MSRテントの選び方 シリーズから選ぶ、前室の広さ、耐久性をみる
キャンプライターの中山一弘さんに、MSR製テントを選ぶときのポイントを教えてもらいました。

Photo by Jonas Verstuyft on Unsplash
MSR製テントの軽量・コンパクトな特徴を生かせば、このようなスペースのない場所でもテントを設営することができます。
キャンプ内容や季節に合わせて3つのシリーズから選ぶ バックパッキングテント・ミニマリストシェルターズ&ウィングス・オールシーズンテント
キャンプ/釣りライター
1969年の創業当時は雪山向けの登山製品の開発からスタートしたMSRですが、現在では登山を中心により広範囲のアウトドア活動で使える、快適で信頼性の高い製品を生み出し続けています。
テントについては、現在ではバックパッキングテント・ミニマリストシェルターズ&ウィングス・オールシーズンテントの3シリーズを中心に構成しています。
さらにプロフェッショナル向けもあり、トレイルハイクを楽しむバックパッカーから、極地などでの長期遠征にも耐える製品まで幅広いラインアップです。
一般ユーザーであれば、泊まる場所がキャンプ場なのか登山でのテント場なのかや、冬季にも使用するかどうかなどで選んでいけばよいでしょう。
MSR『ハバハバNX』
2人が向かい合って座れる広さと高さを備え、軽量化しながら快適な居住スペースを確保。ハブとスイベルで連結した一体型のポールで、スムーズな設営を可能としている。
>> Amazonで詳細を見る前室の広さで選ぶ ソロキャンプなどでも使いやすいものを
キャンプ/釣りライター
MSRテントは登山向けのテントとして有名ですが、それは軽量で機能性に富むということと同じ意味でもあります。
また、かつてその優美さで名をはせたMOSSテントの流れをくむだけに、ピンと張ったときの美しさは所有欲を満たすという点でも評価が高いものです。
一般のキャンプ場でソロキャンプをするような場合でも、自分のテントを眺めながらくつろぐだけで楽しいという人もいるほどです。
バイクツーリングなどでは、それほど重量にシビアになる必要もありませんが、MSRテントは基本的に軽量・コンパクトなので、徒歩で背負っていく場合も前室の広さなどで比較していくとよいでしょう。
MSR『スルーハイカーメッシュハウス1』
ミニマリストのための軽量なメッシュシェルター。タープなどを組み合わせて使っても、軽快に持ち運びできる。
>> Amazonで詳細を見るしっかりした作りの耐久性で選ぶ 安価なモデルは避けるべき
キャンプ/釣りライター
「ウルトラライトハイク」という言葉に代表されるように、最小限の装備で自然と触れ合うのを楽しむ人が増えています。
装備の総重量に大きな影響のあるテントを軽量化すると効果大なので、MSRテントは有力な選択肢になるでしょう。
ただ軽いだけでは強度に問題がある製品もありますが、しっかりした作りのMSRテントなら安心です。
長く使えて風雨にも壊れない耐久性も重視するなら、やはりしっかりした製品を選ぶべきです。
実際に使っていくうちに、安価なモデルとは根本的にモノが違うことがわかると思います。タープ泊などを好むミニマリストにも最適です。
MSRテントのおすすめ12選 人気のハバハバ、エリクサーほか、カマボコテントタイプも
ここまで紹介したMSRテントの選び方のポイントをふまえて、キャンプライターの中山一弘さんに選んでもらったおすすめ商品、編集部で選んだ商品を紹介します。

