クライミング用アッセンダーの選び方
それでは、クライミング用アッセンダーの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】うまく使い分けよう! 右手用と左手用
【2】グリップは握りやすく滑りにくい加工が◎
【3】ロープの適応サイズを確認
【4】こんなポイントもチェックしよう!
【5】アッセンダーはふたつ使うのが基本
上記の5つのポイントを押さえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】うまく使い分けよう! 右手用と左手用
アッセンダーには右手用と左手用があります。利き手用だけを使うのではなく、状況シチュエーションに合わせて使い分けるのがよいです。たとえば右手が利き手なら、急斜面を登るときは力が入りやすい右手用を使用。逆に緩やかな斜面では利き手を休ませるために左手用を使ってもよいでしょう。
また、ピッケルを右手で使うために左手用のアッセンダーを使うなど、シチュエーションによってどちらのアッセンダーが適しているか変わります。
【2】グリップは握りやすく滑りにくい加工が◎
グリップはラバー加工がされているなど、滑りにくくしっかり握れるものがおすすめです。長く使用しても手が痛くなりにくくなります。さらに、グリップが指に合わせて凸凹に加工されていると、より力を入れることができるでしょう。グリップ性能に注目して選ぶことが大切です。
【3】ロープの適応サイズを確認
アッセンダーは商品ごとに使用できるロープの直径が決められています。商品によって8~11mmなどのミリ単位、または3.5インチ~4.7インチ(約88mm~119mm)などのインチ単位で記載されているので、購入前に確認しておきましょう。
【4】こんなポイントもチェックしよう!
カラビナ用の穴の数や、スロットが付いているかどうか、カムに歯がついているかどうかも大事なチェックポイントです。
▼カラビナ用の穴の形状
登高用にハンドアッセンダーとチェストアッセンダーを使う場合、それぞれふたつのカラビナをかけることになります。モデルによってはひとつ穴、ふたつ穴だったり、またかけられるカラビナのサイズが変わってきます。
基本的にはアッセンダーに合わせてカラビナをそろえることになりますが、使用前に確認しておくことが必要です。
▼泥や氷を取り除くスロットの有無
カムにスロットが付いているタイプであれば、氷や泥などの詰まったものを取り除くことが可能。さらに、カムに歯が付いていれば、ロープが凍っている場合でもしっかりと噛んでくれます。
【5】アッセンダーはふたつ使うのが基本
垂直の壁を登るようなシーンでは、あぶみを付けるハンドアッセンダーと身体を支えるチェストアッセンダーのふたつが必要になります。
セルフビレー用としてランヤードに付けたアッセンダーをひとつしか使用しない人がいますが、これだとランヤードがたるんだときのアッセンダーの信頼性が極めて低くなってしまいます。ロープがたるまないように留意しながら、どちらか片方のアッセンダーが常に機能している状態を保たなければなりません。
シチュエーションに合わせて選びましょう 登山愛好家のアドバイス
アッセンダーは自分を持ち上げる時に使うだけでなく、ソロクライミングのときの自己確保のためや、人や荷物を上げるときなど、さまざまな用途があります。こうした用途は商品によって違いがあり、ひとつでなんでもこなせるわけではありません。
そのため、どのようなシーンでどのように使うかによって、選ぶモノが変わってきます。使い方も含めて、アッセンダー経験者に聞くというのが、失敗しない方法ではないでしょうか。
クライミング用アッセンダー(ハンドアッセンダー)おすすめ5選
さっそくクライミング用アッセンダー(ハンドアッセンダー)のおすすめ商品をご紹介します。ぜひあなたに合ったアッセンダーをみつけてくださいね。
人間工学にもとづいてデザインされたハンドル
ユーザーが日々のフィールドで直面する効率性や、安全性といったニーズにこたえることを大切にしてきたペツル社のハンドアッセンダーです。幅広のハンドルは人間工学にもとづいてデザインされており、厚手のグローブをしていても握りやすく、グリップ性も高めています。
カムには歯がついていて、またスロットもついているため、ロープについた氷や泥を取り除けます。下の穴は大きく、ランヤードとフットループに取りつけられたふたつのカラビナをつけることができる点も特徴です。
握りやすいハンドルと汚れの蓄積を防ぐカムが特徴
100%イタリア製にこだわるアルデザイン社のアイテム。握りやすいよう設計されたハンドルの形状が魅力です。
耐摩耗性の高いスチール製のカムに装備された歯は、ロープを摩耗から保護する歯並び。三つの穴を備えたセルフクリーニングカムは泥や汚れの蓄積を防ぎ、安定したグリップ感をキープします。クイックリンクとカラビナが干渉しないよう、大小のアタッチメントホールを備えているのも特徴。
片手でかんたんに取り付けられるのが魅力
スカイロテック社は1947年ドイツで設立されました。現在はスポーツと産業むけセーフティプロダクトの主要メーカーのひとつとなっていて、国際的なトレーニングプログラムも提供しています。
このクライミング用アッセンダーは同社の左手用と右手用がペアになったタイプ。片手でもかんたんに取り付けられることと、力がかけやすいようデザインされたハンドルが特徴です。
