花粉対策用 空気清浄機の選び方
ここからは、花粉対策用空気清浄機の基本的な選び方をご紹介。豊富な製品のなかから選ぶときの重要ポイントは下記の7つになります。
【1】集じん力・脱臭力
【2】フィルター
【3】適用畳数・パワー
【4】加湿・除湿機能
【5】メンテナンス
【6】遠隔操作
【7】その他の機能
上記のポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】集じん力・脱臭力|ココに大きな差がある
花粉空気清浄機の集じんや脱臭は、大別するとタイプがふたつ。それぞれどのような特徴を持っているのか確認しましょう。
▼ファンタイプ
よく見かける一般的なタイプがこちらのファンタイプ。ファンで花粉やチリなどを集めて、フィルターを通してろ過を行ない、空気をキレイにする仕組みです。
フィルターのみで集じんも脱臭も行なうため比較的コンパクトな製品が作りやすく、卓上空気清浄機でもファンタイプが多くなっています。ただし、フィルターの目詰まりが起こりやすいためメンテナンスが少々面倒かもしれません。
▼電気タイプ
本体内で静電気を発生させ、その静電気に花粉やホコリなどを付着させて集じんするのが電気タイプ。集じんしたあとにフィルターを通してさらにろ過し、脱臭まで行ないます。
先に静電気で集じんしているためフィルターの目詰まりが起こりにくいことがメリット。集じん力も脱臭力も衰えずに持続します。本体内で静電気を発生させる装置を組み込まなければならないため、本体は大きくなりがち。スペースはじゅうぶんに確保しましょう。
【2】フィルター|ココで花粉をキャッチする
空気清浄機によっていかに花粉を減らせるか、というところはフィルターに左右されるといっても過言ではありません。ファンタイプでも電気タイプでも必ずフィルターを通し、キレイな空気を送り出すためです。
多くの製品は「プレフィルター」で大きな塵やホコリなどをろ過し、「集じんフィルター」でさらに小さくこまかな花粉やPM2.5などを粒子単位でろ過し、「脱臭フィルター」でニオイのもとを分解していく仕組み。このフィルター部分に大きな工夫や企業努力などがあらわれているともいえるでしょう。
花粉症対策として、天敵である花粉や塵・ホコリ対策がしっかりしている製品を見つけてくださいね。
【3】適用畳数・パワー|部屋の広さに合わせて
いくら高性能のモデルを購入したところで、部屋の広さに合っていなければ空気清浄機も効果を発揮できません。適用畳数(適用床面積)は必ずモデルごとに表示されているので忘れずチェックしましょう。
ここで特筆すべき注意点は「適用畳数=部屋の畳数」ではないということ。適用畳数とは、「日本電機工業会規格(JEM1467)」で定められた基準にのっとって、規定された粉塵濃度を約30分以内に清浄できる部屋の広さ」をあらわしています。
そのため、10畳の部屋に「~10畳用」と表記のある製品を設置した場合、室内の空気をキレイにするのに約30分かかる、ということになります。逆に10畳の部屋に「~30畳」と表記のある製品を設置した場合、約1/3の10分程度で空気がキレイになる、ということ。広いぶんには問題ありません。
【4】加湿・除湿機能|空気をキレイにしながら加湿も除湿も
空気清浄機には空気をキレイにする機能だけでなく、加湿機能や除湿機能を備えたモデルもあり、1台2役をこなしてくれることも。加湿器や除湿器をわざわざ設置する手間暇や費用などを省けます。
とくに、除湿機能つき空気清浄機なら花粉対策で大助かり! 花粉の時期はなるべく衣服に花粉をつけないよう室内干しする人もいると思いますが、空気清浄と一緒に除湿機能もONにすると洗濯物の生乾きの気になるニオイやカビなどの繁殖を抑えてくれます。
天日干しにこだわりたい人は太陽がいちばん当たっている時間帯に外へ出し、早めに室内へ戻して空気清浄で花粉を落としながら除湿で洗濯物を乾かすことも可能。一石二鳥な機能です。
【5】メンテナンス|日々のお手入れはラクラクに
フィルターの定期交換やセンサーのお手入れなど、思いのほか空気清浄機はメンテナンスがたいへん。日々使用する空気清浄機だからこそ、どんなメンテナンスが必要か、フィルターの交換頻度はどれくらいか、などを確認しておきましょう。
電気タイプに比べて目詰まりを起こしやすいファンタイプの空気清浄機なら、当然フィルター交換も多くなります。空気清浄機としての機能を発揮させるためにも、フィルター交換はメーカーが推奨している目安ごとに行ないましょう。
【6】遠隔操作|スマホから操作できるモデルも
