母乳搾乳器は必要?
搾乳器が必要になるか、またはいらないか、必要な場合でも使用する頻度は人それぞれです。
人に預けるときや外出中の授乳時のみなら、コスパのよい手動タイプの搾乳器で充分でしょう。また、睡眠不足が続き授乳を少し休みたいと感じた場合にも、保存用の搾乳には手動式が便利。3~4カ月以降で射乳もしっかりある、乳腺が成熟している方には手動でも短時間で効果があることもあります。
母乳の出がよいママや搾乳の頻度が高いママには、短い時間で搾乳できる電動タイプがぴったりです。また、直接授乳できない赤ちゃんや大量の搾乳をしたい場合も、電動がおすすめです。
どちらが自分に合っているのか迷ってしまう場合は、レンタルを利用してみるのもいいでしょう。
母乳搾乳器の選び方
ベビー用品のなかでも、購入するかどうか悩むママが多い母乳搾乳器。じつは、出産前からの購入はおすすめしません。出産後、どのように母乳が分泌するのか確認してから選ぶといいでしょう。
また、授乳後の後搾りのしすぎは分泌過多になるので、基本的に痛みがない以外は産院でもすすめていません。痛みがあるような乳腺に使用するのは、かえって刺激が強すぎて症状を悪化させることにつながる可能性があります。
ここからは搾乳器を選ぶときのポイントをご紹介します。注意点を考慮しながら、選ぶポイントもチェックしてみましょう。
【1】搾乳の頻度と1回の母乳量でタイプを選ぼう
搾乳器には、大きく分けて手動タイプと電動タイプがあります。それぞれにコスト面、搾乳方法、サイズ、消毒方法などによってメリット・デメリットがあるので、まずは商品の特徴を知ることが必要です。
出産前になんとなく準備するのではなく、授乳をスタートしてからママと赤ちゃんの授乳ペースに合った搾乳器を選択するといいでしょう。
▼軽量で持ち運びに便利! コスパもよい手動タイプ
手動タイプのメリットは、電動と比較してコスパがよく、軽量で持ち運びに便利だという点です。搾乳の強弱など微調整ができる点も便利ですが、母乳の出がよく搾乳頻度の高いママには、手が疲れうまく搾乳ができなくなってしまうことがあります。
睡眠不足で緊張や疲労がたまりやすい授乳期。ママの体に痛いところがあるのはつらいので、手の痛みを感じたら電動への買い替えやレンタルへの切り替えを検討してみましょう。
▼搾乳時間が短く手が痛くならない電動タイプ
電動タイプは、ボタンを押すだけで搾乳がスタートしたり、母乳の出がよいママにはうれしいダブルポンプで両胸から同時に搾乳ができたり、母乳を無駄にすることのない便利さがあります。昼間働いていたり、たくさん母乳を保存したりしておきたいママにはぴったり。
手動タイプに比べコスト面での負担は大きくなります。しかし母乳の出がいいママは1回の授乳では母乳を出しきれず、ときには乳腺炎になることもあるので、予防という観点からも持っておくと安心です。
【2】搾乳容器はお手入れのしやすさをチェック
母乳を保存しておく搾乳容器は、きちんと消毒をしてつねに清潔にしておきたいもの。搾乳器を選ぶ際のポイントとして、組み立てがシンプルでパーツが少ないという点は外せません。
お手入れの方法としては、煮沸、電子レンジ、食洗機・薬液につけおきなどが一般的。こまめに洗うものなので、食洗機や電子レンジを使用してかんたんにお手入れできるものが便利です。
▼部品が少ないものや洗いやすいものがベスト
作りがシンプルで部品が少なく、お手入れがかんたんであることは、搾乳器を選ぶときにおさえておきたいポイントです。
パーツが劣化や紛失してしまったときに、部品を新品に交換できるかもチェックしておきましょう。部品を単品で販売しているメーカーだと安心です。
▼電子レンジで高温除菌できるタイプに注目
専用ケースに全パーツをセットして、電子レンジで高温除菌できるタイプだと除菌後にそのまま保管もできて便利。
