老眼の原因や症状
老眼の症状は、主にかすみ目、疲れ目、ドライアイです。
それぞれの原因は、かすみ目は水晶体を調節する毛様体筋のピント調節機能の衰え、疲れ目は目の血流低下による代謝の低下、ドライアイは加齢による涙量の減少です。
老眼用の目薬を選ぶときは、症状に合った成分が配合されているか、血管を収縮させて老眼を進行させる成分が入っていないか、ソフトコンタクトレンズに使用できるかなどに注意してください。
老眼向け目薬の選び方
まずは老眼向けの目薬の選び方をチェックしていきましょう。医療ライターの西村テツジさんのアドバイスもご紹介しています。自分の使い方にぴったりの老眼向けの目薬を選ぶために参考にしてみてください。
症状に合わせて成分を選ぶ
老眼は病気ではなく、年齢を重ねるにつれてだれにでも起こる目の老化現象のひとつ。疲れ目や目のかすみは老眼の初期症状の場合があります。自分に該当する症状に合った目薬を選ぶようにしましょう。
疲れ目には「ビタミンB12」や「タウリン」など
私たちの眼球は近くを見たり遠くを見たりするときに、水晶体が厚さを変えてピントを調節する機能をもっています。年齢を重ねると水晶体の弾力性が失われてかたくなり、ピント調節機能が低下します。ピントが適切に調節できなくなる状態が老眼です。
老眼の症状のひとつである疲れ目は、近くが見えづらい状態を放置して近くを見続けることで起こります。
老眼による疲れ目を緩和するなら、末梢神経の修復作用をもつビタミンB12、目の新陳代謝を高めるタウリン、目の組織修復や角膜の組織機能を高めるパンテノール、目の組織の呼吸をうながすL-アスパラギン酸カリウム、疲労した末梢神経の機能を高めるビタミンB6などが配合された目薬を探してみましょう。
目のかすみには「ピント調節をサポートしてくれる成分」を
目を酷使し続けたり、じゅうぶんな栄養や休息を取らずにいたりすると、ピント調節機能が一時的に低下して「目がかすむ」という症状が現れます。目のかすみも老眼の症状のひとつです。
老眼は年齢を重ねることで引き起こされる現象のため、かすみ目を治すことはできません。しかし、ピント調節機能の低下による一時的なものや、目やにがたまることで起こるかすみは緩和できる可能性があります。
目のかすみを緩和するなら、ピント調節機能をサポートするネオスチグミンメチル硫酸塩やビタミンB12、血行をうながしてくれる天然型ビタミンEが配合された目薬を選びましょう。
ドライアイには「角膜の保護や保水成分」を
ドライアイは涙の量が不足したり、涙の質と量のバランスが崩れたりすることで引き起こされる目の乾燥です。涙は目を保護する役割をもっていますが、50代以上になると加齢によって、涙の量は20代のころより約4割減少するといわれています。
また、エアコンやパソコンの使用、コンタクトレンズの装着によっても涙は蒸発するため、ドライアイになりやすい環境に身を置いている人も注意が必要です。
ドライアイを緩和するためには、角膜の保護や保水の役割を果たすコンドロイチン硫酸エステルナトリウム、涙の量を安定化させて目のかすみを緩和するビタミンAが配合された目薬を探してください。
刺激が少ない目薬を選ぶ
老眼向けの目薬を探すときは、刺激が少ないかどうかにも注目しましょう。
ソフトコンタクト使用の人は防腐剤の種類を確認
ソフトコンタクトレンズをふだんから使用している人は、なるべく目薬に防腐剤が入っていないタイプを選んでください。防腐剤は目薬内の細菌の繁殖を防ぐために配合される成分です。ほとんどの目薬に含まれており、決して悪いものとはいえません。
しかし、ソフトコンタクトレンズは防腐剤の成分を吸着しやすく、防腐剤と角膜が接触する時間が長くなることで、角膜に影響する可能性が高まります。さらに、防腐剤の一種である塩化ベンザルコニウムが入った目薬をソフトコンタクトレンズ装着時に使用すると、角膜上皮に障害を起こす可能性が高いといわれています。
血管収縮剤が入っていないか
血管収縮剤とは、血管を収縮させて目の充血を緩和させる働きをもつ成分です。充血している目が白くなるため、市販の目薬のなかによく含まれています。しかし、血管収縮剤によるケアは一時的なもので、充血の原因そのものをなくす作用はありません。作用が切れたときには充血がさらにひどくなることも。
血管収縮剤としてよく配合されているのは、塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリンです。成分表にこれらが記載されているかを確認してください。これらが配合されている目薬を使う場合、多用して充血がひんぱんに起こるなら、受診して適切な処置を受けましょう。
コンタクト装着時にも使えるタイプだと使いやすい
ハードコンタクトレンズを装着時に使用できる目薬は多いです。しかし、現在日本で販売されている目薬で、ソフトコンタクトレンズを装着しているときに使用できる目薬の種類は少ないのが現状です。
