TOEIC900点台とはどういうレベルなのか

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TOEIC900点台は、英検準1級もしくは1級と同じレベルの英語上級者が取れる点数です。
TOEICで900点台をとるには、9割以上正解する必要があります。900点を超える人は英語上級者であると言え、たとえば英検であれば準一級もしくは一級のレベルと同等の実力が必要です。
難易度が高いためスクールでの勉強に加え、自宅学習も必須となります。よって、TOEIC900点台を狙うには参考書選びが大変重要となってきます。
【TOEIC900点レベル】参考書の選び方|現役英語教師に聞く
TOEIC900点超えを目指す方向けに、私立高校英語教師の石ヶ谷洸大さんに参考書を選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。
新しい形式に対応した参考書を選ぶ
TOEICは2016年5月から形式が変わり、問題数の配分と問題形式が変更になりました。リスニング問題では会話の問題が増え、説明文の問題ではグラフや表などが加わっています。
リーディング問題でも長文問題で読み解く量が非常に増えています。こうしたことから、古い形式の問題集ではあまり意味がなくなっており、今からTOEIC900点台を狙う人は、新形式に対応した問題集を選ぶことが必須となっています。
難易度が「900点レベル」の参考書を選ぶ
TOEICの問題集は、表紙もしくは「はじめに」のページに難易度の記載があります。難関の900点台を狙う方は、まず問題集の難易度をチェックし「900点レベル」のものを選びましょう。
また長文問題やリスニング問題のパートをチェックし、記載された問題が本番テストと同じ以上のレベルであれば大丈夫です。かんたんな問題を掲載している参考書は避けるようにしましょう。
著者が信頼できる参考書を選ぶ
TOEIC900点台を目指す参考書選びでは、著者の信頼性も重要なポイントです。ネット上の口コミなどを参考にしたり、実際に著者がTOEIC900点以上での合格者なのか、最新の試験情報にくわしい人なのかなどもチェックしましょう。
勉強することで、本当に900点台を取る力がつく参考書かどうか見極め、なるべく無駄のない勉強を行なうことが合格への近道となります。
TOEICを「定期的に」受けているかがポイント
私立高校英語教師
「定期的に」受けているかがポイント
世の中にはたくさんのTOEICの参考書があります。読者からすればどれを購入するべきか迷いますよね。
TOEICに関する書籍を出版させていただいた経験から申し上げると、著者ご本人が本当にTOEICの試験を受けているかというところを確認したほうがよいでしょう。それも、定期的に受けているかがポイントです。短い期間で大幅に形式が変更されることは考えにくいですが、それでも傾向などは少しずつ変わっていきます。
定期的に受験をされている著者の書籍にはそういった部分も反映されています。
解説を熟読し自分の弱点を見つける
私立高校英語教師
解説がていねいなものを選んで
900点付近になると、私の経験上、なぜ間違えているのか分からなくなってきます。900点に近い800点台のTOEIC学習者は、闇雲に回答している訳ではないからです。
ここで一番悪いのは問題集を解き漁ることです。この学習方法ではできる部分は伸びますが、苦手・分からない部分が補強されません。
したがって、900点の壁を突破するには「解説を熟読し自分の理解がどのようにズレているのか」を把握することが何よりも必要です。
アルク『TOEIC(R)L&Rテストプライム模試400問』
とにかく解説がていねいと評判! TOEIC990点を50回以上取得している加藤草平氏が監修しています。
>> Amazonで詳細を見るストレスなく読める参考書を選ぶ
TOEIC900点台を目指すための問題集は難しい問題も多く掲載されています。そのため、問題を解くポイントなどが分かりやすく記載されている問題集を選ぶのも大切です。
デザインやレイアウトがきれいな参考書であれば、内容を読み取り理解するストレスも抑えられます。難解な問題が多いからこそ、そういったわかりやすいデザインを選ぶことが意外と重要なポイントです。
TOEICだけの参考書にこだわらない
私立高校英語教師
英語の底力が付けば高得点も可能に
TOEIC900点というスコアをどのように攻略するか。さまざまな考え方があるとは思いますが、私は「TOEIC力だけに頼らない英語力」を身に付けるのが一番の近道だと思います。
底力さえ付いてしまえば、TOEIC900点を突破するのはそこまで難しいことではありません。ある程度、英語が聴けて読める力が身に付けば、900点を取ることが可能になります。
【TOEIC900点レベル】参考書のおすすめ5選|現役英語教師が選ぶ
うえで紹介した参考書選びのポイントをふまえて、私立高校英語教師の石ヶ谷洸大さんに選んでもらったおすすめの参考書を紹介します。TOEIC900点超えを目指す方は、ぜひチェックしてみてください。

