花粉症用目薬の選び方
医療ライター・西村テツジさんに取材をして、花粉症用目薬の選び方を聞きました。ポイントは以下です。
【1】成分の違い
【2】刺激の少ないもの
【3】血管収縮剤を配合していないもの
【4】防腐剤配合の有無
【5】コンタクトしたまま点眼できるか
【6】妊娠・授乳中の人は医師に相談
それぞれ詳しくみていきましょう。
【1】成分の違いで選ぶ
花粉症用の目薬を選ぶときは、まず配合されている成分に注目しましょう。
抗アレルギー成分配合:症状が軽いうちに使う
花粉症のシーズン本番を迎える前から、かゆみなどの症状がひどくなるのを防ぎたいなら、抗アレルギー成分が配合された目薬を選びましょう。
抗アレルギー成分は、それほど強力な薬ではないので、ふだん使いすることもできます。花粉が気になるシーズン中、症状がひどくなる前に使うことで目の違和感の悪化を防ぐこともできるのがポイントです。
長期間にわたって使い続けたい場合は、抗アレルギー成分を主成分にした目薬を選ぶとよいでしょう。
抗ヒスタミン成分配合:症状を抑えたいときに
即効性を求めるなら抗ヒスタミン成分が配合された目薬を選びましょう。
ヒスタミンは、目のかゆみやくしゃみ、鼻水などを引き起こす物質です。抗ヒスタミン成分は、このヒスタミンの働きを抑えてくれる成分で、すでに出てしまった不快な症状も抑えてくれます。
花粉の飛散が多く、症状が強く出ているときは抗ヒスタミン成分が配合された目薬で、不快な症状をしっかりケアしましょう。
【2】刺激の少ないものを選ぶ
花粉症用の目薬を選ぶときは、できるだけ刺激が少ないものを選びましょう。メントールなどが入っている目薬は、さしたあとに清涼感が得られる一方で、角膜に負担をかけてしまうことがあります。
とくにかゆみが強く出ているときは、メントールなどの清涼剤を含まない、さし心地がマイルドなものを選ぶとよいでしょう。
目薬のさし心地については、商品のパッケージに記載されています。「ソフトなさし心地」や「刺激がすくない」などの表記を目安に選んでみてください。
【3】血管収縮剤配合の目薬は常用しない
血管収縮剤は、目の充血を血管を収縮させて一時的に充血を緩和する成分です。しかし、血管収縮剤が配合された目薬を常用していると、かえって充血してしまうことがあります。長期間使い続けるのであれば、血管収縮剤を配合していないものを選んでください。
どうしても充血をとりたい場合のみ血管収縮剤配合の目薬を使用するなど、使いわけるのもよいでしょう。
血管収縮剤には塩酸ナファゾリンや塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリンなどがあります。
【4】防腐剤配合の有無で選ぶ
塩化ベンザルコニウムをはじめとした防腐剤は、目薬の品質をたもつ一方で、濃度と接触時間によっては角膜にダメージを与えてしまう成分です。
コンタクトレンズが防腐剤を吸着するため、コンタクトレンズをしている人は防腐剤が長時間目の表面にとどまりやすいので注意しましょう。場合によっては、コンタクトレンズが変形・変色・白濁することがあります。
防腐剤による角膜へのダメージが気になる場合は、防腐剤が配合されていない商品を選ぶとよいでしょう。一部の人をのぞいて、防腐剤はいつもどおりまばたきをしていれば涙で流されてしまうので、角膜への影響はあまりないと考えられています。
【5】コンタクトしたまま点眼できるか、できないかを確認
コンタクトレンズをしている人は、コンタクトレンズをしたまま点眼できない商品かどうかをチェックして選びましょう。商品を使用する前にも添付文書をよく読んで、コンタクトレンズをしたまま点眼できるかどうか再度確認してください。ソフトかハードかなどタイプによっても異なる場合もあるので、チェックしましょう。
コンタクトレンズをしたまま点眼できない目薬を使うときは、目薬をさしたあと5分以上待ってからコンタクトレンズを装着しましょう。5分間待つことで薬剤が目の表面から流れるので、コンタクトレンズに影響を及ぼしにくくなります。
【6】妊娠・授乳中の人は医師に相談してから選ぶ
妊婦さんや授乳中の人は、目薬を購入する前に医師に相談してから選ぶことが重要です。母体に吸収される量は一般に少ないとされていますが、花粉症用目薬のなかには抗ヒスタミン剤やステロイドが配合されているものもあります。
点眼薬や点鼻薬といった外用薬が胎児や母乳に影響を与える可能性は少ないと考えられますが、心配な人は事前にかかりつけの医師に相談して購入・使用するとよいでしょう。
発症時期やかゆみに合わせて使い分け! 花粉症目薬 医療ライターがアドバイス
花粉症目薬の成分には、抗アレルギー成分と抗ヒスタミン成分があります。
抗アレルギー成分は、かゆみの原因となるヒスタミンの発生と放出を防ぐ働きがあり、花粉が飛ぶ前の2~3週間前に使ったり、症状が軽いときに使うことをおすすめします。
抗ヒスタミン成分は、花粉に反応して発生してしまったヒスタミンの働きを抑えますので、アレルギー症状がひどいときに即効性があります。
花粉症用目薬おすすめ12選 目のつらい症状をやわらげる
おすすめの花粉症用の目薬を紹介します。自分に合った目薬をみつけて、花粉症の不快な症状をやわらげましょう。

佐藤製薬『ノアールPガード点眼液』は、長時間持続する抗アレルギー成分ペミロラストカリウム配合で、1日2回の点眼です。
1日2回で効き目が長時間持続する!
