機能性も高いヘッドランプをお探しの方におすすめです。
リーズナブルながら機能性も高い
リーズナブルながら高い機能性を持っているヘッドランプです。拡散する光を中央に集めて遠くに光を飛ばすレンズを採用していて、最大115m先まで光が到達します。防水加工や落下耐性もあるので、機能面ではほかの商品に負けていません。
電池式の製品で、ハイモードで約12時間点灯するので、キャンプなどには欠かせないでしょう。リーズナブルな価格で高機能なヘッドランプをお探しの方におすすめです。
広範囲の照射が可能で安全
シンプルな見た目ながら機能性も抜群なヘッドランプです。光を反射させる反射板がついており広範囲を照らしてくれるので、安全性に長けています。
また、ヘッドが90度稼働したり、すぐに消灯できるスイッチがついていて簡単な操作感もポイントです。赤色のサブLEDを搭載しており、周りの人に迷惑が掛かりません。安全面が気になる方におすすめのヘッドランプです。
毎回の明るさ調整いらずでラクラク
キャンプや釣り、テント内でも快適に使用できるヘッドランプです。赤色LEDを搭載しており、テント内でも人に迷惑にならず使うことができます。さらに、照射範囲が120度でかなりの広さを照らすことができるので、安全面でも安心です。
調節した明るさを記憶してくれるので、毎回調整する必要もないのがポイント。どんな場所でも使えて、機能性も重視している方におすすめです。
FUKANG『ヘッドランプ マルチライト』
子ども向けのヘッドランプおすすめ3選 操作が簡単で安全!
両手をフリーにして駆けまわりたいお子さまほど、ヘッドランプをつけてあげたいもの。操作がかんたんなものやヘッドバンドに工夫のあるものなど、お子さま向けの商品をご紹介します。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ヘッドランプの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのヘッドランプの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
用途と性能を比べて、ピッタリなものを選ぼう
1)着用した状態で登山をするならバッテリー容量や光量が重要
2)テントや山小屋のみの利用なら足もとが照らせる程度で充分
3)天体観測や野生動物の観察などにはレッドライト機能つきが理想
4)登山で使うならエマージェンシーシグナルは必須
5)光量や照射時間だけではなくLEDの色にも注目
少しの時間、手元を照らすだけであればそこまで性能にこだわる必要はありません。登山や釣りなど、長時間ヘッドライトを使う場合には連続照射時間が長いもの、緊急時にも役立つものがいいでしょう。使用する環境や行動時間に見合ったヘッドランプを選んでください。
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ブッシュクラフト、狩猟、ULスタイル、沢登りなど様々なアウトドアに取り組む。海外生活の経験もあり銃器やトイガンにも造詣が深い。 アウトドア料理やビンテージアウトドアアイテムのレストア、道具作りにも造詣が深く自作アイテムのみでの山行も行う。 フェールラーベンのアンバサダーとしても活動している。