盆提灯の選び方
先祖や故人が迷わず帰ってこれる目印として、お盆に飾られる盆提灯。家紋つきや、最近だとLEDライトが使われているものなど多種多様。本記事では、建築・リフォームライターで仏具にも詳しい皆長佑飛さんに取材をして、盆提灯の選び方のポイントを教えていただきました。ポイントは下記4点。
【1】使うシーンに合わせて選ぶ
【2】火袋の素材で選ぶ
【3】部屋や仏壇に合う形を選ぶ
【4】LEDろうそくで長時間安全に
是非、盆提灯選びの参考にしてください。
【1】使うシーンに合わせて選ぶ
お迎えする先祖や故人により、用意する盆提灯も異なります。また、地域の慣習によっても色々と作法がありますので、事前に知っておくことが必要です。
新盆には「白提灯」を選ぶ
故人が死後、四十九日が過ぎて初めて迎えるお盆のことを新盆(初盆)といい、故人の霊が迷わず帰ってこられるように、目印として玄関や窓際などに新盆用の白提灯を飾ります。
白提灯は新盆が終わると燃やして処分してしまいますが、いちどしか使わないからこそ、上品できれいな提灯を用意したいものです。なお、新盆用の白提灯は身内が用意します。新盆用はひとつあればよく、複数用意する必要はありません。
お墓に行くときは「お迎え提灯」を選ぶ
お墓に行くときに提灯を持ち、故人の霊を迎えるという文化のある地域もあります。そのような地域では、通常の盆提灯のほかに、お迎え提灯と呼ばれる提灯を用意します。
お迎え提灯には持ち手がついているタイプも多く、最近ではLEDライトを採用した提灯も発売されています。ろうそくを使っていないタイプは家族で使いたいときなどに適しています。
【2】火袋の素材で選ぶ
明かりが灯る部分は火袋(ひぶくろ)と呼びます。素材によって灯かりの風合いが異なるので、それぞれの特徴を知っておきましょう。
安価で雰囲気が出る「紙」
盆提灯の火袋には、和紙や耐久性の高いビニロン紙で作られたものなどがあります。火袋に紙が使われているタイプは価格が安めの傾向があるので、はじめて盆提灯を購入する方や、できるだけ予算をおさえたいという方にもおすすめです。
火袋に紙が使われていると光が通過しづらいので、幻想的な光を楽しむこともできます。
やわらかい光を演出したいなら「絹」
火袋に使われる代表的な素材が絹です。火袋に絹を使った盆提灯は高価ですが、やわらかい光を放つという特徴があります。絹は紙よりも光を通しやすいため、明るい雰囲気を演出したいという方にもぴったりです。
なお、絹を使った火袋には、うち張りと外張りがされた二重張りと呼ばれるタイプもあります。よりやわらかな光を楽しみたい方は、「二重張り」の提灯を選んでみてください。
【3】部屋や仏壇に合う形を選ぶ
提灯のかたちは宗派で決まっているわけではないので、飾る場所に応じたデザインで選んでみましょう。
場所をとらない「吊り下げタイプ」
上から吊るして飾るタイプの提灯です。下に直接置くわけではないので、設置場所をとらないというメリットがあります。仏間に広さがない場合などにも適しています。
飾る数に決まりはないので、ひとつ吊るすだけでもかまいません。なお、吊るすタイプの提灯には、美濃和紙を使った「御所提灯」や、スリムな円筒形の「住吉提灯」といった種類があります。
重厚な雰囲気の「下に置くタイプ」
提灯に足がついているタイプの盆提灯です。盆提灯の重厚感や存在感を演出したい場合は、置くタイプを選んでみてください。
足の素材は提灯によって異なりますが、プラスチック製のものは安価で、天然木などが使われているタイプは高額になる傾向があります。最近ではスタイリッシュなデザインの盆提灯もあるので、インテリアとしても楽しみたい方はチェックしてみましょう。
【4】LEDろうそくで長時間安全に
LEDろうそくだから、連続点火していても、置型タイプで転倒しても安全です。コードレスや回転するものも発売されていますのでチェックしてみてください。また、コードレスだと、限られたスペースにもすっきり飾れますし、コンセントの位置を気にすることなくどこにでも持ち運べます。
ただし、LEDろうそくは別売りの場合もあるので、購入する際には付属されているかどうかを確認してくださいね。
収納しやすい組み立て式か確認しよう
盆提灯にも完成品と組み立て式があります。
盆提灯は年に一度しか使わない祭具なので、ふだんは収納してあります。組み立て式の盆提灯であれば、解体してコンパクトに収納できますが、完成品で解体できない場合には、盆提灯を収納しておくスペースが必要となります。
購入を考えるときにはこの点にも注目して購入を検討しましょう。
盆提灯|お迎えタイプおすすめ5選
建築・リフォームライターで仏具にも詳しい皆長佑飛さんと編集部で、上記の選び方をふまえた「お迎え提灯」を紹介します。使い方に合ったお迎え提灯選びに役立ててください。
手提げ棒への吊り下げもかんたん
昔ながらの丸い火袋が特徴的な「簡易お迎え提灯」です。提灯を吊り下げる金具が丸く加工されているため、フック状になっている手提げ棒へかんたんに吊り下げることができます。
こちらの商品は提灯本体と手下げ棒のセットになっていますが、セット内容にローソクは含まれていないので、提灯を使用する前にローソクを用意しておきましょう。
熟練技が仕上げた岐阜提灯
持ち手がついているタイプの「お迎え提灯」です。こちらの商品は江戸時代から受け継がれる技術で作られた伝統工芸品「岐阜提灯」で、熟練の職人によってていねいに仕上げられています。
実際に手にすれば、細部にわたって日本の伝統美を感じることができるでしょう。化粧箱に入れて届けられるというこだわりも見逃せません。
祭りにも使える愛らしいデザイン
手持ちタイプの小さな「お迎え提灯」です。手持ち棒が付属しているので、迎え火にはぴったり。どこか懐かしくて愛らしいデザインは、お迎え提灯としてだけでなく夏祭りの灯りとしても利用できます。
専用のLED電池灯が販売されているので、家族で使ってもいいでしょう。毎年のお墓参りや夏祭りにも活用することができます。

