レンズフードとは?役割はなに?
レンズフードとは、レンズの前端に着けるアクセサリーのことです。「レンズフードはいらない」と付けない方も多いですが、ここからはレンズフードを付けるメリットをご紹介します。
レンズフードの役割には「遮光」と「保護」の2つの役割があります。
レンズに入る余計な光をカットする効果
写真を写すためには、光が必要です。しかし、光が多すぎてもかえって悪影響を及ぼす場合があります。画質に悪影響を及ぼす代表的な現象が「フレア」と「ゴースト」です。レンズフードはこれらを引き起こす余計な光をカットしてくれます。
フレア………レンズやボディ内で光が反射することで、白かぶりやぼんやりとしたムラが出る現象。
ゴースト……強い光の反射が起こることにより、写真に連なった光の円の帯が写り込む現象。
純正品または互換品は「ケラレ」に注意して選ぶ
レンズフードは、メーカーが製作した純正品を選択すれば確実に使用できます。純正品はレンズ設計に合わせて作られたもので、レンズのメーカーが公表しているカタログなどに純正フードの製品番号が明記されています。純正メーカー品ではない互換製品のレンズフードでも、口径が一致していれば、レンズにつけて使用できます。
そのときに気をつけたいのが、画面の四隅にフードの影が写りこむ「ケラレ」と呼ばれる現象です。口径に合っていて取り付けはできても、レンズ設計上「ケラレ」が起こる場合もあります。
落下・衝突保護の役割
カメラのレンズはときに、カメラのボディよりも高価な場合があります。また、とても精密にできているため、落下が原因でピントの精度が悪くなることもあります。レンズフードはそうした万一の衝撃や落下からレンズを保護してくれるのです。
レンズフードの選び方
レンズ部分に取り付けて、余計な光をカットしたり、衝撃などからレンズを保護したりする「レンズフード」。付けていない方も多いですが、数多くのメリットがあり、おすすめのアイテムなのです。ただ、レンズフード自体あまり知られていないため、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、フォトグラファーの瀬川陣市さんにお話をうかがい、レンズフードを選ぶときのポイントについて教えてもらいましたのでご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
ポイントは下記。
【1】フードの形状
【2】レンズ口径と一致したレンズフードを選ぶ
【3】フードの素材
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】フードの形状
レンズフードの形状には、次の3つの種類があり、それぞれ形によって遮光性能が異なります。ここでは、各フードの特徴についてご紹介していきます。
花形フード
花びらの羽がついたフードを「花形フード」と呼びます。ズームレンズは、焦点距離を変えることで同時に画角も変動します。そのため、円形フードだとフードの影が写りこんでしまいます。その影が写りこまないように花形フードが使われるのです。
円形フード
シンプルな筒状のフードを「円形フード」と呼びます。円形フードは、ズーム機能のない単焦点レンズに用います。単焦点レンズはズームレンズとは異なり、円形フード以外のフードも装着して差し支えありません。
ドーム(フジツボ)型フード
ドーム(フジツボ)型フードはおもに単焦点レンズで使用します。単焦点レンズ自体がコンパクトで軽量なため、同じくコンパクトサイズなドーム型が多く用いられるためです。
【2】レンズ口径と一致したレンズフードを選ぶ
レンズフードを選ぶときに確認しなければならないのが、レンズの口径サイズ。当然ですが、口径に合ってないとレンズに取り付けることはできません。レンズフードがはまらないことがないように、レンズ口径をしっかり把握してからレンズフード選びを始めましょう。
なお、レンズの口径はレンズの側面などに数字で表記されています。いろんな数字が書かれていてわかりにくい場合は、定規などでレンズの口径を測ってください。
【3】フードの素材
フードの素材には、おもにプラスチック、ゴム(ラバー、シリコン)、金属の3種類があります。ここでは、それぞれの特徴についてご紹介していきます。
プラスチック
純正品で一番よく使われる素材がプラスチックです。プラスチックは耐衝撃性に乏しく、ぶつかると割れる危険性がありますが、軽量なのがメリットです。
ゴム(ラバー、シリコン)
耐衝撃性をもつのがゴム製フード。一番のメリットは、レンズを装着したまま裏返してコンパクトに収納できるので、毎回外す必要がないところです。
金属
金属製フードのメリットは、衝撃からしっかりレンズを保護してくれる点です。ただ、ほかの素材より重くなることがあります。
レンズフードのおすすめ10選
レンズフードの選び方のポイントをふまえて、フォトグラファーの瀬川陣市さんと編集部が厳選したレンズフードのおすすめ商品をご紹介します。メーカー純正品から汎用品まであるので、自分好みの製品を見つけてみてくださいね!
ニコン製の単焦点レンズ向けの円形レンズフード
ニコンの純正レンズフードで、口径は52mm。35mmF1.4Sや35mmF2S、AF80mmF4~5.6Dなど単焦点レンズ用として作られています。
レンズフードは逆光などの光を遮る働きだけではなく、万が一落としたときやぶつけたときのレンズ保護にも役立つもの。コンパクトな単焦点レンズをお持ちなら、このようなフードを装着しておくと安心です。
オーソドックスな円形のフードです。
ニコン製レンズフードとフィルターの互換セット品
ニコンのレンズフード「HB-N106」「HB-77」の互換品と、55mm・58mmの保護フィルターがセットになった商品で、カメラ購入後に必要な付属品がまとめてそろうのがメリット。ただし社外品である点には注意してください。
標準ズームレンズには「AF-P」「18-55mm」の表記、望遠ズームレンズには「70-300mm」「AF-P DX」の表記があれば取り付け可能。純正品と比べてコストパフォーマンスにすぐれているため、できるだけ費用を抑えたい方にはおすすめです。
キヤノン製レンズフードとフィルターの互換セット品
キヤノンのレンズフード「EW-63C」「ET-63」と58mmフィルター2枚がセットになった社外品。純正品と比べて安価なので、カメラ初心者やママの一眼レフデビューにぴったりです。
EF-S 18-55mm・55-250mmのレンズに「STM」の表記があれば取り付けできます。購入前に文字が刻印されているかを必ず確認してください。

