産褥ショーツとは?
産褥ショーツとは、出産後に悪露(おろ)と呼ばれる子宮から排出される分泌物の手当てに使う、産後ショーツのことです。生理用ショーツ(サニタリーショーツ)との違いは、股上が深くベビーおむつほどの大きさの産褥パッドに対応しているところです。ウエストのうしろ部分まで防水やはっ水機能をもつ布がついています。
この産褥ショーツ、出産後には必須のマタニティアイテムです。なぜ必要なのでしょうか。産褥ショーツの役割をご紹介します。
【大きな役割】
・心身がつかれているデリケートな産後、モレを気にせず休むことができる
・下着を着用したまま、悪露のパッド交換や医師の診察を受けられる
産褥ショーツの選び方 助産師に取材しました!
まずは産褥ショーツの選び方の選び方をチェックしていきましょう。
開き方のタイプから選ぶ
ここでは産褥ショーツのタイプについて紹介します。それぞれの機能をチェックしてみてください。
スタンダードタイプ|クロッチが前開きする
スタンダードタイプは、クロッチ部分のみが縦方向に前開きする産褥ショーツです。ほとんどのスタンダードタイプは、かんたんに開閉可能な面ファスナー(マジックテープ)式で、ワンタッチで体に合わせてフィット感を調整できます。
クロッチ部分は角をとった丸みのあるデザインが主流なので、太ももがチクチクすることもなく快適な使用感です。開口部分はコンパクトなものから大きなものまであります。
全開タイプ|お腹部分とクロッチ部分の2カ所が開く
全開タイプは、産褥ショーツのクロッチ部分とお腹部分の2カ所で開閉でき、文字どおり全開できるデザインです。脇腹のあたりに面ファスナー(マジックテープ)部分があり、横方向に開閉します。
帝王切開後のケアにすすめられるのはこのタイプ。術後のキズの手当てや診察が受けやすいようにデザインされているのが特徴です。術後にベッドから動けないときは着替えさせてもらうことになるため、全開タイプがあると重宝します。
開閉部分なしのタイプ|帝王切開のお腹もやさしく包む
数は多くはありませんが、クロッチ部分などの開閉部分のないタイプもあります。すっぽりとおへそ部分までおおえるデザインで、帝王切開後にできたお腹のキズをやさしく保護するための産褥ショーツです。
キズ口からの分泌物はおさまったけれど、洋服を着用したときの摩擦が気になるという人におすすめです。やさしい肌触りのガーゼを使ったものなどが販売されています。産後もしばらくは普通のショーツではなく、ゆったりとしたショーツを身に着けると楽ですよ。
3枚組など、まとめ買い用を選ぶ
個人差はありますが、悪露はしだいに量が減り、産後4週目ごろには徐々になくなっていきます。産後の体が妊娠前の状態に戻るまでの期間を産褥期といい、出産後6~8週間はじゅうぶん体を休めなくてはなりません。
新生児のお世話でうまく休めないなか、産褥ショーツをこまめに洗濯するのもたいへんです。まとめ買いセットを利用するなどして、洗い替えとして3枚は用意しておくといいでしょう。
産院によってはお産入院のときに産褥ショーツをもらえる場合もあります。何枚必要か、事前に産院や助産師さんに聞いておくと無駄がありません。
ゆったりめ産褥期サイズを選ぶ
ここでは、産褥ショーツのサイズ選びについて注意しておきたい点について紹介します。産後は体型が変化する時期なので、サイズ選びの参考にしてください。
サイズ選びは「ヒップサイズ」をチェック
産褥ショーツのサイズ選びは、出産後に体重が減ることを考えると混乱してしまうかもしれません。そんなときは、ヒップサイズで選ぶようにしましょう。これには理由があり、妊娠中のお腹まわりの変化は大きいですが、おしりのまわりの変化はそこまで大きくないからです。
産褥ショーツを産前に選ぶときは、妊娠後期のヒップサイズで選びます。産後に購入するときは、購入時点でのヒップサイズで選んでください。
迷ったらワンサイズ上を選ぶ
産褥ショーツのサイズは、迷うならワンサイズ大きめがいいでしょう。赤ちゃんの体重にもよりますが、出産で減る体重はおよそ5キロ。妊娠中の体重の増加を考えると、妊娠前よりも体型は大きくなっています。
産後の体は自然に妊娠前の状態に戻りますが、すぐに妊娠前のような体型にもどるわけではありません。産褥ショーツが必要な産後6~8週目までの体の変化はゆっくりです。帝王切開をすると術後のキズはガーゼやサラシで保護するため、サイズに余裕があったほうがいいでしょう。