近年は技術が進歩し、スマホなどを通して遠隔操作できるモデルも出ています。空気清浄機をつけっぱなしで外出すると電気代が気になりますよね。出先でスイッチのON/OFFができれば、帰宅に合わせて稼働させておくことも可能。
さらに、アプリを使用して室内外の空気状況を把握できたり、消耗品のメンテナンス時期をお知らせしてくれたり、と至れり尽くせりなモデルまであります。エアコンなどと連動させておけば、帰宅時の快適度がグッと変わることでしょう。
【7】その他の機能|イオン・プラズマ、エコ、認証製品など
空気浄化力をさらに高めるために、イオンやプラズマを発生させられるモデルもあります。シャープの「プラズマクラスター」や、パナソニックの「ナノイー」「ナノイー X」などが有名。浄化機能を重視する方は要チェックです。
年中使用したい場合は電気代が気になりますよね。エコ運転機能が搭載されていると、年額にかなりの差がでますし電気代が節約できます。最近では電気代が表示される製品もありますので、あわせて確認してみてくださいね。
また、「花粉問題対策事業者協議会(JAPOC)」の規格をクリアした花粉対策製品を選ぶのもおすすめです。認証を受けた製品は花粉対策の効果が期待ができるので、「JAPOC-○○」「○~○畳用」のように、認証番号と適用床面積が記載されたJAPOCマークを目安に選ぶのもひとつの手でしょう。
強力な花粉の集じんなら適用畳数が大きいものを
花粉の粒子の大きさはおよそ30〜40μm(1μm=0.001mm)となっており、アレルゲン物質のなかでは比較的大きめな粒子になっています。花粉がしっかりシャットアウトできるかどうかというところは集じん力に集約されており、フィルターの目がこまかいHEPAフィルターを使用しているかどうか、吸引能力の高さなどがいちばん重視されます。
そのための指針のひとつとして適用畳数を確認するのが有効で、適用畳数とは「30分でそのなかの空気を一回転入れ替えさせられる畳数」になっていますので、適用畳数が大きければ大きいほど高出力になります。強力に花粉を撃退したいのであればこちらも気にしましょう。
花粉対策用 空気清浄機おすすめ14選
それでは、おすすめの花粉対策用 空気清浄機をご紹介いたします。
▼小型タイプ・一人暮らし向け(目安:10〜15畳ほど)
▼広間・家族使い向け(目安:20〜40畳ほど)
▼おすすめ商品の比較一覧表
すぐに各商品が見たい方は、上記のリンクをクリックしてくださいね。
▼小型タイプ・一人暮らし向け(目安:10〜15畳ほど)
スリムボディ設計なので置きやすい!
スリムボディで置き場所を選ばないモデルですが高性能フィルターが搭載され、しっかり脱臭&集じんできるシャープの空気清浄機。プラズマクラスターで除電しながら花粉などの微小な粒子まで吸じんしてくれます。
また、普段のお手入れは後ろのパネルを掃除機で吸い取るだけなので簡単で楽ちん。部屋の湿度や温度も分かりやすく表示されるので便利に使えます。
超コンパクトなので持ち運んで使える!
NASAが認めた技術を採用して作られた手のひらサイズの超コンパクト空気清浄機です。重さ約120gとレモン1個とほぼ同じなので持ち歩きにも最適。USBケーブルを本体に差し込んで使えるのでデスク、トイレ、車内、新幹線などでも活躍します。
つけっぱなしでも、1ヵ月の電気代はたったの50円!音が静かなので寝室にもおすすめです。
製薬会社で花粉がどこまで抑制できるか検証済み!
日立独自の「アレルオフフィルター(脱臭・集じん一体型フィルター)」を搭載し、ニチニチ製薬にてアレル物質の除去を検証。ELISA法と呼ばれる方法で試験を行ない、スギ花粉96%、ブタクサ花粉96%、カバノキ花粉90%の抑制が実証されました。一体型フィルターはお手入れの手間を助けてくれそうです。
インテリアとしても違和感のないデザインをしており、6方向から空気を吸い込む構造になっています。空気清浄機の本体の後ろ側はなかなか届かない製品が多いなか、斜め後ろからも吸い込む力を持ったこの製品の優秀さはこのうえないでしょう。
ひとり暮らしでも設置場所に困らない小型タイプ
適用畳数が10畳と小型で、卓上にも設置できるような設計。それでも空気清浄の能力は大型タイプに劣りません。
筒状の集じん脱臭フィルターは「EN1822」と呼ばれる試験方法において、花粉やPM2.5はもちろんカビなどまで99%以上抑制できると実証されています。集じん脱臭フィルターの交換時期は1年となっているので、花粉の時期だけ使いたい人にピッタリでしょう。
スピード循環気流で室内の空気を素早くキレイに!
