トロンボーンケースの選び方
元大手楽器メーカー社員の山野辺祥子さんへ取材をして、トロンボーンケースの選び方を教えてもらいました。
サイズや使用するシーン、収納力などをよくチェックすることが大切です。トロンボーンケースを選ぶときの参考にしてみてください。
ベルのサイズに合わせて選ぶ
トロンボーンは種類によってベルのサイズが異なります。
テナーは7.5~8インチ、テナーバスは8~9インチ、バスは9.5インチが主流です。
所有している楽器がテナーバストロンボーンなのに、テナートロンボーンのみに対応しているケースを選んでしまうと収納できません。
まずは、自分が使っているトロンボーンの種類とベルのサイズをチェックすることが大切です。
ケースによってはテナーとテナーバスの両方に対応しているものもあります。クッションを使用して楽器を固定できるため、移動中になかで揺れないので便利です。
F管・バルブは収納できるか確認する
テナーバストロンボーンにはF管と呼ばれるアタッチメントがついており、トラディショナルラップとオープンラップの2種類があります。
現代の主流は、吹き心地のよいオープンラップです。バルブはロータリーバルブが主流ですが、セイヤーバルブやハグマンバルブは特殊なため、対応していないことも。
また、バルブの種類によってはF管アタッチメントの配置が異なります。トロンボーンケースを選ぶときは自分の楽器に合っているかチェックしてください。
持ち運ぶシーンに合った形状を選ぶ
トロンボーンケースは持ち運ぶシーンによって、適したタイプがあります。シーンに適したタイプをご紹介しましょう。
ソフトケース|軽く持ち運びに便利
徒歩移動で持ち運ぶシーンが多いなら、軽量なソフトケースを選びましょう。
軽くて耐久性にすぐれたポリエステル素材やナイロン素材で、リュックやショルダーなどシーンによって持ち運ぶスタイルを変えられるのが魅力。
バンドや習いごとなど徒歩でたくさん移動される方にぴったりのケースです。
ただし布製なので雨天時は濡れてしまうこともあります。また、強く押されたり、落としたりなどの衝撃にも弱いため、長時間の移動には向いていません。
ハードケース|車移動や長期保管に
ハードケースは外部の衝撃から楽器を保護する耐衝撃性があります。そのため、飛行機や電車、車などの移動時に便利です。移動の際にベル部分を下向きにして、立てて置けるのもポイント。人が多い場所で降ろしたいときにスペースを取りません。
また、ハードケースは長期保管にも向いています。しばらく吹かないときは、ていねいにお手入れをして収納してください。デザイン性にすぐれたおしゃれなものもあるので、好きなデザインやカラーを選ぶ楽しみもあります。
セミハードケース|機能性にすぐれている
軽くて持ち運びやすいソフトケースと、ハードケースのような耐久度を備えているのがセミハードケースです。内側は発泡スチロールをクッションに使用するなど、軽量さが追及されています。
ハンドル・ショルダーストラップだけではなく、リュックストラップがついた背負うスタイルで持ち運べるものもあります。自転車や長時間の徒歩移動に便利です。持ち運ぶシーンに合わせて選んでみましょう。
ポケットやポーチなど収納力をチェック!
