介護スロープの選び方
それでは、介護スロープの選び方のポイントをご紹介します。スロープの種類や長さをよくチェックすることが大切です。ぜひ介護スロープ選びの参考にしてください。
【1】使用場所にあわせて選ぶ
介護スロープの種類と、シーンや用途に合ったスロープの選び方を覚えておきましょう。
▼安定感のある「一枚板タイプ」
安定感の高い「一枚板タイプ」は、介護をする方も一緒にスロープをとおれるので、車椅子でもスムーズな移動が可能です。
スロープを設置しておく場所が決まっているという方も、安定度の高い一枚板タイプが適しているでしょう。なお、車椅子で自走するなら、エッジがついているタイプを選ぶと、端からの思わぬ落下を防ぐことができます。
▼出先でも使える「レールタイプ」
ほかのタイプよりもコンパクトで軽量なレールタイプは、かんたんに設置できる介護スロープを探しているという方に適しています。
持ち運びも容易なので、出先でサッと使える介護スロープを求めている方にもおすすめです。ただし、商品によって対応している車輪の大きさが異なるため、レールの有効幅は事前に確認しておきましょう。
▼段差の解消には「ブロックタイプ」
室内の小さな段差を解消したい場合は、両面テープなどで固定できるブロックタイプの介護スロープを選びましょう。
ブロックタイプの介護スロープは車椅子での移動だけではなく、つまずき防止にも役立ちます。
カッターなどでかんたんにサイズを調節できるタイプなら、使いたい場所にぴったりと合わせることも可能です。
【2】傾斜角度と長さで選ぶ
スロープの傾斜角度と長さの確認は重要です。
▼車椅子で自走するなら段差の12倍以上
車椅子で自走する場合は傾斜の角度が大きいと危険なので、段差の12倍以上の長さがある介護スロープを選んでください。12倍の長さがあると、傾斜角度は5度になります。
20cmの段差に介護スロープを使う場合は、12倍の2.4mの長さが必要です。力のない方が介助をする場合には、さらに長めで傾斜角度が4度になる介護スロープを準備したほうがいいでしょう。
▼介助者が付きそう場合は段差の6倍前後の長さ
車椅子でスロープをとおるときに介助者が付き添う場合は、介護スロープの長さが段差の約6倍あると段傾斜角度10度になるため、負担なく走行することができます。
なお、介護スロープの「傾斜角度10度」は、広いスペースがなくても、介助をしながら車椅子でらくに走行できる基本的な角度なので、覚えておくといいでしょう。
▼急勾配での設置は段差の4倍、2mまで
高い段差や狭い場所で傾斜角度10度の介護スロープが使えない場合は、傾斜角度15度までを上限に選んでみてください。
ただし、急な傾斜の長距離走行は危険なので、長さは2mまでに留めましょう。車椅子で自走する場合や介助をする方の力が弱いときには急勾配での使用が難しくなるため、事前に設置場所を確認しておきたいところです。
【3】持ち運びやすさもチェック
外出先で介護スロープを使う場合は、軽くて丈夫な「カーボンファイバー」や「アルミ」が使われているスロープが便利です。
電車での移動で介護スロープを使う場合には、持ち運びがかんたんなコンパクトに折りたためるタイプの介護スロープを選びましょう。折りたたみ時のサイズを確認しておけば、収納スペースの確保にも役立ちます。
【4】JIS認証商品なら信頼性が高い
強度などを厳しく定めているJISの認証商品は、介護スロープ選びのひとつの目安になります。はじめて介護スロープを購入するという方も、JIS認証商品を意識しながら選んでみてください。
もちろん、JIS認証商品以外でも安定走行ができる工夫が施されている介護スロープや、反射板などで夜間の視認性を高めている商品もあるので、チェックしてみましょう。
エキスパートのアドバイス
室内か室外か、介助者がつくのか自力で走行するのか、常設なのか持ち運ぶのか、どれに当てはまるのかをよく考えて選択することが大切。室外なら軽くて運びやすいのが必須条件ですし、雨に濡れても問題ない素材であることが求められます。
介助者がつく場合と自力走行ではスロープの許容できる傾斜が違います。大掛かりな介護スロープもあれば、不要な部分をカッターでかんたんに切って長さを調整できる商品も。
介護用の手すりもチェックしておきましょう
高齢者の方や身体の不自由なが、安全に立ち上がったり歩いたりできるように身体を支えてくれる介護用手すり。この記事では、介護用手すりのおすすめと選び方をご紹介します。
介護スロープおすすめ10選
それでは、介護スロープおすすめ商品を紹介します。持ち運びやすい商品選びに役立ててください。
自由に長さを変えられるやわらかな素材を使用
やわらかい発泡材がつま先を守るブロックタイプのスロープです。木目調なので、室内や廊下で使用しても違和感がありません。貼りつけは付属の両面テープを使うだけ。長さのカットも自在です。
自由度の高い介護スロープですが、車椅子の走行にしっかりと対応しているのもうれしいポイント。サイズはMも含めた全4種類が用意されています。
走行しやすい10度の勾配が決め手
10度の勾配と幅の広さが走行や歩行をサポートするブロックタイプのスロープです。
スロープの表面にはすべりを防ぐダイヤカットが施されています。横方向からの侵入によるつまずきも防ぐR状の両サイドも特徴です。
素材には耐摩耗性にすぐれた硬質ゴムが使われているので、長く使える介護スロープを探している方にも適しているでしょう。
折りたたみ式のJIS認証スロープ
狭い間口や段差にもかんたんに設置できるJIS認証スロープです。下端部のエッジがカットされているため車椅子のフットサポートが当たらず、最小半径で乗り入れることができます。
