チェーンオイル(チェーンルブ)とは
チェーンオイル(チェーンルブ)とは、部品どうしの摩擦を減らして滑らかに動くようにしてくれる潤滑油です。オイルをさすことにより、滑らかになるだけでなく、金属どうしが擦れることによる発する異音も消えます。
しばらくバイクに乗っていると異音が発生するようになります。そのため、定期的にメンテナンスをし、チェーンオイルをさす必要があります。
バイク用チェーンオイルの選び方
バイクライターの福田 満雄さんのアドバイスをもとに、バイク用チェーンオイルの選び方を紹介します。ポイントは下記の5つ。
【1】「シールチェーン」or「ノンシールチェーン」
【2】粘度
【3】フッ素配合
【4】スプレーorボトル
【5】色つきor無色
上記の5つのポイントをおさえることで、より具体的に自分に合うバイク用チェーンオイルを選ぶことができます。一つひとつ解説していきます。
「シールチェーン」「ノンシールチェーン」かで選ぶ
バイクのチェーンは、シールチェーンとノンシールチェーンに分かれます。チェーンのピンとブッシュの間にグリースを注入、グリースが抜けないようにシールで密閉したのがシールチェーン。シールがないものがノンシールチェーンです。ほとんどのチェーンルブはシール・ノンシールの両方に対応しています。
もしもシールチェーンかノンシールチェーンどちらかが判断できない場合は、シールチェーン対応のものを選びましょう。シールチェーン対応のものなら、どちらにでも使用できます。
重視したいポイントで粘度を選ぶ
バイク用チェーンオイルは、アイテムによって粘度が異なります。塗り方やメンテナンスの頻度など、重視したいポイントに応じた粘度のバイク用チェーンオイルを選びましょう。
塗りやすさ・こまめにメンテするならウェットタイプ
オイルの粘度が低く、さらさらとしているのがウェットタイプのバイク用チェーンオイルです。チェーン本体に浸透しやすく、塗りやすいのが特徴。
オイルが乾くのに時間がかかるため、すぐに走ると塗布したオイルが飛び散ってしまいます。じゅうぶんに乾燥時間を持つのが重要です。
飛び散り防止・メンテ頻度低めならドライタイプ
オイルの粘度が高く、速乾性にすぐれているのがドライタイプのバイク用チェーンオイルです。チェーンオイルを塗ってすぐに走っても、オイルが飛び散りにくく汚れもつきにくいのは魅力です。また、オイル自体も長持ちするので、メンテナンスの周期を長くしたい人にも向いています。
セミウェット・セミドライタイプもチェック
バイク用チェーンオイルには、ウェット、ドライそれぞれのメリットを持つセミウェット、セミドライタイプのアイテムもあります。塗りやすさやメンテナンスの頻度など、どのポイントを重視したいかでセミウェット、セミドライを選びましょう。
たとえば塗りやすさ重視ならセミウェットタイプ、塗ってすぐに走りたいならセミドライタイプが選択肢になります。
フッ素配合のものはメリットも多い
バイク用チェーンオイルのなかには、フッ素樹脂が配合されているものもあります。フッ素樹脂は、チェーンの潤滑性や耐摩耗性、耐水性を長くたもってくれるのがメリット。また、薄い皮膜ができてチェーンに密着するので、オイルが飛び散りにくいのも魅力です。
フッ素樹脂配合のものはやや価格が高くなる傾向にありますが、メリットも多いためチェックしてみましょう。
塗り方によってタイプを選ぶ
バイク用チェーンオイルは、スプレータイプとボトルタイプがあります。塗り方によって様式を選びましょう。スプレータイプは広範囲に一度にオイルを噴射できるので、手軽にメンテナンスができるのがメリットです。ノズルがこまかいところまで届くものや、スプレーの形状が持ちやすくなっているものもあります。
ボトルタイプは、チェーンのこまかいところまで確認しながら塗れるのが特徴です。こまめにメンテナンスしたい人にも向いています。
色つきか無色かで選ぶ
バイク用チェーンオイルは、無色透明タイプと、色つきのものがあります。バイクにカラーチェーンを使っている場合には、無色透明タイプのバイク用チェーンオイルを選びましょう。カラーチェーンの色がくすまず、きれいな発色も得られます。
色つきのチェーンオイルは、塗ったところがわかりやすいのがメリット。塗りむらを防ぎたい人に向いています。
