通信教育のメリット・デメリット
最初に高校生が通信教育を利用するメリットとデメリットをチェックしていきましょう。
メリット
通信教育にはさまざまなメリットがありますので見ていきましょう。
好きな時間と場所で勉強ができる
部活動を熱心に行っている学生や、長距離通学をしている学生もいることでしょう。そんな忙しい高校生にとって通信教育は、スマホやタブレットでいつでもどこでも勉強できるのが魅力。電車の中やお昼休憩に映像授業を見ることもできるので、スキマ時間を有効に活用できるだけでなく、塾への移動時間も必要ないので、そもそもの勉強時間を増やすことができます。
また自分のスケジュールに合わせて学習できる点も見逃せません。帰宅後にご飯を食べてから勉強してもいいですし、眠くならないようにまず勉強するというのもOKです。
塾と比べて費用が安い
塾や予備校を利用する場合、月額数万円ほどかかることを考えると通信教育は非常にリーズナブルで、月額数千円から始めることができます。それに加えて、大学受験業界に長年身を置く専門家たちが知恵を結集させた教材を活用できるので、質が高いことは言うまでもありません。『スタディサプリ』などの映像授業では、一流の講師による講座が盛りだくさん。
基礎から応用まで対応している講座がほとんどで、定期テスト対策を行いたい方から、これから大学受験対策を行おうと考えている高校1~2年生、受験に本腰を入れる高校3年生まで、どなたも利用しやすいはずです。
自分に必要な受験対策にカスタマイズできる
私立大学を受験するのか、国公立大学を受験するのかによって、受験科目が異なってきます。また難易度もさまざま。通信教育は、もちろんそれらにしっかり対応してくれますよ。苦手科目は基礎からしっかり行い、得意科目は応用問題中心に行うというようなことも可能。
私立大学や国公立大学の二次試験では、2~3科目で受験することが多いでしょう。『進研ゼミ 高校講座』や『Z会』ではそれらを大学・学部別に対策することもできます。出題傾向に沿った問題を解くことで、志望大学合格に近づくはずですよ。
デメリット・注意点
次はデメリットや注意点をご紹介していきます。
自分でモチベーションを管理する必要がある
当たり前ですが、通信教育は一人で勉強することが基本になるので、自発的に勉強していかないといけません。通塾の場合は、勉強に集中せざるを得ない環境ですが、自宅や電車内では誰も強制しないので自分から進んで勉強する必要があります。
そのため、自分なりにモチベーションを持続させる方法を確立したり、勉強する時間を決めたりするのがいいかもしれませんね。例えば、学校から帰る電車内では英文法を学習する、夕食後は数学の問題を解くといった具合に、いつ、どの教科を勉強するというのを最初に決めておくというのもひとつの手です。
すぐ質問することができない
学校や塾のように、疑問をその場で解決できないのはデメリット。最近の通信教育は解説がしっかりしており、基礎からひも解く内容のものも多いですが、万が一どうしても理解できないというときは困ってしまいます。疑問をそのままにしておくと、同じような問題に出くわしたとき、またミスをしてしまいますので、しっかり解消しておきたいところです。
ただ、その場で質問に対応するシステムを持っているところもあります。『進研ゼミ 高校講座』では、双方向でやり取りできるオンラインライブ授業や、いつでも質問できるサービスも展開していますよ。
受験や勉強に関する悩み相談がしにくい
通信教育では、学校で友達と学習状況を話し合うようなことが難しいです。講座によって進路や志望大の相談ができることもありますが、塾などに比べて気軽に相談できることは少ないです。
ただ、『スタディサプリ』の合格特訓コースでは、月額10,780円で専任のコーチによる学習サポートや、学習スケジュール、悩み相談などを行ってくれます。また、各教科の専門講師が問題を解説してくれることも!
通信教育はどんな人に向いている?
塾と通信教育の大きな違いは、自分でモチベーションを管理し、学習計画を立て、勉強を進めていかなくてはいけないかどうかです。なので、すでに学習習慣が身についている方向けといえるでしょう。
高校生向け通信教育の選び方
