マルチツールとは
マルチツールとは、一つで様々な作業をすることができるツールです。先端を変換させることで多様な使い方が可能となります。
幅広い用途で使うことができるのでアウトドアシーンでは手放せないアイテムです。また、最近では軽量でコンパクトな持ち運びがしやすいサイズのものまであるので、機能面としても十分に満足できるようになりました。是非記事を参考にしてあなたに合ったものを見つけてくださいね。
【目的別】マルチツールを選ぶポイント
マルチツールを選ぶときに、ほかに知っておくといいポイントを紹介します。
登山・アウトドア用
何が起こるかわからない登山やアウトドアでは、汎用性の高いナイフやハサミの機能があるものを選ぶのがポイント。料理のために魚や果物を切る、怪我などの緊急時に布を切るなど、応用できるシチュエーションはさまざまです。
そのほか、缶きりやLEDライトがあると万が一の際にも対応できます。必須ではありませんが、重量やサイズを気にしないのであれば、これらが付属しているものを選んでみましょう。
旅行・自宅用

日常生活でふと気になるのが爪の伸び。一度気になるとそわそわして落ち着かない方も多いのではないでしょうか。
爪切りや爪とぎが付属しているものなら、その場ですぐにお手入れできます。マルチツールのひとつとして付属していれば、旅行先で爪が気になったときもササッと処理できますね。爪が気になって作業に集中できない、旅行が楽しめない、ということを防ぐためにあると便利です。
自転車・バイク旅用
自転車やバイク旅ではトラブルがつきもの。出発時には万全の状態でも、走行中の振動や衝撃によってねじがゆるむことはよく起こります。そんなときに便利なのがドライバーつきのマルチツール。
たとえば自転車では、ハンドル、ブレーキやマウントなど、パーツによってドライバーのサイズが異なります。ドライバーセットを持ち歩いてもいいのですが、使わないものも多いために荷物が増えてしまいます。そこで必要最小限のツールが用意されたマルチツールがあれば、荷物を減らしつつ何かあったときは即座に対処することができます。
マルチツールの選び方 アウトドアライターに聞く
山岳・アウトドアライター&プロデューサーの高橋庄太郎さんに、マルチツールを選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。いろいろな機能がつめこまれているからこそ、どんな点に注目すればいいのかわからなくなってしまいますね。アウトドアのプロの意見をチェックして、購入の際の参考にしてみましょう。
自分に必要なツールをしぼりこむ
マルチツールを代表するメーカー、ビクトリノックスの『スイスチャンプ XAVT』がもつ機能は、なんと83! ただし、デジタルウォッチや高度計までついていて非常に興味深いですが、64mmの分厚さと351gの超重量。持ち運ぶには難ありです。
登山用として重要なツールは、以下の3つです。
1、ナイフ
2、ハサミ
3、プライヤー
ナイフは汎用性が高く、ハサミがあればパッケージの開封や怪我の際の応急処置などに便利です。さらに個人的には、プライヤーもあるとギア類の修理に非常に重宝します。必要なツールは使う人の用途や考え方次第です。
※プライヤー(はさんでつかめる・回せる工具)
使い勝手がいいものを選ぶ
マルチツールのメインとなる形状は、大きく分けて下記の2タイプに分類できます。
・一つひとつのパーツを引き出して使う「アーミーナイフ」タイプ
・ハンドルを開いて使う「バタフライナイフ」タイプ
アーミーナイフタイプ(代表メーカーはビクトリノックス)はハンドルが比較的細身で携行性がよく、手の中での収まりも上々です。それに対して後者のバタフライナイフタイプ(代表メーカーはレザーマン)は、太くなりますがプライヤーの機能などは利用しやすく、力を入れやすいのがメリットです。
それら以外にもブレスレットタイプやカードタイプもありますが、アウトドア用途としてはやはりアーミーナイフ状のものか、バタフライナイフ状のものが使いやすいでしょう。
使いやすいサイズのものを選ぶ
ビクトリノックスを例にとれば、ハンドルには「スモール」「ミディアム」「ラージ」があり、それぞれの長さは65mm、91mm、111mm。小さい(軽い)ものは持ち運びやすいが扱いづらく、大きい(重い)ものは扱いやすいが持ち運びにくいというのが一般的です。使いやすさと携帯性は反比例しているといえるでしょう。ミディアムサイズは両方の面でバランスがよいので、使いやすいモデルが多いようです。
もちろん、搭載する機能が多いほど重くなりがちなため、本当に必要な機能を見定め、それ以外のパーツができるだけ含まれないのを見極められれば、厚みが少なくて軽いものを選べます。
携帯性を重視するならカラビナ付きのものを
マルチツールは、常に身につけておきたいもの。そこで、カラビナやキーホルダー付きのものを選べば、常に携帯しておくことができます。
ポケットに入れて携帯するならロック機能付きが安心
マルチツールはナイフなどの尖ったツールも内臓しているため、万一のために刃物が飛び出すのを防ぐロック機能があると安心です。
長く愛用できるものをじっくり選びましょう アウトドアライターからのアドバイス
山岳/アウトドアライター&プロデューサー
マルチツールというものは、使用される金属の良し悪しによって耐久性が大きく左右されるため、同程度の機能やサイズ感のものならば、価格が高いほど上質である可能性が高いといえます。また、金属製品の加工には高度な技術が必要とされるため、定評ある老舗ブランドのほうが買い物に失敗することは少ないでしょう。
しかし、新しいブランドにはおもしろい発想でもの作りに取り組んでいるところも多く、そういった製品を試してみるのも楽しいものです。一度手に入れれば長く使えるものですので、じっくりと自分好みのものを探しましょう。
マルチツールおすすめ17選 厚み・長さ・機能の数もチェック!
ここまで紹介したマルチツールの選び方のポイントをふまえて、アウトドアライターの高橋庄太郎さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。機能やサイズに注目して、納得の1つをみつけてみてください。