機能と素材をチェックして選ぶ
産後6~8週間の産褥期は、体力を取り戻すために少しでも休養するよう心がけなくてはいけません。ここでは、産褥ショーツにほどこされた体を休めるための工夫を紹介します。
腰までの広い範囲をおおう防水布
出産直後は、胎盤がはがれたあとの出血や、産道の分泌物などの悪露がたくさん出るため、パジャマや寝具を汚しがちです。汚れると洗濯をしなくてはならないのでたいへんです。
そこで産褥ショーツには、クロッチからウエストのうしろ部分までおおう大きな防水布をはりつけています。防水布のおかげでモレを気にせず、できるだけ長い時間横になっていられます。
肌にやさしいクロッチ部分の処理
産褥ショーツで重要な開閉機能のついたクロッチ部分は、マジックテープがついたものがほとんどです。肌にあたってもチクチクしない、やわらかい面ファスナー(マジックテープ)を採用しているものは、太ももにあたっても不快感がありません。
面ファスナー(マジックテープ)の開閉部分をより上にデザインすることで、太ももにあたらないように工夫した産褥ショーツもあります。クロッチ部分の仕様もぜひチェックしてみてください。
身生地は綿素材を選ぶ
出産後の女性の体はホルモンバランスが変化するため、妊娠中と同じように肌のバリア機能が低下して乾燥しがちです。そこで、天然素材である綿を使用した産褥ショーツを選ぶようにしましょう。ショーツだけでなく、ブラジャーやインナーも同様に綿素材がおすすめです。
綿は、なめらかな肌触りと適度な保温性をもち吸湿性も高いので、肌にやさしいのが特徴です。防水布は化学繊維ですが、身生地に綿を使用したものを選んでください。
産褥ショーツのおすすめランキング13選 安いけれど高品質な商品も多数!
ここからは、産褥ショーツのおすすめ商品を紹介します。1~10位まで、助産師/看護師・河井恵美さんにおすすめ順にランキング付けしてもらいました! 3枚組などリーズナブルな価格帯の商品もピックアップしたので、ぜひ出産準備の参考にしてくださいね。

抗菌・防臭作用のアトピアン加工された水玉模様生地
肌にあたっても不快な感覚を与えない、やわらかいマジックテープを使用した全開タイプの産褥ショーツ。かんたんに腹部とクロッチ部を開閉できるので、帝王切開後のサラシ交換をしやすいのが特徴です。
身生地は、ヒノキチオールを含有する青森ひば油で抗菌・防臭し、オレイン酸やアミノ酸を融合してうるおいを持たせています。洗濯をしても作用が変わらないので、デリケートな肌にぴったりです。

帝王切開後のケアに便利な機能がついた全開タイプ
クロッチ部分のほかに、お腹部分も開閉できる産褥ショーツ。クロッチ部分の角は丸く、やさしい肌触りの綿を使用してます。透け感のある繊細なレース柄がほどこされているので、さりげなくフェミニンな気分を楽しめるデザインです。
帝王切開後は体がつらくうまく起きあがれないことも。そんなとき、寝たままの姿勢で産褥パッドやサラシを交換できる全開タイプはとても重宝します。

足のつけ根のリンパ節を締めつけないハイレグ仕様
下半身のむくみが気になる人に検討してほしいのが、ハイレグ仕様の『ママにやさしいショーツ』。太もものつけ根にあるリンパ節を締めつけないようにすることで、むくみの原因をつくらないように配慮したデザインです。
伸縮性のよい生地がクロッチ部分にうまくフィットして、産褥パッドのズレやヨレを少なくしてくれます。ショーツを着用したまま診察を受けられるのでとても便利です。
帝王切開後のキズをやさしくケアする産褥ショーツ
普通分娩の人でも使える、やさしい肌触りのダブルガーゼをお腹に使った産褥ショーツ。おへそまですっぽりおおう深ばきタイプです。
ウエストのうしろはゴムを使用していますが、お腹にあたるウエスト前部分と脚口部分にはゴムを使用していません。かわりにストレッチ性のある生地が体にフィットするので、ズレ落ちることなくらくなはき心地です。
身につけるだけで気分が上がるキュートな柄生地
なめらかなでやさしい肌触りの綿を、薄手の天竺生地にしてつくられた産褥ショーツ。キュートな柄とカラーバリエーションが特徴です。リーズナブルな値段で、洗い替えに便利な2枚セットを購入できます。