ソフトコンタクレンズをふだんから装着している人は、コンタクトを外したあとに目薬をさす必要があります。「何度も取り外すのは大変……」と感じる人は、ソフトコンタクトレンズ装着時にも使用できる目薬を選びましょう。
老眼向け目薬のおすすめ12選 医療ライターの西村テツジさんと編集部が選んだ
ここからは医療ライターの西村テツジさんと編集部が選んだ、老眼向け目薬のおすすめ商品を紹介します。

ライオン『スマイル40 プレミアム』は、疲れ目、かすみ目、ドライアイにもおすすめです。
吸着性ビタミンAを高配合した老眼向け目薬
年齢によるつらい目の疲れに対応してくれる目薬です。吸着性ビタミンAを100mlあたり3.5万単位で高配合していることが特徴。ビタミンAは涙をとどめて角膜を修復し、視覚機能は回復を助ける作用があるので、ドライアイを防ぐことにつながるでしょう。
また、血行をうながす天然型ビタミンEのほか、ビタミンB6、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、タウリンなど目の疲労をやわらげる働きをもつ成分を多数配合。さらに、ピント調節機能をサポートするネオスチグミンメチル硫酸塩も加えています。
※この商品は「第2類医薬品」です。

ソフトコンタクトを使用されている方には、ライオン『スマイルコンタクトEX ひとみリペア マイルド』がおすすめで、ソフトコンタクトを装着したまま使用可能です。
ソフトコンタクト装着時に使える老眼向け目薬
防腐剤(ベンザルコニウム塩化物)が含まれていないので、ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用できる目薬。ソフトコンタクトレンズのほか、カラーコンタクトレンズ以外のO2、ハード、使い捨てコンタクトレンズ装着時に使うことが可能です。「スマイル」独自の技術で、防腐剤を配合せずに防腐効果が保たれるようになっています。
目の機能をサポートする成分としてはビタミンA、天然型ビタミンE、ビタミンB6、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを配合。清涼感がないマイルドタイプのため、やさしいさし心地を得られるでしょう。
※この商品は「第3類医薬品」です。

参天製薬『サンテメディカルアクティブ』は、加齢による涙量の減少に着目してつくられた老眼向け目薬で、涙液を安定化させるビタミンAを高配合しています。
ドライアイによる目のかわきが気になる人へ
加齢による涙量の減少に着目してつくられた老眼向け目薬です。涙液を安定化させるビタミンAを100mlあたり5万単位になるよう高配合しています。
さらに、角膜を保護するコンドロイチン硫酸エステルナトリウムのほか、目の疲れを緩和する天然型ビタミンE、タウリン、L-アスパラギン酸カリウム、ピント調節機能をもつネオスチグミンメチル硫酸塩を加えています。
ドライアイが気になっている人や目の疲れを軽減したい人にも使いやすい目薬です。
※この商品は「第2類医薬品」です。
目にうれしい成分の配合量を増やした目薬
ライオンが販売する『スマイル40 プレミアム』よりも成分の配合量を多くしているアイテムです。
涙を瞳にとどめて角膜を修復する吸着性ビタミンAを5万単位(100mlあたり)に上げているほか、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、タウリン、L-アスパラギン酸カリウムなど、目の作用をサポートする成分の配合量を増やしています。
年齢による疲れ目を緩和してくれる目薬です。『スマイル40 プレミアム』を使っていて、さらなる作用を期待する人はぜひ確認してください。
※この商品は「第2類医薬品」です。
目の血行をうながす天然型ビタミンEを配合
目の疲れやかすみを緩和してくれる目薬。血行をうながしたり抗酸化作用を発揮したりする天然型ビタミンEやピント調節機能をもつネオスチグミンメチル硫酸塩を配合しています。
さらに、目の組織を活発化するタウリン、目の炎症やかゆみを抑えるクロルフェニラミンマレイン酸塩が加わっていることも特徴。
清涼感を与えるためのメントールも含んでいるため、スッキリしたさし心地が得られるでしょう。
※この商品は「第3類医薬品」です。
コンタクトレンズの不快感や目の疲れを緩和
ソフトやハードなどのコンタクトレンズの装着時に起こる目の疲れや不快感を軽減する目薬です。ピント調節機能をサポートするネオスチグミンメチル硫酸塩と毛様体筋(遠近調節をおこなう筋肉)や末梢神経に作用して目の疲れを緩和するビタミンB12を高配合しています。
防腐剤(ベンザルコニウム塩化物)ではなく緩衝剤としてはたらくホウ酸を加えているので、どのようなコンタクトレンズを着けていても使用可能。(カラーコンタクトレンズ以外)
パソコンやスマホなどを多用している人にも適した商品です。
※この商品は「第3類医薬品」です。
かわいらしいボトルで外出先でも使いやすい