シャープ独自の「プラズマクラスター」により、静電気で花粉やホコリをキャッチ。さらに「静電HEPAフィルター」で浮遊している花粉や微粒子なども逃すことなく99%以上集めます。
加湿機能がついているため加湿用のフィルターも必要になりますが、抗菌・防カビ加湿フィルターを搭載しており、フィルターの交換目安は10年! 定期的なお手入れは必要なので、お手入れ自体が面倒な人は加湿機能を使わず空気清浄機能のみ使用するのもいいでしょう。
▼広間・家族使い向け(目安:20〜40畳ほど)
アレルギー協会認定の花粉対策特化製品
「静電HEPAフィルター」「ガスもと~る脱臭フィルター」「ホコリブロックプレフィルター」の3層からなるフィルター構造。このフィルター構造が浮遊するダニや花粉などを除去すると、英国アレルギー協会で認定されています。
加湿機能、人工知能(AI)も搭載しており、部屋中の空気を清浄しながら湿度も適度にキープ。花粉の時期でも快適な生活が送れることでしょう。
除湿・加湿・空気清浄・脱臭がそろって快適ライフ!
空気清浄だけでなく、脱臭も除加湿も兼ね備えた1台4役のスグレモノ。花粉の時期はもちろん、湿気の多い梅雨や夏の時期の洗濯物乾燥、冬場の空気が乾燥しないよう加湿まで行なってくれます。除湿機能では脱臭フィルターと連携して生乾きのイヤなニオイまで分解するという優秀さ。
JAPOC(花粉問題対策事業者協議会)の花粉対策用空気清浄機として認証も受けており、花粉対策にはバッチリ。「TAFU(タフ)フィルター」と呼ばれる独自のフィルターにより花粉だけでなくアレル物質やPM2.5も逃すことはありません。
空気の状態がリアルタイムで把握できる!
ダイソンのこちらのモデルは、JAPOC(花粉問題対策事業者協議会)が「花粉対策用」として認証している製品です。3つのセンサーが常に空気の状態をモニターし、LCDディスプレイにリアルタイムで表示する機能が搭載されています。
また、最大350°の首振りも可能で暑い日は扇風機としても活用できます。パワフルな循環力で部屋全体の空気を浄化してくれるので、ぜひ、チェックしてみてください。
米国で特許取得済みの「TPAフィルター」を採用
テレビCMなどで見かけるようになった米国に拠点を置く「Airdog」社。米国で特許を取得したTPAフィルターを搭載しており、その能力は世界中の医療従事者が選ぶといわれるほど。花粉はもちろん0.0146μmのマイクロ粒子までキャッチ・ろ過します。
フィルターは目詰まりが起こりにくいタワープレート構造で、なんと定期交換も必要ありません。気になったら丸ごと水洗いして乾かすだけ!
ランニングコストがかからない点も大きな評価ポイントです。
「3Dフロー気流」で床付近の花粉も逃さずキャッチ
床上30cmにたまりやすい花粉を考慮し、気流を3方向へと改良された製品。「3Dフロー気流」によって上に向かって送り出された空気がそのまま気流に乗って下までいき、床付近にたまった花粉やホコリなどをキャッチして再び本体に戻る仕組みです。
パナソニック独自の「ナノイーX」を搭載し、キャッチした花粉やホコリは逃がしません。キャッチするスピードも「ナノイーX」独自の速さ。さらにスマホ連携で遠隔操作も可能と、じゅうぶんすぎる機能をもった一台です。
花粉を99.97%除去できる! 検証された実力
花粉・ダニなどはもちろん、0.1μmほどの微粒子まで99.97%抑制できると実証された製品(LMS Technologies社の実証データによる)。そんな実力派な空気清浄の力は花粉を逃すことはありません。
最大70畳まで対応可能なパワフルタイプなので家庭用空気清浄機としてはもちろんのことオフィスや店舗などで使用できるものを探している方にもおすすめです。
花粉対策空気清浄機として認証を受けた製品
JAPOC(花粉問題対策事業者協議会)の花粉対策用として認証されるのはもはや必須かもしれません。この製品もJAPOCの認証を受けています(2022年5月現在)。そのため、花粉対策用としての性能はお墨つき。10年間交換不要の「TAFU(タフ)フィルター」搭載で、経年劣化も少ないところが特徴です。
空気清浄だけでなく加湿機能も備わっており、さらにスマホ連携も標準装備。AlexaやGoogleアシスタントにまで対応しているとは、現代社会にピッタリな製品ですね。
「花粉撃退」モード搭載、花粉対策といえばこれ!