空いた時間に少し座ってお茶を飲むなど、ママがリラックスできれば母乳の出もよくなって、いいサイクルが生まれるかもしれません。なるべく便利でかんたんにお手入れができるアイテムを選んでみましょう。
【3】搾乳容器のサイズをチェック
付属の搾乳容器は、大きめのものがおすすめです。商品によっては、付属の容器が100ml以下のものもあるのでサイズの確認は必ずしましょう。一般的に150~160mlが標準サイズ。
なかには手持ちの哺乳瓶につけ替え可能な商品もありますが、手動の場合は哺乳瓶が大きすぎると手に負担がかかるので注意が必要です。
【4】肌に直接触れる部分の素材をチェック
授乳中のママの肌を守る、やさしい素材かも要チェック。授乳中は、乳頭を痛めたり、胸が張って痛かったりとデリケートな時期になるので、なるべく触って心地いいと思える素材を選びましょう。
クッション素材のなかでも、アレルギーがあるママでも使えるシリコン素材は、やわらかくてストレスの少ない素材。液体シリコンや、花弁状に凹凸のあるシリコンなど、商品によって異なるので購入前によくチェックしてみてください。
【5】母乳の出が心配なら母乳アシスト機能をチェック
搾乳準備モードや搾乳モードなど、吸引力を調整できる商品にも注目しましょう。やさしく速いリズムでおっぱいを刺激する準備モードで母乳の出をうながし、母乳が出始めたら搾乳モードに切り替えることで、効率的に搾乳をすることができます。また、吸引の強さを自分の好みに調節しながら使用できるのもポイントです。
おっぱいの状態はママによって違うので、アシスト機能は多いほうがいいでしょう。
母乳搾乳器おすすめ5選|手動
ここからは、手動と電動に分けて搾乳器をご紹介していきます。まずは、手動タイプです。
母乳バッグつきでそのまま冷凍保存ができる便利なセットや、搾乳口の素材にこだわっているもの、食洗機の使用が可能な商品などをご紹介します。気になる搾乳器を探してみてくださいね。
哺乳瓶がヌークだったので搾乳器も同じものを購入しました。ヌークの搾乳器は吸引力があるのでしっかり絞ってくれます。微妙に位置をずらしながらそれぞれの箇所で絞ると満遍なく絞れたのでおっぱいが張りすぎて痛くなることもなく、搾乳できました。(Aさん/1歳男の子ママ)
取り外しや組み立てがかんたんなドイツ製搾乳器
信頼の高いドイツのブランド「ヌーク」が助産師や母乳育児の専門家と共同開発した搾乳器。保存キャップや授乳用ニップルにつけ替えるだけで、搾乳から保存・授乳がかんたんに行なえます。パーツが少なくシンプルで、取り外しや組み立てもラクラク。食洗機対応で、手軽に洗うことができ便利です。
フラワーモチーフのかわいいボトルデザインは、家族でのお出かけにも持ち歩きたくなる魅力があります。機能性とデザイン性を兼ね備えた、オールマイティな商品です。
私は手動・電動どちらも使ったことがありますが、手動のほうが手軽で使いやすく手動で十分だなと。使用後は全部バラして洗って、レンジで煮沸消毒して、と1日に何度かは使うので清潔に使うのはちょっと大変。でも隅々まで手入れできるので、衛生面でも安心! 無理なく搾乳できるし、使い方も簡単で便利でした。(Nさん/3歳女の子ママ)
握りやすさにこだわったハンドル設計
長年の哺乳研究からヒントを得た、独自の搾乳リズムを採用。授乳と同じ強弱のある自然なリズムで搾乳が行なえます。また、準備ステップと搾乳ステップがあり、無理なく搾乳ができるのもポント。初産で母乳の出が心配なママも、しっかりと準備ができるので安心して授乳できますね。
ハンドルがくるっと回転するので、片胸で赤ちゃんに授乳しながらもう片方のおっぱいで搾乳するときにも、授乳の仕方や角度を気にせずに搾乳をすることができます。

搾乳から冷凍保存までがスムーズなお得セット
搾乳器部分のママらくハンドα(上部)、と下部の母乳バッグコネクターのセット。搾乳後、バッグを取り外してそのまま冷蔵・冷凍保存ができます。