MSR『ハバハバNX』
















出典:Amazon
シリーズ | バックパッキング |
---|---|
サイズ/総重量 | 279×213×100cm/1760(最小1600)g |
収納サイズ | 46×15cm |
フライ材質/耐水圧 | 20Dリップストップナイロン 耐水圧1200mm |
フロア材質/耐水圧 | 30D リップストップナイロン 耐水圧3000mm |
自立 | ◯ |
定員 | 2人 |
バランスのとれた万能モデル
1人用のハバNXというモデルをベースに、2人用に拡張したのがこのハバハバNXです。
ハバシリーズはMSRテントのベストセラーモデルであり、居住性と重量などのバランスがよいものです。
最軽量というわけではありませんが、バックパッカーなどにも使いやすい魅力的なモデルです。1人でもゆったり使いたい場合には、このモデルを選択するのもアリです。
航空機グレードの強靱な新素材ポールの採用や、レインフライとフロアにも新しいコーティング技術が投入され、耐水性・耐久性が向上しています。
一般的に防水目止めに使うシームテープも不要とすることで、経年劣化の要素も減らしています。初めてMSRテントを購入する人には、有力な候補となることでしょう。

MSR『ハバツアー2』














出典:Amazon
シリーズ | バックパッキング |
---|---|
サイズ/総重量 | 279×223×96cm/2380(最小2190)g |
収納サイズ | 48×17cm |
フライ材質/耐水圧 | 20D リップストップナイロン 耐水圧1200mm |
フロア材質/耐水圧 | 30D リップストップナイロン 耐水圧3000mm |
自立 | ◯ |
定員 | 2人 |
広い前室でゆったり過ごすキャンプにも最適
バックパッキング向けシリーズでは、もっとも広い前室をもつモデルです。バリエーションで他に1人用と3人用がありますが、いずれも前室の広さは同じです。
インナーテント部分のサイズの違いで定員が変わるだけです。前室用のポールが追加されているので、上方向にもゆったり広い空間になっています。ここがハバNXなどとの最大の違いです。
自転車なども寝せた状態なら収納できるほどですが、室内高はあまり高くないのでオートバイまでは入りません。食事を作ったり荷物置き場としては、この前室は魅力的です。
一般のキャンプ場はもちろん、登山というより山のテント場でゆっくりしたいような場合にも、広々スペースは便利です。

MSR『アクセス3』












出典:Amazon
シリーズ | オールシーズン |
---|---|
サイズ/総重量 | 330×213×119cm/2300(最小1990)g |
収納サイズ | 53×17cm |
フライ材質/耐水圧 | 20D リップストップナイロン 耐水圧 1200mm |
フロア材質/耐水圧 | 30D リップストップナイロン 耐水圧 3000mm |
自立 | ◯ |
定員 | 3人 |
冬場のバックカントリーにも安心して使えるモデル
白いレインフライが特徴的なMSRテントですが、オールシーズンモデルはオレンジをベースにしたカラーになっています。これは雪中などでの視認性を高めるためでしょう。
アクセス3はオールシーズンモデルとしては軽量で、短期間の雪山登山やバックカントリースキー、スノボでの使用を想定しています。
雪山で悪天候になった場合は、数日間も停滞するようなことが珍しくありません。そのような状況でも、居住ペースが広く室内高も十分なので、圧迫感が軽減できます。
3人用ですが、2人で使えばスキーブーツやザックなど大きな荷物も余裕をもって収納できるのでおすすめです。

MSR『スルーハイカーメッシュハウス1』

出典:Amazon
シリーズ | ミニマリスト |
---|---|
サイズ/総重量 | 84×223×96cm/410(最小280)g |
収納サイズ | 20×10cm |
フライ材質/耐水圧 | -- |
フロア材質/耐水圧 | 15D リップストップナイロン 耐水圧1,200mm |
自立 | ○ |
定員 | 1人 |
最小限の装備で過ごすミニマリスト向けモデル
本体のみの最小重量がたった280gと、一般的なツェルトよりも軽量なミニマリスト向けのメッシュシェルターです。
本体は防水性のあるフロア部と、上部のメッシュ部で構成されています。四隅をペグダウンしたら、自分のトレッキングポールなどを使って立ち上げます。
日本では晴れた夜でも夜露があるため、実際にはタープなどを組み合わせて使うことになるでしょう。別売りタープのスルーハイカー70ウィングならわずか380gなので、両方持ってもかなり軽量です。
夏場に渓流を遡行する人などは、よくこういう組み合わせのタープ泊を好みます。悪天候が予想される場合を別にすれば、ミニマム志向の人には注目のモデルでしょう。

