ハイドレーションパックの選び方 走りながらの水分補給が可能

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登山やトレイルランニングのときの水分補給に便利な、ハイドレーションパック。選ぶときに知っておきたいポイントをチェックしていきましょう。
ハイドレーションパックを選ぶときは容量や飲み口の構造、ザックへの収納のしやすさ、お手入れのしやすさなどをチェックしましょう。なかにはザックとハイドレーションパックがセットになったものもありますよ。ここで詳しく解説していきます。
状況に応じた適切な容量を 登山やランニングなど
ハイドレーションパックに入る水の容量は1~3リットルと商品によってさまざま。登山やランニングは汗をかくので、こまめに水分を補給することが大切です。そのため、自分が必要とする容量のものを購入する必要があります。
ただし、水3リットルだと重さも3kgになるので自分が飲む量と持ち運ぶ重さのバランスを考えて容量を選びましょう。
ちなみに、登山上級者だと真夏でも2リットル、ランニングの場合はさらに軽くする方が多いようです。水分補給する場所が途中にあるかどうか、ペットボトルなど別の容器で水などを持ち運ぶかによっても状況が変わるので、使うシーンに合わせて選ぶようにしましょう。
飲み口の構造を確認 流水の出やすさに差が出る!
飲み口の構造によって流水の出やすさ、つまり飲みやすさに違いがあります。ここでは噛んで吸うタイプと、噛むだけまたはストッパーを外すだけで水が出るタイプについて解説します。
残量が心配なら飲み過ぎを防げる噛んで吸うタイプ
飲み口を噛んで吸うタイプのハイドレーションパックは、適量を素早く飲めるのがメリットです。ハイドレーションパックはザックに入って水の残量が分かりにくいということもあり、一回ごとの飲む量が調整できないといつの間にか水が足りなくなることも。
そのため吸う力によって水の量が調整できれば、飲みすぎ防止にも役立ちます。登山中は吸わずに飲めるとラクですが、残量の心配をしたくないという方におすすめです。
飲み口を噛む or ストッパーを外すタイプ
登りがキツい登山や長距離ランニングでは、吸う力すら残っていないということもあります。そんなときは吸う力が少なくすむハイドレーションパックが便利です。飲み口を噛む、またはストッパーを外して軽い力で水が出るタイプなら、親子登山であればお子さまに水分を分けることもできます。
ラクに飲めるため、給水ペースがはやくなりすぎて気づいたらなくなっていたということがないよう気をつけましょう。
水を入れても収納性にすぐれたパックを
登山のザックには荷物が左右どちらかに偏らないようにしたり、必要なものがすぐ取り出せるようにするなどの工夫で快適になります。そのため、ハイドレーションパックもザックへの収納性が重要になります。
パックの形が崩れにくく、水が少なくなってもぐしゃっとなったり丸まったりしないものを選ぶとザックのなかでおさまりがよく便利です。そのようなタイプは水を入れたときにもふくらまずに平らになるので、ザックのなかにフィットします。
さらに、使わないときには小さくなるものであれば家での収納性も◎ですね。
汚れを防ぐ機能やお手入れ方法にも注目 衛生的だと安心
ハイドレーションパックは使い終わったあとにお手入れする必要がありますが、飲み口にカバーが付いていると土などの汚れもつきにくく衛生的。
また本体であるリザーバーが裏返せる仕様になっていたり、手が入れられるぐらい給水口が広いと洗いやすく乾燥もしやすいので清潔に使うことができます。そこで、衛生面に関係するチェックポイントをお伝えします。
飲み口にカバーがあれば汚れを気にせず使える
飲み口にカバーが付いたタイプであれば、飲み口が汚れるのを防ぐことができます。ハイドレーションパックのチューブと飲み口はすぐに飲めるように、外にむき出しになっている仕様です。そのため、ザックを地面におろしたときに飲み口に土などの汚れが付いてしまうことも考えられます。汚れが気になる方は飲み口にカバーが付いたものを選ぶと安心です。
洗浄・乾燥しやすいと衛生的に使用できる!
