ペット(犬猫用)の消臭剤の選び方
ペットのプロ・石原美紀子さんに、犬猫専用消臭剤を選ぶときのポイントを教えてもらいました。どのような点に注目して選んでいけばいいか、犬猫専用消臭剤選びに迷っている人は参考にしてください。
安全性の高い「ペット専用の消臭剤」を選ぶ
消臭剤には人間用(居住空間や布製品用)とペット用のものがあります。
ペット用の消臭剤は、ペットの体についてペットが舐めるようなことがあっても、安全が担保されている成分で作られています。
人間用(居住空間や布製品用)が危険というわけではありませんが、ペット専用の消臭剤を選ぶほうがベターです。また、後述する「ペットから生じるニオイ」消しに特化しており、消臭効果も高いです。
スプレー・シート・据え置きタイプの特徴を見極める
ペット用消臭剤には、おもにスプレータイプ、シートタイプ、据え置きタイプがあります。それぞれの特徴をみていきましょう。
「スプレータイプ」の消臭剤は即効性が高い
「スプレータイプ」は即効性があり手軽に使えるのがメリット。とくにトイレのあとなどにサッと消臭できるのが便利ですね。商品によっては、スプレー後に拭き取りが必要な場合があるので、使い方を確認するようにしましょう。雨の日のムレたニオイのような菌が原因のニオイには、しっかり除菌できる成分入りが便利です。
「シートタイプ」の消臭剤は掃除と消臭が同時にできる
「シートタイプ」は消臭と掃除が同時にできるのがメリットです。ただし、部屋に漂うニオイの抑える即効性は、「スプレータイプ」と比べると弱いです。商品によっては、薄くてちぎれてしまう場合もあるので、シートの厚みもチェックしましょう。フローリングワイパーに付けて使用することもできる大判・厚手のシートもありますよ。
「据え置き型」の消臭剤は常に消臭し続けられる
「据え置き型」は、ペットがいる居住空間を常に消臭できます。効果が切れるタイミングで買い替える必要がありますが、基本的に置くだけでいいのでらくに使用できますよ。商品によって、持続期間が異なるのであわせて確認してみてください。
無香タイプと香り付きタイプ、どちらが効果的?
消臭スプレーには無香性の製品と香りが付いた製品があります。どちらも効き目にはさほど変わりはありませんが、香りが付いた製品のほうがペットのニオイを素早くごまかせます。
もっとも「スメハラ」という言葉があるように、香り自体が苦手という方も。また、ポプリやリードディフューザー(リードと呼ばれるスティックを挿して香りを広げる香りグッズ)にこだわっているから、香りが混ざるのが嫌という方もいます。そういう方は、無香タイプをチョイスしましょう。
日頃は無香タイプを使い、お客様が来たときに香り付きタイプを使うというのもアリです。
消臭したいニオイの種類を明確にする
ペットから生じるニオイには、オシッコ臭やフン臭、体臭、ペットのニオイが染みついたソファなどの布製品からただようニオイなどがあります。また、雨の日に散歩したり、おうちでお風呂に入れた後によく乾かさなかったりすることで発生する臭いもあるのです。さらに、飲み水がアゴ下のヒゲなどに付いて生乾きにしておくと雑巾のようなムレ臭がすることもありますし、かじるオモチャなどに付く口臭などもあります。
このように、臭いの元になるものが多岐にわたっているため、単に「消臭剤」としているものよりも、目的別に特化した消臭剤のほうが消臭効果は高いです。まず、何のニオイを抑えたいのか、ニオイを嗅いで明確にしましょう。
ペット(犬猫用)消臭剤おすすめ13選
ここからは、ペット(犬猫用)の消臭剤のおすすめ商品をご紹介していきます。犬や猫を飼っている方には必見の情報です!

ノンアルコールで安心できる消臭剤
茶乾留エキス、ショウガ乾留物、グレープフルーツ種子抽出物など天然由来の成分で、オシッコのアンモニア臭を消してくれます。ペットが粗相したときや、トイレからオシッコがはみ出してしまったときに効果的です。ハーブのやさしい香りで、違和感がありません。ノンアルコールタイプであるため、壁に吹き付けても壁紙からの色落ちがあまりありません(ただし、必ず壁の目立たないところに吹き付けてふきとり、色落ちがないかを確認してから使うようにしてください)。

