なぜ、クライミンググローブは必要? ビレイヤーはクライマーの命を預かるため

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ロープクライミングは、インドアのクライミングジムやアウトドアのクライミング問わず、2人1組が基本です。その役割は、壁を登っていくクライマー、クライマーの安全を確保するビレイヤーとなっていて、ビレイヤーはクライマーが昇ったり、地上に降りる際のスピードに合わせロープの調節を行います。つまり、ビレイヤーはクライマーの命を預かっているので、お互いへの信頼関係が必要というわけです。
なので、ロープの摩擦による手の火傷、汗で滑らないようにするなどを防ぐためにクライミンググローブが必要になります。
軍手で代用できる?
先ほどもお伝えした通り、ビレイヤーはクライマーの命を預かります。あまり高くない子供向けのクライミングジムやクライミングなら問題ないかもしれません(避けたほうが無難)が、安全面を考えると軍手の使用は控えたほうがいいでしょう。
クライミンググローブの選び方 素材・サイズ・耐久性・機能など解説!
クライミンググローブを選ぶ際のポイントとしては、素材・サイズ・脱着しやすさ・使いやすさ・耐久性に優れているかなどがあげられます。ここからは、購入する前にぜひチェックしていただきたい項目をご紹介したいと思います。
用途で異なるふたつのグローブタイプ
クライミンググローブの形状には、基本的にふたつのタイプがあります。見た目だけではなく機能や操作性も違いがありますので、自身のニーズにあったものを選びましょう。
手をしっかり守り汎用性の高いフルフィンガー
使用頻度が高いのは、手首から5本の指先までしっかり覆ってくれるフルフィンガータイプ。保湿性の高さ、ケガのリスク軽減という点が特徴として挙げられます。寒い季節には、より厚手のものを選べば手の防寒にもなるでしょう。ただし、こまかい作業が要求されるシーンでは少し薄めでストレッチの効いたものを選ぶことをおすすめします。
指先で作業がしやすいハーフフィンガー
指の付け根から半分までを覆うハーフフィンガータイプ。指が半分出ているため、指先でこまかい作業をしやすいのが特徴です。マルチピッチなどでは、ビレイをしたりギアをいじったり、登ったりと忙しいもの。このようなグローブを脱いだりはめたりするのが煩わしいシーンでは、ハーフフィンガーが役立ちます。
クライミンググローブの素材と特徴から選ぶ
クライミンググローブの素材には、革製や化学繊維製のものなどさまざま。パーツによって素材が違うものもありますが、力が入りやすい手のひら部分の素材が重要なポイントになります。
耐久性にすぐれた革製はビレイ向き
強度と耐久性が高いのが革製。グリップの面でも安心です。クライミングのビレイ用に向いています。ただ値段も高くなってしまいやすい素材なので、コストを制限したい場合は手のひら部分のみに革を使用した商品を選ぶといいでしょう。
扱いやすい合成繊維は軽い登山やトレッキングに
薄めでストレッチ性のあるものを求めるなら、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維をおすすめします。強度は革製には劣りますが、濡れても乾くのが早く扱いやすい素材です。フィット感があるのでこまかい動きもしやすく、値段もお手頃価格なものがたくさんあるので、短時間の登山やトレッキングの際に活躍するでしょう。
つけ外しがしやすいジャストサイズを選ぶ
クライミンググローブ選びで重要なチェックポイントのひとつがサイズです。サイズが大きすぎるとこまかな動きを不便に感じることも。逆に小さいと充分な可動域を確保できずロープが握りにくくなることなどが考えられます。
手指が曲げやすく、ほどよいフィット感があるジャストサイズがおすすめです。ネット通販で購入する場合は試着ができないため、商品の返品交換が可能なショップで選ぶと安心です。
あると便利な仕様もチェック
上記で紹介した以外にも追加機能として、防寒機能、スマートフォン操作機能、ビレイをスムーズにする機能などがあります。クライミンググローブならではのプラスアルファ機能としておすすめのものをご紹介していきます。
ビレイをスムーズにする! クリップ用アタッチメント
クライミンググローブは常に装着していることでその機能を発揮するもの。しかしどうしても脱着を繰り返さなくてはいけないときに便利なのがこの機能。グローブのベルクロ部分に穴が空いており、そこにカラビナを通しておくことで紛失防止になります。紐がついたタイプも同様の使用法です。
スマートフォン操作ができるタッチパネル対応
登山やクライミング中にスマートフォンは操作しづらいですが、どうしても見たい、でもいちいちグローブを脱ぐのがめんどうというときは、タッチパネル対応機能が付いたものを選びましょう。選ぶデザインや厚みによっては、寒い冬に普段使いの手袋としても使用できますね。
登山での利用度は意外と高い! 便利なノーズワイパー
ノーズワイパー付きグローブとは、その名のとおり汗と鼻水を拭き取る機能を備えたアイテム。手の甲や親指の側面部分に吸水性のある素材を使っているので、ゴーグルのレンズをさっと拭いたりすることもできます。ロープや岩場で手が離せないときでも、ちょっとしたハンカチ感覚で使えるのが便利です。
使用するシチュエーションを想定して選びましょう 素材・形状・断熱性・耐久性はしっかりしているか
フリーエディター&SUV生活研究家
グローブはトレッキング、ロープクライミングのビレーなど、用途によって素材・形状を考えなければなりません。トレッキング用の場合は、ポールなどを握ったときのグリップ性や手のひらの保護が重要ですし、ビレー用は断熱性や耐久性が大切。まず用途を明確にさせて、それに対応した商品を選びましょう。
ちなみに指先のないものは、スマホ操作やこまかい作業を要するようなシーンでは有効ですが、ときとして手を充分に保護しない場合があります。
クライミンググローブおすすめ3選|フルフィンガー 素材・サイズ・機能もチェック!
