そもそもミルワームとは? エキゾチックアニマル専門医が解説!
ミルワームはウネウネと動く生きたエサとしてよく使われています。本来は穀物の害虫として有名な虫の幼虫で、古くから生きエサが必要な小鳥、爬虫類や両生類、熱帯魚などのエサとして使われてきました。
一般的にミルワームは、フスマ(麦の皮のカス)を入れた容器のなかに入れて管理され、幼虫期間が長く、温度を調整すれば1年中供給が可能です。通常の室温ではすぐに成長して甲虫になりますので、冷蔵庫などで、約10度で管理すると成長が遅くなり、エサとして使える幼虫の期間が長くなります。
ペット用ミルワームの選び方 小鳥、爬虫類や両生類、熱帯魚などのエサに
ペットに与えるミルワームにはいろいろな種類があり、どれを選べばいいのか迷う方も多いのではないでしょうか? ここでは、エキゾチックアニマル専門医の霍野晋吉さんに、ペット用のミルワームを選ぶときのポイントを5つ解説していただきます。
ミルワームには大小2種類がある
ミルワームには、小動物に与えるのに向いている小さめサイズのものと、大きめサイズのものの2種類があります。一般的に、ミルワームとは、チャイロコメノゴミムシダマシという虫の幼虫のことを指し、体長は1.5~2.0cmくらいです。
大きめのミルワームは、普通のものの2倍ほどの大きさ。ジャンボミルワーム、ジャイアントミルワーム、スーパーミルワームなどと呼ばれている、ツヤケシオオゴミムシダマシの幼虫です。飼っている動物の体のサイズに合わせて、与えるミルワームの種類を選んであげてください。
なお、ミルワームもスーパーワームも、生きた状態で管理をするためにはやや手間がかかりますので、その点を留意したうえで購入することをおすすめします。
タンパク質が豊富な「活きミルワーム」
活きミルワームは、もっともよく販売されているタイプで、動物に欠かせない栄養素であるタンパク質が多く含まれています。生きているため鮮度は高く、動いている虫を食べる動物の本能にはたらきかけ、動物たちの食欲をそそります。
活きミルワームのデメリットとしては、脱走や羽化、死亡などのリスクがあることです。温度管理なども必要になることから、1番手間がかかります。温かいところに置いておくと、幼虫が羽化したり、死んだミルワームが腐って異臭を放つ可能性も。冷蔵庫などの温度の低いところで管理しなくてはいけないので、やや面倒です。
また、ウネウネと動くので、生理的に抵抗がある人も多いかもしれません。
缶詰入りで手軽に使用できる「生ミルワーム」
マルカン PRO STYLE CASA(カーサ)『ワイルドメニュー ミルワーム(MLP-46)』
カルシウム・タウリンを配合した生ミルワーム。
>> Amazonで詳細を見る生ミルワームとは、死んだミルワームを腐らないように生の状態で缶詰に密閉封入したものです。
生ミルワームは活きミルワームのような管理が不要で、消費期限も2年ほどあるため、長期保管が可能な点がメリット。使いたいときに缶詰を開ければいいので手軽に使用できますが、一度開けると低温で管理しないと腐ってしまいます。
また、においのきついものが多いため、においに敏感な方にはおすすめできませんので注意してください。おいしいミルワームを与えたいけれど、生きているものには抵抗がある、という人におすすめしたいミルワームですね。
はじめての人でも扱いやすい「ドライミルワーム」
ナチュラルペットフーズ ハーティー『乾燥ミルワーム』
新鮮なミルワームをそのまま乾燥させたドライミルワーム。保存にも便利です。
>> Amazonで詳細を見る名前のとおりミルワームを乾燥させたもの。乾燥しているので、活きミルワームや生ミルワームに抵抗のある人でも扱いやすいです。一度開封しても、腐ったりせず長期保存可能なので管理しやすく、ミルワームを扱うのがはじめての人には1番おすすめのタイプです。
ただし、生のミルワームの風味は失われるため、活きミルワームや生ミルワームに比べると嗜好性(しこうせい)が低く、脂肪分も少なくなります。
栄養バランスを考える
ミルワームは主食として与えるものではありません。ミルワームは一般的に高タンパク質・高脂肪であり、食欲増進効果も期待できるのですが、ミネラルなどの栄養のバランスが崩れています。とくにカルシウムが少ないため、エサとして使うときには工夫が必要。
かんたんなのは、カルシウムパウダーをミルワームの表面に振りかけてから与える「ダスティング」という方法です。
そのほか、あらかじめミルワームに野菜クズやドッグフードなどをエサとして与え、ミルワームの栄養状態を整える「ガットローディング」という方法がおすすめです。
ミルワームおすすめ5選 活き、生、ドライを紹介
先ほどお伝えしたミルワームの選び方のポイントをもとに、エキゾチックアニマル専門医の霍野晋吉さんに選んでいただいたおすすめの商品を5つご紹介します。ペット用にどんなミルワームを購入すればいいのか迷っている方は、ぜひ商品選びの参考にしてみてくださいね。

