ラミネートフィルムとは

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「ラミネートフィルム」とは、ラミネート加工をするために使われる薄いフィルムのこと。接着剤が塗られた合成樹脂のフィルムで、熱を加えると溶けてのり状になり、冷めると透明なままかたくなります。なかには熱を加えなくても使えるものもあります。
ラミネートフィルムを使って加工すると、紙などの薄い原稿もプラスチックのような仕上がりになり、水や汚れ、折れ曲がってしまうことを防いで長い間きれいな状態を保てます。
また、フィルムの光沢感で色味が鮮やかになり、加工しない状態よりも見栄えがよくなるというメリットもあり、お店のメニュー表やPOPなどでも使用されているので目にすることが多いです。
ラミネートフィルムの選び方
それでは、ラミネートフィルムの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】サイズから選ぶ
【2】フィルムの厚みから選ぶ
【3】仕上がりタイプから選ぶ
【4】メーカーから選ぶ
【5】ラミネーターなしで使えるタイプを選ぶ
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】サイズから選ぶ
ラミネートフィルムを選ぶときは、サイズをかならずチェックしましょう。専用機であるラミネーターを使って加工する場合は、機種によって対応するフィルムサイズが決まっているので注意が必要です。せっかくフィルムを買ったのに、ラミネーターが対応していないサイズで使えなかったということにならないように注意しましょう。
「名刺サイズをラミネートしたいけれど、フィルムは小さいサイズを選ぶべき? 」と悩んだ場合は、ラミネーターに対応している範囲で大きめのサイズを選ぶのがおすすめです。ラミネート加工したものは、よほど厚みのあるものでなければハサミで切ることもできます。一度に複数枚の原稿を加工してカットすれば、作業効率アップにもつながりますよ。
A3サイズ対応のラミネーターであれば、A4サイズや写真用のサイズなども使用できます。ラミネーターがどのサイズまで対応しているかはきちんと確認するようにしましょう。
【2】フィルムの厚みから選ぶ
ラミネートフィルムを選ぶときは、厚みの違いにも着目しましょう。使用するフィルムの厚みによって、加工物の強度や耐久性が変わってきます。厚さの単位はミクロンで、一般的に使用されることが多い100ミクロンが0.1mmの厚さです。
フィルムのサイズと同じで、ラミネーターごとに対応できるフィルム厚が決まっています。かならず確認してから選ぶようにしましょう。
▼100ミクロン=0.1mm|もっとも一般的な厚み
もっとも一般的なのが100ミクロンです。「ラミネーターの対応する厚みがわからない」「どんな用途で使うかはっきり決まっていない」そんなときは100ミクロンを選んでおけば、ほぼ間違いないでしょう。ベースになる厚さなので、1種類の厚みにしか対応していないお手ごろ価格のラミネーターでも使用可能です。
100ミクロンなら加工後もわりとやわらかめ。ハサミやカッターでかんたんに切れるのもメリットです。複数を一度にラミネートしたものを切り分けたり、安全のために角を落とすのもラクにできます。種類も豊富で値段も手ごろな価格で手に入るので、迷ったらこの厚みを選ぶのがおすすめです。
ただし、耐久性を重視する場合は不向き。すき間から水が入ってきてしまうこともあります。長期保存したい場合や、屋外の掲示物などの加工には、もう少し厚手のタイプを選んだほうがよいでしょう。
▼150ミクロン=0.15mm|メニューやPOP向き
100ミクロンよりもやや厚手で、ほどよいかたさを感じられます。閲覧用のパンフレットやお店のメニュー表などを加工した場合でも、反りにくく見やすいでしょう。耐久性もあるので、長期保存したい書類や写真を加工したり、屋外での使用にも対応できます。
多少厚みはありますが、こちらもカッターなどで切れるので使い勝手もいいですよ。家庭用のラミネーターでも150ミクロンまで対応しているものもあるので、100ミクロンで物足りない場合は150ミクロンを選ぶとよいでしょう。
▼250ミクロン=0.25mm|下じきのようなかたさ
屋外で使うものを加工するなら、250ミクロンがおすすめです。耐久性もよく、水の侵入をしっかり防いでくれます。仕上がりはまるでプラスチック製の下じき。ただし、この厚みには対応していないラミネーターも多いので確認してから買うようにしましょう。
▼350ミクロン=0.35mm|業務用! 看板などに
ラミネートフィルムのなかでもっとも厚いタイプです。プラスチックの板のようなかたい仕上がりで、看板やプレートにも使えます。
一般的な家庭用ラミネーターでは対応できない厚みなので、業務用として使われることが多いでしょう。
【3】仕上がりタイプから選ぶ
ラミネートフィルムには、どんな仕上がりにしたいかによって2タイプ用意されています。目的に合わせたタイプを選びましょう。
▼グロスタイプ|写真やイラストに
ラミネートフィルムのベーシックなタイプは、ツヤの出る「グロスタイプ」です。パッケージに記載がない場合もこちらのグロスタイプの商品を指します。
光を反射するので、印刷物やイラストを加工すると、加工前の状態に比べてより鮮明で見栄えがよくなるのが特長です。掲示物などもぱっと目を引くようになりますし、手書きのイラストや写真も色鮮やかでうつくしい仕上がりになります。
▼マットタイプ|メニューやパンフレットに
お店のメニュー表や掲示物などは、ライトが反射すると見づらくなってしまうもの。文字を読ませたいものを加工するときは光の反射を抑えてくれる「マットタイプ」がおすすめです。
また、ツヤを消した落ち着いた雰囲気に仕上げたいときや、加工するものの色味や風合いをそのまま活かしたい場合にも適しています。
【4】メーカーから選ぶ
ラミネートフィルムを選ぶとき、ラミネーター本体と同じメーカーのものを選ぶひとも多いかもしれません。実際に同じメーカーのものを使用するよう本体に注意書きされている場合がありますが、ほとんどの場合で他社メーカーのフィルムでも問題なく使用できます。
ラミネートフィルムは多くのメーカーで取り扱っています。近ごろは100円均一ショップでも見かけるようになりました。しかし、ラミネートフィルムはメーカーによって品質や価格もさまざまです。
格安で販売しているメーカーのなかには、あまり質のよくないものも。きちんとしたメーカーのものを選んだほうが、うまく加工できないといった失敗が減って、結果としてコスパがいいという場合もあります。
【5】ラミネーターなしで使えるタイプを選ぶ
ラミネーターを頻繁に使わないけれど、イベントごとで限定的に使いたいという方もいるでしょう。そんなひとにおすすめなのが、ラミネーターのいらない手貼りタイプのラミネートフィルム。
熱処理が必要ないコールド用のラミネートフィルムなら、ラミネートの機械がなくてもかんたんにラミネート加工ができます。
エキスパートのアドバイス
信頼のおけるメーカーから選びましょう
海外ブランドの激安フィルムなども多く販売されていますが、なかには品質に問題があるものもあります。あえて冒険するつもりがなければ、ここで紹介するしっかりとしたメーカーから選びましょう。
また、手貼りフィルムが流行っています。初めて使う方は、ここで紹介されている空気が抜けるA-oneのフィルムだと、失敗が少なくおすすめです。
おすすめ5選|A4サイズ
一番ベーシックなA4サイズのラミネートフィルムのなかから、おすすめの商品をラインナップしました。機能の違いにも着目して比べてみてください!