ここからは高校生向け通信教育の選び方をご紹介していきます。ポイントは下記のとおり。
【1】勉強する目的にあっているか
【2】希望の進学先に必要な科目があるか
【3】教材のレベルが自分に合っているか
【4】タブレット+テキスト教材があるか
【5】料金体系を確認する
【6】サポート体制をチェック
【7】自分の志望校への合格実績などもチェック
これらのポイントを抑えて、ぴったりの通信教育を選びましょう。一つずつ解説していきます。
【1】勉強する目的にあっているか
学校の定期テスト対策なのか、志望校への受験対策なのか、学習目的に沿ったカリキュラムやコースがあるかを確認しましょう。高校1年生、2年生、3年生など開始する年次ごとのコース分けや学力レベル別、また受験対策別などに分けられます。
【2】希望の進学先に必要な科目があるか
学校の定期テストで結果を出して推薦入試や、AO入試を考えている場合は、いろんな教科を学べる通信教育がおすすめ。
一般入試で大学受験をするなら、出題科目をピンポイントで学習するようにしましょう。私立大学なら3科目ですし、国立大学なら一次試験の共通テストと二次試験の個別テストに対応する科目を学習することが必要です。
なお、大学受験では大学・学部別の対策をすることが重要になってきます。問題の傾向や対策を抑えている通信教育を利用しましょう。
【3】教材のレベルが自分に合っているか
通信教育サービスにより、レベルはさまざまです。基礎を中心にしたものから、難関大受験用の教材までバリエーションが豊富なので、学力に合ったものを選ぶようにしましょう。
レベルが高すぎても低すぎても成績がアップしにくいです。一般的に基礎問題から応用問題まで取り揃えているのは『進研ゼミ 高校講座』や『スタディサプリ』。難易度が高く設定されているのが『Z会』です。
【4】タブレット+テキスト教材があるか
現在の通信教育は、タブレット学習が中心になります。タブレット学習とテキスト学習にはそれぞれの良さがあるので、自分の学習スタイルに合わせて選ぶのがよいでしょう。
オンライン学習なら、通学の電車内など、スキマ時間を使ってスマートフォンやタブレットで、わかりやすい映像授業を受けられたり、自動添削機能で効率よく勉強できたりします。
一方、テキスト学習なら、英単語のスペルを覚えるなど暗記が必要な勉強はもちろん、ノートに文字を書くことができるので、知識のインプットと定着が図れます。
【5】料金体系を確認する
通信教育は、塾や家庭教師などのほかの学習サービスに比べてリーズナブルな価格となっております。ただ、サービスによって料金形態はさまざまです。複数教科まとめた価格設定があれば、1科目ごとに料金がかかることもあります。
また、一般コースに加えて、「○○大学対策」などのコースを受講する場合、別途費用が発生します。全体としていくらくらい必要になってくるのか、あらかじめ計算しておくようにしましょう。
【6】サポート体制をチェック
高校で習う範囲は広く、難易度も高くなっています。そのため、問題に対する解説が丁寧であっても疑問に思うことも多々あるかもしれません。その際、すぐに質問できるかがカギになってきます。『進研ゼミ 高校講座』は24時間いつでも質問できるサービスもあるので、チェックしてみてくださいね。
なお、親が子どもの学習進捗を把握するサービスがどのようなものかをチェックしておくことも大切です。
【7】自分の志望校への合格実績などもチェック
勉強や受験の最終目標は自分の志望校に合格することです。自分の志望する大学などへの合格実績が豊富かどうかを参考にするのもひとつの目安となるでしょう。合格実績が多いということは、志望校への受験に適した教材やサポート体制になっていると考えられるからです。
高校生向け通信教育のおすすめサービス5選
教育情報サイト「School Post」でさまざまな情報を発信している石井知哉さんと編集部が選んだ、おすすめの高校生向け通信教育とその理由をご紹介します。
迷ったらコレ! 人気No.1の通信教育サービス:『進研ゼミ 高校講座』
通学などのスキマ時間で勉強したい方に:『スタディサプリ』
難関大学を志望する方向け:『Z会の通信教育』
基礎からしっかり行いたいなら:『すらら』
ハイレベルな映像授業を展開:『学研プライムゼミ』

