バイク用ドライブレコーダーの必要性
自動車へのドライブレコーダーの設置が一般的になりつつありますが、バイクにもドライブレコーダーを設置する方が安心です。自動車と同様にバイクの運転中やツーリング時でも、万が一の事故が起こったとき、保険会社への証拠提出や警察への捜査協力などで、大変役に立つからです。
近年のバイク用ドライブレコーダーは、車体に取り付けるだけでなく、ヘルメットに取り付けたり、スマートフォンと連動させたりなど、機能性が充実している商品も数多く、設置へのハードルもどんどん下がっています。また、目的は少し異なりますが、ツーリングの思い出を映像として残しておくこともできます。
安全のため、万が一の事故のためにも、ぜひとも設置を考えたいところです。この機会に、自分に合ったバイク用のドライブレコーダーを探してみてください。
バイク用ドライブレコーダーの種類・タイプ
バイク用ドライブレコーダーには、大きく分けて「1カメラ」「前後2カメラ」「ヘルメット装着カメラ」の3種類があります。それぞれに特徴がありますので、しっかり確認しましょう。
「1カメラ」:前方、もしくは後方の一方向のみ撮影できる
「1カメラ」は、前方、もしくは後方のみを映し出すカメラ。
前後の両方を撮影することはできませんが、手軽に取り付けられ、値段も比較的に低価格です。大抵の場合は前方に設置しますが、必要に応じて後からリアカメラ(後方1カメラ)を取り付けることも可能です。
「前後2カメラ」:前方・後方の両方向を撮影できる
「前後2カメラ」は前方のカメラに加えて、後方にもカメラが取り付け、バイクの前後を撮影できるカメラ。1カメラに比べ値段は高価格になりますが、前方の事故だけでなく、後方からの煽り運転や玉突き事故なども撮影できるため、人気の高いモデルです。
しかし、前後のカメラを連動させるためのコードの設置など、取り付けに時間が掛かります。バイクショップなどで取り付け依頼をすることも可能で、その際の取り付け工賃の相場は1万円~1万5000円ほど。安全・安心に取り付けるのであればショップに依頼するのもひとつの手です。
「ヘルメット装着カメラ」:手軽にヘルメットに取り付けて撮影できる
「ヘルメット装着カメラ」は、その名の通りヘルメットにカメラを装着し、撮影できるカメラ。
ライダーの目線しか撮影できませんので、基本は前方のみで画角も限られますが、面倒なコードもなく、取り付けも簡単です。また、複数台のバイクでも設置の必要がないため、手軽に撮影が可能です。しかし、撮影範囲がわかりにくく、目線によっては事故の瞬間が写っていないこともあります。
また、旅の記録を重視するならアクションカメラをドライブレコーダーとして代用できます。バイクドライブレコーダーよりも高価格で事故映像の録画に特化していないため、万一の事態には証拠として利用することが難しいというデメリットもあります。
可能であれば「前後撮影」できるものを選ぼう
バイクドライブレコーダーには、バイクの「前方のみ」または「後方のみ」の撮影に対応しているもののほか、前後撮影に対応している商品もあります。
より確実な映像を残すためには、前後撮影に対応している商品がいいでしょう。前と後ろの映像があれば証拠としての効力も高くなります。前後撮影対応タイプは前述の「常時給電型」タイプのレコーダーになり、取りつけには多少の手間がかかりますので注意しましょう。
バイク用ドライブレコーダーの選び方
それでは、バイク用ドライブレコーダーの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記。
【1】画質・画角性能
【2】録画方式
【3】防塵・防水性能
【4】給電方式
【5】その他の便利機能
上記のポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】画質・画角性能をチェック
ドライブレコーダーは画質が大切です。映像が荒いせいで、状況がしっかり映っていなければ元も子もありません。そのため、本項では綺麗な画質を選ぶ時の注目ポイントをご紹介いたします。
「画素数」:映像・画質を鮮明に表現する性能
画素数とは、映像・画質を鮮明に表現する性能のことで、ピクセル数ともいいます。このピクセル数が細かければ細かいほど、綺麗な画質ということになります。下記の種類があります。
●フルHD対応モデル・・・1920×1080
●スーパーHD対応モデル・・・2304×1296
●WQHD対応モデル・・・2560×1440
相手の車のナンバーを判読できるフルHD(1920×1080)、画素数200万画素以上のものを選べば安心でしょう。
「画角」:録画できる領域
「画角」は録画できる領域を示します。
「水平(画角)」といえば横方向の録画領域、「垂直(画角)」は縦方向の領域、そして「対角」は領域を対角線で結び、縦横合わせた録画可能領域を表す言葉です。いずれも数字が大きいほど、広い範囲を録画可能です。できるだけ広範囲を撮影できる広角の機種を選びましょう。
