1万円以下のPCスピーカーの選び方
PCスピーカーといってもたくさんの種類があるので、どれを選んだらよいかわからないという人は多くいます。そこで、ITサポートエンジニアの古賀竜一さんから、1万円以下のPCスピーカーを選ぶときにおさえておきたいポイントを教えてもらいました。
【1】求めている音質のch(チャンネル)をチェック
手軽に音質を上げられる「2ch」
2chのスピーカーは、全音域用のスピーカーだけで構成された「ステレオ」と呼ばれるタイプです。スピーカーを左右にひとつずつ設置するのが一般的ですが、ひとつの筐体に左右のスピーカーが収まっているタイプもあります。
低音域用スピーカーと別々になっていないので、置き場所に困らないのがメリット。価格は安めなので、手軽に音質を上げたいときにもピッタリです。
低音の迫力が加わる「2.1ch」
2.1chは、ふたつの全音域用スピーカーに、低音域用のサブウーファーがひとつ加わったタイプです。2chよりも低音が響くので、立体感を感じることができます。
左右のスピーカーとサブウーファーの組み合わせが一般的ですが、サブウーファーの大きさはさまざまなので、設置場所に合ったサイズを選ぶようにしましょう。
臨場感のあるサウンドが楽しめる「5.1ch」
5.1chは、全音域用スピーカーが4つ、センタースピーカーひとつ、サブウーファーひとつを組み合わせたタイプです。前後から音が聴こえるので、臨場感のあるサウンドが楽しめます。
3Dサウンドを再現できるのも5.1chの特徴です。映画を観るときにもピッタリでしょう。ただし、スピーカーの数が多いので、ある程度の設置スペースは必要になります。
(※)ポイント1:スピーカー口径の特徴も押さえておこう
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
安くても良い音質にこしたことはありません。音質の決め手はまず、入力方式にあります。
USBスピーカーはデジタル信号を直接スピーカー側で変換するので、ノイズレスの良い音になります。USBによる電源供給で、ステレオミニプラグ入力のものはノイズが乗りやすい傾向にあります。また、高音用のスピーカーであるツイーターも安価であります。
一般的に、スピーカー口径が大きいものほど良い音を期待できますが、最近では口径が小さくても筐体やマグネット、コーン材質などにこだわったものがあり、音質が優れています。
(※)ポイント2:聴く音楽から再生方式を選ぼう
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
スピーカーには音を再生するさまざまな方式があり、それぞれに特性があるので、よく聴く音楽に合った再生方式を選ぶのがポイントです。
たとえば、重低音を重視する場合はバスレフ型やサブウーファー式、フラットな音が欲しい場合は密閉型など好みに応じて選択します。低音は高域の音より周囲に伝わりやすいので、マンションやアパートなどで音が気になる場合は、重低音のスピーカーよりもフラットな特性のスピーカーが良いでしょう。
【2】音の豊かさを左右する周波数帯もチェック
chによる音質の編だけではなく、音の豊かさも確認したいところです。各スピーカーのスペックをチェックしてみると「50Hz~20KHz」といった周波数帯が記載されていますが、この周波数帯域が広いほど音の表現が豊かになります。
1万円以下のスピーカーでも周波数帯域の広い商品はあるので、音にこだわりがある方は意識して選んでみてください。
【3】出力W数をチェック
3Wあれば一般的な使用には問題なし
スピーカーのスペックを確認してみると、「サイズ」や「重量」「周波数特性」などのほかに「実用最大出力」という項目が目に留まります。これは、W(ワット)で表される、内蔵しているアンプの出力の大きさのことです。「3W+3W」と書かれている場合は、左右それぞれのスピーカーの出力が3Wずつで、合計6Wという意味です。
出力が大きいスピーカーほど、大きな音を出すことができます。実用最大出力が音質の良し悪しに直接影響することはありませんが、どれだけ力強い音が鳴るかの指標になります。大音量で音楽を楽しみたい、映画館のように迫力のある雰囲気で映画を楽しみたいといった場合は、この実用最大出力をチェックしながら選ぶと良いでしょう。
小さな部屋で使用するなら出力が小さくても大丈夫
ポータブルのPCスピーカーは出力が小さいものが多く、1Wのものもあります。小さな部屋で使用する場合や、周囲に音を漏らしたくない場合などは、出力が小さいものでも十分でしょう。しかし、用途によっては物足りなく感じるケースもあります。基本的には、一般家庭で使用する場合には、3Wあればそれほど困ることはありません。音楽や映画、ゲームなどのボリュームを上げて、十分楽しむことができるでしょう。
【4】設置場所に合ったサイズやデザインもチェック
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
PCスピーカーをデスクに配置すると、大きさによってはそこそこスペースを取りますし、見た目も箱がたくさん並んでいるような感じになって机上がうるさくなってしまいます。また、スタイリッシュなPCやモニタを使用しているのにPCスピーカーのデザインが悪いと、一気に部屋の雰囲気が損なわれてしまいます。
ですから、サイズやスタイルが気になる場合は、小型のものやスタイリッシュなデザインのものを選択することで、インテリアの一部としても機能させることができます。
【5】配線は「有線」が「無線」かチェック
PC周辺がゴチャゴチャしない「無線接続」
無線接続タイプのスピーカーは、おもにBluetoothを使ってパソコンと接続します。スピーカーとの配線がゴチャゴチャしないので、パソコン周りをスッキリさせたいという方にピッタリです。
最初のセッティングが少し面倒ですが、設定が完了すれば、かんたんに接続できます。ただし、Bluetoothで接続している機器がほかにある場合は、電波干渉による音の乱れが生じることもあるので注意が必要です。
無線干渉のない「有線接続」
有線接続は、プラグや端子でスピーカーとパソコンをつなぐ方式です。ミニプラグなどに差し込むタイプの「ステレオ端子」は価格が安めですが、ノイズが入りやすいというデメリットがあります。
光デジタル端子やUSBで接続するタイプはノイズが入りにくいですが、光デジタルに対応していないパソコンもあるので事前の確認は必須です。
【6】操作性や取り回しの良さに気を配ろう
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
ボリュームなどのつまみやスイッチの操作性も気になる点です。スイッチやボリュームは頻繁に使用する部分なので、使いやすいものを選びます。
また、電源や音声などのケーブル類の仕様がACアダプタ式なのか、コンセントに直接さすタイプなのかも事前にチェックしておく必要があります。左右のスピーカーを結ぶ配線の長さも確認し、配置する場所に合うものを選びましょう。
(※)ポイント:スピーカー側でどれだけコントロールできるかも調べておこう
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
PCスピーカーの機能で意外と重宝するのが、ヘッドホンジャックや音質コントロールなどの機能です。デスクトップPCでオーディオの設定をする場合はPC側からでしか操作できないことが多く、設定が煩雑なうえすぐに変更ができず、ひじょうに面倒です。
スピーカー側の機能が充実していると面倒なPC操作がなくなり、音楽に集中できます。
1万円以下のPCスピーカーおすすめ14選
上記で取り上げてきたPCスピーカーの選び方のポイントをふまえて、ITサポートエンジニアの古賀竜一さんと編集部が選んだ1万円以下のおすすめPCスピーカーを紹介します。