エキスパートのアドバイス
まずは用途が合うものを選ぶのがスタート
自身と相性の合うチェーンオイル探しの旅は果てしないものです。ですからまずは商品説明を読んで「ツーリング向き」「レース向き」「万能タイプ」などから用途にあったものを選ぶところからスタートしましょう。
そして、チェーンオイルとセットで購入したいのがチェーン清掃をするクリーナーと専用ブラシなどの便利グッズ。頻度の高いメンテナンスですから、できるだけ省力化をはかりたいところです。
おすすめ商品の比較一覧表
バイク用チェーンオイルおすすめ11選
選び方を踏まえて、バイク用チェーンオイルのおすすめ商品をご紹介。オイルの粘度や様式、色つきの有無などで商品を選んでいますので、バイクのメンテナンスに使いやすい一品選びにぜひ役立ててください。
チェーンメンテナンスとサビ対策にも
ウェットとドライのよいところを取り入れた、セミウェットタイプのバイク用チェーンオイルです。水置換性があるため、金属表面の湿気を追い出し、サビ防止にも有効性を発揮します。
こまかいところまで届くノズルと、手にフィットしやすい形状のスプレータイプで、シールチェーンにも使用できます。無色透明タイプのため、カラーチェーンにも使えます。
フッ素配合のスプレータイプ
シールチェーンにも対応したチェーン用オイルです。フッ素を配合しているので、潤滑性や耐摩耗性にすぐれ、長時間チェーンを潤滑した状態にします。ツーリングなど、長距離走行前のメンテナンスにも向いています。
スプレーのチェーンへの密着性を高めるため、冬場は30分、夏場は10分程度噴射後放置し、オイルをなじませましょう。
過酷な環境下でのライディングにも
浸透性の高い、ウェットタイプのバイク用チェーンオイルです。オイルが泡状に噴射され、油膜を作ってチェーンにしっかりと密着します。耐摩耗性にとくにすぐれているので、過酷な状況下でのライディングまえのメンテナンスにも向いています。
ノズルキャップは2way仕様のため、こまかいところ、広範囲と2とおりの噴射ができます。
環境にもやさしいチェーンオイル
バイクチェーンメーカーである大同工業製のバイク用チェーンオイルです。熱に反応して自己潤滑皮膜を形成する有機モリブデンを配合し、高い潤滑性を長続きさせます。また、ポリマーを配合しているのでスプレーしたときにオイルが飛び散りにくいのも魅力です。
防錆添加剤を配合しているので、長時間サビ対策ができます。ノンフロン、ノンエタンの環境にもやさしい設計になっています。
ウェットタイプながらなじみやすい
潤滑性と防錆性にすぐれたウェットタイプのバイク用チェーンオイルです。街乗りから本格的なバイクレースまで使える、まさに万能タイプといえるオイルになっています。
チェーンの1コマずつに注油するボトル様式で、少量でもじゅうぶんなききめがあります。塗ってすぐになじむので飛び散りにくく、ウェットタイプながら注油後すぐに走れるのも魅力です。
チェーン以外の場所にも使用できる
各種チェーンに直接使えるスプレー様式で、手軽にメンテナンスしたい人に向いているバイク用チェーンオイルです。潤滑性能が高いので、チェーンやスプロケットのもちをよくするのが特徴。シールチェーンにも対応しています。
チェーンのほか、エンジンの組付けやスプロケットにも使用可能。1本でいろいろなところのメンテナンスができます。
オンロードのいろいろな走りに対応
粘着性の高いドライタイプのバイク用チェーンオイルです。オイルが飛び散らず、しっかりと密着するのでメンテナンスの周期を伸ばしたいときに向いています。
高速走行時もオイルがチェーンにしっかりと密着するので、街乗りからバイクレースまで使用できます。無色透明タイプのため、カラーチェーンに使いたいときの選択肢にも入ります。
オフロード用チェーンオイルならこれ
オフロード走行のために作られたバイク用チェーンオイルです。低粘着のウェットタイプスプレーで、チェーンに泥や砂、土がつくのを防ぎます。Oリング、Xリング、Zリングにも対応しているので、いろいろなオフロードバイクに使用可能です。
オイルには蛍光黄色が着色されているので、チェーンのどの部分までスプレーしたかもはっきりとわかりやすくなっています。

