トランシーバーとは? 簡易的な通話ツール
トランシーバーは、送信機と受信機をひとつにした仕組みのハンディタイプの無線機です。スマホとは違い、番号を打ったりアプリを起動させたりする必要がなく、送信ボタンを押すだけでこちらの言葉を複数の相手に対して、リアルタイムで同時に通話ができるコミュニケーションツールです。
トランシーバーには、免許不要ですぐに使える特定小電力タイプと総務省にデジタル簡易無線登録局の届け出が必要なデジタル簡易無線タイプに分かれます。使用用途から欲しいタイプを選んでくださいね。
冬の登山やスノボなどのアウトドアシーン時の連絡用として使えるだけでなく、地域のお祭りや行事などのイベントでも大活躍してくれます。メーカーやモデルによって、機能性や通信可能な距離も異なってくるので事前に確認が必要です。
トランシーバーの選び方 電源方法や可能距離で
ここでは、トランシーバーを選ぶ際のポイントをご紹介します。使用したいシチュエーションや目的などに合わせてトランシーバーを選びましょう。ポイントは以下の6つです。
【1】種類
【2】使う目的に合った通信距離
【3】使用チャンネル数
【4】給電方式
【5】機能性
【6】技術基準適合証明を受けているか
上記のポイントを押さえることで、あなたに合った商品を見つけることができます。ぜひ参考にしてみてください。
【1】トランシーバーの種類で選ぶ
トランシーバーの選び方において大切なポイントのひとつが、利用の用途です。用途によりどのくらいの範囲や距離感で使用するかが決まってくるので選ぶうえでの大きなポイントになります。
商品によってトランシーバーの通話できる距離が異なるので、利用したいシーンを考えてみましょう。
免許不要ですぐに使える特定小電力タイプ
接客業や比較的近距離で使用したい場合は、特定小電力トランシーバーを使用しましょう。特定小電力トランシーバーは、面倒な手続きや資格を必要としない手軽な無線機です。通信範囲は、機種によりますがおおよそ数百メートルまでです。
長距離での通信はできませんが、音質がよく音割れがしにくいという特徴があります。近距離での通話に適しているので、家族や友達の集まり、室内での接客で使用することも可能でしょう。ただし、近距離でも壁やフロアをまたぐ通話には向きませんのでご注意を。
登録が必要で幅広く使えるデジタル簡易無線タイプ
長距離での通話や壁やフロアをまたいだ通話には、デジタル簡易無線トランシーバーがおすすめです。出力を調節することが可能で、高出力に設定すれば屋外ではより遠くまで使用範囲を伸ばすことができ、屋内では壁越しでも声が届きます。
電波が強力なため、利用にあたっては、登録手続きや免許を受ける必要がありますが、手軽に使いたい場合は、登録のみで使える機種を選びましょう。登録は、使用開始日から15日以内にデジタル簡易無線局の登録申請を行います。申請を怠ると電波法違反となるのでご注意ください。
通信距離は、機種や見通しにも左右されますが、おおよそ数キロメートルまでとなります。ハイキングやスノボ・雪山といったアウトドアやツーリング・ドライブなど、長距離で連絡を取り合うシーンで活躍してくれるでしょう。
高出力で通信ができるデジタル簡易無線トランシーバーは、災害時にも有効です。万が一にも備えるのであれば、できるだけ通信距離の広いタイプを選んでおきましょう。
通信距離を気にせず使うならLTE無線機
通信距離が長いと電波が途切れてしまうのが心配なら、LTE無線機タイプがおすすめです。携帯電話のサービスエリア範囲なら通信可能になります。免許不要で誰でもすぐに使えます。
ただし、携帯電話のサービスエリア範囲外の場所では通信ができません。山奥などで使いたい場合や、海のうえなどで使いたい場合は向いていません。
【2】使う目的に合った通信距離のものを選ぶ
トランシーバーは商品によって、通話ができる範囲や距離が決まっています。通信の可能距離はパッケージなどに記載があります。使う目的から商品を選びましょう。
キャンプには100m圏内で通話できるもの
キャンプや海などに友人と行くときの連絡用として使うトランシーバーは、100m圏内の通話できるタイプを選びましょう。比較的安価な商品が多いので、はじめての人でも手が出しやすいはずです。
スカイダイビングなどのマリンスポーツには、航空用のチャンネルが対応していないことがあるので予め確認が必要です。
登山やツーリングには1㎞程度のタイプを
登山やツーリングなどは、仲間同士でも距離が離れてしまうこともあるので、通信距離が1㎞程度のタイプを選びましょう。登山は高低差があるので、もし遭難にあっても通話ができる通信可能距離が必要です。
イベントや仕事用はその場に応じて!