ベネッセ『進研ゼミ 高校講座』
自分の学力や志望校によって選べるコース
紙のテキストとスマホアプリを併用して学習するスタイルです。難易度や志望大学別にさまざまなコースがあり、学力や目標に合わせて選べるのが特徴。24時間いつでもスマホで質問ができて、わからない問題を写真で送ると解説が送られてくるなど、サポートも充実しています。
各高校の教科書にこまかく対応しているので、定期テストの対策と大学受験に向けた実力アップの両方をめざす高校生におすすめです。

リクルート『スタディサプリ』
一流講師による4万本もの映像授業が見放題
一流講師による映像授業を受けながら学習するスタイルです。5教科18科目4万本と、圧倒的な本数の動画がすべて見放題なのが特徴。さまざまな教科や単元、レベルから、そのときどきに自分が必要とする授業をいつでも自由に受けられます。
授業は1回15分なので、通学の電車内やちょっとしたすきま時間を効果的に活用できます。目標に向けて、自分のペースで勉強したい高校生におすすめです。

Z会『Z会の通信教育』
方式 | iPad、テキスト教材(どちらかを選択) |
---|---|
コース | 高1・高2(本科):9教科(高校コース6教科、高2実戦3教科)、大学受験生向け:7コース |
学習サポート | 高1・高2:WEB教材「授業アシスト」、大学受験生向け:Z会Mypage、教えてZ会!(個別質問)等 |
オプション | 高1・高2(専科・特講):特定分野対策、東大入試対策、等、大学受験生向け(専科・特講):共通テスト攻略演習、基礎力完成講座、等 |
料金 | 高1・高2(本科・テキストスタイル):5,330円/月・1講座、大学受験生向け(本科・標準国公私大):5,330円(全て税込) |
無料体験 | ◯(資料請求とともに学年別問題集を申込み可) |
難関大学をめざす人向けのハイレベルな添削指導
添削を中心に、ハイレベルな問題演習を中心に学習するスタイルです。高校の授業内容に合わせながら、1・2年生のうちから大学入試レベルの問題にふれられるのが特徴。年2回、自宅で受けられる模試を届けてくれるので、自分の実力チェックも可能です。
記述問題を多く出題する難関大学をめざして、添削指導で実力と得点力を伸ばしたい高校生におすすめです。
すららネット『すらら』
学研『学研プライムゼミ』
「高校生向け通信教育」のおすすめ高校生向け通信教育の比較一覧表
高校生向け通信教育のQ&A
安いおすすめの高校生向け通信教育サービスはどれ?

ご紹介した通信教育の中で、最安は『スタディサプリ』。月額2,178円から始めることができます。リーズナブルな価格でありながら、5教科18科目、4万本の一流講師による映像授業が見放題!
>>価格の比較一覧表はこちら
結局のところ、どの通信教育サービスを選ぶのが正解?

「スマホアプリだけだと心配だから、紙のテキストも利用したい」「推薦合格を目指したい」「いつでも質問できるサポート体制がいい」「とりあえずおすすめを教えて」という方は万人にイチ押しできる『進研ゼミ 高校講座』。
「スマホでスキマ時間に勉強したい」「部活と両立したい」「繰り返し学習をしたい」「安さ重視」という方には、スマホ学習で大手の『スタディサプリ』がおすすめ。
「難関大を目指している」「一般入試一本!」「テキストでしっかり問題を解きたい」「難易度の高い勉強をしたい」という方には、ハイレベルな『Z会』がおすすめ。
効率的な勉強方法は?

通信教育を利用するうえで、一番大切なことは利用し続けることです。教材をため込んだり、最後まで手をつけていなかったり、他の教材を使ったりすると学習範囲や知識にムラが出てしまうので、使い倒すことが大切。
通信教育だけで大学受験に対応できる?

通信教育だけで志望大学に合格することは可能です。いろんな通信教育サービスで大学・学部別試験の出題傾向に沿った専用の問題が作られており、十分に対策することができます。
とはいえ、苦手科目は先生に直接教えて欲しい、成績が伸び悩んでいる……ということであれば、オンライン塾やオンライン家庭教師を利用するという手もあります。詳しい情報は、下記よりチェックしてみてくださいね。
「大学受験生向けオンラインサービスのおすすめ12選」はこちら
「高校生におすすめオンライン家庭教師19選」はこちら
ほかの教育サービスをチェック
無料体験も試してみよう! 教育情報サイト主宰の石井さんからひとこと
高校生におすすめの通信教育を紹介してきました。三者三様、それぞれにすぐれたポイントがあり、どれを選べばよいのか目移りすることでしょう。
高校生は3年間という限られた時間のなかで、定期テストや大学受験に向けて多くの教科を勉強することがもとめられます。重要なのは、自分の学習ペースや得意・苦手、目標をふまえて、どの通信教育が合っているかを考えることです。
そのためには、通信教育それぞれの特徴をよく知っておくことが重要。また無料体験ができるものは、正式に申し込む前に、無理のないペースで続けられるかを試してみるのもいいでしょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
東京都の塾業界にて指導歴約25年。 豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校補習から中・高・大学受験、就職試験対策まで、幅広い教科・年齢・学力層を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。 現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。 自ら教鞭を執り、多くの受験生を人気校・難関校合格に導いている。 「School Post 高校受験ナビ」等の教育系webメディアにて記事を執筆。 アイデアと文面の大半は、こよなく愛するビーグル犬との散歩中に生まれる。