トロンボーンを演奏する際に欠かせないアイテムを収納できると便利です。いつも持ち歩いているものが収められるよう、収納力をチェックすることが大切です。
大容量タイプ|トロンボーン奏者や荷物が多い方
遠方へ出向いて演奏会などを行なうトロンボーン奏者は、楽譜やお手入れアイテムなど荷物が多くなることも。大容量タイプを選べば、いくつものバッグを用意する必要がありません。持ち運ぶものが楽器以外にもたくさんあるなら、トロンボーンケースの収納力をチェックしましょう。
収納ポケットの形状は商品によって異なるため、なにをどこに収めるか、持ちものをイメージしながら選んでみてください。
コンパクトケース|習いごと・部活用に
持ち歩くのはお手入れ道具とマウスピース程度なら、収納力にこだわらず、コンパクトケースを選べます。収納ポケットが少ないため、シルエットもスリムに。そのため、人混みでの移動や電車内でもスムーズに移動できるでしょう。また、体型が小柄な方や子どもでも持ちやすいのもポイント。
譜面台などは自分で用意する必要がない習いごとや吹奏楽部にぴったりです。
山野辺 祥子さんからのアドバイス 元大手楽器メーカー勤務
トロンボーンケースを選ぶときは、ご自身の楽器がきちんと収納できるかどうかをまず確認してください。
徒歩移動か電車移動なのか、毎日持ち運ぶもしくは保管用など、用途に合うかどうかも決め手になります。
譜面や楽器スタンド、ミュートといった小物類も一緒におさまれば移動もらくになりますし、忘れ物防止にも一役買ってくれるでしょう。よい相棒となってくれるケースを見つけください。
トロンボーンケースのおすすめ12選
ここまでご紹介したトロンボーンケースの選び方をふまえて、元大手楽器メーカー勤務の山野辺祥子さんと編集部で選んだおすすめ商品を12選ご紹介します。
マルカートやシャイニーシリーズ、プロテックなど、通販サイトで人気のある商品をそろえました。自分にとって使いやすいケースを選ぶためにも、ぜひ参考にしてみてください。
野中貿易 VIVACE『トロンボーン用ケース ハード』は、軽量でしっかり楽器を守ってくれるうえ、カラーも選べます。サウンドハウス PLAYTEC『PTCTB トロンボーンバッグ(233196)』haスライド用のクッションケースもついています。
KTL ブルズアイ『テナーバストロンボーン用 軽量セミハードケース』はサイドケースが大きく、譜面のほかグリスやスワブといったグッズまで収納できます。

クッションでしっかり固定! 収納力もあります
野中貿易のオリジナルブランド、ヴィヴァーチェのトロンボーンケースは、演奏会やコンクールの際の持ち歩きを考えて、機能性にこだわって作られています。内部にはL字型や台形、カマボコ型など楽器を守るためのさまざまな形状のクッションがついており、楽器の機種に応じて固定することが可能です。
付属のショルダーベルトはリュックにも対応しています。リフレクターがついているため、夜道での持ち歩きも便利です。

多様なアタッチメントに対応! 軽量セミハードケー
テナー・テナーバストロンボーンの収納に対応しているセミハードケースです。F管アタッチメントやバルブなど幅広いタイプが収納できます。マウスピースなどを収納できる小さいポケットもあり、使い勝手のよさが魅力です。
2.68kgと軽く、持ち運ぶときはリュックスタイルも可能。ベルを下向きにしても背負えます。リュックストラップは使用しないときに収納できるので便利です。カラーはブラックとネイビーの2色です。好みの色を選んでください。
グラスファイバー製のカラフルなトロンボーンケース
スペインの楽器ケースメーカー、バグズのテナー・テナーバストロンボーン用のケースは、耐久性にすぐれたグラスファイバーを使用し、軽くて丈夫なのが特徴。内外にポケットがあり、オープンラップやストラップを収納できます。国内外を移動する演奏者にぴったりのトロンボーンケースです。
人間工学にもとづいて作られているため、持ちやすさにも定評があります。カラーバリエーションも豊富にそろっているので、お好みのカラーを選んでみてください。
子どもでも持ち運びしやすい軽量のリュックタイプ
オレンジのステッチがおしゃれなプロテックのトロンボーン用ソフトケース。テナー・テナーバストロンボーンに対応しています。重量は2.1kgと軽く、リュックのように背負えるため、部活や習いごと用にぴったりです。軽くてもベルとスライド部分は2cm厚のパッドがついているため、衝撃から楽器を守ってくれます。
スライドは外ポケットに収納可能。譜面が入る大型ポケットにくわえて、マウスピースなどを入れられる小さなポケットなど、収納力もあるので便利です。

軽量タイプ! スライドの専用クッションケースつき
プレイテックのテナートロンボーン用のケースは1.85kgと軽く、両肩から背負えるリュックタイプ。ベルは揺れないように固定されているため、持ち歩きに便利です。スライドの収納は外ポケットです。衝撃から守るために専用のクッションケースがついているので装着してから収納してください。
