多肉植物の魅力
多肉植物はふっくらと丸みを帯びたものや、赤く色づいているもの、産毛のようなふんわりとした毛に覆われているものなど個性的な見た目が魅力です。異なる品種同士を寄せ植えすれば、おしゃれなインテリアとしても楽しめます。
多肉植物はもともと乾燥地帯の植物のため、葉や根っこに水分を多く含んで蓄えています。観葉植物のように水やりを忘れて枯らしてしまうリスクの低い植物です。そのため、初心者でも育てやすい植物といえるでしょう。
多肉植物の選び方
それでは、多肉植物の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の3つ。
【1】人気の代表種
【2】季節型
【3】健康的な株か
上記の3つのポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】人気の代表種をチェック
「多肉植物を育ててみたいけど、どれを選べばいいのかわからない」という方は、入手しやすいアロエやハオルチア、エケベリアなど人気の代表種から選んでみてはいかがでしょうか。それぞれの品種の特性について解説します。
▼ベランダに飾るのに適した「アロエ」
強い日差しを好む夏型の「アロエ」は、ベランダに飾るのにおすすめの多肉植物です。アロエは亜熱帯地域の南アフリカが原産で約500種類もの原種があります。成長速度は遅いですが、高さ50cm以上、茎の直径が2.5cm以上に育てば朱色や黄色の花を楽しめます。
大きくなりすぎたら、別の鉢に株分けしましょう。適度な大きさをたもてます。水やりの頻度は夏場は1日1回、冬は1週間に1回程度。土をさわって乾燥していれば与えるくらいで大丈夫です。寒さにも強いですが、気温が10℃以下になるときは室内に入れましょう。
▼室内でも育てやすい「ハオルチア」
あまり日当たりのよい部屋でなくても育てられる「ハオルチア」は春秋型の多肉植物で、乾燥地帯の岩の割れ目などで自生しています。強い日差しに弱く、室内でも育てやすいのが特徴です。
葉がかたく放射状に広がる「硬葉系」と、ぷっくりとした見た目が愛らしい「軟葉系」に分かれます。育っても15cmくらいの大きさのため、狭いスペースにも飾れるのが魅力です。硬葉系の代表品種は白い縞模様が特徴の十二の巻。軟葉系はまるい葉先に光を取り込むハオルチア・オブツーサ(雫石)などがあります。
▼「セダム」は風通しがいい場所へ
春秋型の「セダム」は寒さや暑さに強く、丈夫で育てやすい品種が多い多肉植物です。ただし、湿度に弱いため梅雨時期は風とおしがいい場所へ、秋になったらベランダなど日当たりのいい場所など時期によって飾る場所を変えましょう。
品種にもよりますが、秋ごろから紅葉し、白やピンク、オレンジなど色鮮やかな花が咲くことから、花壇苗としても流通する品種もあります。
▼お手入れがラクな「エケベリア」
「エケベリア」は、秋型のお手入れが楽な育てやすい多肉植物。秋から春までにしっかり日光に当てることで葉が紅葉色に色づき、春から夏にかけて鮮やかな色の小さい花を楽しめます。
品種によって直径3~40cmとサイズも豊富で、葉の色も異なります。単品でもすてきですが、品種のバリエーションが豊富なので寄せ植えもおすすめです。高温多湿に弱いため、梅雨時期は風通しのいい半日陰におき、秋ごろからベランダや日当たりのいい窓辺などに置くといいでしょう。
▼秋に色づく「パキフィツム」
まるみを帯びた葉が特徴の「パキフィツム」は人気の高い多肉植物です。高温多湿の環境には弱いため、夏の水やりは土の表面が乾燥しているのを確認してから与えるようにしましょう。丈夫で育てやすく、日当たりのよい窓辺などに置くとよく育ちます。ただし、暑すぎると弱ってしまうので夏場は半日陰で風とおしのよい場所に移してください。
「星美人」は秋になるとほんのりとピンク色になり、春になると赤紫色の花が咲くなど季節ごとに見た目の変化を楽しめるのも魅力です。
▼花が美しい「カランコエ」
カランコエは開花期が1~5月まであり、赤や白、ピンク色などのきれいな花を長く楽しめる品種です。梅雨時期は雨が当たらない場所に置いて、11~5月までは室内の日光がよく当たる場所に置きましょう。開花するのは日が短くなるころです。そのため、夜間に明るい場所に置くと開花が遅れてしまいます。