飛び散りにくいドライタイプ
飛び散りやたれが少なく、べとつかないドライタイプのバイク用チェーンオイルです。シールチェーン、ノンシールチェーン両方に対応しています。白色のスプレーのため、チェーンに新車時のような仕上がりがほしい人にも向いています。
フッ素樹脂を配合しているので、潤滑性を長期間保ちます。耐摩耗性にもすぐれているので、メンテナンスの周期を長くしたいときにもぴったりです。
YAMALUBE(ヤマルーブ)『スーパーチェーンオイル ドライ(ホワイトタイプ)』はヤマハ純正品。手間はかかりますが持続性あり。

バイクレースにも使える本格派
オイルの粘度が低く、さらさらとしているのがウェットタイプのバイク用チェーンオイルです。チェーン本体に浸透しやすく、塗りやすいのが特徴。チェーンの汚れやサビ落としにも活用できますので、こまめにメンテナンスしたい人にも向いています。
オイルが乾くのに時間がかかるため、すぐに走ると塗布したオイルが飛び散ってしまいます。じゅうぶんに乾燥時間を持つのが重要です。
AZ(エーゼット)『バイクレース用チェーンルブEP(CH520)』は、潤滑油専門会社の商品。チェーン1コマに1滴のオイルをさすのは楽しいものです。

フッ素と有機モリブデンを配合
オイルがたれない、使ったあとに走ってもオイルが飛び散らない、スプレータイプのチェーンオイルです。バイクはもちろん、自転車や農機具用のチェーンにも使用できます。
フッ素樹脂と高純度有機モリブデンを配合し、潤滑性と耐摩耗性にくわえて、耐水性を両立。チェーンをサビから守ります。なめらかな走りと、チェーンのもちのよさをかなえてくれるチェーンオイルです。
呉工業『スーパーチェーンルブ(1068)』は、潤滑スプレー5-56と同じメーカー品。チェーン清掃後にシュッと吹いて完了。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする バイク用チェーンオイルの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのバイク用チェーンオイルの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
バイク用チェーンオイルに関するQ&A よくある質問
バイク用チェーンオイルを使う頻度について教えてください。

走行距離500~1,000kmに一度、または雨天走行後がメンテナンスの目安です。週末ライダーなどあまりバイクに乗らない場合は、1カ月に一度を目安におこないましょう。
オイルの塗り方について教えてください。

注油方法はバイクをスタンドで固定したあと、チェーンオイルをローラーとスプロケットが接触する場所とチェーンプレート外側に塗布します。全体的にオイルがチェーンになじんだら、余分なオイルをウエスで拭きとって完了です。
チェーンのメンテナンスに代用できるものは?

エンジンオイルをチェーンオイルとして代用可能です。ただし、エンジンオイルのほうが粘度が低いため持続性がなく、メンテナンスの頻度が上がってしまいます。チェーンソーや機械に使用するチェーンソーオイルやハンマーオイルでも代用できるものがありますが、やはりメンテナンス頻度が上がるため、あくまでも緊急用と考えておきましょう。一般家庭用オイルや自転車のチェーン用オイルは、揮発性が高いためバイクのシールチェーンを傷める可能性があります。代用しないようにしましょう。
まとめ
本記事では、バイク用チェーンオイルの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。バイク用チェーンオイルは粘度や様式などがアイテムによって異なります。メンテナンスの頻度や走行距離、バイクの使用頻度、塗りやすさなど重視したいポイントに応じたものを選びましょう。
バイク用チェーンオイルを使えばチェーンのもちもよくなり、快適なライディングにつながります。大切な愛車のメンテナンスに使いやすいバイク用チェーンオイルを選びましょう。
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バイク免許取得から28年、所有したバイクは20台以上。シンプルでわかりやすい文章を書くライター。複数のメディアで記事を書いています。 2020年8月時点の愛車はBMW F850GSとホンダスーパーカブ110。 一日中バイクに乗っているのが好き。過去には日帰り1,000kmツーリングや、スーパーカブ110で1日450kmツーリングなども。