小指を痛めにくい設計のグリップが特徴
8~13mmのロープに対応する右手用アッセンダー。ロックテリクスのアッセンダーは右手用がグリーン、左手用がオレンジのもが販売されています。握って力を入れたときに、小指を痛めないようグリップエンドの幅が広くなっているのが特徴です。
カラビナが通せる穴は大小ふたつ空いています。用途に合わせて使い分けられて便利です。
実績と歴史の長さが感じられる効率のよさが魅力
130年もの実績と歴史をもつイタリアのアウトドアギアブランド、カンプ社のクライミング用アッセンダーです。業界のリーディングカンパニーとして革新的な製品開発をおこなってきただけあり、ロープ登高時の効率を上げてくれる商品です。
登高時の滑りをよくする特徴あるローラーとなっており、ロープによっておこる摩擦が軽減されるようになっています。お値段は比較的高めですが、信頼性のあるクライミングアッセンダーがほしいという方におすすめです。
クライミングアッセンダー(チェストアッセンダー)おすすめ4選
続いて、クライミング用アッセンダー(チェストアッセンダー)のおすすめを4選ご紹介します。ぜひお気に入りのアイテムをみつけてくださいね。
超軽量コンパクトで多用途だから予備にピッタリ
このチェストアッセンダーは、35gという驚きの軽量さと多用途に使用できるのが特徴です。また、ギザギザの歯がついたカムとカラビナがロープをはさみ、落下を止めてくれるでしょう。歯はロープの一部に食い込むため。ロープがいたみにくいのも魅力。
超軽量なのでできるだけ軽量化したい登山にもしもの備えとして持っていくのにおすすめです。
機能的で安全性の高いイタリア軍隊の愛用ブランド
イタリアの軍隊が愛用する山岳用ピッケルメーカー、カンプ社のチェストアッセンダーです。ふたつのローラーが備えられており、ロープの滑らかな動作を実現することができます。
滑らかなグライドは登高を効率よくしてくれるほか、摩擦が少ないことからロープの負担も軽減。また、砂やほこりがたまりにくい構造になっていることもポイントです。機能的で安全な製品づくりを目標に掲げているカンプ社らしいアッセンダーといえるでしょう。
信頼性と安全性の高さで選ぶならコレ!
フランスに製品を検査する実験室をもち、厳しい試験を重ね、信頼性と安全性を確かなものにしているペツル社のクライミング用アッセンダーです。
歯がついたカムとスロットがついていて、氷や泥など詰まったものを取り除くことができるのが特徴です。また、下の穴には角度がついていて、腹部に密着させて取りつけることができます。軽量でコンパクトなので持ち運びに便利なのも魅力です。
手袋をしたままの操作や片手での操作もしやすい構造
イタリアのアルデザイン社が手がける個人保護用器具のブランド、クライミングテクノロジーのアイテム。アルデザイン社は、安全性と効果的機能とシンプルのみっつを基本理念として掲げ、100%イタリアで製造をおこなうのを特徴としています。
このアッセンダーは、カムを片手で開け閉めできる点、カムオープンレバーは手袋をしたままでも指がひっかかりやすい構造になっている点など、かんたんに操作できるのが特徴。
さらにカムにはセルフクリーニング用にみっつの穴があり、泥などの詰まりを防ぎます。これによりグリップ力も維持することができるでしょう。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする クライミングアッセンダーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのクライミングアッセンダーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
アッセンダー使用時のポイント
ロープが緩んでいる、つまりテンションがかかっていない状態では、アッセンダーがロープから外れたり、ロープが滑る可能性があります。
またロープに泥や雪、異物が付いていたり、手の位置が悪いといった場合に、カムが開いてロープが止まらないことも。アッセンダーは上級者に使い方をレクチャーしてもらい、本番前に操作の練習することが必要です。
自分にピッタリの商品を選ぼう
クライミングアッセンダーにはさまざまな種類がありますが、グリップ性能の高いものやスロットがついたもの、カムに歯があるものがおすすめです。また、使う予定のロープのサイズやカラビナも、問題なく使えるか確認しておくようにしましょう。
ぜひ、あなたがほしいクライミングアッセンダーを選んでみてくださいね。
【関連記事】クライミング用アッセンダーに関するそのほかの商品
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自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に。登山やクライミングが趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて連載中。悩みは増え続けるアウトドア用品などの遊び道具の収納場所で、愛車のJeepラングラーもすっかり倉庫代わりに。昨今は車中泊にもハマり、住居をキャンピングカーに変えるか真剣に悩み中。