ハイドレーションパックは、しっかり洗ってしっかり乾かさないとカビや菌が増殖する可能性があります。そのため、洗いやすさと乾かしやすさも選ぶときに大切なチェックポイント。
たとえば、チューブが本体であるリザーバーから取り外せたり、飲み口もチューブから取り外せるタイプの方がチューブや飲み口を洗うのに便利です。
リザーバーも裏表をひっくり返して洗えるタイプは隅々まで洗うことができるだけでなく、乾かしやすく衛生的。水を入れる入り口が大きいタイプも手が入れられて洗いやすいでしょう。もしチューブの内部など隅々まで洗いたい場合は、錠剤タイプの専用クリーナーを使うとさらに便利です。
ザックとセットのパックなら収納効率アップ! 荷物が整理しやすい

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ハイドレーションパックにはザックとセットで販売されているタイプがあります。リザーバー、チューブ、ザックが一体になっているため、ハイドレーションパックの収納がしやすい構造になっています。
また、リザーバーを固定できるほか、ザックがからだに密着するため、安定性が高くなります。比較的小さいザックが多いため、短時間で荷物の少ないハイキングや、トレイルランニングなどの使用におすすめです。
そのほかに、セットではなくてもザックにハイドレーションパック用のポケットがついているものもあります。ザックの荷物整理にも役立つので、まずは手持ちのザックにハイドレーションパック用ポケットがついているか確認してみてください。
容量と素材に注目して選ぶ 登山愛好家がアドバイス
ハイドレーションパックは容量の選択が大切です。長期間の縦走、低山登山、トレランなどによって、何リットルを選ぶのかが変わってきます。自分の体力によっても変わります。
また、容量によっては、愛用のハイドレーションポケットに入らない場合があります。さらに素材も大切。素材によっては水ににおいが移り、気になって飲めないという方も。体調を大きく左右するギアですので、よく考慮して選びたいものです。
ハイドレーションパックおすすめ10選 容量、飲み口、洗いやすさをチェック
ここからは、登山愛好家と編集部が選んだ、ハイドレーションパックのおすすめ商品をご紹介します。容量や飲み口、洗いやすさなどをチェックし、自分の目的にあったもの選んでくださいね。
どれを買うか迷ったときにおすすめなのが、ハイドレーションパックの老舗・キャメルバッグ。軍にも採用されるなど、堅牢性が高いのが特徴です。『クラックス 2.0L リザーバー』は給水口が大きく、給排水や洗浄がしやすくなっています。手で簡単に操作できる、吸い口のロック機能も秀逸です。

水を入れても平らのままだから安定感◎
登山用の高性能なザックを展開するオスプレーのハイドレーションパックです。水を入れても平らな形を維持することができるのが特長です。そのため、ザックを背負って水が減ってきた際にも安定性をたもつことができ、登山中も快適です。
BPAフリーのほか、フタル酸塩も不使用、無鉛と安全性が高い点もうれしいポイントです。
オスプレー『レザヴォア 3L』はオスプレーのザックを使っていない方にもおすすめのモデル。水を入れたときの形状変化や堅牢性(けんろうせい)を考慮した、背面の素材とデザインが採用されています。ホースマグネットや吸い口のキャップなど、オプションが豊富なのもうれしいポイントです。
どんなザックにも収納しやすく耐久性も◎
アメリカの工場で厳しい品質管理のもとで製造されているプラティパスのハイドレーションパックです。リザーバーはラミネート加工により耐久性が高く、軽量で、あらゆるザックに収納しやすくなっています。また、BPAフリー素材を使っているためにおいなどがなく、おいしく水を飲むことができるのもポイント。
別売りのクロ―ジャーキャップを購入してチューブと交換すればウォータージャグとしても使用できます。100g前後と軽量なので登山やトレイルランニングなどにおすすめです。
片手でつかめるから水を注ぎやすい!
リザーバーを片手で運べるグリップつきで、給水時にも便利。グリップの取り外しもかんたんで、リザーバー内部の仕切りで口が開いた状態をキープしやすく、洗浄や乾燥もしやすいので衛生的に使うことができます。
BPAフリーでテイストフリーの素材を使用し、水を飲むときにいやなにおいがすることもありません。チューブの径が太めで流量が多いので、ひと口の飲む量が多めの方におすすめのハイドレーションパックです。
飲み口カバーつき! 各国が愛用する本格モデル
バクテリアの増殖を抑制する素材を採用し、世界各国の警察や軍隊でも使用されているほど丈夫なハイドレーションパックです。
給水口は大きく開くため洗浄・乾燥がしやすく、またリザーバー本体の素材はガラスのような素材を使用しているので、水へのにおい移りも少なくてすみます。また、飲み口には汚れ防止のカバーが付いているため、衛生面が気になる方にもおすすめです。
超軽量で給水口が広く給水も洗浄・乾燥もラク!
水をいれても樽型にふくらむことがなく、ザックに収納しやすい構造。また、超軽量なので登山やトレイルランニングなど少しでも荷物量を減らしたい方におすすめです。
飲み口カバーがないので汚さないよう気をつける必要がありますが、給水口は大きく開くスライドタイプのため、給水時もかんたん。洗浄もしやすいため衛生的です。

ハイドレーションのパイオニア! 水漏れ防止つき
アウトドア愛好家からハイドレーションのパイオニアとして親しまれている、キャメルバックのハイドレーションパックです。給水口が大きいため、水を入れやすく、また洗いやすいのがポイントです。
さらに、水漏れがしないようロック機能が付いていたり、飲み口は噛んで吸うだけでかんたんに補給量が調整できます。容量も2Lと多すぎず少なすぎないのでハイキングや登山などあらゆる場面で活躍するでしょう。
水が減っても圧縮されるから水揺れを感じない!