オールマイティに使用できるフルフィンガータイプのクライミンググローブの中から、登山愛好家の山崎友貴さんと編集部が選ぶおすすめをご紹介します。耐久性の高い革製のものから、ストレッチの効く薄手のものまで幅広く集めました。
耐久性と通気性のダブル高品質を装備
手のひら部分には耐久性を重視したダブルレイヤーレザーを、手の甲には通気性を重視したストレッチナイロンを採用。ダブルの機能を併せ持ったグローブです。そのフィット感と操作性の高さは、ビレイ時のマストアイテムになること間違いなし。カラビナアタッチメントは手首部分に装備しています。
少々お値段は張りますが、そのぶん高品質のものを求めている方におすすめの商品です。
抜群の伸縮性、ユニセックス対応型
伸縮性にすぐれた素材を使用しているため、指でのこまかい操作をスムーズにおこなうことが可能。手のひら全体にしっかり滑り止め加工があり、グリップ力を高めています。
親指部分には吸水性の高い素材を採用し、ノーズワイパー感覚でその機能を発揮。さらに親指と人差し指は液晶対応の素材なので、グローブをつけたままスマートフォンも操作できます。トレッキングや軽めの登山向けのグローブとしておすすめです。
天然皮革が優秀なグリップ力を発揮!
ザ・ノース・フェイスが手がけるクライミンググローブは、パーム側に天然皮革を用いることで、すぐれたグリップ力を実現しているのが魅力。ライニングにはゴアテックスメンブレンを採用し、高い防風性を誇ります。
高強度のケブラー糸で縫製し、立体パターンに仕上げているため、手の形に自然になじむのも特徴のひとつ。激しい動きやハードな使用にも耐えうるでしょう。
クライミンググローブおすすめ4選|ハーフフィンガー マムートなど人気商品も!
続いて、操作性を重視したハーフフィンガータイプのおすすめも紹介していきます。
手になじみやすいオールラウンド使用
指の4分の3までを覆うことができる、ブラックダイヤモンドのハーフフィンガーグローブ。操作しやすい長さなのがポイントです。
ナチュラルタイプのレザー(山羊革)素材なので、サイズを選ぶ際には少しきつめのものを選んでも、使えば使うほど手になじんでいきます。クライミング、ユマーリングなどオールラウンドに利用したい方にぜひ。
装着感バツグン! コスパよしの高品質商品
グローブ全体が滑り止め仕様の加工になっています。甲の部分は縦横伸縮自在の高ストレッチ素材を採用し、よりしなやかな手の動きが可能。心地よいフィット感も与えてくれます。
縫製もしっかりしているので、数回洗濯しても衰えにくく長持ち。トレッキングや軽めの登山向けのグローブをお探しの方におすすめできるアイテムです。
すぐれた機能性と洗練されたデザイン性を両立
1862年にスイスで設立されたアウトドアの名門ブランド、マムートのグローブ。伸縮性のあるアウター素材とフィンガーレスデザインを採用することで、優れたグリップ力を実現します。手のひらには丈夫なゴートスキンを使用。これにより高い保護性能を確保しています。
マムートらしい洗練されたコンテンポラリーデザインも魅力的です。
高品質素材がしなやかなフィット感を実現
こちらの商品の特徴はその素材。フルグレインレザーというしなやかな天然革を使用しており、装着したままでも手指の自然な動きはもちろん、スムーズなロープ操作ができます。ロープを握る手のひらの箇所に合わせ、部分的に生地を厚くしているので耐摩耗性も優秀です。
ロープを引っかけるクリップは手首部分内側に付属しています。エイドクライミングにも利用可能です。
おすすめ商品の比較一覧表
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自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に。登山やクライミングが趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて連載中。悩みは増え続けるアウトドア用品などの遊び道具の収納場所で、愛車のJeepラングラーもすっかり倉庫代わりに。昨今は車中泊にもハマり、住居をキャンピングカーに変えるか真剣に悩み中。