チューリップ型が印象的なキヤノン純正レンズフード
キヤノンの純正レンズフード。EF-S18-135mm、F3.5-5.6 IS USMのズームレンズ用のフードで、口径は67mm。
口径が同じであればほかのレンズにも取りつけることは可能ですが、他メーカーの製品のレンズに取りつける場合は、画角サイズなどレンズ規格に合うものか事前に確認しておくのがおすすめです。
このレンズフードは円柱形ではなく凹凸があり、一般にチューリップ型と呼ばれる形式。近距離から中距離の撮影にぜひ使ってみてください。

アルミ合金の質感がクールな高い汎用性の製品
高い強度を誇るアルミニウム合金製のレンズフード。アルミ合金でできたメタル製なので、材質はもちろん、見た目にもこだわってレンズフードを選びたいという方にはぴったり。
ここで紹介しているのは標準ズームレンズなどで採用されることが多い52mm口径。
同シリーズには46mmや77mmなどさまざまなサイズがあるので、自分のレンズの口径に合ったものを選ぶといいでしょう。

ユニークなデザインで幅広いレンズにも対応
クラシカルなデザインを復刻させたアイテム。デザインにこだわりを持ってレンズフードを取り付けたいという人にチェックしてほしい製品です。持ち歩くカメラのスタイルにも遊び心を加えるアクセントとしても楽しめそうです。
こちらのフードは口径52mmですが、37~77mmまで全12サイズの製品があり、幅広いレンズに対応。
使用するレンズにケラレが生じるかは、メーカーの専用サイトなどで確認しておくといいでしょう。

シリコンゴムの伸縮性で多くのレンズで利用可能
ガラス越しなどで撮影するときに、ガラスへの映り込みを軽減してくれるレンズフードをお探しならこちらがおすすめ。
シリコンゴム製でガラス面をフードで完全に覆ってから撮影すると、背後の光などをガラスなどに反射させることなく撮影できるようになっています。
正規のカメラ用品というより便利グッズとして試してみてほしいアイテム。撮影状況によっては想像以上に使えるフードでしょう。
3段階伸縮式の高級ラバーフード
標準レンズ(35mm判換算で50mm)に対応するメタルフード。フードを連結すると、より長い望遠レンズにも対応します。標準レンズ(35mm判換算)に対応するメタルフードです。
フードの先端部にはネジがあり、ひと回り大きいフィルターやレンズキャップの装着が可能。内側には遮光溝を施しています。
無臭で耐候性に優れたシリコンゴム製レンズフード
シリコンゴムは雨や湿気などの状況下でも劣化しにくい素材で、場所を選ばずに使用することが可能です。
ワンタッチ折りたたみ式を採用しているので、レンズに装着したままコンパクトな収納ができます。
レンズキャップには、同じサイズのレンズを使用できるのでサイズが分からないと困っている人にもおすすめなレンズフードです。
職人こだわりのラバーレンズフード
職人が丁寧に仕上げた、こだわりのラバーレンズフードです。
柔軟なゴム製のおりたたみ式レンズフードなので、カメラに取り付けたまま持ち運びできます。
撮影する時はかんたんに引き伸ばして使用することができます。また、フードを裏返せばカメラケースにも収納できるコンパクトな商品です。
「レンズフード」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする レンズフードの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのレンズフードの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
レンズフードに関するQ&A
レンズフードの取り付け方を教えてください。

レンズ先端の溝に入れ、時計まわりに約半周して装着します。または 、カメラユニットの白いバーのマークと、レンズフードバーのマーク が合うように入れます。
取り外し方を教えてください。

時計と反対方向に90度回して、取り外してください。
レンズフードの取り付け方の種類
レンズフードの取り付け方には「バヨネット式」と「ねじ込み式」の2種類があります。ねじ込み式の場合、フィルター径さえ合っていれば、どんなフードでも取り付けられるという広い互換性があります。
バヨネット式……はめ込んで回すだけで装着可能です。
ねじ込み式………レンズフィルター用のねじ溝に装着。ねじを回すようにねじ込んでいくタイプです。
レンズフードに関するそのほかの商品情報はこちら
フォトグラファーからのアドバイス
衝突や落下からのレンズ保護にも役立つレンズフード
レンズフードの役割には、レンズに差し込む光を防ぐことや落下や衝突などからのレンズの保護などがあります。
とくに、レンズフードを付けていたことで破損を免れる場面はけっこう多いもの。このような理由からも、レンズには常態的にフードをつけることを推奨します。
純正品のフードを使うのがもっとも安心な選択ですが、デザインなどに凝りたい場合は互換性のあるフードから選択することも可能。
撮影の楽しみ方や目的に合わせて自分にぴったりのレンズフードを選んでください。
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