犬用ハーネスとは?首輪との違いも解説 愛犬の散歩・トレーニング・介護に!
グイグイと引っ張るワンちゃんだと、散歩をするときに首輪で「ゼエゼエ」と苦しそうに呼吸をしていることはありませんか? そんなときに、ぜひ使ってもらいたいのが犬用ハーネスです。
犬用ハーネスとは、首ではなく身体に装着するタイプのベルトの一種。首輪と違って首を引っ張ることがないので、首や喉、気管が弱い犬や引っ張り癖のある犬のしつけにも向いています。
また、散歩やしつけ以外にも、犬用ハーネスは歩行補助など犬の介護用に使われることもあります。介護用のハーネスは通常のハーネスとは異なる工夫がほどこされており、ワンちゃんの身体や歩行をサポートする力にすぐれています。シニア犬や老犬、ダックスに多いヘルニアなど、歩けないワンちゃんがいる方は要チェックです。
引っ張り癖を直すためにハーネスの活用を 犬の健康と安全を考えて!
散歩のとき、飼い主を無視して自分勝手に進んでしまう犬がいます。そんな引っ張り癖を直す方法として、犬が勝手に進んだとき首輪につけたリードを引いて、犬の首にショックを与えるしつけ方があります。
これは腕力でいうことをきかせる昔ながらのしつけ方で、リードを引くタイミングや力の加減によっては、犬の健康被害につながるので賛否両論があり、あまりおすすめできません。
犬は引っ張られた瞬間、防衛本能が働き、引かれた方向の逆向きに踏ん張る習性があります。この習性を利用した「引っ張り癖改善用のハーネス」を使えば、犬の健康と安全を守りながら引っ張り癖を改善できるでしょう。
犬用ハーネスの選び方 ワンタッチ装着で簡単! 痛くない&負担が少ない!
犬用ハーネスは高級ブランドから安いものまで種類豊富。ここでは、ハーネスを選ぶときのポイントを紹介していきます! 「抜ける」「脇擦れ」など、ハーネスに関するよくある悩みは、サイズが合っていないことが原因です。サイズ選びのポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
ポイントは下記の5つ。
【1】ハーネスの形状
【2】ハーネスの種類
【3】愛犬の体型に合ったサイズ
【4】耐久性と通気性が高い素材
【5】機能面もチェック
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ハーネスの形状で選ぶ
ハーネスの形状は、おもに「首にかけるタイプ」「両肩をとおすタイプ」の2種類。それぞれ特徴を押さえておきましょう。
首にかけるタイプ(8の字)
首にかけるタイプの8の字型ハーネスは、引っ張り癖のある犬のしつけにおすすめ。
リードの指示が伝わりやすいので愛犬をコントロールしやすく、また引っ張ると首元に圧がかかることで、犬も引っ張りづらくなります。
両腕を通すタイプ(H型、ベスト型)
両腕を通すタイプのH型ハーネスは、気管が弱い犬や老犬など、首や気管支への圧迫を避けたい場合に使用するのがおすすめ。体に負荷がかかりにくい一方、リードの指示が伝わりにくいためしつけには向きません。
また、両腕を通すタイプの中には洋服のように着せられるベスト型も。ベストのような形状になっているので胴をしっかり包み込み体がしっかりと固定されます。愛犬とおそろいコーデを組みたい方にも適しています。
(★)プロからのワンポイントアドバイス
犬に洋服を着せて、オシャレを楽しみたいという飼い主さんもいるでしょう。しかし、洋服が苦手な犬は、洋服を着せると動かなくなってしまったり、散歩で歩かなくなってしまったりすることがあります。そんな場合はベストタイプのハーネスを試してみてください。
ベストタイプのハーネスは、洋服のように体全体を包むことがなく、犬が圧迫感を感じにくく作られています。
【2】ハーネスの種類で選ぶ
形状の違いのほか、ハーネスの種類にも着目しましょう。「ベルトハーネス」「ソフトハーネス」の2種類があります。
ベルトハーネス|成長に合わせてサイズ調整が可能
ベルトハーネスは、ベルトで体を固定するタイプ。ベルトのとめる位置をある程度調整できるので、犬の成長とともに装着サイズを変えられます。また、洋服の上からも着用可能。散歩時に洋服を着せているワンちゃんにはこちらがおすすめです。
ソフトハーネス|クッション性が高く快適な付け心地
