PC用外付けHDDの選び方
それでは、PC用外付けHDDの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つ。
【1】接続の規格の種類
【2】使う場所
【3】耐衝撃性
【4】サポート体制
上記の4つのポイントを押さえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】接続の規格の種類をチェック
現在、外付けHDDのほとんどはUSB接続です。「USB 3.0/3.1 Gen.1」と「USB 3.1 Gen.2」の2種類あり、前者は最大5Gbps、後者は10Gbpsの通信速度に対応。当然Gen.2対応のほうが速いのですが、HDD側だけでなく、PC側も同じ規格をサポートしている必要があります。
もっとも両者には互換性があり、Gen.2に対応していないPCでGen.2のHDDを繋いでもGen.1として利用できますので、将来PCをアップグレードすることを考えて、Gen.2対応製品を買っておくという手もあります。
また、USBより高速で、デイジーチェーン(数珠つなぎ)が可能なThunderbolt接続の製品もありますが、対応PCがまだ少なく、HDD側も高価です。Thunderboltの性能が必要なのはSSDや複数台でのRAID構成のHDDで、普通のHDDにはかなりオーバースペックなので、無理に選ばなくてもいいでしょう。
【2】使う場所をチェック
外付けのHDDには、3.5インチドライブを搭載した据え置きタイプと、2.5インチドライブを搭載したポータブルタイプがあります。
据え置きタイプは容量が大きく、10GBを超えるものも登場しています。ただし、消費電力が高いため、USBケーブルなどから供給される電源では動作せず、別途ACアダプターなどを接続する必要があります。
一方、ポータブルタイプはコンパクトで、製品によっては上着のポケットにも入るほど小さく、またUSBポートから供給される電力で動作するため、モバイル環境でも利用可能です。ただしHDD自体の速度は据え置きタイプで使われる3.5インチドライブより遅く、最大容量も低めで、容量あたりの価格は高くなります。
基本的に自宅や会社で使うなら据え置き型を使い、ポータブル型は大きなデータのやり取りをする場合や、緊急時の起動ディスク(修復ディスク)にするといいでしょう。
【3】耐衝撃性をチェック
ハードディスクは金属製の円盤が高速で回転し、そこに磁気ヘッドがデータを書き込むという仕組みです。精密なパーツが多いだけに衝撃に弱く、書き込み中はもちろん、静止状態でも衝撃は禁物です。とはいえ、ポータブルHDDの場合は持ち歩く機会も増えるため、できるだけ衝撃に耐えうるものを選びたいところです。
ポータブルHDD製品の中には、耐衝撃性を重視したケースを採用しているものがあります。こうしたHDDは普通の製品と比べて、大きく重くなりがちではありますが、ゴムなどを使って衝撃を吸収してくれます。
100%安全とは言えませんが、おおむね机の高さを想定した70〜80cm程度からの落下に耐えるとされています。特に米軍の軍需品調達規格「MIL-SPEC」がひとつの目安になるでしょう。
【4】サポート体制をチェック
衝撃耐性に優れていたとしても、何らかの原因でHDDが故障することもあるでしょう。そうなると、中に保存されているデータも消失してしまう可能性が高くなります。
そうしたトラブルが起こった際に相談できたり、データを復旧させてくれたりするサポート体制が整っていると安心です。商品を選ぶ際は、サポート体制が充実しているかも確認しましょう。
エキスパートのアドバイス
ITライター
購入の目安は「4TB・1万円前後」
外付けHDDには、さまざまな容量の製品があります。大容量のドライブは大量のデータを保存できますが、もし壊れてしまった場合、一度に失うデータの量も莫大なものに。
大容量すぎるデータはバックアップを取るのも大変で、例えば4TBのデータは、最新の4層BD-Rメディア(128GB)でも32枚、12TBなら96枚にもなります。
また、大容量ドライブは高価なので、むしろ手ごろな値段で、そこそこの容量のドライブを複数組み合わせたほうが現実的です。この場合、同じ容量のドライブを丸ごとバックアップ用に用意してもいいですし、写真用、動画用など用途別にして、使わないときは電源を切って片付けてしまえば寿命も長く使えます。
現在は4TBのHDDが1万円前後になっているので、このクラスを中心にすれば安上がりでしょう。
PC用外付けHDDおすすめ14選
上記で紹介したPC用外付けHDDの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。それぞれ容量に違いがあるので、自分の使い方にあったものを見つけてみてください。
Western Digital『WD My Book』














