つるし雛とは? ひな祭りの装飾品
つるし雛とは、ひな祭りの小さな人形やモチーフをつるした飾りです。江戸時代に始まったとされており、高価な雛人形が手に入らない一般家庭で手作りされてきました。稲取発祥という説が有力で、そこから全国に広まっていったと言われています。
飾りのひとつひとつに意味が込められていますが、全体としては「衣食住に困らないように」という願いが込められています。現在では、飾ったり保管したりしやすいコンパクトさから、全国的に人気が高まっています。
つるし雛の飾りに込められた意味
つるし雛に用いられているモチーフには、ひとつひとつに意味が込められています。
「這えば立て、立てば歩め」という親心を表した「這い子人形」をはじめとして、鶴・亀(長寿)、桃(厄払い)、七宝毬(円満に美しく育つように)、蝶(可憐でかわいい子になるように)など。
たくさんの種類があるので、モチーフの意味を確認しながら、商品選びをするのもいいでしょう。
つるし雛の選び方 手作りや人気キャラクターも
まずはつるし雛の選び方をチェックしていきましょう。いろいろな種類があるので、ぜひ自宅に合うものを探してみてください。
つるし雛の種類をチェック
つるし雛にはさまざまな種類があるため、それぞれの特徴をチェックしていきましょう。
つり下げタイプ
つるし雛といえば、天井から直接つるす、つり下げタイプが代表的です。天井にフックを取りつけて、引っかければ設置完了。その際は、つるし雛の重さに耐えられるよう、梁(はり)や根太のあるところにフックをつけるようにするといいでしょう。
また、天井にフックを設置するのが難しい場合は、壁など別の場所に設置したフックに引っかけることもできます。
飾り台つき
飾り台とセットになっている商品や、飾りと台が一体になっている台つきタイプのつるし雛は、手元に届いたらそのままサッと飾れて手軽です。コンパクトなサイズであれば、雛人形の脇に添えて飾りやすく、より華やかな雰囲気を演出してくれます。
棚のうえなど、場所を選ばず自由な飾り方ができるためギフトとして贈っても喜ばれるでしょう。
ケースつき
「つるし雛を飾るときに、ホコリがつきそうで気になる」という人も多いでしょう。ケースに入ったタイプの商品なら、ホコリがつかず、汚れにくいのが大きなメリットです。
また、台つきタイプのように、ケースごとそのまま設置できるのも便利。ケースの背面にミラーがつけられている商品は、飾りが増えてみえるので、より豪華な雰囲気になります。
のれん・タペストリータイプ
一般的なつるし雛は立体的にデザインされていますが、のれん・タペストリータイプは、平面的に飾りが配置されています。薄型なので、設置や収納がしやすいのが特徴。
また、飾りが横ならびになっているため、ひとつひとつのモチーフがしっかり引き立ってみえるのもメリットです。商品数は限られていますが、ユニークなデザインのつるし雛を選びたい方にはぴったりでしょう。
親王飾りとあわせるコンビタイプ
男雛と女雛がペアになった「親王飾り」と、つるし雛がセットになっている商品もあります。このようなコンビタイプの商品であれば、設置スペースを抑えながら、雛人形とつるし雛の両方が飾れるのが魅力です。
つるし雛と一緒に飾ることによって、飾り全体がより華やかになるため、スペースが限られているご家庭でも、にぎやかなひな祭りが演出できるでしょう。
吊るし雛のモチーフはいろいろある!