クリエイティブメディア『Creative GigaWorks T20 Series II (GW-T20-IIR)』








出典:Amazon
重量 | 約2.1kg |
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サイズ | 幅84×奥行143×高さ230mm |
カラー | ブラック |
スピーカー出力 | 14W、RMS×2チャンネル |

JBL『JBL Pebbles(JBLPEBBLESBLKJN)』
















出典:Amazon
重量 | 1.4kg |
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サイズ | 幅78×奥行150×高さ132mm |
カラー | ブラック |
スピーカー出力 | 2.5W |

ロジクール『Z200ステレオ スピーカー(Z200BK)』












出典:Amazon
重量 | 1.38kg |
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サイズ | 幅90×奥行124×高さ241.2mm |
カラー | ブラック、ホワイト |
スピーカー出力 | 5W(2.5W+2.5W) |

サンワサプライ『USBスピーカー(MM-SPU8BK)』
















出典:Amazon
重量 | 0.33kg |
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サイズ | 幅66×奥行60×高さ66mm |
カラー | ブラック |
スピーカー出力 | 3W(1.5W+1.5W) |
コンパクトでも良い音が楽しめる
ノートパソコンにおける内蔵スピーカーの多くは、音質が決して良いとは言えません。外付けスピーカーを購入しようとしても、せっかくノートパソコンで省スペースを実現できているのに周りに大きいスピーカーがあると邪魔ですし、サイズが小さいスピーカーだと音がよくない傾向があります。
そこで、ミニプラグを使わないUSB接続タイプでコンパクト、しかも音が良いスピーカーとしてこのモデルがおすすめです。大きさとしてはひじょうにコンパクトですが、サイズに反してとても良い音が出ます。配線が少なくパソコン周りもすっきりして、狭い机上でも良い音が楽しめます。

