ポータブルHDDとは
ポータブルHDDとは、ポータブル(携帯用)+HDD(ハードディスクドライブ)つまり、持ち歩き用のデータなどを電磁的に書き込んだり読み出したりする記憶装置です。
パソコンの元々の容量だけでは足りない時に、HDDを使うことでそのデータなどを置くことができる『土地』のような役割をしてくれます。
持ち運びを考えて、サイズ感や重さだけでなく、セキュリティー機能や耐衝撃など様々なことを踏まえて選んでみてくださいね。
ポータブルHDDの選び方
それでは、ポータブルHDDの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】容量
【2】インターフェイスの転送速度と種類
【3】耐久性の高さ
【4】セキュリティー機能の有無
【5】サイズ感
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】容量をチェック
ポータブルHDDは一般に、ファイルサイズが大きくてUSBメモリに入りきらなかったり、メールなどで送るのに時間がかかるようなファイルを保存して、直接持ち歩いて送るのに使われます。こうした用途では、できるだけ大きな容量のHDDを選ぶといいでしょう。
現在、ポータブルHDDでは最大5TBクラスのものが販売されています。空き容量に余裕があれば、出先でのノートPCのバックアップなども可能です。「大は小を兼ねる」の精神でぜひ容量の大きな商品を選ぶことをおすすめします。
【2】インターフェイスの転送速度と種類もチェック
一般にポータブルHDDはUSB接続のものがほとんどです。現在の主流はUSB 3.1 Gen.1で、5Gbpsの速度で接続します。これでも十分高速ですが、パソコンによってはUSB 3.1 Gen.2(10Gbps)で接続できるものや、Thunderbolt 3(最大20Gbps)を搭載しているものもあります。
種類はまだ多くないですが、こうした高速インターフェースに対応した製品も登場しており、大容量のデータをより高速に読み書きできるはずです。動画データを記録するなどの用途であれば、こうした高速インターフェイスの製品を選ぶといいでしょう。
【3】耐久性の高さをチェック
HDDは高速で精密部品が回転して、ごくわずかな隙間を空けてヘッドがデータを読み書きするため、動作中はもちろん、停止中であっても振動や衝撃に非常に弱いという特徴があります。バッグなどに入れて持ち歩く際にも、満員電車などで振動や圧迫を受けたり、落としてしまうことも考えられます。
運ぶ際はケースに入れるなどしてショックを和らげる工夫をしてもいいですが、最初から衝撃に強いHDDを選べば、こうした工夫をさらにカバーできます。なかには防水・防塵加工された製品もあり、工事現場など粉塵(ふんじん)の多い場所や、雨の野外で持ち歩く際にも安心です。
【4】セキュリティー機能の有無をチェック
データを気軽かつ簡単に移行できるので便利なHDDですが、つい知らずの間にどこかに置き忘れたりしてしまうことも。また、盗難などの可能性もありえます。
個人情報や会社に機密情報など第三者に知られることは避けなければならない人などはセキュリティー機能が搭載されたものがおすすめです。一方でセキュリティー機能付きのものは高い傾向にあるので合わせて価格もチェックしましょう。
【5】サイズ感をチェック
ポータブルHDDをパソコン用として普段から持ち歩くなら軽量で小さいサイズのものがおすすめ。持ち歩くときは他の荷物も考えながらできるだけコンパクトなものを選びましょう。
容量が大きいものだと、必然的に厚さも大きくなりがちですが、自分が求める容量でバッグの大きさに適したHDDをチェックしましょう。
エキスパートのアドバイス
ITライター
これから買うならType-C対応製品がおすすめ
ポータブルHDDのインターフェースは大半がUSBです。現在はUSB 3.0のmicro Bポートを備える製品が主流ですが、micro Bポートは横に長い形状で、コネクターを差しにくく、強度面でも不安が残ります。
これに対し、最近はUSB Type-Cポートを備えた製品が増えてきました。Type-CポートはこれまでのUSBと違って、ポートの上下がなく、両面で使用できるため、ケーブルの取り回しがだいぶやりやすくなっています。
速度的な性能差はありませんが、「USB PD」規格に対応したケーブルを使えば、これまでのUSBよりも大きな電力を供給できます(対応機器のみ)。今後はスマートフォンなども軒並みType-Cポートに変わっていくので、この機会にType-C対応製品を選んでみてはいかがでしょうか。
ポータブルHDDおすすめ19選
上記で紹介したポータブルHDDの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。
使えない状態になる前に経年劣化のお知らせをしてくれるものや、転送速度が速いものなど、さまざまな商品がありますよ。プロならではの視点で厳選されたポータブルHDDのなかから、自分の使い方に適したスペックの商品を選んでみてください。