イベントや仕事用として使う場合は、連絡をとる人と自分の距離で変わります。相手との距離が近いときは、100m圏内で通話ができる特定小電力タイプで十分です。
災害などの非常用としては、通話距離が1km程度の広範囲に通話ができるデジタル簡易無線機を選びましょう。万が一の時に備えて、バッテリーも持っておくと便利です。
【3】使用チャンネル数をチェック
トランシーバーでは、使用可能なチャンネルがいくつか設定されています。グループ全体の人数が多くてもグループごとにチャンネルを別にして使用すれば、同じチャンネルの人同士だけで交信することができます。
またたくさんのグループがそれぞれの周波数で利用する可能性があるイベントなど電波が混雑しやすいシーンでも、混雑する周波数を避けてチャンネルを選ぶことができます。
【4】給電方式を確認
トランシーバーの主な電源は電池式か充電式です。それぞれ環境や使い方によって向いているタイプが異なるので、違いを確認していきましょう。
緊急時でも使える電池式
トランシーバーを充電できない環境で使いたいなら、電池式のものを選びましょう。とくに屋外のイベントなどでは、なかなか電源を確保するのが難しいですよね。接客業やデパートなど屋内であれば問題はありませんが、電源の確保が難しく充電ができないのであれば電池式がおすすめです。
万が一電池が切れてしまったとしても、予備の電池をあらかじめ所持しておけば再度トランシーバーを使うことができます。また電池式のトランシーバーは充電の手間がないため、気軽に使えるのもポイントです。
コスパ重視なら充電式
コストをおさえたいのであれば、充電式がおすすめです。電池代がかからないので、電池式よりもコストをおさえられるでしょう。コンセントだけではなくUSBにつないで充電できるものもあります。パソコンにつないで充電したり、モバイルバッテリーから充電したりと便利に使えるでしょう。
長時間の使用や出力が大きいものだと消費電力が大きくなるので、予備のバッテリーを用意しておくと安心です。
【5】機能性で選ぶ
使う場所に合わせて、必要な機能性を確認するようにしましょう。
防水性を確認
業務用やレジャーなどを問わず、屋外で使うなら防塵・防水機能がついたものがよいでしょう。また、ほかの作業をしながら使いたいならハンズフリー機能があると便利です。ほかにもオートパワーオフやチャンネルのオートスキャンなど、使用用途に応じて使い勝手のいい機能を選びましょう。
互換性があるかを確認する
特定小電力トランシーバーとデジタル簡易無線のようにタイプが違うと同じチャンネルが選べても互換性はなく通話はできません。また同じタイプのトランシーバーで機種が違う場合でも通話ができるものとできないものがあります。台数を買い足していくことがありうるようなときには、互換性の高い機種をあらかじめ選んでおくほうがよいでしょう。
【6】技術基準適合証明を受けているか確認
購入予定のトランシーバーが「技術基準適合証明」を受けているのか確認しておきましょう。技術基準適合証明とは、特定無線設備が電波法令において一定の技術基準に適していることを証明するもの。無線局として免許取得または技適マークを取得していなければ、電波を出せないというわけですね。
万が一、それらの認証を受けていない状態で使用すると電波法違反となりますので、ご注意ください。
使用目的や使用シーンを考慮して選ぼう IT・家電ジャーナリストよりアドバイス
トランシーバーは免許不要で手軽に使える特定小電力タイプと、免許もしくは登録が必要なデジタル簡易無線タイプの2種類に分かれます。レジャーや店舗内などで利用し、長距離通信が不要であれば、特定小電力タイプを選んでおけば問題ありません。
手に持って使う場合や、体に装着してインカム経由で使う場合など、ケースによって適切なモデルが異なりますので、まずはどのような用途、スタイルで利用するかを想定してから選ぶことをおすすめします。
トランシーバーおすすめ7選【特定小電力|免許不要】 手軽に使える
トランシーバーのおすすめ商品をタイプ別にご紹介していきます。使用したいシーンや活用人数などを考えながら、自身にあったものを選びましょう。各トランシーバーの特徴や、注目したい魅力的なポイントについてまとめているので、ぜひ参考にしてください。
超小型! 親指サイズのミニトランシーバー
親指サイズの小型トランシーバー。回転クリップが付属しており服に掛けて使えるため、ビジネスシーンでも使いやすいでしょう。また、重量も非常に軽いのでファストパッキングスタイルの登山でも活躍してくれます。