母乳バッグは多くの産婦人科で使用。インフレーション製法により異物や雑菌の混入をしっかり防止します。付属のメモリーシールに搾乳の日付を記入しておくと、保管の目安となり便利。手動ハンドルで吸引力の微調整ができるのは、手動式の大きなメリットです。
搾乳口がシリコン素材でママにやさしい
授乳中、反対のおっぱいにはめておくだけで滴り落ちる母乳をこぼさずキャッチ。自然の吸引力により、やさしく搾乳を行なえます。搾乳口はソフトなシリコン素材。安心・安全のBPAフリーで、米国食品医薬品局承認の食品グレードシリコンです。
搾乳器の落下を防ぐストラップ、シリコンストッパー、ベルベッドポーチがついて機能性抜群。ストラップやストッパーは、搾乳時も上のお子さんから目が離せない、ふたり目・3人目を出産した授乳ママにとってもありがたいですね。
漏れないキャップで持ち運びにも便利な小型搾乳器
シンプルな形状で、お手入れもかんたんな小型搾乳器。搾乳後、付属のキャップでふたをすれば漏れを防げます。持ち運びもできて、外出先での搾乳時に便利なアイテムです。素材は、100%食品グレードの肌にやさしいシリコンを採用しており、赤ちゃんが容器をなめたり噛んだりしても安心。
食洗機での洗浄も可能。お手入れがしやすいので、効率のよさを重視するママにぴったりです。
母乳搾乳器おすすめ4選|電動
続いて、電動タイプの搾乳器を紹介します。電動タイプはダブルポンプ式もあり、なにより時短でさっと搾乳できるのが魅力的。
母乳の出がよく搾乳の頻度が高いママや、母乳を冷蔵・冷凍保存したいというママにぴったりです。自分にぴったり合う搾乳器を探してみてくださいね。
メデラの搾乳器は痛くなく、静かで使いやすい! 吸引力も使いやすさも問題がなく、搾乳ができたので完母でもなんとかやり抜きました(笑)。ただ部品が多いため、洗浄の際に細かい部品をなくしてしまうのではないかという心配はありました…。そのほかは完璧でした!(Cさん/0歳男の子ママ)
4つのボタンで吸引圧とリズムをかんたん操作
病院で使用されていることの多いスイスのブランド「メデラ」。搾乳中に4つのボタンで吸圧やモードの微調整ができるなど、ママへのサポート機能が充実しています。
乳腺炎や乳頭の痛みなど、授乳期間中は授乳を続けることが難しい場面も。そんなときに備えて乳房の状態がいいときに搾乳を行ない、母乳の冷凍保存をしておくと母乳育児が続けられます。サポート機能を上手に使って、授乳期間を楽しみましょう。
搾乳口の角度など使用感にこだわるダブルポンプ
赤ちゃんがおっぱいを飲むときの自然なリズムを再現できる、独自の「2フェーズさく乳技術」を採用。赤ちゃんの授乳のリズムを再現でき、短い時間でささっと搾乳したいママをサポートしてくれます。また母乳量を増やしたいなら、両胸同時搾乳のダブルポンプ仕様が便利。
栄養満点の母乳を効率的に搾乳できます。持ち運びしやすいようにとても軽く作られており、クリップでブラウスに留めてポケットのなかに入れれば、外出先でもかんたんに搾乳が可能です。
コスパのよいコンパクトな電動搾乳器
手動タイプと同じ価格帯でコスパの高さが魅力的な搾乳機です。乾電池も使えるので、コードレスで持ち運びができます。コンパクトなので外出時の搾乳にも便利。
広口哺乳瓶も接続できるアダプターが付属しており、チュチュベビーの哺乳瓶ならどのタイプでも搾乳が行なえます。ただし、本セットには哺乳瓶はついていないので要注意。手動タイプを持っていて電動式も試してみたいという場合も、価格が安めで手に入れやすいですね。
産後に購入。複数リズムがあるので自分に合ったリズムで搾乳ができるのがこの搾乳器の一番のポイント。しっかり圧がかかるので母乳を絞りやすい感じかな。搾乳時の音が大きすぎないので、寝ている娘を起こすことなく夜中でも搾乳できたのがありがたかった!(Rさん/2歳・1歳女の子ママ)