多彩な吸引モードを備えているなか、「花粉撃退」モードボタンを押すと高感度なセンサーにより花粉に重点を置いて空気をキレイにします。衣服や床、壁などに付着している花粉だけでなく、空気中に浮遊している花粉もすかさずキャッチ。空気をキレイな状態で循環させてくれます。
留守中でもホコリを感知すると自動で室内を掃除しておいてくれる機能も備わっており、空気を清浄にするだけでなく、ふだんの掃除の回数や手間暇も減るかもしれません。(※)
(※)床の上に堆積したホコリを掃除することはできません。
独自開発のフィルターでキレイな空気が持続!
クリーンエア供給率は「ANSI/AHAM AC-1」規格にもとづく試験結果にて花粉は最高値450cfm中300獲得。これは数値が高ければ高いほど高性能を示しています。
ブルーエア独自の 「HEPASilent(R)テクノロジー」を採用した「デュアルプロテクションフィルター」を搭載しており、段階的に空気を清浄。このテクノロジーにより、フィルターの目詰まりが起こりにくくなっています。独自のテクノロジーにより、風量と性能を維持しながら静音と省エネを実現できるため、キレイな空気が持続できます。それに加えて、フィルターは24時間稼働で6カ月の交換でいいため経済的でお手入れの頻度も減るので一石二鳥ですね。
「花粉対策用 空気清浄機」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 花粉 空気清浄機の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での花粉 空気清浄機の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
覚えておきたい花粉の基礎知識
花粉対策用空気清浄機だけではどうしても対処しきれない部分が出てきてしまいます。これからご紹介する内容も一緒に実践すると、より効果的に花粉対策ができるでしょう。
玄関用の花粉対策用空気清浄機も効果的
花粉は室内に持ち込まないほうがよいのは当然のこと。となると、玄関に花粉用空気清浄機を置くことも視野に入れるとよいでしょう。
玄関で花粉をある程度落とせれば、室内に入り込む花粉の量も減り、快適度がグンと上がるかもしれません。
帰宅後はなるべく玄関で衣類を脱ぐ
外で花粉がついてしまった衣服(とくにジャケット・アウターなど)はなるべく玄関で脱ぐようにしましょう。そうすることによって、室内に持ち込む花粉の量が少なくなります。
できれば帰宅後、玄関ですぐに着替えてしまうことが最善かもしれませんが、なかなかそうもいかない場合は衣服を玄関の外で軽くはたいて振り落とすだけでも違いが出てくるでしょう。
花粉の時期はなるべく室内干しを心がけよう
「洗濯物は絶対に天日干し派!」という人も多いとは思いますが、せめて花粉の時期はなるべく室内干しをするようにしましょう。せっかく洗ってキレイになった洗濯物が、干している間に再び花粉にまみれて……と悪循環。
室内干しをするなら、せっかくなので除湿機能つき空気清浄機を併用しましょう。除湿機能で洗濯物の乾きを早め、空気清浄機能で生乾きの気になるニオイや菌の繁殖を抑えてくれます。
【関連記事】そのほかの空気清浄機の記事はこちら
辛い花粉症から解放されて快適に過ごそう!
空気清浄機にもさまざまな付加機能が備わっていることがわかりました。花粉症対策として製造されているモデルも多く、通常の空気清浄機よりも花粉に重点を置いているからこそ、花粉に悩む人の手助けをしてくれるでしょう。
とくに、除湿機能が備わったモデルだと室内干しの洗濯物を乾かしたりイヤなニオイを分解したりと、1台3役も4役もこなしてくれるのでありがたいですね。みなさんにピッタリな花粉空気清浄機が見つかるといいですね。
◆Amazonや楽天を始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しており、当記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されます。◆記事公開後も情報の更新に努めていますが、最新の情報とは異なる場合があります。(更新日は記事上部に表示しています)◆記事中のコンテンツは、エキスパートの選定した商品やコメントを除き、すべて編集部の責任において制作されており、広告出稿の有無に影響を受けることはありません。◆アンケートや外部サイトから提供を受けるコメントは、一部内容を編集して掲載しています。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。