山を楽しむためのスポーツギアを開発し、マウンテンスポーツ界をリードしてきたサロモンのハイドレーションパックです。飲んで水分量が減ると圧縮される構造になっていて、水が揺れたりせず安定感を維持します。
くびれた形状なのでポケットに入れたときにほかの荷物との親和性が高く、ものが入れやすいのもメリットです。裏返しにできるので洗いやすく乾かしやすいため衛生的。軽い吸引で飲むことができるので登山中、ラクに水分補給ができるでしょう。
チューブが取り外し可能でお手入れがカンタン
1898年にドイツのアウクスブルクで創業した老舗リュックサックメーカー、ドイター。もともとは郵便局の配達袋を作っていたメーカーでしたが、本格的なアウトドア用品の製造をスタートし、現在も高品質なプロダクトを生産しています。
そんなドイターのリザーバーを使用したハイドレーションパックは、使い勝手のよいシンプルな設計。チューブがソフトパックから取り外しできて洗いやすいのも魅力です。
汚れがつきにくく洗浄・乾燥しやすいから衛生的
雨が降りにくいイスラエルのメーカーの、ムダなく水分補給というところに重点を置いたハイドレーションパックです。リザーバー内部にはガラスのような表面をもつPEフィルムを採用し、汚れが付着しにくく、かつ水ににおいをつけにくいのがポイントです。
大きく開口するので水を注ぐのも便利で、洗いやすく乾燥もしやすいので衛生的。回して開閉できる飲み口で、ムダな水漏れを防ぐことができるのもポイントです。
裏返して洗浄できる! 給水量がわかる目盛りつき
ハイドラパックは多くのアウトドア愛好家やアスリートからの意見を参考に、ハイドレーションパックの改良を続けてきたアメリカのブランド。給水口のトップはスライドでかんたんに取り外しが可能で、クリップやストラップなどで固定しやすい穴もあいています。
こちらのリザーバーは横に目盛りがついているので、飲んだ量や給水した量が分かりやすく、膨らみを抑えるバッフル構造もうれしいポイント。洗浄時は裏返しにすることもできるのでお手入れもしやすい構造です。
【凍結防止】ハイドレーションパックおすすめ1選 冬登山に欠かせない
冬登山や寒い環境下でハイドレーションバッグを使う場合、チューブの中に残ってしまった水が凍ってしまうことがあります。そもそもハイドレーションバッグを使用しないというてもありますが、もし使う場合には飲み終わりに息を吹き込んで、チューブの中の水を押し戻してあげるなどの工夫が必要です。
バッグやチューブの衛生面が気になるという方は、これから紹介するCAMELBAK(キャメルバック)『ストアウェイ 2.0L』のように、チューブにカバーがついているタイプなどを使うとチューブ内の水の凍結を防いでくれますよ。
低温下でのチューブ内の水の凍結を防ぐモデル
低温化でハイドレーションバッグを使用するとチューブ内の水が凍ってしまい、思うように水が吸えない、もしくはチューブをいためてしまうことにもなります。
このハイドレーションバッグにはチューブの周りにカバーがついていて、寒冷地や雪山登山でもチューブ内の水が凍りにくい仕様になっています。冬季の登山などを考えている方におすすめのアイテムです。
「ハイドレーションパック」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ハイドレーションパックの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのハイドレーションパックの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ハイドレーションパックの基礎知識 使い方と洗い方を解説
ハイドレーションパックを購入する際の基礎知識として、使い方と洗い方をご紹介します。
長持ちさせる使い方
ハイドレーションパックを使う際、「容量以上の飲み物を入れない」「ほかのギアなど、鋭利なものが当たって破れないようにする」「畳まず丸めて保管」に注意をしましょう。
洗い方
ハイドレーションパックの洗い方は、「ホースを本体から取り外し、チューブ内を洗浄・乾燥させる」「本体の蓋を外して、水が残らないようにする」「容器に手を入れ、裏返したら中性洗剤で洗う」「完全に乾燥させる」になります。
なお、最後の乾燥の工程でしっかり乾かさないとカビの原因となり、体内に摂取することになるので、気を付けましょう。
そのほか関連商品の情報はこちら 【関連記事】
使用シーンに合わせた形状を
この記事ではハイドレーションパックの11商品をご紹介しました。ハイドレーションパックにはさまざまな容量があります。
また、洗いやすさや乾燥のしやすさ、水を入れたときの形状、専用ザックがついているかどうかなども選ぶポイントです。
あなたの使用シーンをふまえて、用途にあったハイドレーションパックを選んでみてくださいね。
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自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に。登山やクライミングが趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて連載中。悩みは増え続けるアウトドア用品などの遊び道具の収納場所で、愛車のJeepラングラーもすっかり倉庫代わりに。昨今は車中泊にもハマり、住居をキャンピングカーに変えるか真剣に悩み中。