つるし雛の人形には100以上もの種類があるといわれており、それぞれに意味が込められています。また、地域によってもその意味合いが異なる場合も。いくつかをピックアップしてご紹介します。
ディズニーなどキャラクターモチーフ
現在では、伝統的なデザインのつるし雛にくわえて、人気キャラクターをモチーフにした商品も発売されています。キティちゃんやディズニーなど、お子さんが好きなキャラクターのデザインを選んであげれば、喜んでながめてくれるでしょう。
カラフルな色づかいの商品が多く、現代のインテリアにもなじみやすいのが特徴。子ども部屋に飾ってもかわいいです。
うさぎ
うさぎは「月からの使者=ツキを呼ぶもの」ことから、幸運をもたらすと言われています。またうさぎの赤い目には、「魔除けや病気を退治する力がある」という云われも。飛び跳ねる姿から「飛躍するように」という意味合いもあるそうです。
猿っ子(さるぼぼ)
猿っ子とはサルの赤ちゃんのことで、飛騨地方では「さるぼぼ」と呼ばれます。「さる(去る)」にかけて、「病や災いが去るように」という意味がこめられています。
桃
3月3日は桃の節句といわれるように、ひな祭りや女の子を象徴するものですよね。中国では、桃は不老長寿の果実とされています。桃には「邪気を払い、延命長寿を授けてくれるように」という意味が込められているそうです。
金魚(きんぎょ)
中国で金魚は「チンユイ」と読み、金余(お金に余裕がある)という言葉と同じ発音であることから、蓄財に通じる縁起のよい魚とされています。また、金魚はたくさんの卵を産む魚であり、多産祈願の意味合いも込められています。
手作りしたい方はキットがぴったり
既製品のほかに、つるし雛の手作りキットも販売されています。ハンドメイド好きの方や、子どもと一緒に手作りしてみたいという方に人気を集めているので、ぜひチェックしてみましょう。
キットを利用すれば、必要な材料がすべて入っていて便利なほか、素材・サイズも幅広く展開していて、自分のレベルにあったものが見つかりやすいでしょう。
華やかな雰囲気で桃の節句をお祝いしましょう 保育士ライターがアドバイス
親王飾りと呼ばれる、台座付きのひな飾りは厳かな雰囲気があります。つるし雛は、置くだけで部屋が華やかな雰囲気になり桃の節句のお祝いがさらに特別なものになるでしょう。子どもと一緒に写真を撮ることで、毎年の成長も感じられます。
つるし雛おすすめ9選 子供が喜ぶデザインも!
ここからは、おすすめのつるし雛をみていきましょう。

雛人形と一体になったコンビタイプ
親王飾りにつるし雛が添えられた、コンビタイプの商品です。目を閉じたかわいい雛人形のまわりは、ぼんぼりやひし餅・橘などで彩られています。
背面の屏風とうえに飾られたつるし雛があることで、グッと華やかさが増し、季節のインテリアとして楽しめるでしょう。
コンビタイプながら、幅30cmと場所を選ばず置きやすいサイズ感も魅力です。

縫い針・糸を使わず作れる
ちりめん生地で作る、本格的な手作りキットです。制作時間の目安は、150分。ピンクの傘からは、お雛さまや花模様の毬、ぼんぼりなどがつるされています。カラフルでかわいい色づかいが魅力で、出産祝いや節句祝いのギフトに贈っても喜ばれるでしょう。
細工の数は多いですが、縫い針や糸を使わずに作れるため、ハンドメイド初心者の方も、チャレンジしやすいでしょう。
人気のハローキティがつるし雛に
世界的に人気を集める、ハローキティをつるし雛にしました。女雛・ハローキティと男雛・ディアダニエルが中心に配置され、おともだちのリス・タイニーチャム・ネズミが三人官女としてまわりを囲んでいます。
桜餅やはまぐりなどの伝統モチーフもたくさんつるされていて、キャラクターものらしい、カラフルでかわいいデザインが魅力です。
和傘が目をひくつるし雛
山形県酒田地方に伝わる「傘福」を再現した商品です。一般的なつるし雛は、輪っかから細工をつるしますが、こちらは和傘からつるしているのが特徴。
10連になった飾りには、ハイハイをする子どもやうさぎ・花・風車など、30種類もの縁起物がつるされています。花柄の和傘でボリューム感があるので、にぎやかなひな祭り飾りになるでしょう。
ピンクのケース入りでかわいいつるし雛
上品な、ロイヤルピンク色の六角ケースに入っています。うえの傘についた、赤色のアゲハ蝶が印象的。つるし飾りは、真ん中に花毬を配置し、周辺を7連・35種類の細工がぐるりと取り囲んでいます。