本体が2台とストラップ、ACアダプターがセットになった商品なので、届いたその日から使うことが可能です。
トランシーバーとしては値段も比較的安い価格帯なので初心者にもおすすめです。
通信性能を高めた防塵防水ロングアンテナモデル
IP67相当の防水・防塵トランシーバー。防水コネクタ採用で、外部のマイクを接続したとしても防水性が損なわれません。屋外の作業や工場内作業、店舗内での事務作業などさまざまなシーンで活用できます。
通信範囲を重視したロングアンテナモデルなので、特定小電力タイプながら市街地でも約100~200mの範囲で通話可能です。気軽に使える広範囲トランシーバーをお探しの方におすすめ。
豊富なチャンネルで複数グループと通話可能
20チャンネルに対応したモデル。豊富なチャンネル数で、大人数のイベントであってもこまかいグループに分けて通話ができます。
VOX機能がついており、ハンドフリーで使用可能。送信ボタンを押さなくてもマイクに向かって話すだけで自動で通信してくれます。トランシーバー初心者でもかんたんに使用できておすすめです。
高性能でクラス最高レベルの大音量とクリアな音質
BTL回路を採用することで、従来機の約3.3倍にあたる400mWの音声出力。大音量でも聞き取りやすいクリアな音質も魅力。
ほかの人から接続チャンネルが分からないようにする「チャンネル非表示機能」や、かんたん操作で空きチャンネルを探せる「空チャンネルサーチ機能」など、便利な機能を数多く備えています。忙しい現場でも使いやすい、業務用におすすめのトランシーバーです。
驚くほどコンパクト! USBで充電可能
非常にコンパクトなトランシーバーです。手のひらサイズで、胸ポケットにしまっていても邪魔にならないでしょう。
USB充電に対応しているので、コンセントだけではなくパソコンやモバイルバッテリーから充電が可能です。持ち運びやすくどこでも充電ができるので、親子で買い物に行ったときの連絡用としても便利です。
長時間身につけても気にならない薄型・軽量ボディー
高水準の耐久性が特徴。IP67規格の防塵・防水性能に加え、アメリカ国防総省の物資調達基準に相当するテストをクリアするほどの堅牢性を誇ります。粉塵が飛ぶような屋外でのハードな作業でも活躍してくれます。
また、緊急呼び出し機能を搭載しており、特定の無線機をすぐに呼び出すことが可能です。監督者を緊急呼び出し先に設定すれば、効率的かつ安全に作業をおこなえるでしょう。
襟元に装着できるほどの小型ボディー
襟元に装着できるほどの超小型トランシーバー。ハンドフリーで会話できるVOX機能も搭載しているので、まるでイヤホンマイクだけで通話しているかのような使い心地です。
コールバック機能がついており、送信時に自分の声をイヤホンで聞くことができます。相手にしっかりと聞こえるか確認しながら話せるため、伝達ミスをおさえられます。
トランシーバーおすすめ1選【デジタル簡易無線|免許必要】 ビジネスシーン向き
高い堅牢性で仕事にレジャーに大活躍
コンパクトサイズながら送信出力は2.5Wで広範囲での通話が可能。加えてオートチャンネルモードを搭載しているので、イベントなどでたくさんの人が無線を利用している際などには特に便利さを実感できます。防塵・防水性能はIP67、屋外でもタフに使用が可能です。イヤホンやスピーカーマイクなどアクセサリーも充実しています。
「トランシーバー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする トランシーバーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのトランシーバーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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まとめ
本記事ではトランシーバーの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。
自分が使用したいのはどんな場面なのか、距離感はどのくらいなのかなどを、具体的にイメージしながら購入することをおすすめします。サイズ感や電源によっても使い心地は異なるので、チェックしておきましょう。
ご紹介したポイントを意識して、ご自身に合ったトランシーバーを探してみてくださいね。
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