クリエイティブメディア『CREATIVE Inspire T3300(IN-T3300-R2)』








出典:Amazon
重量 | 約3.2kg |
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サイズ | 幅240×奥行270×高さ260mm |
カラー | ブラック |
スピーカー出力 | フロントスピーカー 5.5W RMS(2チャンネル)、サブウーファー 16W RMS |

フリーウェイ『FREEWAY FW-SM-223AC』






出典:Amazon
重量 | 2.1kg |
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サイズ | 幅115×奥行150×高さ224mm |
カラー | ブラック |
スピーカー出力 | 8W(4W×2) |
Muzili『Bluetoothスピーカー』














出典:Amazon
重量 | 約0.35kg |
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サイズ | 幅180×奥行45×高さ60mm |
カラー | ブラック |
スピーカー出力 | 3W |
Orulo-jp『Smalody スピーカー』














出典:Amazon
重量 | 約0.6kg |
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サイズ | 幅90×奥行492×高さ88mm |
カラー | ブラック |
スピーカー出力 | 最大6W |
クリエイティブメディア『CreativeT15 Wireless(SP-T15W)』














出典:Amazon
重量 | 約0.94kg(左スピーカー)、約1.06g(右スピーカー) |
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サイズ | 幅90×高さ200×奥行170mm(左スピーカー)、幅90×高さ200×奥行180mm(右スピーカー) |
カラー | ブラック |
スピーカー出力 | 14W |
ロジクール 『PCスピーカー (Z120BW)』














出典:Amazon
重量 | 248g |
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サイズ | 90×88×110mm |
カラー | ホワイト |
スピーカー出力 | 0.6W×2 |
サンワサプライ 『10Wスピーカー (400-SP027)』

出典:Amazon
重量 | 1.1kg |
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サイズ | 82×130×187mm |
カラー | ブラック |
スピーカー出力 | 5W×2 |
クリエイティブ・メディア 『Creative Pebble (SP‑PBL-WH)』














出典:Amazon
重量 | 880g |
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サイズ | 122×116×115mm |
カラー | ホワイト、ブラック |
スピーカー出力 | 4.4W |
サンワサプライ 『PCスピーカー (400-SP067)』


















出典:Amazon
重量 | 540g |
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サイズ | 97×88×124mm |
カラー | ブラック |
スピーカー出力 | 2W×2 |
サンワサプライ 『ブックシェルフスピーカー (400-SP068)』


















出典:Amazon
重量 | 2.4kg |
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サイズ | 110×123×180mm |
カラー | ブラック |
スピーカー出力 | 5W×2+3W×2 |
おすすめ商品の比較一覧表
ECサイトのPCスピーカー(1万円以下)ランキングを参考にする
Yahoo!ショッピングでのPCスピーカー(1万円以下)の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各ECサイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【最後に】エキスパートのアドバイス
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
自分の曲の好みに合ったスピーカーを
PCスピーカーは品質だけでなく、製品の特徴によって音の好みや聴く曲などとの相性が出やすいので、それに合わせて選ぶ必要があります。
ゲームや映画などの用途で迫力が欲しい場合は、出力が大きく低音が出やすいものを選んだほうが良いでしょう。しかし、住環境の問題や、音楽の好み・種類などによっては、音の広がりを重視したタイプのPCスピーカーのほうが適している場合もあります。
PCスピーカーをどのような目的で使うのかを考えて、それにマッチするものを選びましょう。
まとめ
PCスピーカーは、音量や音質のバランスの取れたもの、スタイリッシュな外見のものなど、さまざまな選択肢から選べます。音楽の再生方式や操作性、周囲の機器との接続方法なども考えることが大切です。ゲームを楽しみたいのか、それとも音楽をじっくり聴きたいのかなど用途に合わせて、豊富な種類のなかからのセレクトを楽しみましょう。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2020/12/03 コンテンツ追加・修正と価格を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 加藤佑一)
中小企業庁 ミラサポ専門家派遣 登録専門家。 ITサポートエンジニアとして2002年に創業しこれまでに数多くのサポート実績があります。 オーダーPCの製作をはじめ、コンピューター端末・周辺機器などのハードウェア、IT環境保守が専門です。 個人、事業所問わず提案型技術アドバイザーとしてIT環境のリプレース、リペアを数多く成功させています。 メディアへの記事監修協力、IT記事寄稿なども行っています。