太くて大きい活きミルワーム
こちらの商品は活きミルワームで、丸いカップに約10g入りと小さめサイズの商品です。
「川井」のミルワームは太くて大きいことで有名で、高栄養で嗜好性も高いので品質重視の人におすすめ。さなぎになってしまっても与えることができる点も、品質のよさの証明ですね。
『ミルワーム500』という通常の2.5倍のミルワームが入っているビッグサイズの商品もありますので、飼っている動物のエサの量に合わせて選んでみてください。

カルシウムとタウリン配合! 缶詰入り生ミルワーム
生ミルワームの缶詰タイプ。高タンパク質・高脂肪のミルワームに、健康維持のためのカルシウムとタウリンが強化配合され、動物の成長期や食欲減退時のエネルギー補給に使える商品です。
国内で製造されており、品質において安心感があります。エサにこだわりがあり、ペットにより栄養を与えたいと思っている方におすすめです。

嗜好性の高い缶詰入り生ミルワーム
生ミルワームの缶詰で、質のいいミルワームだけを厳選し、高熱スチームを使って瞬時に生き締めた商品。完全殺菌もされているので、衛生的にも安心して使えます。
ミルワームの風味がしっかり保たれているので、人にとってはミルワームのにおいがきついかもしれません。一方で、動物たちにとっては食欲を刺激してくれるにおいですので、よく食べてくれます。活きミルワーム以外を食べたがらない動物を飼っている人におすすめの商品です。

非常用にも。保存に便利なドライミルワーム
ドライミルワームの商品で、活きミルワームをどうしても食べないという動物を飼っている人におすすめ。乾燥したミルワームのわりに、意外としっかりと栄養価が残っており、嗜好性もいいのが特徴です。
保存がかんたんなので、活きや生タイプのミルワームを切らしたときのために、非常用としてひとつ購入しておくと便利な商品ですね。

肉厚感のある大きめの活きミルワーム
5~6cmある大きめの活きミルワームで、フスマ以外にも有機野菜をエサにして育てているため、ぷりぷりとした肉厚感があります。大型の鳥や爬虫類を飼っている人におすすめ。
両生類に与えるときには必ずミルワームの頭を外してから与えないと、与えた動物の胃をミルワームが食い破るという事故が起きます。小型の爬虫類でも同様です。
100匹のほか、10匹、50匹のタイプもありますので、使い勝手に合わせて選んでください。少ないタイプを頻繁に買って与えてもいいですが、ミルワームの管理がしっかりとできるならば、多いタイプがお得です。
「ペット用ミルワーム」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ペット用ミルワームの売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでのペット用ミルワームの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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たかがミルワーム、されどミルワーム
ミルワームはなんでも同じというわけではありません。いくつかのタイプがあり、加工の仕方によって味も栄養も大きく異なるうえ、ペットによって好みも違います。実際に与えてみないと、動物がよろこんで食べてくれるかどうかわかりませんので、ベストのミルワームを断定することはできません。
ペットに合うものをひとつひとつ試しながら、食べてくれるものを選んであげましょう。
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皆さんはじめまして、私はエキゾチックアニマル専門獣医師の霍野(つるの)と言います。 えっ、エキゾチックアニマルって言葉知りませんか?ウサギやハムスター、インコやカメなどの犬猫以外のペットを指します。 23年前に日本初の専門病院である『エキゾチックペットクリニック』を開業しました。症例数は月に400件を超えているベテラン獣医師です。他にもエキゾチックアニマルのセミナーも企画し、沢山の医療や飼育の書籍を執筆しています。 もっとエキゾチックアニマルの情報を知りたい方は、【Dr.ツルのエキゾチックアニマル情報室】をご覧になってください。専門獣医師によるサイトですので、他にはない病気の記事も多く、とても役にたつこと間違いなしです。 ウサギの専門家による【一般社団法人日本コンパニオンラビット協会】の理事長としても、2020年10月から活動をします。こちらも、ウサギ好きな方は必見ですよ。ウサギの検定を受けてみませんか? エキゾチックアニマルに関することは勿論のこと、ご縁を感じた方がいましたら、いつでもお声かけてください。