フットヒーターの選び方 形状、発熱体、電源コードの長さ、安全機能をみる

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寒い日は足元から温まりたいですよね。フットヒーターを選ぶときのポイントはどのようなものがあるのでしょうか?
一口にフットヒーターは、足を入れて使うブーツ型、足を上に置くシート型、足の周囲を覆うパネル型など、形も種類もさまざま。多様なメーカ各社から、数多くの商品が発売されています。
ここではプロの家電販売員のたろっささんに、自分に合ったフットヒーターを選ぶための3つのポイントを聞いてみました。自宅かオフィスかといった使用シーンを考えながら、用途に応じたフットヒーターを見つけましょう。
用途に合わせて、機能や形状を選ぶ 2Wayタイプ、デスクパネルタイプ、シートタイプ、ブーツタイプなど
まずは、フットヒーターをどのようなシーンで使いたいのかを決めましょう。自宅でリラックスする際に使うのか、オフィスでのお仕事中なのか条件によって、選ぶアイテムが変わってきます。
オフィスで使用しやすいのは、持ち運びや収納に便利なコンパクトなサイズのもの。足元を温めるだけではなく、ちょっとした暖房器具として使える2WAYタイプもあります。足湯のように、体の芯から温まる遠赤外線効果をセレクトすることも選択肢のひとつです。
自宅用の場合は、自分ひとりで使うのか、家族みんなで使うのかなどを考慮してぴったりのアイテムを見つけましょう。
温まり方は発熱体で変わる 石英管タイプ、ハロゲンタイプ、マイカタイプ、シリコーンゴムタイプの違い
フットヒーターを購入する際、さまざまな商品があるため、どの商品が自分に合った使いやすいものなのかを見極めるのが難しいと思います。そこで、まずは「発熱体」と「電気代の目安」を検討してみましょう。
石英管タイプ 低コストな商品が多い
耐熱性のある「石英管」と言われるガラスを使っており、ガラスの内側には渦巻状に固定された電熱線が固定され、この部分に、電気が通ることで発熱してくれます。
構造が比較的かんたん、低コストで作成できるものの、衝撃にとても弱く、間違えてコードに足を引っ掛け倒しただけで、故障になる可能性があり、使う際には細心の注意をしなければいけません。
ハロゲンタイプ 即暖性が高い
ハロゲンヒーターなどにも使用されていて、石英管タイプと似た構造をしていますが、ガラス内にハロゲンガスが注入されている点が、異なります。
スイッチを入れるとすぐに暖めることが可能で、高温なのがポイント。反面、商品電力が高くなる、あまり寿命が長くないなどの理由から、現在は主流ではありません。また、お子さんがいる家庭では、火傷などに気をつける必要があり、その場合には、あまりお勧めできるタイプではありません。
マイカタイプ 薄さと即暖性が魅力
薄いパネル状素材のマイカを使用した暖房タイプの特徴は、即暖性にすぐれていること、面状なので温まり方が均一であることが挙げられます。
また、コンパクトなサイズの商品が多く、持ち運びやすい点も自宅やオフィスで移動しながら使う場合に、うれしいポイントです。
シリコーンゴムタイプ さまざまな形状に対応可能
シリコーンゴムを発熱体に使用し、耐熱性にすぐれたこちらのタイプは、柔軟性とさまざまな形状の発熱体に対応できるのが特徴。なお、シリコンゴムは均一に温めるパネル状、工業用に利用されることが多いコード状の2つに分類されます。一般用にはほぼ使われることがないので、選択肢が少ない点は悩みどころです。
必要な長さの電源コードがあるかを確認する 1m~3m程度あると安心
買った後で後悔することとして案外盲点となるのが、電源コードの長さです。オフィスやデスクまわりならそれほど長い必要はありませんが、メーカーや商品によって、電源コードの長さは1m~3m程度のものまで、幅広い長さの電源コードがあります。使いたい場所の近くでコンセントがさせるなら、1.5mあれば問題ないでしょう。
ですが、近くにコンセントがない場合もあるので、そのような場合は3mぐらいあると安心です。なので、事前に設置したい場所からコンセントまでの距離をチェックしておきましょう。
もしものときのために、安全機能を確認する サーモスタット機能やタイマーオフ、ヒューズ機能など
熱を発するものなので、つけっぱなしで放置したり転倒したりすると危険です。故障などが原因で火事になってしまったり、つけっぱなしで低温火傷になってしまったりというリスクを回避するためにも、安全装置が完備されているものを選びましょう。
とくに設定しなくてもタイマーで自動に電源がオフになる機能や、万が一故障して高温になりすぎるのを防ぐヒューズ機能など、フットヒーターにどんな安全装置が付いているのかを購入前にしっかりと確認しましょう。
サーモスタット機能 設定された温度以上の上昇を防ぐ
あらかじめ設定した温度よりも高くならないように、自動的に電源のオンとオフを行ってくれるのが、サーモスタット機能です。温度調節が可能な暖房器具のほとんどに搭載され、好みの温度を設定しておくと、その温度を保ってくれるため、自分でオンやオフにする必要がない、便利な機能です。
また、設定した温度よりも高くなることが基本的にないので、ついうたた寝をしてしまい、火事に……を防いでくれるので、安心です。
ヒューズ機能 万が一に備える
設定していた以上に温度が高くなってしまった場合、サーモスタット機能が作動してくれますが、万が一、不具合が発生し、サーモスタット機能が上手く作動しなくなった際、最後の砦になるのが、ヒューズ機能になります。
ヒューズ本体の一部は加熱されすぎると溶けてしまい、強制的に電気が通れなくなるため、1商品1回限りしか作動しません。また、ヒューズ機能が作動した後の商品は電源が入らなくなります。サーモスタット機能同様、ほぼすべての暖房器具に搭載されています。
使うシーンや環境をイメージする プロの家電販売員がアドバイス
プロの家電販売員 兼 家電・ITライター
どのようなシーンでの使用を想定するかが一番重要になってきます。フットヒーターとひと口に言ってもさまざまな形状があり、どこで使うか、なにをメインに考えるかでおすすめできるものは変わります。
自宅である程度リラックスできる状態で使用するなら、足を入れるブーツ型、勉強中や仕事中などで、デスクに向かっているときに使用したいならシートタイプ、ひとりだけでなく数人で使用するならある程度大きなパネル型など、さまざまな種類から一番適しているものを選びましょう。
また、消し忘れ防止の自動電源OFFや転倒時OFF機能などの安全性も配慮されているかどうか、も大事になってきます。
フットヒーターのおすすめ8選 2Wayタイプ、デスクパネルタイプ、ブーツタイプも
さまざまなシーンに合わせて選べるフットヒーターをセレクトしました。自宅のリラックスタイムに使うのか、オフィスや勉強などのデスクワークで使うのか、それぞれの用途にぴったりのアイテムを見つけてみましょう。
プロの家電販売員 兼 家電・ITライター
『アピックス 』は即暖性にすぐれるカーボンを使用しているため、メインの暖房で部屋が暖まるまでのつなぎとして、非常に便利な製品です。
縦置きも可能で、足元だけでなく、座っている場所の近くに置いて身体全体を温めることもできます。最大でも400Wの使用なので、ほかの高出力な家電と併用してもブレーカーが落ちづらくなっているのが大きな利点です。

