家庭内事故ランキング上位は浴室転倒事故
住宅コンサルタント/スケジュール管理術の専門家
各メーカーから発売されているユニットバスには細部まで考え抜かれた手すりがついていますが、古いユニットバスやタイル貼りの古いお風呂などでは手すり自体ないものも多いですね。家庭内事故のランキングを見ると、お風呂内の転倒事故がいかに多いかわかります。
取りつけやすく壊れにくいか? 握りやすいか? 滑りにくいか? など多様な観点から商品を選んでください。
浴室手すりの選び方
住宅コンサルタントの森 雅樹さんに取材をして、浴室手すりの選び方のポイントを教えていただきました。取りつけ方法やサイズをよくチェックすることが大切です。ぜひ浴室手すり選びの参考にしてください。
取りつけ方法で選ぶ
浴室の手すりには、おもに2種類の取りつけ方法があります。
「挟むタイプ」ならしっかりと固定できる
「浴槽のふちに挟んで固定する」タイプの手すりです。固定といっても、取りつけは難しくありません。取りつけ後の安定度も高いので、介護が必要な方や腰やひざに悩みのある方には「挟むタイプ」が適しています。
手すりを掴んだまま湯船に入れるため、浴室内でのスムーズな動作も可能です。頻繁に手すりを取りはずさないなら、挟むタイプ一択となるでしょう。
取りつけかんたんな「吸盤タイプ」
吸盤で浴室の壁などに手すりを取りつけるタイプです。取りつけ部をレバーで真空状態にして吸着させるため、工具を用意する必要はありません。
吸盤タイプは固定力に不安があるかもしれませんが、しっかりと取りつければ入浴のサポートに問題なく活用できます。賃貸住宅などの浴室に手すりを設置したいという方にもおすすめです。
浴室手すり「挟むタイプ」の選び方
浴槽に固定してつかう挟むタイプの選び方を見ていきましょう。
取りつけに対応している幅をチェックする
取りつけに対応している幅は商品によって異なるので、「取りつけたい浴槽の幅」と、「商品が対応している取りつけ幅」の両方を確認しておきましょう。どちらかのサイズが合わないと取りつけできないので注意が必要です。
なお、内側が湾曲した浴槽に対応している手すりを購入する場合には、対応している湾曲の角度も確認しておきましょう。
高さの調節ができると便利
高さが変えられる浴室手すりなら、取りつけたあとでも状況に合わせてかんたんに高さを変えられます。高さが調節できる範囲は商品によって違うため、購入前に確認しておきましょう。
工具なしで高さ調節できる商品も発売されているので、高さを変えるたびに手すりを取りはずす手間を軽減したい方はチェックしてみてください。
接触面が広いと安定する
手すりの取りつけ部が浴槽に接触する面の広さも確認してみてください。浴槽に接触する面にすべり止め加工が施されている商品もありますが、面積は商品によって違います。
体格の大きい方が手すりを使う場合にも、接触面の広さを見ておくといいでしょう。とくに、挟むタイプの手すりは、取りつけ面積が広いほど固定力と安定力が高くなります。
手すりの重さもチェック
挟むタイプの浴室手すりを取りつける場合には、浴室まで持ち運べる重さかどうかを確認しておきましょう。本体の重さが5kg以上あると、人によっては持ち運びが難しくなります。
軽い素材を使って軽量化を実現している商品もあるのでチェックしてみてください。持ち運びに自信がない方は、手軽に持ち運べる吸盤タイプの手すりも検討してみましょう。
浴室手すり「吸盤タイプ」の選び方
ここからは、吸盤タイプの浴室用手すりの選び方を見ていきます。
耐荷重をチェックする
吸盤タイプは簡易的な手すりですが、耐荷重はしっかりと確認しておきましょう。ほとんどの商品には「耐荷重○kg」という表記があります。
吸盤は垂直方向の引っ張りには強いですが、水平方向には弱いので、両方向の耐荷重をチェックしておきましょう。吸盤タイプの手すりを安定的に使うなら、最低でも耐荷重30kgの商品を選びたいところです。
耐水性や耐熱温度も確認する
耐水性にすぐれた吸盤タイプの浴室手すりも発売されているので、浴槽内に設置して使う場合は耐水性の高さも確認してみてください。
また、手すりは浴槽やシャワーのお湯を浴びることになるので、耐熱温度も見ておきたいところです。取りつけ場所を柔軟に変えられる吸盤タイプだからこそ、耐水性の高さと耐熱温度は重要になります。
すべり止めで危険回避
すべり止めがついている浴室手すりならガッチリと握れるので、不意の転倒防止に役立ちます。手がすべってしまうと転倒事故に繋がる可能性があるので注意が必要です。
簡易的な吸盤式の手すりにも、握り手の部分にすべり止めのでこぼこが設けられているタイプはあります。すべり止めがついたミニサイズの手すりもあるので、設置場所に応じて選んでみてください。
浴室手すり「挟むタイプ」おすすめ6選


浴室手すり「吸盤タイプ」おすすめ5選

「浴室手すり」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 浴室手すりの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの浴室手すりの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
浴槽手すりは介護保険で購入できる
介護用品は「特定福祉用具」に指定されているため、購入後に役所へ申請すれば購入費用の一部を負担してもらえます。とくに、要介護や要支援の認定を受けている場合は、役所に申請して費用を負担してもらうほうが経済的です。ケアマネージャーなどがいる場合は相談してみましょう。ただし、ネット通販での購入は支給対象外になるケースがほとんどなので、給付の申請をする場合には注意が必要です。
また、浴槽手すりを取り付ける際に、お風呂の回収が必要な場合は、色々条件が細かくあります。要介護認定のレベルや要支援レベルの認定をクリアすると、住宅改修費用が支給されます。
そのほかの介護用品に関連する記事はこちら 【関連記事】
編集部からのひと言
浴室手すりの「挟むタイプ」と「吸盤タイプ」を用途に合わせて選べば、効率的な入浴のサポートが実現するでしょう。
浴室の手すりは、転倒の防止や介護のサポートに役立つ重要なアイテムなので、安定度だけではなく、取りつけやすさや持ち運びやすさもチェックするようにしましょう。
挟むタイプは、取りつけに対応している浴槽壁厚の確認も忘れずに。今回ご紹介した浴室手すりの選び方を参考にして、使いやすい商品を見つけてみてください。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
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積水ハウスと零細工務店で戸建て営業を経験後独立。現在は工務店の営業マン指導がメイン業務。営業テクニックレベル以前に営業マンとしてのスケジュール管理や情報収集などのスキル不足を強く懸念。筆者が30年来続けてきたマンスリー手帳による行動管理やスクラップブックに代表されるアナログ管理をITとどう両立させるかを研修のテーマに必ず掲げる。さらには高額になる住宅の契約において使い勝手がよく客前でも見栄えのする領収書や印鑑ケースにもこだわりを持つ。プレゼン、マーケティング、営業関連の本を多数執筆。