MSR『ハブ』














出典:Amazon
シリーズ | プロフェッショナル |
---|---|
サイズ/総重量 | 274×366×200cm/22220(最小21770)g |
収納サイズ | 76×46cm |
フライ材質/耐水圧 | 150D ポリエステルリップストップ 耐水圧1500mm |
フロア材質/耐水圧 | 68D ポリエステルタフタ 耐水圧10000mm |
自立 | ◯ |
定員 | 8人+ギア |
ベースキャンプとして使う稀少モデル
実際に世界中の過酷な環境で活躍する、プロフェッショナルユーザーからの意見をもとに開発された製品のなかで、ベースキャンプ用として優れた性能をもつモデルです。
長期遠征にも耐える太いアルミポールで設営するトンネル型で、ヨーロッパで好まれるスタイルです。かがまずに出入りできる入り口や、悪天候で停滞中にも外の様子がわかる窓など、現場で得られた知見が随所に反映されています。
またフロア部の耐水圧が10,000mmと飛び抜けて高いのも、長期間快適に過ごすためのスペックです。このフロアは取り外すこともでき、前後パネルも外せるので大きなシェルターとしても使えます。
そうそうお目にかかれるモデルではありませんが、もしキャンプ場にあったら注目されること間違いなしでしょう。

MSR『アドバンスプロ2』




















出典:Amazon
シリーズ | プロフェッショナル |
---|---|
サイズ/総重量 | 107×208×112cm/1460(最小1320)g |
収納サイズ | 46×15cm |
フライ材質/耐水圧 | 20D リップストップナイロン(2レイヤー透湿性) 耐水圧 1000mm |
フロア材質/耐水圧 | 30D リップストップナイロン 耐水圧 3000mm |
自立 | ◯ |
定員 | 2人 |
狭い岩場でも設営できるプロフェッショナルモデル
登山中のテント泊では、泊地になるスペースがとても狭いこともよくあります。このため、登山用テントは基本的に底面積が小さいものが主流なのです。
ガレ場などでは、本当に1人分ギリギリくらいしかテントを張る場所がないこともあります。出入り口が短辺方向にあるのも、狭い場所でもテントが張れるようにするためです。
また、ペグが使いにくい場所もあるので、ペグダウンなしで自立できるタイプがベストです。
このアドバンスプロ2は、それらの条件をクリアしたうえで、2人用のスペースを確保しています。とはいえギリギリなサイズなので、1人+ザックくらいでちょうどいいかもしれません。
本体は2レイヤーの防水透湿素材を使ったシングルウォールなので、設営・撤収が素早くできます。

MSR『エリクサー4』












出典:Amazon
シリーズ | バックパッキング |
---|---|
サイズ/総重量 | 375×223×121cm/4260(最小3600)g |
収納サイズ | 56×20cm |
フライ材質/耐水圧 | 68D ポリエステルリップストップ 耐水圧1500mm |
フロア材質/耐水圧 | 70D ナイロンタフタ 耐水圧3000mm |
自立 | ◯ |
定員 | 4人 |
MSRテントでもっとも居住性のよい定番モデル
MSRテントのなかでは、最も厚手の生地を使ったモデルがエリクサーです。このため少し重量はありますが、悪天候でも安心してテント内に滞在できますし、長期間の使用でも損耗しにくいのが特徴です。
2本のポールを2回交差させ、天井用に短いポールも使うため、テント側面の立ち上がりが垂直に近い箱形になり、フロアの隅まで有効に使えます。
側面近くでも頭が当たりにくいので、4人で寝ても居住性が確保できます。前後の出入り口と広い前室もあり、登山などではグループの共同テントとして、一般のキャンプでは親子でもゆっくり過ごせるMSRテントの入門用として最適です。
1~4人用の4モデルがあるので、人数に合わせて選べます。
MSR『ツインシスターズ』