吸引圧を6段階に調節できる小型搾乳器
シンプル・ナチュラル・カスタムの3モードと吸引圧は6段階に調節できて、自分好みに搾乳を行なうことができる搾乳機。効率的になるべく多くの母乳がとれるよう設計されています。
専用アプリ「Pigeon Switch(ピジョンスイッチ)」と連動しており、スマートフォンで吸引力を調整。母乳の搾乳量や保存記録を管理することができます。赤ちゃんの授乳量が心配なママも、しっかり記録できるので安心ですね。
母乳搾乳器のおすすめ商品比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
母乳用搾乳器の正しい使い方
自分に合う搾乳器を見つけたら、つぎは搾乳時のポイントです。乳腺炎の予防にもなる搾乳器は、ママのよきサポート役。ただし、あくまで授乳のサポート役のため、使いすぎるのもよくありません。
母乳の出がよいママは、とくに搾乳のしすぎに注意が必要。たくさん母乳を搾乳することで新しい母乳が作られすぎ、胸が張ったり詰まったりすることがあります。
知っておきたい搾乳器のメリットとデメリット
搾乳器で出したぶん新しい母乳が分泌されるため、母乳の出が心配なママにとっては授乳量の増加につながることがあります。
一方で母乳の出がよいママは搾乳がクセになり、新しい母乳が作られすぎてつねに胸が張り痛いと感じてしまうことも。理想は、赤ちゃんに飲んでもらって授乳を終えることです。搾乳器は適度に使用することを心がけましょう。
完全母乳には母乳の冷蔵・冷凍保管が便利
搾乳した母乳は専用のパックに保管して、冷蔵または冷凍しましょう。雑菌が繁殖するのを防ぐため、冷蔵庫に保存する場合は3日以内に使用しましょう。
完全母乳での育児をするなら、冷凍母乳を使うことによってパパが子育てに参加するきっかけになるほか、実家に預けて出かけるときなどに便利です。
使用後の衛生面の対策もしっかりと
使用後のお手入れをかんたんにする1台2役(除菌・保管)の保管ケースもあると便利です。
指定量の水を入れて電子レンジでチンするだけで、気軽に除菌が可能。電子レンジが使用できる商品でないと故障や劣化の原因になるので、購入前にこちらも確認しておきましょう。
エキスパートのアドバイス
母乳の分泌は個人差があるため慎重に選ぶことが大切
母乳搾乳器を選ぶ際、個人差があるので慎重に選ぶことをおすすめいたします。母乳が出始める経過は出産してみないとわからないため、出産前からの搾乳器選びはイメージしにくく難しいでしょう。可能ならばレンタルや産院などで試してから、自分の乳房や分泌に合ったものを選ぶと安心です。
圧のかかり方や搾乳するポイント・フィット感は、メーカーによっても異なります。産後間もないころや大量の搾乳には電動を、3~4カ月以降で母乳が軌道に乗っている場合は手動でも短時間で搾乳でき、腱鞘炎(けんしょうえん)などの負担も減るでしょう。
【関連記事】そのほかの記事も参考に!
搾乳器は母乳育児のサポートに
手動式、電動式の母乳搾乳器のおすすめ商品をご紹介しました。
母乳搾乳器には、さまざまな種類・サイズ・機能があります。出産前に準備するのではなく、母乳育児を続けるなかで、搾乳頻度や必要な機能などがはっきりしてから購入を検討しましょう。
これが正解という商品は存在しないので、ママと赤ちゃんにとってベストな搾乳器を選んでみてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
ドラマ「コウノドリ」の撮影場所にもなった助産院の院長。 25年以上助産師としてのキャリアを持つ。総合母子周産期医療センターをはじめ妊娠・出産・産後・子育てのあらゆる分野の経験を活かし2011年より助産院を開業。 2015年 内閣総理大臣、厚生労働大臣の視察される産前・産後ケアのモデル施設。 「安産ごはん160」監修