ピンク色の花が咲く「福兎耳(ふくとじ)」や「月兎耳(つきとじ)」など、葉がウサギの耳を思わせるような形状の品種がよく知られています。初心者でも育てやすく、花も鑑賞できることから寄せ植えにしてもすてきです。
【2】季節型をチェック
多肉植物は品種によって生育時期が異なり、「春秋型」「夏型」「冬型」の3つに分けられます。それぞれの生育時期に合った環境があるため、お住まいの地域の気候や室温などに育てる環境に合わせて選ぶことが大切です。
▼「春秋型」は暖かい場所で育てやすい
多肉植物の「春秋型」は春と秋に生育するタイプです。気温10~25℃の暖かい場所で育てるなら「春秋型」の多肉植物を選びましょう。春と秋のタイミングに水や肥料を与えることで、うまく育てることができます。
夏は水やりを控えることで根っこが傷むのを防げます。冬は休眠期にあたるため、1カ月に1~2回程度霧吹きで水を吹き付ける葉水をおこなう程度で大丈夫です。春秋型の代表的な多肉植物はアロエ・アガベ・エケベリア・クラッスラなど、アメリカやメキシコ、ヨーロッパに自生しているものになります。
▼「夏型」は初心者でも育てやすい
多肉植物の「夏型」は、20~30℃の高い気温と強い日差しを好むため、1日中日光の当たる窓辺などにぴったり。熱帯地方に自生する品種で乾燥に強く、葉や根っこなどに水分を多く蓄える性質を持っています。水やりの頻度も少なくてすみ、もし忘れてしまってもすぐに枯れたりしないので、初心者にも育てやすい多肉植物といえるでしょう。
夏型の多肉植物の代表的な品種は、アガベ・カランコエ・コチレドン・サボテン・ユーフォルビアなどがあります。
▼寒い地域の人は「冬型」がおすすめ
室温も低くなる寒い地域にお住まいなら、5~20℃が生育適温の「冬型」の多肉植物を選びましょう。ほとんどの多肉植物は休眠期に入る時期ですが「冬型」は生育期です。
代表的な品種は金のなる木やメセンです。どちらもきれいな花を咲かせるため、冬のインテリアを華やかなものにしてくれるでしょう。日光を好む多肉植物ですが「冬型」の多肉植物は日光や暑さが苦手なものが多いため、日差しの強い夏場は窓から離して半日蔭に置いてください。
【3】健康的な株かチェック
多肉植物は、購入時からぷっくりと葉と葉のあいだが詰まっているものを選ぶことが大切です。長く育てるためにもチェックしてほしいポイントを解説します。
▼葉の状態を見極める
多肉植物の葉は、肉厚でぷりぷりしていますが、そこには水分がたっぷり含まれています。元気な株であればあるほど、鮮やかな緑色の肉厚の葉になります。
一方そうではない葉は、しわが寄っていたりします。見た目にすぐわかるものなので、ぷりっとしていない葉の多肉植物や緑色でなく変色しているような株は避けるようにしましょう。
▼葉の間隔が詰まっていると元気な証拠
多肉植物は、葉と葉の間が詰まっていることも元気かどうかのバロメーターです。もしすき間ができている場合は、日光にあまりあたっていない状態であることが多いです。
日光がじゅうぶんに当たっていない多肉植物は、見た目も元気がありません。見分けるポイントとしては、横から見たときに葉と葉の間が詰まっていることが大事です。
エキスパートのアドバイス
レビューやコメント、口コミも参考に
お手入れもかんたんで気軽に育てられる多肉植物ですが、一般商品と違ってやはり生物であるためオンライン購入はハードルが上がります。
実際に見て触れての購入が難しいオンラインショップの場合は、まず先に購入した方のレビューコメントはぜひ参考にするべきです。梱包や届いた時の状態、その後の様子などトータルで評価が高いものを選ぶと失敗はありません。
多肉植物は種類にもよりますが、一般的に流通しているものの大半が、春秋にぐんぐんと成長する春秋型です。種類を確認する必要はありますが、生育期に適した苗を購入するとより元気に育ちます。
多肉植物のおすすめ4選
ここまでに紹介した多肉植物の選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。
初心者でも簡単に育てられる!