アピックス『2wayカーボンヒーター(ACH-668)』
















出典:Amazon
サイズ | (約)幅45.9×奥行17.9×高さ19.8cm ※横置き時 |
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コード長 | 約1.8m |
消費電力 | (強)400W、(弱)200W |
安全装置 | サーモスタット(温度過昇防止装置)、転倒OFFスイッチ |
電気代 | 約10.8円/1時間(強使用時) |
プロの家電販売員 兼 家電・ITライター
「プリズメイト」は消費電力が最大でも60Wと非常に省エネになっており、1時間でおよそ2円弱しか使用しないのは大きな魅力です。
人感センサーを搭載しており、消し忘れの心配がなく、小さいお子さんやペットがいても、安心して使用できます。

PRISMATE(プリズメイト)『人感センサー付 フットヒーター(PR-WA009)』






出典:楽天市場
サイズ | 幅33×奥行26×高さ3.2cm |
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コード長 | 約1.7m |
消費電力 | (約)弱 : 30W、強 : 60W |
安全装置 | サーモスタット、温度ヒューズ |
電気代 | 約1.62円(強運転時)/1時間 |
プロの家電販売員 兼 家電・ITライター
『メトロ』はインテリア性が非常に高く、フローリング中心のモダンな家と相性抜群です。ハロゲン式なので、カーボンに比べ熱効率が若干落ちますが、その分これだけの大きさでコストパフォーマンスにすぐれているところが大きな利点。
寒い日にダイニングの下などにそっとしのばせておけば家族に喜ばれることでしょう。