起き上がるのがつらいときに、横になったまま開口部分から産褥パッドを交換できるのでとても便利。ワンタッチテープ式なので、体に合わせてサイズ調節もかんたんです。
ウエストまで防水布を張り悪露などのモレを防止
通気性や保温性が高く、やさしい肌触りの綿素材を使用した使い心地のいい産褥ショーツ。ワンタッチテープで前に開くため、かんたんに産褥バッドの交換ができるほか、下着を脱がずに診察を受けられます。
クロッチの角を丸く仕上げているので、ワンタッチテープが太ももにあたってチクチクすることはありません。おそろいのハーフトップもあるので、出産準備品としてそろえておくと大活躍してくれます。
綿フライスのシームレスでデリケートな肌にやさしい
日本製布おむつメーカーのエンゼルプラスが手がける産褥ショーツ。身生地は綿フライス素材で、通気性にすぐれやわらかなはき心地です。円編みでシームレスなので、着用感がとてもらく。
マジックテープの開口部分がより上にくるようデザインを改良し、太ももにチクチクする不快感を与えない設計です。開口部が大きいので産褥パッドの交換もスムーズにできます。
使いやすいシンプルな仕様の無地とボーダーの2枚組
手ごろな値段でベビー用品やマタニティ用品を提供する西松屋の産褥ショーツ。産後の短期間だけ使用することを考えると、必要な機能がそろっていればじゅうぶん、と考える人にぴったり。
クロッチ部分からウエストのうしろ部分まで大きな防水布がついているので、モレを気にせず過ごせます。産褥ショーツなど、出産準備に必要なものを西松屋でそろえてしまうのもいいアイデアです。
妊婦用ランジェリー専門店ローズマダムの3枚組
リーズナブルな値段でまとめ買いできる、ローズマダムの産褥ショーツ3枚組。肌触りのやさしい綿生地なので、着心地のよさが魅力です。クロッチ部分から腰まで広い範囲にわたって防水加工布がついているので、モレを気にせずゆっくり休めます。
チクチクしない円形クロッチなので、太ももにあたって不快に思うことなくとても機能的です。
10位 ローズマダム『産褥ショーツ スマートボーダー』
大きいサイズを探している人向けのサイズ展開が魅力
店頭ではなかなか大きめサイズの産褥ショーツを手に入れるのは難しいもの。ローズマダムなら3Lから4Lに相当するサイズの産褥ショーツを購入できます。ウエストにはドットの透かしレースがほどこされ、フェミニンさもプラスしたデザインです。
レースはゴム仕様なのでお腹にやさしくフィット。細めのボーダーラインはすっきり見えるので、キレイに着こなせます。
帝王切開出産のママに使いやすいフルオープン
ボーダー柄の2色2枚組の産褥ショーツ。股のクロッチ部分とサイドの脇腹部分の2カ所が面ファスナーで開けられる、フルオープンタイプです。
西松屋ならではのリーズナブルな価格で使い勝手もよく、高コスパ。サイズは、M-L(85-103cm)、L-LL(90-108cm)の2サイズから選べます。
はっ水性のある防汚加工布を使い汚れても落ちやすい
産後の悪露などがモレにくく、汚れても洗濯で汚れを落としやすい産褥ショーツ。綿混素材を使用し、ワコールに期待するはき心地のよさはもちろん、デザイン性の高さも魅力です。ウエストは折り返し始末がほどこされており、テープが直接肌にあたらないので快適に使用できます。
ワコールマタニティにはおそろいのハーフトップなど幅広いアイテムがそろっているので、コーデを楽しみましょう。
幅広ウエストベルトでラクに着用できる産褥ショーツ
通常の産褥ショーツよりショーツラインが長めのボクサータイプ。立体裁断で作られており、おしりをすっぽりおおうので、どんな姿勢でもモレにくいのが特徴です。
ストレッチ性とやさしい肌触りを兼ね備えた綿混素材のショーツは、フィット感がよく産褥パッドのズレやヨレを防いでくれます。ウエストの締めつけが気になる人は、ラクパンをぜひ選んでみてください。
「産褥ショーツ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 産褥ショーツの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの産褥ショーツの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
産褥ショーツに関するQ&A 先輩ママの体験談・口コミも!