ソフトハーネスにはクッション性の高い素材が使われていて、体をよりやわらかく包み込みます。体に負担がかかりにくいので、散歩中に勢いよく歩き出すようなワンちゃんにはこちらがおすすめです。老犬の場合もソフトハーネスを選びましょう。
【3】愛犬の体型に合ったサイズを選ぶ
犬用ハーネスを選ぶときは、愛犬のからだに合ったサイズを選ぶことが大切です。締め付けすぎると苦しいですし、逆に大きすぎると脱げてしまう可能性もあります。
からだが抜けなく、動きやすい余裕があるサイズ感がベストです。目安としては、体とハーネスの隙間に指1本が入るくらいのサイズがいいでしょう。
愛犬の体格も成長に応じて変わるので、サイズを調整できるものだと長く使えます。
【4】耐久性と通気性の高い素材を選ぶ
ハーネスの素材にも着目しましょう。丈夫な素材であることはもちろん、洗ってもヘタらないか、夏に着用する場合は通気性がいいかなどがチェックポイントになります。
ハーネスの素材として、合皮はおしゃれですが経年劣化が早く、メッシュ布素材は通気性が高いものの長く使うと破ける恐れも。面ファスナー(マジックテープ)で留めるタイプは着脱は簡単ですが接着部分が弱まる、といったメリット・デメリットがあります。
【5】反射板やハンドル付きなど機能面もチェック
犬用ハーネスの機能面も忘れずチェックしましょう。たとえば、夜間のお散歩には「反射板」がついているものがおすすめ。背中にハンドルが付いているハーネスは、飛び出し防止などとっさに愛犬を制御したいときに便利です。
このほか、ハーネスの胸にポケットがついていて、そこに保冷剤を入れることができる夏用のハーネスもあります。暑い季節の散歩では、その保冷剤が愛犬の熱中症予防に役立つでしょう。
おすすめの犬用ハーネスはこちら! 洋服の上から着用できるおしゃれハーネスも
ここからは、ハーネスの形状別におすすめ商品を紹介していきます。愛犬に合わせて適切なハーネスを選ぶ参考にしてください。
▼首にかけるタイプ
▼両腕を通すタイプ
▼おすすめ商品の比較一覧表
すぐに各商品が見たい方は、上記のリンクをクリックしてくださいね。
▼首にかけるタイプ
軽いうえに強度が充分で小型犬にピッタリ!
小型犬となると重さのあるハーネスは負担が高まりますが、このハーネスは軽量かつ丈夫なため、とくにやんちゃで活発な小型犬にピッタリ! 柔らかい素材でできているので、体に負担をかけません。
首周り部分は調節ができないため、XXSからXLまで選べる豊富なサイズからしっかりと選ぶようにしましょう。
大塚製作所『犬用ハーネス&リードセット』


▼両腕を通すタイプ
簡単に脱着できるかわいいワンタッチハーネス
体重が5kg以下の小型犬におすすめのハーネスです。紐は布製なので体にやさしい素材。しかもハーネスとリードが一体となっているので、装着と脱着がかんたんにできます。
リードをハーネスにつけるのが苦手という方におすすめします。高齢の方にも人気がある商品です。
シンプルなデザインだからこそ安心の使いやすさ
こちらのハーネスはとてもシンプル。複雑な作りをしていないため着脱させやすく、犬を飼いはじめの飼い主さんにも使いやすいでしょう。ハーネスには反射素材がついているので、夜間のお散歩にも便利。
引っ張り癖のある犬はハーネスが抜けてしまうおそれがあるため、しつけをしたうえで装着しましょう。
真夏の暑い季節にうれしい通気性のよさ
小型犬は小さい分、中型犬や大型犬に比べて地面の近くを歩くことになります。真夏のアスファルトは非常に熱いため、ハーネスだと暑そうだという理由から首輪を選ぶ人もいるでしょう。
しかし、このハーネスは非常に通気性にすぐれており、夏の暑い日でも快適にすごせます。また、反射板がついているため夜間でも安心です。
リード付でおしゃれに散歩を楽しめる
デザインで選びたい方にはこちらがおすすめ。おしゃれな格子縞で、セットで同じ柄のリードもついてくるのでお散歩も楽しくなるでしょう。快適なパッド付きで、体の負担も軽減します。
金具やDカンはさびにくく、滑り止め設計となっているので活発なワンちゃんでも安心です。
ドット柄の可愛いハーネスリード
柄はもちろんのこと、肉球のマークがかわいい革タグがついています。お出かけのときも愛犬をラブリーにかわいくしたい飼い主さんにピッタリです。
首へのしめつけも軽減されるため、喉が弱いわんちゃんも安心してお散歩させることができます。
ローラアシュレイ『フラワーハーネス』
X-girl(エックスガール)『ボックスロゴハーネス』

