スマートウォッチでなぜ血圧が測れるの?
医療機器として認証を受けている血圧測定機能付スマートウォッチは、測定部位に圧力をかけて測定する「オシロメトリック法」と呼ばれる方法を腕時計サイズにコンパクトした製品です。認証を取得していないスマートウォッチは緑色LEDを使用した 光学式センサーで測定しています。
血液を反射する緑色LEDは心拍数測定機能にも用いられており、血圧を測定するには心拍数の測定結果のデータと組み合わせて血圧の推定値を算出する仕組みです。誤差が出やすいため、数値はあくまで目安にしてください。
血圧測定機能付スマートウォッチの選び方
ガジェットライター・水澤 敬さんに取材をして、血圧測定機能付スマートウォッチを選ぶポイントを教えていただきました。測定方法や時間、充電方法などをチェックすることが大切です。自分のライフスタイルに合った血圧測定機能付スマートウォッチを選ぶために参考してくださいね。
【1】体調管理がメインなら医療機器認証モデルを選ぶ
体調の変化を早期に知るためにも、血圧の測定結果においてできるだけ正確な数値がでるものを選びたい方は、管理医療機器の認証を受けている製品を選びましょう。国内で購入できる認証モデルは1つのみですが、今後高まるニーズにともなって製造量や認証を受ける製品も増えてくる可能性があります。
医療機器認証モデルは高精度のため、価格もそれなりに高くなります。導入費用を抑えたい方は、多く展開している血圧測定機能付スマートウォッチから選ぶとよいでしょう。
【2】自動? 手動? 測定方法から選ぶ
血圧測定機能付のスマートウォッチは、装着中に常時血圧を測定する自動タイプと、自分で操作して測定する手動タイプにわかれます。
自動タイプは装着後、すぐに測定を開始し、24時間の測定記録を残せます。1日の変化を記録できるため、仕事や在宅時における変化も調べることが可能です。
手動タイプは自分で操作をおこなわなければなりませんが、とくにむずかしい操作は必要ありません。起床時と就寝時のみ測りたい方は手動タイプでもよいでしょう。
【3】充電方法とバッテリーの持ち時間から選ぶ
スマートウォッチの充電方法はUSB式とケーブル式があります。USB式はパソコンなどのUSBポートに、本体のUSB充電端子を直接挿して充電します。
ケーブル式はマグネットとクリップの2タイプがあります。マグネットは持ち運びがしやすく、クリップは充電中に紛失しにくいのが特徴です。スタンド式やチャージャー式もあるので、使いやすいものを選びましょう。
スマートウォッチは高機能なものほど消費電力が高いのが特徴です。朝から夜まで身につけておきたい場合は電池容量や使用可能時間・日数もチェックしてください。
【4】ほかの機能やデザインもチェック
スマートウォッチを1日中装着するなら、どのような機能を備えているか気にされている人もいるでしょう。また仕事や外出などシーンに合ったデザインを選びたい方もいるはず。血圧測定機能以外にチェックしてほしい機能やデザインについて解説します。
体調の変化を知らせてくれる機能はあるか
スマートウォッチには体温や血中酸素レベルなど、体調の変化をリアルタイムにチェックできる機能を備えているものがあります。体温は測る部位で数値が異なりますし、平熱にも個人差があります。まずは装着部位の平熱を知ることが大切です。
また、血液中の酸素の量をチェックできる機能を備えたものもあります。血液中の酸素の量は正常値で99~96%です。正常値以下でも自覚しないケースもあるため、つねにチェックできるのは頼もしい機能といえるでしょう。しかし、数値はあくまで目安です。気になる方は受診を検討してください。
装着シーンに合わせた機能はあるか
スマートウォッチには体調の変化をチェックできる機能以外にも、さまざまな機能を備えています。ランニングやサイクリングなどが趣味な方はスポーツモードが搭載されているものが便利です。また、防水・防塵の性能を表すIP67~68を備えたものなら、手洗いや家事などもなんなくこなせます。
また、女性なら生理周期管理機能があると便利です。これだけ多機能で便利なスマートウォッチですが、デザイン性がすぐれているものも豊富に展開しています。ビジネス用や外出用など装着シーンに合わせて探してみてください。
血圧測定機能付スマートウォッチの人気メーカーを紹介
血圧測定機能を備えているスマートウォッチで人気のあるメーカーを2社紹介します。
オムロンヘルスケア
オムロンヘルスケア株式会社は「Going for ZERO」を掲げ、ヘルスケア用品の開発・販売に尽力している大手医療メーカーです。血圧計や体温計などをご家庭で使用されている方もいるのではないでしょうか。
オムロンは予防医療の取り組みのひとつとして、2019年12月に高血圧や心房細動を迅速にチェックする『HeartGude(ハートガイド)』を発表。国内で唯一、管理医療機器として認証を取得する高精度な血圧を測定できるとして注目を浴びています。
HUAWEI(ファーウェイ)
HUAWEI(ファーウェイ)は中国に本社を置くスマートデバイスプロバイダーです。ウェアラブル端末の開発にも尽力しており、体調の変化や運動管理など用途に合わせたデザイン性の高いスマートウォッチを展開しています。
血中酸素レベルや運動管理機能などを備えたモデルもあり、毎日の体調をチェックしておきたい方におすすめです。
HUAWEI(ファーウェイ)から血圧測定機能搭載モデルが発表
HUAWEI(ファーウェイ)は2012年12月に血圧測定機能を搭載したスマートウォッチを発表しました。しかし、現在は中国のみで販売されており、国内で入手はできません。2021年11月に血中酸素常時測定に対応したモデルも発表しており、ウェルネス市場に積極的に乗り出しています。
大手メーカーのHUAWEI(ファーウェイ)が血圧測定機能付スマートウォッチを発表したことで、ほかのメーカーも発表することが期待されます。スマートフォンと同じメーカーのスマートウォッチを持ちたい方は、国内で正式に購入できるまで待ちましょう。
血圧が測れる機能にプラスアルファがある機種を! 【カメラ・ガジェットライター/エディター】がアドバイス
カメラ・ガジェットライター/エディター
血圧測定の機能を搭載したスマートウォッチは数多く販売されています。選ぶ際の指針として、血圧測定機能にプラスアルファの健康管理に役立つ機能を搭載した機種を選ぶとよいでしょう。
たとえば、消費カロリーや心拍計などの機能があれば、トータルで健康管理が可能になります。
血圧測定機能付スマートウォッチのおすすめ6選 ガジェットライター・水澤 敬さんと編集部が選んだ
ここまでご紹介した血圧測定機能付スマートフォンの選び方をふまえて、ガジェットライターの水澤 敬さんと編集部で選んだおすすめの血圧測定機能付スマートフォンを7選ご紹介します。機能やデザインもチェックして自分が使いやすいものを探してみてください。
カメラ・ガジェットライター/エディター
『Heart Guide(HCR-6900t)』は、これまでオムロンが培った血圧計のノウハウを活かしたスマートウォッチ。管理医療機器としての認証を取得しており、精度に信頼を置けるのがポイントです。