はじめての妊娠、出産ならば、「産褥ショーツ」や「産褥パッド」という言葉をはじめて聞くという妊婦さんも多いでしょう。ここでは産褥ショーツに関する気がかりや疑問にお答えします。
産褥ショーツは最低何枚必要? 何枚あれば安心?

産院の入院持ち物リストには、2枚と書かれていることが多いようです。
基本的には、洗い替えを含めて2枚用意しておけばOK。3枚あれば、より安心です。
なかには、産褥ショーツはいらない、いらなかったという方も。出産する産院や助産師さんにも相談してみるといいですね。
帝王切開ママの体験談
クロッチ部分と脇腹部分が完全に開閉できるタイプのものを3枚用意。横になったままでも、パッド交換や処置をしてもらえるのでとっても助かりました。でも帝王切開での産後は思うように動けず、洗濯もできなかったため、途中で家族に2枚買い足してもらいました。(Kさん/3歳女の子)
産褥ショーツはいつからいつまで使用するの?

メインで使うのは、出産直後から退院するころまで。
ただ、悪露が長引く場合は1カ月間くらい使う産婦さんもいるようです。
産後ママの体験談
産褥ショーツは、出産直後から使いました。産後は悪露が多いうえに傷の痛みが強すぎて、自分でショーツの上げ下ろしはとてもできなかったので、出産後から入院している間ずっと使用していました。診察のときにも自分で上げ下ろしする必要がなかったので、本当に助かりました。(Nさん/1歳男の子)
産後の使い道はある?

産後、特に退院後は悪露用のショーツとして使え、その後は生理用のショーツとしても使用することができます。お尻の裏まで防水布が付いているので、普通の生理用ショーツよりカバー範囲が広く、万能ですよ。
助産師からアドバイス
腹部とクロッチ部分が開くとサイズ調節の幅が広がる
産褥ショーツは、産後に悪露がもれないように工夫されたショーツで、出産施設で準備されていることが多いです。腰のあたりまで防水加工されムレやすいため、ほかの部分は通気性がよい素材で作られているものがおすすめです。
腹部とクロッチ部分が開くものは、サイズ調節の幅が広がってよりらくに着用できることがポイントです。生理開始後はそのままサニタリーショーツとしても使用可能です。
お産入院・出産準備に必要なものをチェック
便利な産褥ショーツを使ってストレスなく過ごそう
産褥ショーツは短期間しか使いませんが、モレを気にする必要がなく、産褥パッドの取り替えがかんたんになりとても便利です。病院で医師の診察を受けるときも、下着を脱がずにクロッチ部分をオープンすればいいので、気持ちのストレスも軽くなります。
まとめ買いできる産褥ショーツをリーズナブルな値段で購入するのもいいでしょう。助産師の河井恵美さんに聞いた産褥ショーツの選び方を参考に、妊娠・出産・産褥期が少しでも快適に過ごせる産褥ショーツを見つけてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務していました。助産師の仕事が大好きで、25年以上この仕事をしています。 青年海外協力隊でアフリカに赴任した後、国際保健医療を学ぶために大学院に進学し、修了しました。親御さん方へのアドバイスを充実させたいと思い、保育士資格も取得して役立てています。 現在、シンガポールに住み2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務して日本人の妊産婦さん方に関わっています。 インターネットでエミリオット助産院を開設し、妊娠や出産、産後の様々な相談に応じています。