折りたためば厚さが12cmになるので、保管スペースに困ることもないでしょう。スロープの四隅には、夜間でも見やすい蛍光テープと反射テープも貼られています。
施工しやすい軽量タイプ
発泡EVA製の軽量スロープです。スロープの表面にはわずかなざらつきがあり、溝加工も施されているので、靴下でもすべりにくくなっています。
勾配は車椅子でも走行できる14度。高さは0.5cmから6cmまで0.5cm刻みで全12種類が用意されています。横方向からの侵入でもつまずきにくい、両端のバリアフリー設計も特徴です。
保管も持ち運びもかんたん
多目的に使えるアルミ製のスロープです。耐久性にすぐれているため、長期間使えるスロープを探している方にも適しているでしょう。
表面には、すべり止めの溝が施されているほか、スロープ前端の下部にはすべり止めパッドもつけられています。
折りたたみ式なので保管スペースの確保にも悩まないでしょう。持ち運びに便利なナイロン製の取っ手もついています。
持ち運びに便利な収納袋つき
すべり止めがついたアルミ製のスロープです。90cmから150cmまで長さを変えられる伸縮タイプ。
耐荷重は270kgで、落下を防ぐ脱輪スリットと、車椅子の後戻りを防ぐすべり止め加工が施されています。
こちらの商品には専用の収納袋が付属しているので、電車移動などで車椅子を使うときにも便利です。
幅も高さも調節可能
取りつけかんたんな室内段差向けスロープです。100cmの幅広タイプですが、素材にEVA樹脂が使われているため、間口のサイズに合わせてカッターでかんたんに切ることができます。
付属している厚さ2mmのライナーを使えば、高さの調節も可能です。スロープの表面には溝とシボ加工が施されているため、すべりやすい靴下での歩行もサポートしてくれます。
和風建築の敷居にも使えるロールタイプ
アーチ状にまたがせて使用する画期的なロールタイプの介護スロープです。スロープのたわみで生じる勾配の変化が均等になるよう工夫されているため、神社などの敷居にも使えます。
ロールのパーツを取りはずせば、10cm単位での長さ調節が可能です。使わないときは巻き取って収納できるので、保管スペースの確保も最小限で済みます。
電動車椅子にも対応する耐荷重500kg
耐摩耗性が高く変形しにくい硬質ゴムを素材に使ったブロックタイプのスロープです。かんたんに裁断できるので、間口に応じてカットしたり、繋ぎ合わせたりして使えます。
電動車椅子でも走行できる耐荷重500kg仕様。スロープの表面には溝やすべり止め加工が施されているので、室内だけではなく浴室などの段差解消にも適しているでしょう。
置くだけで段差を解消
身近な段差を解消する勾配30度、高さ3cmのスロープです。底面にはすべり止め加工が施されているので、置くだけで設置が完了。
カッターなどでかんたんにカットできるため、使用場所を選びません。室内だけではなく、屋外の二重段差解消にも役立つでしょう。
材質にはクッション性が高く、柔軟性にもすぐれている合成樹脂エラストマーが使われています。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 介護スロープの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの介護スロープの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
介護スロープは介護保険で購入できる
住宅などの改修やリフォームをおこなう場合、上限20万円の範囲で介護保険が適用されます。また、介護スロープをレンタルする場合にも、一部ですが介護保険が適用されます。
リフォームとレンタル以外で介護スロープを購入する場合は、介護保険が適用されないので注意してください。全額自費での購入を検討している方は、使用頻度や価格を考慮したうえで決めるといいでしょう。
いきなり購入が不安な方はレンタルもおすすめ
介護保険制度の認定を受けていれば、購入金額の1割または2割負担で購入できます。ただし、特定福祉用具の指定を受けた事業者からでないと適応されません。指定を受けていない事業者から購入した場合は全額負担になります。
いきなり購入するのは不安だな。。。という人は、介護用品の専門レンタルショップなどで、実際に試してみたいイスをレンタルすることもできます。レンタル日数に応じてレンタル料が変わります。信頼のあるレンタル業者を探すことも必要です。アルコール消毒や殺菌がきちんとされているか、サイト内に記載があるレンタル業者にしましょう。
用途に合わせて適切な商品を選びましょう
介護スロープには「一枚板タイプ」や「レールタイプ」などの種類があるので、用途に合ったタイプを選んで適切な使用を心がけましょう。設置した介護スロープの傾斜角度を意識することも大切です。電車での移動や出先でスロープを使う場合には、折りたたみ式を選ぶと役に立ちます。
JIS規格に適合した介護スロープから選んでみるのも、ひとつの方法です。今回ご紹介した厳選商品や介護スロープの選び方を、介助の負担軽減する商品選びの参考にしてみてください。
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積水ハウスと零細工務店で戸建て営業を経験後独立。現在は工務店の営業マン指導がメイン業務。営業テクニックレベル以前に営業マンとしてのスケジュール管理や情報収集などのスキル不足を強く懸念。筆者が30年来続けてきたマンスリー手帳による行動管理やスクラップブックに代表されるアナログ管理をITとどう両立させるかを研修のテーマに必ず掲げる。さらには高額になる住宅の契約において使い勝手がよく客前でも見栄えのする領収書や印鑑ケースにもこだわりを持つ。プレゼン、マーケティング、営業関連の本を多数執筆。