夏型のアロエは初心者でも簡単に育てることが可能です。水やりは1ヶ月に1回程度でOK!土が乾いた頃に水を与えましょう。あまり水を与えない方が長持ちする植物です。育て方のマニュアル付きなので初めての人でも安心ですね。
サイズ | 幅15cm×高さ20cm(葉の広がりを含むおよその寸法) |
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セット内容 | 土の表面を覆い隠す化粧石:天然石(イエロー)、育て方マニュアル |
季節型 | 夏型 |
サイズ | 幅15cm×高さ20cm(葉の広がりを含むおよその寸法) |
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セット内容 | 土の表面を覆い隠す化粧石:天然石(イエロー)、育て方マニュアル |
季節型 | 夏型 |
寒さにも暑さにも強い
マイナス20℃の寒さにも、暑さ・乾燥にも強くどんどん広がって生育する植物。とても丈夫で大抵の場所で育つので、グランドカバーや屋上緑化等にも利用されることが多いです。育てる地域にもよりますが、5~7月にかけて黄色の小花が開花します。冬は植えっぱなしでもOK。初心者でも扱いやすい植物です。
サイズ | 草丈:10~15cm程度 |
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セット内容 | 3号ポット苗 |
季節型 | 春秋型 |
サイズ | 草丈:10~15cm程度 |
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セット内容 | 3号ポット苗 |
季節型 | 春秋型 |
香り高い多肉植物
ハーブの香りが豊かなアロマティカスは、虫がつきにくく病気にもなりにくいので、とても育てやすく初心者向き。白く丸いころんとしたポットに、細く柔らかい産毛に覆われたような丸い葉が特徴でかわいらしいです。
どんなインテリアにも合わせやすいため気軽に取り入れられます。観賞用としてだけではなくハーブティーや料理などに使えるので、実用性もあり幅広い楽しみ方が可能。ハーブが好きな方におすすめです。
サイズ | 幅15×高さ15cm(葉の広がりを含むおよその寸法) |
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セット内容 | 白色丸形陶器鉢、陶器製受け皿、化粧材(ヤシ繊維)、育て方のマニュアル |
季節型 | - |
サイズ | 幅15×高さ15cm(葉の広がりを含むおよその寸法) |
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セット内容 | 白色丸形陶器鉢、陶器製受け皿、化粧材(ヤシ繊維)、育て方のマニュアル |
季節型 | - |
種から育てるうさ耳の多肉植物
種から育てる多肉植物です。まるでうさぎの耳のような形をした愛くるしい形のモニラリアは、その形になるまで楽しみに育て、観賞することができます。
栽培に必要な鉢や専用の土、鉢底石などと育て方の説明書がついているので、初心者でもこれさえあれば簡単に始められるセットです。小さなうさぎの耳型のシルエットに癒されること間違いなしです。
初めから育ててみたい方におすすめします。
サイズ | 幅6.6×奥行6.8×高さ6.6cm(外装箱のサイズ) |
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セット内容 | モニラリアの種(20粒)、育て方の簡易説明書、専用鉢、発芽育苗用の土、鉢底石、鉢底ネット |
季節型 | 冬型 |
サイズ | 幅6.6×奥行6.8×高さ6.6cm(外装箱のサイズ) |
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セット内容 | モニラリアの種(20粒)、育て方の簡易説明書、専用鉢、発芽育苗用の土、鉢底石、鉢底ネット |
季節型 | 冬型 |
おすすめ商品の比較一覧表
商品名 | 画像 | 購入サイト | 特徴 | サイズ | セット内容 | 季節型 |
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LAND PLANTS『アロエ』 |
※各社通販サイトの 2024年08月23日時点 での税込価格 |
初心者でも簡単に育てられる! | 幅15cm×高さ20cm(葉の広がりを含むおよその寸法) | 土の表面を覆い隠す化粧石:天然石(イエロー)、育て方マニュアル | 夏型 | |
花みどりマーケット『セダム 斑入り丸葉万年草(フイリマルバマンネングサ)』 |
※各社通販サイトの 2024年8月27日時点 での税込価格 |