1枚あたり11円でオシッコ汚れがスッキリ!
25枚入りもありますが、筆者のおすすめはコスパがいいお徳用です。シートタイプで、1枚あたりのサイズが33cm×18cmなので、フローリングワイパーにぴったりサイズなのがポイント。トイレの拭き掃除はもちろん、床、畳、フローリングなど家全体の拭き掃除に使えます。ペットがいる家はフローリングの床にもペットの毛やニオイが染みつきがちですが、これをフローリングワイパーに付けて日頃のお掃除に使うだけで、ペットのニオイを軽減できます。
香りもやさしいハーブ系です。主なおそうじ成分はグリコール類、界面活性剤、緑茶乾留エキス、CPC、ポリクオタニウム-61(リピジュア)です。CPCは塩化セチルピリジニウムで、歯みがきなどにも使われている安全な殺菌剤です。ポリクオタニウム類はヒト用のクリームなどにも使われる保湿剤です。

猫ちゃんのフン・オシッコ臭に特化
私は犬、猫両方と暮らしたことがありますが、犬とネコのオシッコのニオイはちょっと違います。時間が経つと、ワンちゃんよりも猫ちゃんのオシッコのほうが臭います。その原因は、ネコ科のうちイエネコ(家庭で飼われている猫)などの一部の動物の尿中に存在する「フェリニン」というアミノ酸です。オシッコ後に時間が経つと、このフェリニンが原因で、アンモニアとも違うかなりきついニオイを放ちます。
このニオイをすっきり消してくれるこのスプレーは、緑茶乾留エキス、ヨモギ乾留物などの天然成分でつくられているので安心です。成分中の「月桃水SH」の原料である月桃(げっとう)の葉には、防虫、防カビ、殺菌、消臭の効果があるといわれています。月桃水SHは人間用の化粧水にも使われており、安全な成分です。

ペットのシャンプーにも使えるオレンジオイル
オレンジの皮から抽出されたオレンジオイルが主原料で、100倍に薄めればペットのシャンプーに、10倍に薄めてペットの洋服の洗濯や消臭、お掃除などに使える多目的洗剤です。専用のスプレーボトルもありますが、100均のスプレーボトルで十分です。薄めて家中で使える製品なので、すでに愛用されている方も多いでしょう。自然なオレンジの香りで、ペットの体臭やオシッコ臭を除去してくれます。私は10倍に薄めたスプレーを、玄関掃除やペットのトイレ掃除、人間のトイレ掃除などに使い、100倍に薄めたスプレーを犬のブラッシングスプレーに愛用しています。
注意点はひとつだけ。水で薄めて作った『オレンジX』スプレーは、なるべく2週間以内に使い切るようにすることです。天然成分で作られているので、時間が経つと香りが劇的に変わってしまいます。短期間で使い切るようにしましょう。そのため、お徳用ボトルではなく、800mlサイズを推奨しています。

食品添加物由来の除菌成分でオールマイティな消臭剤
食品添加物由来の柿タンニンや、さとうきびでニオイを消臭する無香タイプの消臭剤。食品添加物由来の除菌成分によって、ニオイ菌の繁殖が抑えることができます。例えばワンちゃんや猫ちゃんの匂いの染みついたトイレやベッドにスプレーすると、染みついたオシッコ臭、フン臭を軽減してくれます。食品添加物由来のため、ペットがなめても安心。また、ペットにやさしい無香料タイプにもなっているので、自分の愛するペットへの影響も心配する必要がありません。

除菌成分入りで子犬のトイレ失敗にも効果的
主な消臭・除菌成分は「次亜塩素酸」で、厚生労働省のウイルス抑制マニュアルでも、介護施設や保育所でのウイルス対策として紹介されている除菌成分です。オシッコ臭や体臭などを消臭してくれます。また、ペットのおもちゃにはペットの口臭がしみつきますが、おもちゃに吹き付けるだけでニオイが気にならなくなります。サークルやクレートのふきとり掃除にも使えます。
また、自分のオシッコのニオイが付いている場所にくりかえし粗相してしまうタイプの子犬には、この商品が特におすすめです。子犬が粗相したあとに、このスプレーを吹きかけて拭き取り、仕上げにもう一度このスプレーを吹きかけると、同じ場所で失敗することが少なくなります。

アルコール入りでしっかり除菌できるタイプ
エタノール(アルコール)が入っていますが、除菌まできっちり行いたいならこちらの商品が向いています。そのほかは、さとうきび抽出エキス、グレープフルーツ種子抽出エキスなどが消臭成分です。グリーン系のさわやかな香りがする製品と、無香の製品両方あります。リビングでリードディフューザー(リードと呼ばれるスティックを挿して使う香りグッズ)などを使っていて、ほかの香りが混じるのが苦手という方は、無香タイプをチョイスしましょう。