メトロ『木枠フットヒーター 手元電子コントローラー式(MFH181ET)』








出典:Amazon
サイズ | 幅46.5(49)×奥行き21.8×高さ10.7cm |
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コード長 | 3m(丸打ちコードタイプ) |
消費電力 | 180W |
安全装置 | 温度ヒューズ、電流ヒューズ |
電気代 | (約)強4.9円、弱0.8円/1時間 |
プロの家電販売員 兼 家電・ITライター
『アルインコ』はコストパフォーマンスにすぐれる良品で、少し肌寒い程度のときはノンヒーターで充分温まりますし、寒い日はヒーターONで使用することで、足元がすっぽりぽかぽかになります。
また、この手の製品は、内側を取り外して洗うことができるかどうかが非常に大事ですが、こちらの製品は外して洗濯機で洗えます。清潔に使えてニオイなども気にならないのは大きなメリットです。

Alinco(アルインコ)『ヒーターブーツ(MCB006)』












出典:Amazon
サイズ | 幅27×奥行28×高さ18cm |
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コード長 | - |
消費電力 | 9.5W |
安全装置 | 電源オートOFF |
電気代 | 約4円/月(1日30分使用) |

Panasonic(パナソニック)『デスクヒーター(DC-PKD4)』

出典:Amazon
サイズ | (約)幅45×奥行30×高さ48cm |
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コード長 | 1.8m |
消費電力 | 165W |
安全装置 | 温度制御(サーモスタット) |
電気代 | 約4.5円/1時間 |
DOSHISHA(ドウシシャ)『足元ヒーター(CHMT-011)』










出典:Amazon
サイズ | (約)幅33×奥行20×高さ28.5cm |
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コード長 | 約1.8m |
消費電力 | 130W |
安全装置 | 転倒OFFスイッチ、温度ヒューズ、サーモスタット |
電気代 | 約3.5円/1時間 |
Fujika(フジカ)『スマーティ レッグホット(LH-2型)』






出典:楽天市場
サイズ | (約)幅43×奥行38×高さ47cm |
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コード長 | - |
消費電力 | 186W |
安全装置 | 二重安全装置(主電源、ヒーター) |
電気代 | 約5円/1時間 |
椙山紡織『ホットマルチヒーター(SB-MH801)』














出典:Amazon
サイズ | ヒーター:幅38x奥行38cm、カバー:幅42x奥行42cm |
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コード長 | 電源側約1.9m+本体側約0.6m |
消費電力 | 強:約12W、中:約7W、弱:約2W(1時間あたり) |
安全装置 | 切り忘れ防止タイマー |
電気代 | 強:約0.3円、中:約0.2円、弱:約0.1円(1時間あたり) |
「フットヒーター」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする フットヒーターの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのフットヒーターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかのヒーター関連の記事はこちら 【関連記事】
ライフスタイルにあったフットヒーター選びを
1)オフィス用や家庭用など使用シーンに合わせた形状を選ぶ
2)電源コードの長さが充分にあるかチェックする
3)転倒や過加熱などに対する安全機能があるものを選ぶ
4)携帯性を重視するか、据え置きタイプとしての機能を重視するかを決める
紹介したフットヒーターは、さまざまな用途にフィットするように幅広いバリエーションのものをピックアップしています。この機会に、自分のライフスタイルに合ったフットヒーターを見つけて、寒い冬でもぽかぽかと温かい足元を満喫しましょう。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/11/11 一部修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 横尾忠徳)
家電量販店、家電情報ブログ「家電損をしない買い方をプロの販売員が教えます」を運営するプロの現役家電販売員。 学生時代から家電に対する並々ならぬ興味を持ち、アルバイトを経てそのまま家電量販店の道へと進んで15年弱。 個人で年間2億円を売り上げ、数々の法人内コンテスト等で表彰された経験を持っています。 家電アドバイザーの資格を有し、家電と名の付く物全てに精通しています。家電で分からないことはありません。 現在は家電ライターの業務も通して「全ての人が平等に良い家電に巡り会える機会の提供」に尽力しています。