出典:Amazon
シリーズ | - |
---|---|
サイズ/総重量 | /1400g |
収納サイズ | 51×15cm |
フライ材質/耐水圧 | 30Dリップストップナイロン 耐水圧 1500mmデュラルシールド・ポリウレタン&シリコンコーティング ポール:70 |
フロア材質/耐水圧 | - |
自立 | - |
定員 | 2人 |
MSR『リモート2』
















出典:Amazon
シリーズ | - |
---|---|
サイズ/総重量 | /3160(最小2950)g |
収納サイズ | 51×17cm |
フライ材質/耐水圧 | 68D ポリエステルリップストップ 耐水圧1,500mm ポリウレタン&DWR コーティング |
フロア材質/耐水圧 | 40Dリップストップナイロン 耐水圧10,000mmデュラシールドポリウレタン&DWRコーティング |
自立 | 可能 |
定員 | 2人 |
MSR『ハバツアー1』






出典:Amazon
シリーズ | - |
---|---|
サイズ/総重量 | /2.32(最小2.03)kg |
収納サイズ | 53×17cm |
フライ材質/耐水圧 | 20Dリップストップナイロン(耐水圧1200mmデュラシールドポリウレタン&シリコンコーティング)、キャノピー/20Dリップスト |
フロア材質/耐水圧 | 30Dリップストップナイロン(耐水圧10000mmデュラシールドポリウレタン&DWRコーティング)、ポール/7000シリーズアル |
自立 | - |
定員 | 1人 |
MSR『ゾイック2』












出典:Amazon
シリーズ | バックパッキング |
---|---|
サイズ/総重量 | 289x223x100cm/2190(最小1970)g |
収納サイズ | 53×13cm |
フライ材質/耐水圧 | 40Dリップストップナイロン 耐水圧1,500mmエクストリームシールドポリウレタン&シリコンコーティング |
フロア材質/耐水圧 | 70D ナイロンタフタ 耐水圧3,000mmエクストリームシールドポリウレタン&DWRコーティング |
自立 | 可能 |
定員 | 2人 |
MSR『マザハバ NX』












出典:Amazon
シリーズ | - |
---|---|
サイズ/総重量 | -/2180(最小1950)g |
収納サイズ | 53×17cm |
フライ材質/耐水圧 | 20Dリップストップナイロン 耐水圧1,200mm エクストリームシールドポリウレタン&シリコンコーティング |
フロア材質/耐水圧 | 30Dリップストップナイロン 耐水圧3,000mmエクストリームシールドポリウレタン&DWRコーティング |
自立 | 可能 |
定員 | 3人 |
「MSRテント」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする MSR製テントの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのMSR製テントの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ペグ類やリペアキットも充実しているので活用 キャンプライターからのアドバイス
キャンプ/釣りライター
ギアロフトや多様なペグなどオプションもチェック!
MSRテントでは、ギアロフトという収納用オプションがインナーテントに後付けできるモデルがあります。各モデルのスペック表に、ギアロフトの取付可否が記載されています。
また、登山用具メーカーならではで、オプションのペグ類も充実しています。硬い地面でも雪や砂地でも、それぞれに応じたMSRカラーの赤いペグがあります。
螺旋形やパンチングで肉抜きしたものなど、ペグでさえ美しいと思わせるものです。一般キャンプ向けより軽量で強度もあるので、行き先に応じて数種類用意しておけば完璧です。
さらにポールが破損したときのリペアキットも充実していて、登山時などには応急用として用意しておくと安心です。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/01 一部コンテンツ修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 横尾忠徳)
青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。 ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。 今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。 キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。