ニオイの元をスッキリ除菌! 雨の日のムレ臭に!
雨の日にお散歩したあとや、おうちシャンプー後の乾燥が不十分だったりしたときに、雑巾のようなムレ臭がすることがあります。雑菌の繁殖によるものなので、消すためにはきちんと除菌する必要があります。そこでおすすめなのがこの製品。もともとは動物の傷を消毒することなどが目的の製品なので、安全性は折り紙つき。ステロイドや抗生物質、アルコールは一切使っていません。
「スキンケア」はスプレータイプなので、シュッと吹きかけたブラシでワンちゃん、猫ちゃんの体をスプレーするだけで雑巾臭が消えます。主な除菌成分は次亜塩素酸。そう聞くと名前にドキッとしますが、食器用漂白剤などに入っている「次亜塩素酸ナトリウム」とは全くの別物です。次亜塩素酸は除菌力、ウイルス抑制力にすぐれて安全性が高いことから、ほ乳瓶の除菌や食材の洗浄、プールの除菌などにも使われる成分です。安心して使ってください。

部屋に置くだけでペットのニオイを強力消臭
二酸化塩素をアルカリ性水溶液に溶存させて安定化させた「安定化二酸化塩素」ゲルが徐々に気化することにより、部屋内のオシッコ臭などのニオイを抑えてくれる製品。ウイルスや菌を除去するといわれていますが、私がおすすめする理由は強力な消臭作用にあります。特に香りはないので他の香りグッズと競合することもなく、何気なく消臭してくれるすぐれものです。中身のみの付け替え用もあります。6畳あたりに1個設置するのが効果的で、約1カ月半ごとの交換が必要です。

銀の力でペットのニオイを強力分解&除菌
銀、プラチナ、ミョウバンの力で、オシッコ臭や体臭を消して除菌してくれる消臭剤で、無香タイプです。トイレに使えばオシッコ臭、ペット用ベッドなどの布製品にスプレーして乾燥すれば染みついた体臭がすっきり消えます。ペットのコジマのプライベートブランド商品で、実際にショップでも使われているとのこと。ペットを知り尽くしたコジマならではの製品と言えるでしょう。
「犬猫専用消臭剤」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 犬猫専用消臭剤の売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの犬猫専用消臭剤の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
安心して使える成分を見極めるには? プロからのアドバイス
成分に疑問を持ったら、薬学事典などで調べてみて
ペット専用の消臭剤は、ペットがなめても安心な成分でつくられていますが、少しでも成分に疑問を持ったら、薬学事典などで調べてみましょう。
私は、化学物質環境・安全管理用語事典や化粧品成分辞典などで調べたり、獣医師に聞いたりして、薬学上、化学上、安全が担保されていると考えられる物質からつくられた製品のみをおすすめするようにしています。
インターネットでも調べられますが、ネット上にはエビデンス上安全性が担保されている成分についても、いたずらに危険を煽るような記述もありますので、注意が必要です。
【関連記事】ニオイが気になる方へおすすめアイテムをさらに紹介
犬や猫にとって安心な成分の消臭剤を選んであげてください
ペットを飼っているとオシッコやフン、口臭など、ペットの体から発生するニオイだけではなく、さまざまなニオイがあります。毎日体をきれいに拭いてあげたり、定期的にお風呂に入れてあげたりなど、ある程度飼い主側で対策を施すことは可能です。
しかし、いつも一緒にいる家族はあまり感じなくても、外から訪れた人などはわずかなニオイでも敏感に感じ取ることがあります。共に生活する家族もお客様も快適に過ごせる空間づくりをするために、手軽にニオイを消臭するなら「犬猫用消臭剤」が便利です。ペット専用のタイプなら、ペットが舐めても安心なタイプが多く、香料が使われていないものもあります。
本記事を参考にして、ぜひ快適な空間を実現してください。
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青山学院大学卒業後、出版社で雑誌・書籍の編集に携わったのち独立。 犬の訓練をドッグトレーニングサロンで学びながら、愛玩動物飼養管理士1級、ペット栄養管理士の資格を取得。 著書に「ドッグ・セレクションベスト200」、「室内犬の気持ちがわかる本」(ともに日本文芸社)、「犬からの素敵な贈りもの」(出版社:インフォレスト) など。愛犬はオーストラリアン・ラブラドゥードル。