VICTORINOX(ビクトリノックス)『エボリューションS557』














出典:Amazon
厚み | 28mm |
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長さ | 85mm |
重量 | 128g |
機能数 | 21 |

VICTORINOX(ビクトリノックス)『クラシックSD』












出典:Amazon
厚み | 9mm |
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長さ | 58mm |
重量 | 21g |
機能数 | 7 |
じつは出番がいちばん多い? ミニマムタイプ
大人の小指よりも小さい、長さ58㎜、厚み9㎜のマルチツール。しかしナイフとはさみに加え、爪やすり、ピンセット、つまようじなど、7つもの機能を搭載しています。あまりに小型なので力を入れた作業はしにくいですが、その代わりに重量はたった21gで携帯性は上々。手頃な価格も魅力的です。
アウトドアではメインのナイフやマルチツールに加え、いつもポケットに入れて持ち歩くサブツールとしても重宝します。普段の生活ではキーホルダー代わりに使用しつつ、いざという時にはその機能を活かすことがもできるので、1つ持っていると安心です。その結果、メインのマルチツールより活躍の機会が多いツールといえます。

LEATHERMAN ( レザーマン ) 『WAVE Black』






出典:Amazon
厚み | -‐ |
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長さ | 100mm(フライヤー収納時) |
重量 | 241g |
機能数 | 17 |
発売から30年、進化を続ける大定番
100mmのハンドルやナイフのブレードに使われているのは、ステンレススチール。メンテナンスしながら使えば一生ものとなる頑丈な逸品です。17の機能の中でメインといえるのは、本格的な作業もできる大型のプライヤーと74mmのナイフ。さらに小型のハサミも付属していますので、これらがあれば山中での修理や普段の各種工作がはかどるでしょう。
241 gと軽くはありませんが、メガネ用の超小型プラス・マイナスドライバーまでついており、いざというときに頼りになります。改良しながら販売され続け、プライヤー型マルチツールの中で累計販売数トップを誇る「定番中の定番」です。

LEATHERMAN ( レザーマン ) 『スケルツールCX』
















出典:Amazon
厚み | -‐ |
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長さ | 100mm(フライヤー収納時) |
重量 | 142g |
機能数 | 7 |