握る取っ手部分が木製でしっかりとしており、灯りもふらつくことなく、安定して持てるお迎え提灯です。
持ちやすくてシンプルなお迎え提灯
正面に大きく家紋が入ったシンプルな「お迎え提灯」です。持ち手つきなので、移動中でも提灯が揺れることなく明かりが安定します。
木工部分はしっかりとした厚手の塗り仕上げで作られているので、長く使える提灯として活用できるはずです。なお、家紋入れには2週間程度かかるので、できるだけ早めに注文したほうがいいでしょう。
LEDローソク仕様のスリムなタイプ
円筒形のスリムな「お迎え提灯」です。和紙の産地で盆提灯の本場ともいえる岐阜でていねいに作られています。
こちらの商品には家紋入れと名入れの料金も含まれているので、代金の追加をしなくても希望のお迎え提灯が手に入ります。場所を問わず使うことができる乾電池式のLEDローソクが付属しているのも嬉しいポイントです。
盆提灯|吊り下げタイプおすすめ5選
建築・リフォームライターで仏具にも詳しい皆長佑飛さんと編集部で、上記の選び方をふまえた「吊るすタイプの盆提灯」を紹介します。用途に応じた吊るすタイプの盆提灯選びに役立ててください。

火袋に描かれた芙蓉(ふよう)の絵柄も美しく、故人をお迎えする盆提灯にふさわしい落ち着いた雰囲気の吊り提灯です。
絹張りの高級仕様
銘木の焼杉を使用した贅沢な「盆提灯」です。高級素材の絹張りで仕立てられた火袋が、美しく透き通るような光を演出します。職人が一品一品手書きで描いている芙蓉(フヨウ)の絵柄も魅力的です。
なお、こちらの商品はLEDローソク電池灯タイプで、提灯を吊したままでもかんたんに電気のON、OFFができるプッシュ式スイッチを採用しています。
スリムなデザインの住吉提灯
こちらの商品は、円筒形のフォルムが特徴の「住吉」と呼ばれる「盆提灯」です。うち袋に描かれた広大な山々が奥行きを感じさせてくれます。
全体的にスリムなデザインなので、ほかの提灯などと合わせて飾れば、お仏壇のまわりを賑やかにすることも可能です。8号サイズのほかに9号サイズも用意されているので、用途に応じて選んでみてください。
透かし模様が入った上品な新盆用
火袋の白紋天(しろもんてん)に花の透かし模様が入った「新盆用の盆提灯」です。LEDローソク電池灯つきなので、提灯を長時間使っていても火が燃え移る心配がありません。
白提灯は新盆が終わると処分してしまうものですが、それでも上品できれいな提灯を使いたいという方はチェックしてみてください。こちらの商品はていねいに化粧紙箱に入れて届けられます。
LED点灯式の御殿丸
家紋を入れられるシンプルな「盆提灯」です。こちらの盆提灯は御殿丸と呼ばれ、丸くてかわいらしいデザインが特徴となっています。
点灯方式にはLEDスーパーライトのコードレスタイプを採用しているので、昔ながらのデザインと現代的な使いやすさを兼ね備えた提灯といえるでしょう。なお、本商品のサイズは「尺二」と「尺三」、「尺五」が用意されています。
涼しげな水色の和紙が特徴
水色の和紙を火袋に使い、全体的な涼しさを演出している「盆提灯」です。輪には天然木を採用して、落ち着きある質感を実現しています。火袋に描かれている上品な芙蓉萩も魅力的です。
江戸時代から受け継がれている匠の技で仕上げられた伝統工芸品「岐阜提灯」なので、長く愛用できる上品な盆提灯を探している方にも適しています。
盆提灯|置型タイプおすすめ5選
建築・リフォームライターで仏具にも詳しい皆長佑飛さんと編集部で、上記の選び方をふまえた置くタイプの盆提灯を紹介します。気に入った置くタイプの盆提灯選びに役立ててください。