カメラ・ガジェットライター/エディター
『スマートウォッチ(Q9 Pro)』は、血圧測定に加え、血中酸素や消費カロリー、心拍計、睡眠監視など、ヘルスケア全般を網羅しているのがポイント。IP68防水機能も搭載しており、常に使うことができます。

『スマートウォッチ』
【女性向け】 血圧測定機能付スマートウォッチおすすめ3選 ガジェットライターの水澤 敬さんと編集部で選んだ
ガジェットライターの水澤 敬さんと編集部で選んだ女性におすすめしたい血圧測定機能付スマートウォッチをご紹介します。
カメラ・ガジェットライター/エディター
『S5スマートブレスレット』は、血圧測定だけでなく、消費カロリーや生理周期など、健康管理に欠かせない機能が満載。スリムなデザインに豊富なカラーバリエーションで、女性が身につけるのに最適です。

「スマートウォッチ 血圧」のおすすめ商品の比較一覧表
血圧測定機能付スマートウォッチの装着・計測方法
ここからは血圧測定機能付スマートウォッチで血圧を測定する方法を記載していきます。従来の手首式血圧計で測る方法と似ているのでとても簡単ですよ。
肌に密着するように装着する
スマートウォッチは、手首まわりにすき間ができないようにぴったり巻きましょう。光学式センサーは照射される部位で数値が変動するため、しっかりと装着することがポイントです。
手首の関節にかからないように、手のひらの付け根から約1.5cmの位置に巻くとよいでしょう。また、右手首や左手首など変えたりせず、いつも同じ手首で測るようにしてください。
常に密着させていると気になるという方は、測定時のみぴったり巻くなど工夫をしましょう。
座って心臓の高さに手首を持ち上げる
椅子にこしかけてリラックスした姿勢をたもちます。ひじをテーブルに置いてスマートウォッチが心臓と同じ高さになるまで手首を持ち上げ、腕の力を抜いて測定しましょう。
外出先などでテーブルがないときは、心臓の高さになるまで手首を持ち上げて、肩に置いて測ってください。テーブルの高さが合わない方も覚えておくとよいでしょう。
機能とデザイン性、2台持ちで使い分けよう!
デザインが好みだけど欲しい機能を備えていないという場合、目的に応じて2台のスマートウォッチを使い分けるのも1つの方法です。
「Apple Watch」や「HUAWEI」、「GARMIN」などの人気スマートウォッチを身につけたい方もいるでしょう。しかし、これらの人気スマートウォッチは血圧測定機能を備えていても認証を取得していないため、国内での利用や購入はむずかしい状況です。
どうしても人気スマートウォッチを身につけたい方は、血圧測定機能を備えたものと2台持つことを検討してみてください。
スマートウォッチの血圧測定結果はあくまで参考程度に
血圧測定機能を備えたスマートウォッチには、国から医療機器として認証を受けたものと未認証のものがあります。国内の血圧測定機能を備えたスマートウォッチで管理医療機器として認証を受けているのは医療メーカーのオムロン製のみです。
ほかの血圧測定機能付きのスマートウォッチは、測定結果に誤差が出やすく正確とはいえません。ただし、市場で展開する商品数は多いため、ほかの機能やデザインを重視して選ぶこともできます。数値はあくまで参考程度にと考えている方は認証の有無を問わず、スマートウォッチでも役立つでしょう。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スマートウォッチ 血圧の売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのスマートウォッチ 血圧の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
その他のスマートウォッチの記事はこちら
スマートウォッチを血圧などの体調管理に役立てよう
血圧は体調の変化を知るバロメーターともいわれています。毎日、正しく測ることが大切ですがなかなか意識して測れない方もいるでしょう。血圧測定機能付スマートウォッチなら、手軽に体調の変化を知ることができるのでおすすめです。
数値は目安ですが、体調を意識するために生活に取り入れたい方は、ガジェットライターの水澤 敬さんにうかがった選ぶときのポイントを参考にして自分に合った血圧測定機能付スマートウォッチを探してみてください。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
大学卒業後、専門紙記者を経てカメラ雑誌など紙媒体の編集者を歴任。 15年以上、編集者として経験を積み、2017年フリーライターに転身。 現在はWeb媒体を中心に企画から取材、撮影、編集などマルチに活動中。 得意ジャンルはカメラ・写真、ガジェット全般。 著作に『「ボカロP」になる本』(工学社・ペンネーム「タック二階堂」名義)がある。