アスク出版『TOEIC L&Rテスト文法問題でる1000問』












出典:Amazon
ページ数 | 656ページ |
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出版社 | アスク出版 |
新形式 | 対応 |
内容 | 問題+解説 |
付属 | 音声ダウンロード |
圧倒的量で出題パターンと苦手がわかる
TOEICのテストは文法のテストだと思っています。TOEIC 900点を突破するにはリーディングスコアが420点以上ほしいところです。おおよそ8割強の正解数が必要です(あくまでも参考の数値です)。そしてPart5の勉強こそ私は全Partの対策になると考えています。
一貫性のある文が多く集まったものが長文です。つまり、Part5の短文を正確に読めるようになれば、最終的に長文、リスニング力も鍛えることができます。
またPart5に出題されるパターンは意外と決まっているのです。この1冊をこなせば多くのパターンを身に付けることができます。ここで身に付けた表現や文法知識は他のPartでも役に立ちます。

アルク『TOEIC(R)L&Rテストプライム模試400問』

出典:Amazon
ページ数 | 288ページ、別冊:136ページ |
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出版社 | アルク |
新形式 | 対応 |
内容 | 問題+解説 |
付属 | CD-ROM |
質の高い問題で解答スピードを鍛える
900点を目指す学習者の多くに「韓国模試」を使うという傾向が見られます。私自身も韓国模試を解いた時期があります。しかし今思うと、遠回りに思えます。たしかに韓国模試を利用することにより問題は多く解けるのですが、解説が読めません。つまり「解きっぱなし」という、学習において一番やってはいけない状態に陥りやすいです。
しかし、このプライム模試400はTOEIC大国の韓国の中でも有名なハッカーズの模試を基にしているとのことです。990点を50回以上取得している監修の加藤草平氏を中心に作られた解説は非常にていねいです。
本番よりやや難易度が高い参考書ですが、ていねいな解説があるので安心です。スコア達成に適した参考書です。

朝日新聞出版『1駅1題TOEIC L&R TEST読解特急』












出典:Amazon
ページ数 | 336ページ |
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出版社 | 朝日新聞出版 |
新形式 | 対応 |
内容 | 問題+解説 |
付属 | 音声ダウンロード |
スキマ時間で英文を読む習慣をつける
TOEIC900点を達成する上で必要な力はやはり読解力。TOEICの場合の読解力は英検などの他の長文読解に必要な力と少し異なります。TOEICで求められる読解力は「早く読み、情報を得て、精査し必要であれば別の文書からの情報を照合し、設問に正確に答えられる力」だと思います。
試験の回によって変わりますので正確な数字ではありませんがPart5〜7までのリーディング試験全体で約7000語読みきる必要があります。
この本なら持ち運びも可能ですので、毎日の学習を通して英語を読むことに慣れてください。また、大量の英語を読むことが試験当日が初めて、ということに絶対にならないようにしてください。

桐原書店『最高レベルの学力養成 ライジング英文解釈 英文構造を徹底理解』

出典:Amazon
ページ数 | 167ページ |
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出版社 | 桐原書店 |
新形式 | - |
内容 | 問題+解説 |
付属 | なし |

旺文社『2019年度版 英検1級 過去6回全問題集』


















出典:Amazon
ページ数 | 160ページ、別冊:320ページ |
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出版社 | 旺文社 |
新形式 | 対応 |
内容 | 問題+解説 |
付属 | 音声ダウンロード |
難しい問題に慣れて英語力に自信をつける
TOEIC力をあげるものではなく、英語力を鍛えるものです。おそらく900点に挑まれている方にはハードルが高いかもしれませんが、中には英検1級を視野に入れている方もいるのではないでしょうか。
是非、勇気を出して手にとって見てください。そして精読してみてください。精読する過程でかなりの力が付きますし、自信にもつながるでしょう。私自身、過去にTOEICの受験日まで難易度の高い素材で学習をし受験をした時、TOEICの英文の単純さ短さに驚きました。心にも余裕を持ち試験と向き合うことができました。
かなり大変ですが、きっと1冊をやり切った時、新しい世界の扉が開いているはずです。
「TOEIC参考書」のおすすめ商品の比較一覧表
【TOEIC学習法のコツ】信頼できる参考書を使い倒そう! 現役英語教師からのアドバイス
私立高校英語教師
学習目的も勉強法も人によりさまざま
TOEIC 900点は高いスコアですが、取れないスコアではありません。900点攻略には様々なやり方があります。TOEICの対策をして取る方法、英語力を付けて取る方法。人それぞれ英語学習の目的がありますので、どちらも正しいと思います。
今回は両方を達成できる参考書を紹介させていただきました。ご自身の英語の力が上がれば上がるほど成長実感を感じるものですが、やはり目標達成にはどうしても時間がかかります。
ですが、だからこそ達成した時に得られる達成感や自信は一生ものになります。英語学習を通してあなたの人生が豊かになりますように。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/11/11 記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部)
英語学習開始時、「副詞」と「形容詞」の区別がつかないレベルだったが日々勉強を続け、数ヶ月でTOEIC900点を突破。 その後、英検1級に合格。 TOEIC LR で、それぞれL495点・R495点を達成。現在は私立高校英語教師。