火袋が絹と和紙の「二重絹絵柄の仕上」になっており、高級感があり落ち着いた雰囲気を醸す盆提灯になります。
珍しい絹と和紙の二重張り
絹と和紙の二重張りで仕立てられた火袋が特徴の「盆提灯」です。絹と紙という珍しい二重張りの火袋が放つやわらかく美しい光を楽しむことができます。
足に使われているけやき調の天然木や、職人が手書きでていねいに絵付けをおこなった芙蓉山水の絵柄も魅力的です。コードにはかんたんに電源を切り変えられる中間スイッチもついています。
贅沢な絹の二重張り
上品で落ち着きある木目の黒檀(こくたん)調正絹(しょうけん)二重張りという贅沢な仕様の「盆提灯」です。外袋には山水と芙蓉花が手書きで描かれ、うち袋には山水が描かれています。
絹のやさしい明かりは、いつまでも眺めていたくなるほど。高級感のある提灯にふさわしく、総桐で袱紗(ふくさ)がついた箱に入れて届けられます。
回転灯がついた和紙張り仕様
回転灯がついた「盆提灯の一対セット」です。匠の技で仕上げられた岐阜提灯で、和紙張りの火袋に大きく描かれた芙蓉の花や、足にほどこされた2色の蒔絵が特徴となっています。
電気をつけると空気が暖められて回転灯が回りはじめ、美しい絵模様が浮かびあがります。長期間使わないときなどに役立つ盆提灯用の防虫剤つきです。
モダンなデザインが決め手
伝統的なお仏壇だけではなく、現代的なリビングやモダン空間にも合う洗練されたデザインの「盆提灯」です。和紙を使った火袋には、上品で美しい桔梗菊(ききょうぎく)が描かれています。
組み立てる必要はないので設置はかんたん。電源を入れてライトを点けると回転灯が回るので、幻想的な光を放ちます。スリムな本体は精霊棚や祭壇に提灯を飾りたいときにも適しています。
インテリアにもなるスタイリッシュなデザイン
机の上などにも手軽に置くことができる、高さ30センチのコンパクトな「盆提灯」です。竹材の骨組みが特徴的で、スイッチを入れると回転灯がまわりながら、幻想的な光と空間を演出します。
スタイリッシュなデザインなので、おしゃれなインテリアとしても楽しめるでしょう。手元で電源の操作ができる中間スイッチつきです。
「盆提灯」のおすすめ商品の比較一覧表
盆提灯に関するQ&A
盆提灯はいつから飾ればいいの?

一般的には、迎え盆の13日から送り盆の17日まで飾って、17日中に片づけることが多いようです。
しかし、盆提灯は先祖を敬い偲ぶ気持ちなので、長い期間設置していても問題はありません。盆提灯は火を灯すタイプとLEDライトでつくタイプがあります。点灯は、迎え盆と送り盆の夜につけて、寝る時間は消すことが多いようです。
盆提灯の処分はどうやるの?

おすすめの処分方法は、近所の寺でお焚き上げをしてもらうことです。
盆提灯は可燃ごみとして処分して大丈夫と言われることがあります。しかし、宗教的な意味合いの強い盆提灯を可燃ごみに出すことに躊躇する人もいます。その場合は、寺によりますが、『お焚き上げ』などの場所があるのでそちらで燃やしてもらいます。お焚き上げに料金が発生することはほとんどないでしょう。お盆の祭壇で一緒に飾ってあった、キュウリやナスなどの精霊馬なども一緒に焚き上げましょう。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 盆提灯の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの盆提灯の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ろうそく&線香のおすすめ特集 【関連記事】
お盆のために早めの準備をしましょう
盆提灯にも多彩な種類があります。新盆や先祖のお迎えなど、それぞれに利用シーンが異なるので用途に合った盆提灯を選びましょう。幻想的な光を楽しみたい方は素材にも注目してみてください。
インテリアにもなる盆提灯は、お盆期間以外でも利用できます。今回ご紹介した選び方を参考にして、目的に合った盆提灯を選んでみてください。
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内装工事の仕事に携わり建築施工管理技士資格を取得。大型商業施設や医療機関のクリーンルーム等の他にも、戸建住宅リフォームの施工管理を務める。一般的な住宅リフォームの他にも、なかなか一般的には分かりづらい断熱や内壁、外壁のリフォームについてのアドバイスや執筆も行っています。葬儀会社で勤務経験があり、数珠の使用および仏具店への発注など深い知見があります。 また、福祉住環境コーディネーターの資格を取得し、今後も需要の高いバリアフリー住宅やリフォームについての解説や執筆等も行っております。