出典:Amazon
G-Technology『G-DRIVE USB-C』














出典:Amazon
USB PD対応でノートPC電源アダプター要らず
Western Digital傘下で、主にMac用周辺機器を販売しているG-Technology社の外付けHDDです。ドライブ側の接続部分はUSB 3.1 Gen.1(USB Type-Cポート)で、さらにUSB PD(Power Delivery)に対応しています。
G-DRIVE USB-CのUSB Type-CポートにUSB PD対応しているノートPCを接続すると、ノートPC側に最大45Wの電力も供給でき、ノートPC側はACアダプターが必要ありません。ケーブル1本で電源もデータも扱えるので、接続がすっきりします。
最初からMac用にフォーマットされていますが、Windows PC用にも再フォーマットすれば利用可能です。MacBookシリーズやUSB PDに対応するモバイルノートPCを使っている方の据え置き用ドライブとしておすすめです。
LaCie『d2 Thunderbolt 3』












出典:Amazon
デイジーチェーンも可能な高速インターフェース対応
現在はSeagate社の傘下にある仏LaCie社が販売する、最大40Gbpsの高速接続「Thunderbolt 3」に対応したHDDです。
Thunderbolt 3はポート形状はUSB Type-Cで、USB 3.1とも互換性がありますが、デイジーチェーン(数珠つなぎ)接続をサポートし、最大6台までデイジーチェーンで接続できます。
また、SeaGate社のエンタープライズ向けHDD「BarraCuda Pro」ドライブを採用しており、高い信頼性を誇ります。その自信からか、保証期間はなんと5年間に達し、故障時の「Rescue」データ・リカバリー・サービスも利用可能です。
価格は同クラスの製品よりやや高めですが、保証内容を含めると納得の価格で、特にプロユースのユーザーにおすすめです。
Silicon Power『Armor A60』




















出典:Amazon
MIL-SPEC準拠の防塵・防水・耐衝撃HDD
Silicon Power(シリコンパワー)社が販売するポータブルHDD「Armor A60」は、接続がUSB 3.1 Gen.1で、容量は最大5TBまで販売されています。
最大の特徴は、米軍の落下試験規格「MIL-STD-810G 516.6 手順Ⅳ(輸送落下試験)」に準拠していることです。頑丈なゴム製ケースは内部にサスペンションを備えており、落下時の衝撃を和らげて内蔵するドライブを防ぐだけでなく、IPX4の防水・防塵性能も実現。野外や工場などの過酷な環境でも内部のデータをしっかり守ります。
保証期間も3年と長く、重要なデータを持ち歩く必要があるモバイルユーザーにおすすめできます。
BUFFALO『RAID1対応 USB3.0用 外付けハードディスク 6TB HD-WL6TU3/R1J』










出典:Amazon
I-O DATA『外付ハードディスク 4TB(HDW-UT4) 』

出典:Amazon
Logitec『外付けハードディスク (USB3.1 3TB LHD-ENA030U3WS)』
















出典:Amazon
I-O DATA『ポータブルHDD HDPH-UT1KR/E(1TB)』

出典:楽天市場
WD『ポータブルHDD WD Elements Portable (2TB USB3.0 ブラック WDBU6Y0020BBK-WESN)』














出典:Amazon
G-Technology『ポータブルHDD 5TB』














出典:Amazon
Seagate『外付けハードディスクドライブ SGD-MY020UBK』

出典:Amazon
BUFFALO『外付けHDD HD-LE4U3-BA』














出典:Amazon
BUFFALO『外付けハードディスク 4ドライブモデル HD-QL8TU3/R5J』












出典:Amazon
I-O DATA『外付ハードディスク HDCZ-UT4KC 』

出典:Amazon
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 外付けHDD PCの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの外付けHDD PCの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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接続規格や使い方に合わせて最適な外付けHDDを選びましょう
本記事では、PC用外付けHDDの選び方やおすすめ商品を紹介しましたが、いかがでしたか?
商品を選ぶ際は、接続の規格の種類や、使う場所、そして、耐衝撃性もしっかりとチェックすることで、大切なPCのデータをしっかり守れる商品を選ぶことができるはずです。
データ量が多くなってしまった場合に使えるHDD。特にPC用ともなると膨大で、しかもある程度の衝撃にも耐えられるものがベスト。大切なデータを守るからこそ、ぜひ本記事を参考に、ピッタリの商品を見つけてくださいね。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
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大学在学中よりパソコン総合誌、Windowsプログラミング誌、Mac専門誌の記者/編集者として活動し、その後輸入自動車やカーナビ等のマニュアル翻訳/制作などを経て、フリーランスとして現在に至る。 キャリアは25年目に突入。専門はアップル製品だが、WindowsもAndroidも周辺機器もソフトも等しく愛する何でも屋。