目安として120度以上をおすすめします。
「HDR・WDR」:暗いところでも鮮明に映す補正機能
ドライビング中は逆光や夜中などに白飛びや黒つぶれが起きることで映像が映りにくくなる場合があります。HDRやWDRは映りにくくなった部分を減らし、綺麗な映像を残す機能。画面内の明暗のバランスをとるため、トンネル内での走行でも綺麗に映し出します。
「フレームレート(fps)」:瞬間を映す動画のコマ数
フレームレートとは、動画の中のコマのこと。大きくは信号機の撮影に関連します。LED信号機は細かく点滅しているため、何色が点灯中なのか動画に記録できない場合があります。
「LED信号機対応」と書かれたものは、このフレームレートを調整して動画のコマと点滅のタイミングを合わせて、点灯している映像を撮影できるようになります。事故の際、点滅信号だったのか、点灯だったのかなどはっきりさせるにはこの機能がついていると便利です。
【2】録画方式をチェック
「常時録画タイプ」:エンジンをつけたらずっと録画する
「常時録画」とはエンジンがかかると自動的に録画がスタートし、エンジンが切られると録画も自動的に終了する機能。常時録画はうっかりスイッチをONにし忘れたり、逆にOFFにし忘れることを防ぎます。
SDカードが一杯になると、上書きして録画するループ録画と連動したものが多いです。そのため、必要な映像を上書きして消してしまうリスクがあるのがデメリットです。
「Gセンサー機能タイプ」:事故の衝撃を感知して録画する
Gセンサーとはイベント録画とも呼び、衝撃を感知するセンサーのことで、事故が起きた場合にその前後数十秒間の映像を上書き消去しないで保存することができる機能です。この機能があれば、誤って大切な記録を消してしまうことがなく、万一のときの映像を確実に残しておくことができます。
「ループ録画機能」の有無も確認しよう
録画の容量がいっぱいになった際に、一番古いデータに上書きして録画する機能のことをループ録画機能といいます。自動的に直近の記録を残せますので、録画容量の残量を気にする必要がない便利な機能です。「古い映像を消し忘れたために事故の映像が撮れなかった」ということがないよう、ループ録画機能の有無は事前に確認しておくといいでしょう。
【3】防塵・防水性能をチェック
バイク用のドライブレコーダーには、防塵・防水機能は必須といっていいでしょう。その性能の基準については「IPコード」という等級で判断できるものがほとんど。IPの数字でそれぞれの性能をあらわしています。
たとえば「IP56」と表示されていれば、防塵性能が5で、防水性能が6であることを意味します。一般的にIP55以上の防塵・防水性能があると安心でしょう。
【4】給電方式をチェック
バイクドライブレコーダーには、バイクのバッテリーから給電できるタイプと充電池を内蔵しているタイプがあります。性能や価格の違いなどから、適切なものを選びましょう。
バイクのバッテリーから給電できる「常時給電型」
バイクのバッテリーから給電するのが常時給電型。このタイプは充電が不要なうえ、レコーダーのバッテリー残量を気にする必要もないので、長時間のツーリングをする方や頻繁にバイクに乗る方には大変便利です。そのぶん高価で、取りつけに手間がかかるというデメリットもありますので注意しましょう。
バッテリーが内蔵された「充電式」
充電式とは、ドライブレコーダー本体にバッテリーが内蔵されているタイプです。配線が不要で取りつけがカンタンなのがメリット。小型で使い勝手もいいので、短時間の走行や週末のバイク利用がメインの方に向いているでしょう。
【5】その他の便利機能をチェック
ここまで解説した重要な機能のほかに、あると非常に便利な機能もご紹介します。バイクツーリングをより楽しいものにするためにも、あわせてチェックしてくださいね。
Wi-Fiによる「スマホ連動機能」
Wi-Fi機能が搭載されているドライブレコーダーなら、スマホにリンクさせることで撮影した動画を保存したり、SNSなどにアップロードして仲間とシェアすることもできます。また、カメラの取りつけ時には、スマホで実際の画像を確認しながらカメラの位置を調整できるので便利です。
「GPS」や「速度記録機能」「駐車監視機能」
旅の記録を残しておくのに便利なのがGPS機能です。自分がどの場所をどんなルートで走行したのかが映像とともに記録されます。さらには速度を記録できるものや、盗難防止になる駐車監視機能がついている製品もあります。これらの機能がついているかどうかは予算と相談しながら選びましょう。
バイク用ドライブレコーダーおすすめ
ここからは、バイク用ドライブレコーダーのおすすめ商品をご紹介します。必須機能のほか便利なオプション機能も参考にしながら、自分に合った商品を探してみてくださいね。
こちらからすぐチェック!