持ち運びしやすいため、部活や習いごと、バンドなど持ち運ぶ頻度が高めの方にぴったりです。こちらの商品はテナーバストロンボーンには対応していません。
機能的でお求めやすい価格帯が魅力
アメリカのケースメーカー、エスケービーのトロンボーンケースです。8インチベルのストレートテナートロンボーンに対応してます。ゆがみやすいスライドを外して収納できるのがポイント。動かないようにしっかと固定できるので長距離の持ち運びや飛行機での輸送にも便利です。
機能性にすぐれているのにお求めやすい価格帯も魅力的。ストラップが装着できますが、付属していないので必要な方は別途お買い求めください。
高耐久性・軽量モデルのハードケース
アメリカのケースメーカー、ゲーターでは楽器や音楽機材を運ぶのに適した耐久性の高いケースを多く展開しています。こちらのトロンボーンケースは、外装に高耐久性のある素材を使用。内装にはEPS(発泡スチロール)を芯材に使用して、軽量化を実現しました。
マウスピースを入れられるポケットやストラップを収納できるポケットもついています。オーケストラやバンドなど移動範囲が広く、持ち運ぶ頻度が高い方にぴったりのケースです。
おしゃれで軽い! スタイリッシュで機能的なケース
リッターの軽いトロンボーン用ソフトケースです。テナートロンボーン対応で表地には丈夫なジャガード織のポリエステル素材を採用。キャリーハンドルやリュックスタイルストラップなど、シーンに応じて持ち方を変えられます。マウスピースなどを収納できる便利なアクセサリーポケットもついています。
アウトドア・バッグを展開しているブランドなのでデザイン性も高く、お求めやすい価格帯なので学生さんにぴったりです。
幅広い機種に対応! 軽いから持ちやすい
テナー・テナーバストロンボーンに対応しているゲーターのトロンボーンケースです。外装は耐久性にすぐれたナイロン素材を使用し、内装はEPSフォームになめらかな手触りのプラッシュ生地を合わせています。ヤマハの現行モデルやヴィンセント・バックなど幅広いモデルに対応しているのが魅力。
キャリーハンドルはすべりにくく、Dカンフックにショルダーストラップを装着できます。学生さんから演奏者まで使えるトロンボーンケースです。
全14色! 特殊なロータリーも収納可
グラスファイバーを使用した3.5kgの軽量さが魅力のマルカートのトロンボーン用ハードケースです。テナー・テナーバストロンボーンに対応しており、特殊なロータリーにも対応しています。
手持ちやショルダーはもちろん、リュックのように背負うことも可能です。全14色とカラーバリエーションが豊富なので、好みのカラーを選んでみてください。
リュック&ショルダーの2WAY!おしゃれなケース
スタイリッシュなデザインが人気のシャイニーのトロンボーンケースは、9インチベルのテナーバストロンボーンに対応しています。重量は2.8kgと軽くて耐久性にもすぐれており、ストラップつきでリュックスタイルでも持ち運びが可能です。
部活や習いごとで持ち運ぶ頻度が高めの方にぴったり。おしゃれな全20色のカラーラインナップから、好きな色を探してみてください。
軽量だから徒歩移動に便利! リュックスタイルで
ナイロン製で耐久性にすぐれたプロテックのセミハードケースは、テナートロンボーンに対応。重量は3.6kgと軽いため、徒歩移動での持ち運びもしやすいでしょう。
キャリーハンドルはカバーつきで持ちやすいように工夫されています。ベルを下に向けて立てておくことも可能。リュックスタイルでも持ち運べるため、ベルが頭にあたって持ちづらく感じていた方にぴったりです。
「トロンボーンケース」のおすすめ商品の比較一覧表
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編集部からのひと言
元大手楽器メーカー社員の山野辺祥子さんと編集部で選んだおすすめのトロンボーンケースを12選ご紹介しました。各地演奏するトロンボーン奏者なら、長距離移動に耐えられるハードケースが便利です。習いごとや吹奏楽部の学生さんなら、徒歩でも持ち運びやすいソフトケースを。年に数回は遠方へ演奏に行くなら、別でハードケースを用意するなど、使用機会が多いシーンに合わせて用意するといいでしょう。
山野辺祥子さんにうかがったアドバイスも参考にして、マイトロンボーンにぴったりのケースを探してみてください。
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武蔵野音楽大学出身。卒業後某大手楽器メーカーの法人部に入社。 音楽教室の運営や講師指導のサポート、店舗接客、楽器セッティングなどを担当するイベントクルーとして全国を飛び回る。また、出版部に在勤中は楽譜校正、楽譜情報誌編集の経験も。 現在はピアノ講師のかたわらフリーランスライター、校正者として活動中。プライベートでは3児の母。