コンタクトレンズを着用したまま使える商品です。ボトルのかわいらしさが特徴なので、老眼だと気づかれたくない!という方にもぴったり。カラーコンタクトレンズ以外の、ソフト、O2、ハード、使い捨てコンタクトレンズの装着時に使用できます。
コンタクトレンズの不快感や目の疲れを緩和するビタミンB12、目の組織の代謝をうながすビタミンB6、目の筋肉のこりをほぐすネオスチグミンメチル硫酸塩を配合しています。
※この商品は「第3類医薬品」です。
疲れた目を緩和する成分が多数配合
目が疲れたときに起こるピント調節機能の低下に着目して開発された老眼向けの目薬です。
涙成分であるムチンの分泌をうながしたり涙を安定化させたりするビタミンAのほか、ピント調節をサポートするネオスチグミンメチル硫酸塩が配合されています。
また、ビタミンB6や天然型ビタミンE、L-アスパラギン酸カリウムなど目にうれしい成分が多数含まれているので、疲れ目なども緩和できるでしょう。
※この商品は「第2類医薬品」です。
年齢による目のかわきを防いでくれる
目の組織修復や角膜の代謝機能を高めるパンテノール、タウリン、ビタミンB6や、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを一般用眼科用薬製造承認基準の範囲内で最大濃度配合している目薬です。加齢による目のかわきを防ぎながらドライアイを軽減してくれるでしょう。
さらに、ヒスタミンの作用をブロックして炎症やかゆみを抑えてくれるクロルフェニラミンマレイン酸塩も加えています。
※この商品は「第3類医薬品」です。
清涼感が得られる老眼向けの目薬
年齢による目の疲れや、目やにとピント調節機能低下による一時的な目のかすみにいい作用をもたらす成分を複数配合している目薬です。
目の新陳代謝を高めるタウリン、ピント調節機能をサポートするネオスチグミンメチル硫酸塩、血行をうながしてくれる天然型ビタミンE、疲労した末梢神経の機能を高めるビタミンB6、目の組織の呼吸をうながすL-アスパラギン酸カリウムなどを配合。
5段階にわかれている清涼感のなかでも、4段階に分類されているのでスッキリとしたさし心地を得られるでしょう。
※この商品は「第3類医薬品」です。
目の疲れの緩和と炎症やかゆみを抑えてくれる
年齢によるピント調節機能の低下や目がしょぼしょぼするなどの目の疲れに対応した老眼向けの目薬です。
ピント調節機能をサポートするネオスチグミンメチル硫酸塩のほか、ビタミンE、パンテノール、L‐アスパラギン酸カリウムなど目にうれしい成分を複数配合。さらに、組織修復や炎症を抑えるアラントイン、目のかゆみを抑えるクロルフェニラミンマレイン酸塩も含まれています。
清涼感が強めなので、目薬をさすときにスッキリ感を得たい人にもチェックしてほしい商品です。
※この商品は「第3類医薬品」です。
7種類の成分で老眼の症状を緩和
ピント調節機能が低下することによる目の疲れを緩和してくれる商品です。ピント調節機能をサポートするとネオスチグミンメチル硫酸塩と毛様体筋(遠近調節をおこなう筋肉)の疲労を軽減するシアノコバラミン(ビタミンB12)を配合しています。
そのほか、目の細胞の代謝を促進し、修復のサポートする夕ウリン、角膜の保護や保水の役割を果たすコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを含め、7種類の成分で老眼による症状を緩和してくれるのが特徴です。
※この商品は「第2類医薬品」です。
「老眼目薬」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 老眼目薬の売れ筋をチェック
Amazonでの老眼目薬の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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老眼の症状に合った目薬を使いましょう
本記事では、老眼向けの目薬の選び方と、医療ライターの西村テツジさんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介しました。老眼に適した目薬は、症状を軽減する成分が配合されている商品を選ぶことが大切です。
目の疲労・目のかすみ・ドライアイなど自分に合ったタイプを探しましょう。さらに、防腐剤の種類と血管収縮剤の有無、ソフトコンタクトレンズに使用できるかも確認してください。今回紹介したおすすめ商品も参考にして、自分の用途に合う老眼向け目薬を見つけましょう。
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新薬の企画開発を10年経験。その後、日用品メーカーで医薬部外品、化粧品、健康食品の商品企画、マーケティング、新事業開発を18年経験。 健康関連のスペシャリストとして、青汁マイスター・ソムリエ、薬膳コーディネーターの資格を有し、これまでに執筆は100事案を超え、商品企画提案などにも含め幅広く活動中。