伝統的なモチーフを用いながらも、黄色・赤・ピンク・水色と明るくてかわいい色どりに仕上がっており、インテリアにもなじみやすいでしょう。
気軽に飾れるカジュアルデザイン
ミッキー&ミニーの、ツムツムデザインになったつるし雛です。飾り台はついていない、オーソドックスなつりさげタイプ。
わた入りのやわらかいパーツがつるされていて、やさしい雰囲気です。丸いパーツで統一されたカジュアルなデザインなので、どの部屋に飾ってもインテリアになじみやすいでしょう。
子どもから大人まで、幅広い世代に人気のキャラクターなので、子どもが大きくなってからも、ひな祭り飾りとして長く愛用できます。
表情豊かなうさぎの細工
高さ76cmと、大きめのつるし雛です。赤うさぎを主役にしており、ハイハイしていたり花を抱えていたりと、さまざまな表情のうさぎがたくさん散りばめられています。
細工の合間にはキラキラとしたビーズがついていて、華やかです。高さはありますが、幅は12cmとコンパクトなので、豪華なのに設置スペースを取らないのも魅力です。
1時間で作れるお手軽キット
手作り派にぴったりの、つるし雛キットです。赤い輪っかのなかに、お雛さまが腰かけているかわいいデザイン。完成品は、直径10cmとコンパクトサイズなので、小さいつるし雛を飾りたい方に適しています。小さいため、制作時間の目安も約1時間と、初心者でも手軽にトライしやすいのがうれしいポイント。
短時間で作れるキットをお探しなら、こちらがぴったりです。
キラキラ輝くビーズのお雛さま
クラフトビーズで作る、つるし雛キットです。イヌの男雛&女雛をメインに、キラキラとした毬やビーズで飾られたデザインになっています。
リリヤンにとおすだけで作れるので、準備する道具も少なく済むのが魅力です。作業時間は、80分が目安となっており、かんたんにできるため、子どもと一緒に取り組んでも楽しいでしょう。飾り台はついていないため、必要に応じて買い足してください。
「つるし雛」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする つるし雛の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのつるし雛の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
日本三大つるし飾り(つるし雛)をチェック
つるし雛の起源とされている、日本三大つるし飾りについてご紹介します。
傘福(山形)
山形県で江戸時代から受け継がれる「傘福」は、開いた和傘からぐるりと縁起物の細工がつりさげられてるのが特徴です。
県内でもとくに酒田市がつるし雛の産地として知られており、女性たちがひと針ひと針心を込めて作った傘福を、地元の神社仏閣に奉納する風習がありました。
また、日枝神社の「山王祭」では、お祭りの飾りとして商売繁盛を願った傘福が使われていた歴史があります。
雛のつるし飾り(静岡・伊豆稲取)
静岡県では、伊豆稲取地区がつるし雛発祥の地とされています。江戸時代後期から、お古の着物ハギレで手作りした、つるし雛を飾る風習があったそう。
竹ひごの輪っかから、赤い糸にさげた細工をつるしており、無病息災や良縁への願いが込められているのが特徴です。稲取では毎年「雛のつるし飾りまつり」が行なわれており、にぎわいをみせています。
さげもん(福岡・柳川)
「さげもん」は、女の子の初節句に柳川地方で飾られてきたつるし雛。江戸時代末期に、武家の奥女中があまり布で作りはじめたのが起源とされています。
紅白布を巻いた竹の輪っかに、7個の飾りがついた糸を7本さげ、さらに中央に大きな毬をふたつつるしているのが特徴です。鶴・亀・海老・セミなど、子どもの成長を願ったさまざまなモチーフが使われています。
そのほかのひな祭り関連アイテムの記事はこちら
つるし雛は用途に合わせて選ぼう
山形・静岡・福岡などの地域で伝えられてきた、伝統的なつるし雛は、コンパクトで飾りやすいことなどから、現在では全国にその人気が広がっています。
飾り台つきでそのまま置けるものから、豪華なミラーつきケースに入ったもの、子どもが喜ぶキャラクターデザインまで、バリエーション豊富な商品が発売されているので、設置スペースや好みのデザインなどに合わせながら、ぴったりのつるし雛を選んでください。
美しい細工に込められた願いもチェックすれば、よりつるし雛への理解が深まるでしょう。
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