▼おすすめ2選|1カメラ
▼おすすめ5選|前後2カメラ
▼おすすめ2選|ヘルメット装着カメラ
▼おすすめ2選|1カメラ
まずはバイク前方にカメラを設置する1カメラタイプです。比較的安価なモデルが揃っているので、バイクに乗る頻度が少ない方や、1代目のバイク用ドライブレコーダーとしてもおすすめ!
サーキット走行の撮影にも使用できる
こちらはふたつのカメラで死角を減らしたオンボードカメラにもなるバイクドライブレコーダーです。フルHD高画質録画ですので、ナンバープレートはもちろん、ルート案内などの文字もはっきり記録できます。夜間の撮影にも対応可能。レンズは広角120度、マイクとスピーカーも備えており周囲の音声もしっかりキャッチします。
サーキット走行時にも使うことができ、臨場感あふれる映像が撮影できます。
いろんな機能を詰め込んだ1カメラ!
常時録画に加えて、衝撃録画、手動録画の録画モードを搭載する1カメラ。スマホと連携することで動画再生が可能です。また、PCソフトを使うことで、映像や音声だけでなく、加速度情報や位置情報、走行経路などを地図上に表示することも!
夜間の明暗差を補正するWDRを搭載しているのも心強いポイント。なお、衝撃録画を感知するGセンサーは5段階の感度で調整できます。
▼おすすめ5選|前後2カメラ
続いては、前後2カメラのバイク用ドライブレコーダーです。バイクの前後に備え付けるので、後方からの追突や、煽り運転にもしっかり対応できます。
フロントカメラはアクションカムとしても利用可!
ソニー製の品質が高いSTARVIS CMOSイメージセンサーとF1.8の口径レンズで、夜道でも明るい映像をしっかり撮影できます。Wi-Fiにも対応し、スマホの専用アプリで動画を見ることも。
フロントカメラはバッテリーを内蔵しており、アクションカムとしても使えるので、バイク旅行などのシーンにも重宝するはずです。防水防塵機能も備えており、頼れるドライブレコーダーですよ。
3つの録画方式を備えたハイスペックモデル
前後2カメラとGPSを搭載したミツバサンコーワのハイスペックモデルです。カメラは200万画素フルHDで、暗闇の映像にも強いWDRを搭載した高性能モデル。常時録画、衝撃録画、手動録画の3種の録画方式で撮り逃しを防ぎます。
専用のアプリで録画した映像をダウンロードすれば、いつでもどこでも視聴できます。走行中のさまざまなシチュエーションに幅広く対応できる、安心・安全の国内メーカー品質です。
ミツバサンコーワ『バイク専用ドライブレコーダー』は、バイク用ETC車載器も手がけるメーカー製だけに信頼性は抜群です。スマホで映像を確認できるのも便利ですね。
広い視野角で記録する本格派モデル
防水防塵機能を備えたカメラを前後に2台設置できるタイプ。視野角は対角162度、水平137.4度、垂直73.6度と非常に広い範囲を記録できます。また、カメラはソニー製CMOSイメージセンサーを搭載したもので、昼でも夜でもきれいなフルHD動画を撮影できます。
またLED信号に対応していたり、衝撃が加わることで録画をスタートできるモードも備えていたりと多機能です。64GBのmicroSDを同梱しているのですぐ使い始められますよ。
キジマ『ドライブレコーダー 1080J』は、静止画も撮れる防水の手元コントローラーがとにかく便利です。本体に液晶画面があるのも高ポイントです。

万全の防塵・防水加工のコンパクトタイプ
最大ビデオ解像度FHD1080Pの高画質を持つ前後カメラを搭載した、キジマのドライブレコーダー。両カメラは防塵・防水規格IP67相当で雨の日でも安心です。手元で操作ができる防水コントローラーも付属。
本体はコンパクトサイズで、バイクに取りつけて邪魔になりにくいのも特徴。逆光や明暗差の激しい場面でもクリアに撮影できる露出補正機能つき。より品質の高い録画が可能になっています。