効き目が長時間持続するので、1日2回の点眼でよい花粉症用の目薬です。花粉が飛びはじめる前から使用することで、配合されている抗アレルギー成分がかゆみや異物感のもととなるアレルギーの発症を抑えてくれます。
メントールを含まないやさしいさし心地で、7歳以上の子どもでも使用できるのがポイントです。
※この商品は「第2類医薬品」です

ロート製薬『ロートアルガード クリニカルショットm(マイルド)』は、高機能眼科用薬で、ステロイドのトラニラスト、抗ヒスタミン、抗炎症成分配合です。
不快な症状をまとめてケアできる高機能眼科用薬
花粉などによるつらい目のかゆみのほか、充血・異物感もケアできる高機能な花粉症用目薬です。ステロイドのトラニラストのほか、抗ヒスタミン成分と抗炎症成分も配合されています。4つの有効成分が配合されているのもポイントです。
これまで一般向けのアレルギー用目薬を2日間くらい使用してもかゆみが治まらなかった人にぴったり。
※この商品は「第2類医薬品」です
5種類の有効成分が目のアレルギー症状を緩和!
抗炎症剤のほか、抗ヒス夕ミン剤や血管収縮剤など5種類の有効成分がアレルギーによるかゆみや異物感、充血をやわらげてくれる花粉症用目薬です。眼瞼炎や目やにをともなう目のかすみが気になるときにも使用できます。
メントール配合で、穏やかな清涼感のあるさし心地です。1日5~6回を目安に使用してください。
※この商品は「第2類医薬品」です
角膜保護成分配合の青紫色の目薬
炎症やアレルギーを鎮める「アズレンスルホン酸ナトリウム水和物」のほか、「クロルフェニラミンマレイン酸塩」や「イプシロン-アミノカプロン酸」を配合した目薬です。角膜保護成分として「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」を配合しており、弱った目の機能をケアし、目を保護してくれるのもポイントです。
※この商品は「第2類医薬品」です
3つの成分が不快な症状をしっかり抑える
抗アレルギー成分・抗ヒスタミン成分・抗炎症成分の3つの成分が、かゆみや異物感、充血といった花粉による不快な症状をしっかり抑えてくれる花粉症用目薬です。刺激がない、マイルドなさし心地でしみにくいのがポイント。7歳以上の子どもにも使用できます。
コンタクトレンズをしている場合は、一度はずしてから点眼しましょう。強い眠気におそわれることがあるので、点鼻薬との併用はしないでください。
※この商品は「第2類医薬品」です
防腐剤を配合していないマイルドな目薬
防腐剤(ベンザルコニウム塩化物、パラベン)を配合していない花粉症用目薬です。ハードコンタクトレンズ(酸素透過性を含む)を装着中にも使用できるのがポイント。デリケートな状態の目にもしみにくく、マイルドなさし心地です。
かゆみを止める成分・炎症を鎮める成分・充血除去成分に加え、疲れ目をやわらげるビタミンB6も配合しています。
※この商品は「第2類医薬品」です
点鼻薬と併用できる目薬
メントールなどの清涼化剤を配合していない、やさしいさし心地が特徴の花粉症用目薬です。抗アレルギー成分「アシタザノラスト水和物」を配合しているので、花粉症シーズンに突入したら、症状が軽いうちから使いはじめましょう。
使用後に乗りものの運転や機械の操作をしてもよい点鼻薬と併用することもできます。
※この商品は「第2類医薬品」です
目の乾燥も気になるときに
抗アレルギー成分の「クロモグリク酸ナトリウム」を含む、4つの有効成分を配合した花粉症用目薬です。思わずこすりたくなるつらいかゆみを鎮めてくれます。鼻炎内服薬を服用中でも使えるのがポイント。
抗炎症成分「グリチルリチン酸二カリウム」を配合しているため、目の充血が気になるときにもぴったりです。目にうるおいをあたえるモイストタイプで、瞳の乾燥が気になるときにも適しています。
※この商品は「第2類医薬品」です
3つの成分が不快な症状をトータルでケア