ツヤあり・ツヤ消しどちらにも使えるリバーシブル
ラミネートフィルムは100枚単位で売られていることも多いもの。グロスタイプ・マットタイプどちらも使いたいひとには、この片面マットのフィルムがおすすめです。
光の反射を防いで、文字を読ませたいものを加工するときにはマット面を、鮮やかで目を引く掲示物を作るときにはグロス面を。用途に合わせて使用する面を選べば、わざわざ2種類のフィルムを用意しなくてもぴったりの仕上がりにできます。
水や汚れからも守れる!
張りやツヤを与えて写真をキレイに保存することができます。メニューやパンフレットのラミネートに最適で、インクジェットプリントにも対応しています。比較的値段も安いので業務用として使うのもおすすめです。
また、A4サイズだけでなくはがきや写真サイズ、A3サイズも展開してるのでせひ、チェックしてみてください。
A4ジャストサイズにラミネートできる
ラミネートフィルムは原稿に対して少し余白があるものですが、こちらは余白部分を少なめにして原稿にジャストフィットするように設計された商品。掲示物の作成や飾っておきたい写真など、ふちの部分が多いと邪魔に感じてしまうことも。余分なところが少ないすっきりきれいな仕上がりになります。
グロスタイプのフィルムですが、油性ペンであればフィルムの上から文字を書き込めるのもうれしいポイント。こすっても落ちないほどしっかり定着するので、加工したあとに書き込みをしたいひとにもおすすめです。
薄くて軽いから持ち運びに便利!
このラミネートフィルムは一般的な100ミクロンよりも薄い75ミクロンです。薄くて軽いので、イベントや仕事先で資料が多くなってもラクに持ち運べます。
耐久性をそれほど求めないなら、薄手タイプのほうが便利です。厚手のフィルムは量が増えると重くてかさばるデメリットがあるので、厚みを抑えたい、地球にもやさしい製品を使いたいという方にはこちらがおすすめです。
おすすめ3選|高品質
きれいに仕上がるかどうかは、フィルムの質によっても差が出ます。高品質できれいな仕上がりが期待できるラミネートフィルムをラインナップしました。
フジプラ『ラミネートフィルム A3(F210-303426)』
おすすめ3選|手貼りタイプ
「たくさん加工する予定はないけど、ラミネート加工したいものがある」「とにかく一回ラミネートをしてみたい」そんなときはラミネーターなしで使えるラミネートフィルムが便利です!
熱処理が必要ないコールド用のラミネートフィルムを紹介します。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ラミネートフィルムの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのラミネートフィルムの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ラミネートフィルムの使い方
ラミネートフィルムの使い方と上手なセット方法をご紹介します。
ラミネートフィルムの基本的な使い方はラミネートしたい物をはさむだけです。セットするときのポイントは、はさみたい物はシール辺(接続部)の奥まで挿入するようにしましょう。余白を3mm~5mmくらい均等にとるときれいに仕上がります。また、ラミネートを行う際はシール辺からラミネーターに入れていきましょう。
ラミネーターを使う際は十分に余熱を行い、挿入時は真っすぐに挿し込むことで上手に仕上がりますよ。
おすすめのラミネーターをご紹介! 【関連記事】
選び方についておさらい
1、ラミネーターに対応しているサイズかどうかチェック
2、手持ちのラミネーターに対応したフィルム厚のものを選ぶ
3、フィルム厚によって仕上がりの強度や耐久性が変わるので目的に合ったものを選ぶ
4、鮮やかな見栄えを重視するなら「グロスタイプ」、文字を読ませるなら「マットタイプ」
5、メーカーもチェック
ラミネートすることで、大切な書類などを水やよごれ、劣化を防いできれいな状態を維持することができます。使ってみるととても便利なラミネートフィルム。ぜひ活用してみてください。
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デジタル系トレンド情報誌の編集者を経て、フリーランスの編集ライターへ。 テレビやデジタルカメラ、スマートフォン、ドローンなどのデジタル製品を中心に執筆。 生活家電専門サイト『家電 Watch』の、編集記者でもある。