安心感と高コストパフォーマンスが武器
パソコン用周辺機器大手であるバッファロー社が販売するポータブルHDDのシリーズ「Mini Station」の標準モデルです。USB 3. 1 Gen.1接続で、耐衝撃性などを備えていないシンプルなモデルですが、シンプル故にパソコンでも家電でも問題なく使える互換性の高さを備えています。
経年劣化による故障の予兆が出た時にLEDを点灯して知らせてくれる「みまもり合図 for ポータブル」機能を搭載しており、バックアップや買い替えのタイミングがわかりやすいのも安心です。また、他社製品と比べると販売価格が安価に設定されていることが多いのもポイントです。HDDは数年で寿命が来る消耗品なので、安価に交換できるのは重要です。安いだけでなく、基本がしっかりした製品といえるでしょう。

超高速デュアルインターフェース&タフネスHDD
仏ラシー社のポータブルHDDです(日本ではエレコムが販売)。著名なデザイナーであるニール・ポールトン氏の手による対衝撃デザインのケースに、最大5TBの容量を搭載。最大の特徴は、最大40Gbpsと、USB 3.1 Gen.1の4倍高速な「Thunderbolt 3」に対応している点です。このポートを備えたパソコンであれば、20Gbpsの帯域をフルに使えます。また、USB Type-Cポートと互換性があり、USB Type-Cポートを備えたパソコンでも最大5Gbpsでの接続が可能です。
Thunderbolt 3/USB Type-C共用ケーブルは本体に直付けされており、ゴム製のバンパーに挟み込むことで安全かつスマートに持ち歩けます。従来型のUSBポートしかないパソコン向けにmicroUSBポートもあるので、USB 2.1として利用も可能です。Macユーザーなど、Thunderbolt 3やUSB Type-Cを搭載したパソコンを使用中で、高速な外付けHDDが欲しければぜひ検討したい1台です。

コンパクトでもRAIDで高速化
ポータブルHDDとしては珍しい「RAID」構成の製品です。RAIDとは2台以上のHDDをまとめて1台のHDDとして利用する技術で、本機では2台の「RAID0」と「RAID1」が選択できます。RAID0は2台のHDDに同時に半分ずつデータを書き込むことで、書き込み速度を2倍に引き上げる技術です。RAID1は2台に同じデータを記録するもので、片方のHDDが故障しても、もう片方のHDDを元にデータを取り戻せるという、冗長性を高める技術です。
接続はUSB 3.1 Gen.1で、ポートはUSB Type-Cになります。本機は消費電力が高いため、「USB PD」規格に対応したケーブルを使わない場合、付属のACアダプターが必要になるなど、やや特殊な性格の製品ですが、RAID0での高速・大容量は動画の撮影・編集などで大きな力になるでしょう。
なお、面白い点としてはSDカードリーダーも内蔵しており、付属ソフトをインストールすれば、SDカードを刺すと中の写真が自動でHDDに保存されるようになっており、写真撮影の多いユーザーにも便利な1台です。

強力な暗号化でデータをがっちりガード
ポータブルHDDは持ち歩くことが多いため、盗難や紛失といった危険にさらされています。業務上重要なデータやプライバシーに関するデータなどを保護するため、ソフトウェアでデータやディスクそのものを暗号化することはできますが、ソフトや知識が必要です。本機は特にソフトなどを使わず、通常のHDDとして利用できながら、ハードウェアで自動的にデータを暗号化してくれる製品です。
パスワードを設定してしまえば、本機をほかのパソコンにつないだり、解体して中のHDDだけを抜き出しても、データは暗号化されて読み取れません。ハードウェア暗号化なので、WIndowsでもMacでも、その他のOSでも使用できます。重要なデータをやりとりする必要があるなら、こうした製品でガードしましょう。
G-Technology『G-DRIVE Mobile USB-C(0G10339)』
おすすめ商品の比較一覧表
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ポータブルHDDの使い方と注意点
ポータブルHDDは、インターフェイスの種類にもよりますが基本的には、USBでパソコンなどに接続してすぐに使うことができます。操作が難しいという印象を持っている人も少なくないかと思いますが、比較的簡単です。
パソコンのデータのバックアップ、ディスクやプログラムのインストール先として使うなど人それぞれの使い方があります。寿命はだいたい3年程と言われたりもしますが、なるべく長く使うためにも正しい使い方をしましょう。
長時間使用していると、HDDも熱を帯びます。排熱することも長く使うためのポイントなので使用しない時は電源を切るなど、工夫をしましょう。
まとめ
本記事では、ポータブルHDDの選び方、そしておすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?商品を選ぶ際は、下記の4つのポイントを抑えておきましょう。
【1】容量
【2】インターフェイスの転送速度と種類
【3】耐久性の高さ
【4】セキュリティー機能の有無
【5】サイズ感
パソコンなどのデータを保存したり、移行したりする場合に必要なHDD。その中でもポータブルHDDはどこでも持ち運べて、用途に合わせて使用できます。ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリの商品を見つけてくださいね。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
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大学在学中よりパソコン総合誌、Windowsプログラミング誌、Mac専門誌の記者/編集者として活動し、その後輸入自動車やカーナビ等のマニュアル翻訳/制作などを経て、フリーランスとして現在に至る。 キャリアは25年目に突入。専門はアップル製品だが、WindowsもAndroidも周辺機器もソフトも等しく愛する何でも屋。