「水彩パレット」のおすすめ商品の比較一覧表
水彩パレットの選び方 水彩画家がおすすめする
水彩画家の柘植彩子さんに、水彩パレットを選ぶときのポイントを3つ教えていただきました。プロのアドバイスを参考に、自分に合った使いやすい商品を見つけましょう。
材質はホーローかアルミが使いやすい
水彩画家
プラスチックは安価だが汚れが付きやすい
パレットの材質には、ホーロー、アルミ、プラスチックがあります。パレットの混色スペースは、混色したときに色が判別しにくくならないように、いつも真っ白にしておくことがとても大事。ですから、汚れがつきにくいホーローパレットかアルミパレットを選びましょう。もっともおすすめなのは、水彩絵の具の汚れがつかないホーローです。
白いプラスチックは、絵の具をはじいてしまうため、混色したときに正確な色の判別がしにくいです。また、プラスチックは絵の具の汚れが取れにくいという欠点があります。そのため、安価ではありますがおすすめできません。
描くスタイルにあわせて重量を考慮して
水彩画家
手に持って使うなら軽いアルミ製のものを
次に、パレットの重量をチェックしましょう。長い時間片手で持ち続けて描くのには、軽いほうがいいですね。アルミパレットは比較的軽いですし、安価であることが多いです。デメリットは、凹みやすいことや変形しやすいこと。ホーローパレットは頑丈ですが重くて、長時間持ち続けて描くのはつらいかもしれません。
机の上に置いて描くスタイルの方は、ホーローパレットのほうが耐久性がありいいと思います。自分の描くスタイルによって選ぶといいですね。
余裕のある大きさで、絵の具の数以上の仕切りがあるものを
水彩画家
広々と使える大きめサイズを選ぶのがポイント
初心者の方は、最初だからと小さめのパレットを選んでしまいがちです。しかし、混色する面積は大きいほうが描きやすいので、大きめを選ぶようにしましょう。また、買った絵の具が24色セットなら24仕切り以上、30色なら30仕切り以上あるパレットを選びましょう。
買った絵の具はあらかじめ、全色パレットの仕切り部分に入れて準備します。つまり、使う色だけその都度チューブから出すのではなく、あらかじめ全色パレットにしぼり出して乾燥させておきます。そのため、買った色数分仕切りがあることが大事なポイントです。
しぼり出す量は仕切りの8~9割ぐらい、たとえば2号チューブならほとんど全部をパレットにしぼり出す形になると思います。同系色は、隣同士に並べると使いやすいです。
ホルベイン画材『水彩パレット No.200』
絵の具を混色する面積もしっかり確保された、35仕切りの水彩パレットです。
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うえで紹介した水彩パレットの選び方のポイントをふまえて、水彩画家の柘植彩子さんに選んでいただいたおすすめ商品をご紹介します。ぜひ商品選びの参考にしてみてくださいね。


アトリエパレット『水彩パレット No.1100(30仕切)』


アトリエパレット『水彩パレット No.1500(54仕切)』
仕切りと混色スペースが左右に分かれて使いやすい
うえで紹介した『水彩パレット No.1100(30仕切)』と同じ、アトリエパレットの54仕切りパレット。片面に絵の具の仕切り、もう片面に混色スペースと左右に完全に分かれているので、右利きなら右側に絵の具、左に混色部分にすればスムーズに手が動かせるかと思います。
ホルベインの『透明水彩絵具 全色セット』は108色。ひとつに入るパレットはありませんが、このパレットを2枚買うと108仕切りになるため、全色入ります。2枚並べるときは、絵の具部分が2枚とも中心になるように置き、混色部分を左右になるように置くと、絵の具の配置が視野に入りやすいでしょう。108色全色をパレットに納めたい場合は、このような使い方がおすすめです。

大作を描くには、ホーローのバットで代用も
大作を描くとき、小さいパレットでは間に合わなくなることも。そこで、パレットでなくても代用できるものがあります。それは、ホーローのバットです。
野田琺瑯(ほうろう)のバットは、ホワイトとオフホワイトがあるようですが、必ずホワイトを選びましょう。色の調査には、ホワイトが最適。野田琺瑯のバットは真っ白なので、実用面だけでなくおしゃれな点でもおすすめです。このシリーズは、サイズが豊富で、必要に応じて大きさを選べるメリットがあります。
また、入れ子になりスッキリと収納できる点もおすすめ。水彩絵の具のなかには毒性がある顔料を使用しているものがあるため、絵の具用に使ったら、食品用には絶対に使わないようにしてください。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 水彩パレットの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの水彩パレットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
プラスチックパレットの欠点を知っておこう 水彩画家からより
水彩画家
初心者は陶器の絵の具皿をパレット代わりに
水彩パレットの素材のなかでもっとも軽いのはプラスチックですが、パレット表面で水彩絵の具をはじいてしまうため、混色するときにどんな色になっているか判別がつきにくいという欠点があります。さらに、軽すぎて、卓上に置いて使用した場合に筆を動かすとパレットも一緒に動いてしまいます。つまり混色時、パレットごと動いてしまうので、これを選ぶことはおすすめしません。ある程度重量感があり、筆を動かしてもパレットが動かないものを選ぶのが鉄則です。また、プラスチック素材のものは、洗っても絵の具が残りやすく、やがて汚れていきます。
初心者においては、パレット自体向いていないことが多々あります。なぜなら、水の量と絵の具の量のバランスを測ることに慣れていないからです。そこで、最初は、パレットではなく、深さのある陶器の絵の具皿を使うという選択肢も。お皿に必要な量の絵の具と水を入れ、必要な濃度を水の量で調整し、思いどおりの濃さが作れたかどうかを繰り返し練習することをおすすめします。それに慣れてから、パレットを買ってもいいと思います。
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水彩画家からのアドバイス 正確に色やトーンをパレット上で確認するために
水彩画家
汚れが付きにくいパレットは水彩画の必須アイテム
パレットは、混色スペースが充分にある大きめのものを選び、買った絵の具の数か、それより多めの仕切りのものを選ぶといいでしょう。
色の調査をしやすくするためには、パレット表面の白さが重要。濡れたティッシュで混色スペースのみを拭き取るだけで、つねに美しい白をたもつことができるホーロー引きがおすすめです。洗った後に、つねに白くピカピカになり、正確に色やトーンが作れているかの確認がしやすいことが、パレット選びではもっとも重要だと思います。
私の場合は、パレット上で色を目視で正確に確認できるので、テスト用の水彩紙はほぼ必要ありません。水彩画は描き直しができず、正確にトーンを1回で作る必要があるため、パレット選びはとても重要です。
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名古屋出身。名古屋芸術大学で日本画を学び、卒業後、結婚を機に水彩画家に転身する。オーガニックライフを続ける傍ら、有機野菜や薬用植物などを描き続け、やがて企業の広告や会報誌の表紙絵の仕事などを数多く手掛けるようになる。 2007年には、JIAイラストレーション協会よりIllustrator of the Year賞を受賞する。また、作品はカレンダー、アートポスター、ジクレー版画などにも採用され、多くの人の目に触れる。 2012年、フランスの権威ある美術雑誌「Patique Des Arts」に紹介記事が掲載されるなと、海外メディアからも注目される。2016年2月画集「透明水彩 植物からのメッセージ」が日貿出版社から発売された。