WDR機能搭載で鮮明な映像を記録できる
前後ともフルHD画質で水平100°、垂直75°、対角135°の広角撮影が可能。加えてワイドダイナミックレンジ機能搭載なので、黒つぶれや白飛びのないきれいな映像を録画できます。モニターがないタイプのドラレコですが、専用のスマホアプリを使えば動画の確認も簡単、ループ録画機能も備えているので取り逃しもありません。
▼おすすめ2選|ヘルメット装着カメラ
最後は、ヘルメット装着カメラのおすすめ商品です。こちらもぜひチェックしてください。
防水防塵、耐衝撃性に優れ、安心してドライブできる
ヘルメットにつけて、ボタンを3秒間長押しすれば録画開始できます。また、振動を感知したら録画をできたり、音声で録画をできたりもします。
防水防塵性能はIP68で水没しても問題なし。それにミルスペックの耐衝撃性も備えているので、万が一カメラを地面に落下させても壊れる心配は少ないです。
バッテリー内蔵型なので、自転車やアクションカムとしても利用可能!
警視庁と共同開発、白バイ隊にも採用されている信頼の製品、アサヒリサーチ『Driveman バイクカメラ』。ヘルメットに装着しますので、複数のバイクを所有している人でも「これ1台あればOK」というメリットもあります。

実用性重視のヘルメット装着型
ブラケットの両面テープでカンタンにヘルメットに装着できるバイクドライブレコーダーです。本体に強力な磁石が埋め込まれているほか、脱落防止ストラップもついていますので紛失を防止できます。フル充電で最大8時間までのハイビジョン録画が可能です。
全国のLED信号機に対応し、夜間用のLEDライトもついていますので暗闇での走行も安心。実用性を重視する方におすすめの製品です。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする バイクドライブレコーダーの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのバイクドライブレコーダーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかのバイク用品に関連する記事はこちら
画角や耐久性をチェック!
本記事では、バイク用ドライブレコーダーの種類やタイプ、選び方、そしておすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?
商品を選ぶ際は、種類・タイプごとの特徴を抑えた上で、画質・画角性能、録画方式といった「映像のスペック」を確認し、その後、防塵・防水性能や給電方式といった本体の手間や機能面を確認することで、万が一に備えた、安心の商品を選ぶことができます。
ドライブレコーダーは、「万一の際に録画されていない」では困りますので、できるだけ信頼性の高い製品を選びたいもの。しっかりした商品を選べば、機能によっては事故の瞬間だけでなく、ツーリング時に出会った美しい景色なども、記録として残せます。
本記事を参考に、信頼性だけでなく、ドラレコをより有効活用できる機能面にも注目して、ピッタリの商品を見つけてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
30年以上にわたってバイク雑誌等に執筆しているフリーライター。ツーリング記事を中心に、近年はWebメディアで新車のインプレッションやアイテムレビューも多く執筆。また、バイクツーリング&アウトドアを楽しむ『HUB倶楽部』を仲間と運営するなど幅広く活動している。 日本の全都道府県をバイクで走破しているほか、オーストラリア、タイ、中国など海外でのツーリング経験も持つ。キャンプツーリング好きのため、バイクはスペックよりも実際の使い勝手や公道での走りが気になる。現在の愛車はヤマハMT-09トレーサー、TT-250Rレイド、カワサキKSR-II。