寒さにも暑さにも強い | 草丈:10~15cm程度 | 3号ポット苗 | 春秋型 | |
LAND PLANTS『アロマティカス』 |
※各社通販サイトの 2024年8月27日時点 での税込価格 |
香り高い多肉植物 | 幅15×高さ15cm(葉の広がりを含むおよその寸法) | 白色丸形陶器鉢、陶器製受け皿、化粧材(ヤシ繊維)、育て方のマニュアル | - | |
『うさ耳「モニラリア」栽培セット』 |
※各社通販サイトの 2024年8月27日時点 での税込価格 |
種から育てるうさ耳の多肉植物 | 幅6.6×奥行6.8×高さ6.6cm(外装箱のサイズ) | モニラリアの種(20粒)、育て方の簡易説明書、専用鉢、発芽育苗用の土、鉢底石、鉢底ネット | 冬型 |
各通販サイトのランキングを見る 多肉植物の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での多肉植物の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
多肉植物の育て方
多肉植物の育て方について解説します。
■季節型に合わせて置き場所を変える
多肉植物は、春秋型・夏型・冬型と種類に合わせて置き場所を変えることでうまく育ちます。どこに置けばいいのかわからない方のために季節型に合わせた置き場所を解説します。
春秋型の置き場所
春秋型種は春と秋の生育期にはベランダなど、日当たりのいい風のとおる場所に置きましょう。ただし、高温多湿に弱いため、夏は暑くなりすぎないように風とおしを重視した半日陰の場所がベストです。梅雨時期はベランダなどでも、雨が入ってこない場所や風がとおる窓辺などがぴったりです。
寒さは苦手なので冬は室内で管理します。日中は日当たりのよい窓辺などに置き、夜間は窓からの冷気や暖房の熱気が当たらない場所に置いてください。
夏型の置き場所
夏型種の多肉植物は暑さや乾燥に強いため、1年中日当たりのよい場所に置くことができます。ただし、日差しが強すぎると日光で葉がいたんでしまうので注意が必要です。また高温の場合、鉢のなかの水がお湯になってしまうことも。
葉の色味がうすくなったり、茶色に日焼けしたりする状態が見られたときは、うえから黒色の寒令紗(かんれいしゃ)をかぶせて遮光しましょう。冬は寒さを避けるため、室内に飾って楽しんでください。
冬型の置き場所
冬型種は寒さに強いですが、雪や霜には弱い面があります。冬の日中は日当たりのよい場所に置き、寒い夜は室内で管理しましょう。室内が厚かったりすると弱ってしまうため管理には気を付けましょう。
■季節型に合わせて水やりの頻度を変える
多肉植物は季節型によって、水やりのタイミングが異なります。長く育てるためにも種類に合わせた水やりの方法を知っておくことが大切です。春秋型・夏型・冬型の3種類の水やりについて解説します。
春秋型種の水やりについて
春秋型の多肉植物は、春と秋に水と肥料を与えることでよく育ちます。春と秋は土の表面が乾燥しているときにたっぷりと水を与えます。6月ごろからは少しずつ与える水の量を減らしていきましょう。
夏は1カ月に3~4回水やりをしましょう。休眠期にあたる冬は1カ月に1~2回、霧吹きを使って葉水をするだけで大丈夫です。
夏型種の水やりについて
夏型種の多肉植物は初夏を迎えた5月ごろから水やりを開始します。高温を好む品種が多いですが、日差しが強い場所に置いている場合、鉢のなかの水が温まって根っこが傷んでしまったり、葉についた水により葉焼けをしたりすることも。
そのため、夏の水やりは夕方以降など気温が落ち着いてきたころにおこなってください。秋になったら与える水の量を減らし、冬の水やりは控えましょう。
冬型種の水やりについて
冬型種の多肉植物は生育期となる9~11月が水やりの期間です。9月ごろから与える水の量を増やしていき、11月には鉢の受け皿から水が染みでるくらいたっぷりと水を与えましょう。
気温が低くなる朝や夕方に水やりをすると、冷えて霜がついてしまう可能性があります。太陽が出ている日の午前中がベスト。5月ごろから少しずつ与える水の量を減らし、夏は水やりを控えます。
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まとめ
多肉植物はぷっくりとした見た目が人気のハオルチアや吊り下げて楽しむグリーンネックレス、花を咲かせるカランコエなどその形状はとてもバリエーションに富んでいます。存在感のある見た目なので、お部屋の雰囲気を変えたいときにぴったりです。
置き場所の日当たりや風とおし、室温などをあらかじめチェックしておくと選びやすくなります。今回、ご紹介した多肉植物の選び方も参考にして、部屋のインテリアに合った多肉植物を探してみてください。
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