LEATHERMAN ( レザーマン ) 『LEAP(リープ)』










出典:Amazon
厚み | -‐ |
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長さ | 83mm(フライヤー収納時) |
重量 | 138g |
機能数 | 13 |
機能と重量、サイズ感のバランスが見事
このモデルのおもしろいところは、はじめの段階ではナイフがついておらず、「後づけ用」として別にナイフが付属していること。ナイフをつけないで使用すれば、飛行機内に持ち込むこともでき(アメリカの場合。日本は未確認)、子どもが使う場合でもけがの心配が少なくなります。ナイフを取りつけたとしてもロック機能が有効にはたらくため、万が一不用意に扱っても安全性が高い構造となっています。
ハンドルは軽量なガラス強化ナイロンで、全長83mm、重量138gながら、ハサミやプライヤーも付属しています。重量、サイズ、機能のバランスが非常によく、はじめて買うマルチツールとして自信をもっておすすめできるモデルです。

GERBER(ガーバー)『ダイム』

出典:Amazon
厚み | -‐ |
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長さ | 70mm(収納時) |
重量 | 約62.4g |
機能数 | 11 |

SWISSTECH(スイステック)『ポケットマルチツール』










出典:Amazon
厚み | -‐ |
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長さ | -‐ |
重量 | -‐ |
機能数 | 12 |

ハイマウント『トゥルーユーティリティー DAWG(ダウグ)』


















出典:Amazon
厚み | 25mm |
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長さ | 80mm(収納時) |
重量 | 約40g |
機能数 | 14 |
VICTORINOX(ビクトリノックス) 『スーパーティンカー』


















出典:Amazon
厚み | 17mm |
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長さ | 91mm |
重量 | 84g |
機能数 | 14 |
CRISIS(クライシス)『LED&ホイッスル付多機能ツールS』






出典:Amazon
厚み | 20mm |
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長さ | 約73mm(キーホルダーを除く) |
重量 | 115g |
機能数 | 12 |
VICTORINOX(ビクトリノックス) 『スイスカード』








出典:Amazon
厚み | 4.5mm |
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長さ | 82mm |
重量 | 26g |
機能数 | 10 |
LEATHERMAN ( レザーマン ) 『SIDEKICK』














出典:Amazon
厚み | -‐ |
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長さ | 97mm(プライヤー収納時) |
重量 | 198g |
機能数 | 14 |
LEATHERMAN ( レザーマン ) 『STYLE PS』

出典:Amazon
厚み | -‐ |
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長さ | 75mm(プライヤー収納時) |
重量 | 45g |
機能数 | 8 |
GERBER(ガーバー)『サスペンション マルチプライヤー』
















出典:Amazon
厚み | -‐ |
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長さ | 100mm |
重量 | 約188g |
機能数 | 14 |
WORKPRO『フォールディング マルチツール』










出典:Amazon
厚み | -‐ |
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長さ | 94mm(閉めた状態) |
重量 | 240g |
機能数 | 15 |
ツカダ『Key-Quest』














出典:Amazon
厚み | 2.5mm |
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長さ | 62mm |
重量 | 10.5g |
機能数 | 6 |
中林製作所『冒険倶楽部 携帯型ツール 7徳スプーン&フォーク付ナイフ』

出典:Amazon
厚み | 33mm |
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長さ | 113mm(収納時) |
重量 | 約175g |
機能数 | 7 |
「マルチツール」のおすすめ商品の比較一覧表
マルチツールはあなたの困りごとを解決するアイテム
山岳・アウトドアライター&プロデューサーである高橋庄太郎さんにお話をうかがい、マルチツールの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。マルチツールは、サイズ、機能、重量など実際に手に取って使ってみないと実感できない項目が多いのも事実ですが、まずは第1段階の選択の参考として、本記事がみなさんの商品選びに役立てば幸いです。
マルチツールが本領を発揮するのは、困りごとをスマートに解決するとき。その瞬間が一番持っていてよかったと実感できます。これから訪れる未知の問題を解決できるよう、自分にピッタリの商品を探してみてください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/11/05 コンテンツ追加のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 福本航大)
1970年宮城県仙台市出身。高校山岳部で山歩きを始め、早稲田大学卒業後は出版社に勤務。 その後、フリーランスのライターに。著書に『山道具 選び方、使い方』(枻出版社)、『テント泊登山の基本』(山と渓谷社)などがあり、近年はテレビ番組やイベントへの出演も増えている。また、アウトドアメーカー各社とのコラボレーションを行なう自身のブランド「SCREES」を立ち上げ、製品開発にも取り組んでいる。