夏の熱中症対策におすすめ! 保冷ハーネス
布製のベストタイプのハーネスです。デザインはマリンルック。胸にポケットがついていて、そこに保冷剤を入れることができるので夏の暑い時期におすすめです。
小型犬におすすめのサイズ。色がネイビーとピンクの2種類ですが、どちらもシンプルなデザインなので犬種を選びません。
わが家の愛犬トイプードルもこれを愛用していて、夏の散歩では熱中症対策として役に立っています。

小型犬向け、洋服代わりに着せるとかわいいハーネス
チワワやトイプードルなどの小型犬を飼っていて、ファッションにこだわりたい方にはこちらがおすすめ。フリルスカートとドットがかわいいデザインは、一見するとハーネスには見えません。洋服を着たがらない犬でもこれならオシャレを楽しめるでしょう。
クッション性のある素材により、リードを強く引いたときでも犬の体に負荷がかかりにくい構造なので、散歩でなかなか歩いてくれないというワンちゃんにもおすすめです。ハーネスとデザインがおそろいのリードがついています。
▼おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 犬用ハーネスの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの犬用ハーネスの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
犬用ハーネスの正しい付け方 コツは「指一本の余裕」!
首を締め付けないというメリットがあるハーネスですが、首輪と違って形状は複雑になっていることから、適切な付け方や締め付け具合がわからない人もいるでしょう。
首輪と同様に、完全にぴったり締め付けるのではなく、指が1本入るくらいの余裕をもたせるようにしましょう。緩すぎるとすっぽりと抜けてしまうので注意が必要です。
商品サイトによっては犬種別で適切なサイズがわかるようになっているので、愛犬のサイズを測ってから、適切な商品を選ぶようにしましょう!
ドッグライフカウンセラーからのメッセージ 安全に散歩するためにもハーネスを利用しよう
散歩中、ほかの犬とすれちがったとき、犬同士が吠えて牽制(けんせい)しあうことがあります。
そんなとき首輪にリードをつけていると、相手の犬に立ち向かおうとした結果、リードで首輪が引っ張られて首が絞まってしまうことも。
その点ハーネスをなら、同じシーンでも犬は背中を引かれるだけで済み、首や喉が絞まることがありません。リードを首につけるか、背中につけるかの違いだけですが、犬にとっては大きな違いになります。
犬用首輪&リードのおすすめはこちら ペットグッズの関連記事
愛犬にぴったりの犬用ハーネスを選ぼう いかがでしたか?
今回は、犬用ハーネスの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。犬用ハーネスは、しつけにはもちろんのこと、歳を重ねた愛犬も安心・安全に使えるのが魅力です。
沢山の種類の商品が販売されているので、お気に入りの商品を見つけて愛犬との充実した毎日を過ごしてくださいね。
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1962年金沢市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。 愛犬ブラッキー(ウェルシュ・コーギー・ペンブローク)が5才のときに尿路結石症を患ったことがきっかけでペット・ケア・アドバイザー(愛玩動物飼養管理士)1級資格を取得(2000年)。 コラムやラジオでのペット・ケア・アドバイスのほか、駒澤大学総合教育研究部日本文化部門で「非言語コミュニケーション」の非常勤講師(授業終了)を務め、小型犬向けの犬のしつけ教室では11年間で約1,000匹の犬のしつけに携わる。 先代犬ブラッキーが12才のとき変形性脊椎症にかかり下半身不随状態に。 その後、2年半の完全介護生活を送り犬の介護の厳しさを経験(2007年 永眠)。 2010年よりトイ・プードルの小夏と暮らす。 2014年、ドッグライフカウンセラーの資格を取得。 犬のしつけは犬を自分に服従させたり制御して調教するのではなく、犬の意識を育てて考えるチカラを身につけさせることが大切と痛感。 座右の銘は「意識が変われば 景色が変わる」