抗アレルギー剤の「クロモグリク酸ナトリウム」に、抗炎症成分の「グリチルリチン酸二カリウム」、抗ヒスタミン成分の「クロルフェニラミンマレイン酸塩」を配合した花粉症用目薬です。それぞれの成分が、アレルギーの発症を抑え、かゆみを引き起こすヒスタミンの放出をブロックし、すでに起こってしまったアレルギー反応を鎮めることで、目のかゆみや異物感をやわらげてくれます。
少し清涼感のあるさし心地もポイントです。
※この商品は「第2類医薬品」です
やさしい差し心地で目にしみない
6つの有効成分を配合した、やさしい差し心地の目薬です。抗ヒスタミン剤を含む3つの有効成分で目のかゆみや炎症を抑え、塩酸テトラヒドロゾリンで目の充血を抑えます。
また、炎症で傷ついた組織の修復を促す作用のあるタウリンとパンテノールも配合。花粉やハウスダストなどによる目のかゆみに効果的です。
※この商品は第2類医薬品です。
オールシーズン使えるアレルギー用目薬
抗アレルギー成分「アシタザノラスト水和物」を配合した目薬です。防腐剤の塩化ベンザルコニウムは使用していません。1本あたり5mlなので、持ち運びに便利なだけでなく、すぐに使いきれて衛生的です。
花粉症の時期だけでなく、ハウスダストや、ガ・ユスリカによるアレルギーにも使えるオールシーズン処方です。
※この商品は「第2類医薬品」です
クールなさし心地で目をリフレッシュ!
抗ヒスタミン成分の「ケトチフェンフマル酸塩」のほか、グリチルリチン酸二カリウムやタウリンが配合された目薬。清涼感があるさし心地です。花粉だけでなく、ハウスダストによるアレルギーにも対応しています。
花粉症の場合、花粉の飛散時期に入って症状が出はじめたら、目のかゆみや異物感がひどくなる前から使いはじめるとよいでしょう。
※この商品は「第2類医薬品」です
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 花粉症用目薬の売れ筋をチェック
Amazonでの花粉症用目薬の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
花粉症目薬の開封後の使用期限は? シーズン使い切りがおすすめ!
毎年やってくる花粉症。人によっては1年に何度も経験するので、花粉症目薬の使用期限が気になりますよね。外箱に記載されている使用期限は、未開封の場合なので開封後の使用期限とは異なります。
花粉症向けに限らず、目薬の開封後使用期限は、保管状況などによるものの2~3カ月が目安といわれます。ひとつの目薬を長く使うのではなく、1シーズンで使い切るようにしましょう。
目薬を使っても症状がよくならないときは
花粉症用の目薬を使用しても症状がよくならない・悪化するといった場合は、そのまま目薬を使い続けずに、眼科を受診しましょう。市販薬よりも処方薬のほうが効き目が強いため、医師の指導による点眼をすることで症状の改善が期待できます。また、自己診断で花粉症だなと思っていても、大きな病気が隠れていることもあります。
受診するときは、それまで使っていた目薬を持っていくとよいです。また、花粉症用の目薬を使用するときは添付文書をよく読み、用法・用量を守って使用しましょう。
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花粉症用目薬で目の違和感をやわらげよう
日本国内でスギ花粉による花粉症の人の数は、正確なところはわかっていませんが、さまざまな調査が行われていて、全国で20%を超えるという報告もあるそうです。それほどポピュラーなアレルギーです。
花粉症による目のかゆみや違和感は実に不快なもので、思わず目をこすってしまいたくなりますが、こすらず我慢して花粉症用の目薬で対処しましょう。
花粉症用の目薬を選ぶときは、成分や刺激の有無などをよく確認することが大切です。しばらく使用しても症状がよくならない場合は、漫然と市販の目薬を使い続けることはせずに、医療機関を受診して適切な処置を受けましょう。
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