一眼レフダブルズームキットはここに注目! 写真家・カメラ評論家が選び方を解説
写真家・カメラ評論家の田中希美男さんに、一眼レフダブルズームキットを選ぶときのポイントを教えてもらいました。どんな基準で商品を選べばいいかわからない方は、まずここで紹介する基準をもとに候補を選んでみてください。
ビギナー向けエントリー機種が多い点を知っておく
広角ズームと望遠ズームのセットは、初心者にはうれしい組み合わせ。そのお得感もさることながら、注目はボディの性能。ボディ本体に手ぶれ補正がついているほか、Bluetooth搭載により、電源をONにするだけで常にスマホとの接続が可能です。また、フルハイビジョン60p動画対応により、極めて質の高い動画撮影もできます。EOSのオリジナルトランクやバッグも充実した品揃えです。
ダブルズームキットとは、カメラボディに標準ズームレンズと望遠ズームレンズの2本をセットにしたモデルです。「はじめてレンズ交換式のカメラを購入する人たちがレンズ選びに悩まなくてもいいこと」「セット販売することで個別にそろえるより低価格にして購入しやすいようにしていること」に重点が置かれています。
ダブルズームキットにしているカメラには、もともとリーズナブルなビギナー向けのエントリー機種が多い傾向があります。選ぶうえでも、お買い得で初心者に適したカメラセットが主流であることを知っておきましょう。
なおキットモデルとして、交換レンズ1本(標準ズーム)とセットにした「ズームレンズキット」もあります。望遠レンズは必要ないものの、F値の明るい単焦点レンズが1本ほしい、という人にはこちらのズームレンズキットが選択肢として挙がります。
カメラメーカーで選ぶ
現在、一眼レフカメラを作って販売しているメーカーは、ニコン、キヤノン、リコー(ペンタックス)。ダブルズームキットを扱っているのもこの3社のみです。
キヤノン
キヤノンのダブルズームキットは4機種(4セット)。フルサイズ判よりふたまわりほど小さく、APS-C判イメージセンサーを採用している一眼レフカメラです。キヤノンのカメラは都会的でおしゃれな雰囲気を備えたカメラが多く、女性向けにデザインされたカメラもいくつかそろっている印象です。
ニコン
ニコンのダブルズームキットは2機種(2セット)。こちらも、フルサイズ判よりふたまわりほど小さく、APS-C判イメージセンサーを採用している一眼レフカメラです。ニコンのカメラはつくりがしっかりとしていて、力強い印象を受けます。ただ、女性が使っている場面も見かけるので、気に入ったデザインから選ぶとよいでしょう。
付属のレンズで選ぶ
交換レンズは「AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」と「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR」のセット。広角は18mmまで、望遠域は300mmまでをカバー。ひととおりの撮影領域をこのセットで対応できます。ボディ側で注目の機能としては、手ぶれ補正を搭載、またBluetooth経由で撮った写真をスマートフォンへ自動転送してくれるニコンのソフトウェア・アプリ「SnapBridge」が便利です。
キットになったズームレンズは、キヤノンは4機種とも「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」と「EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM」の2本に決められています。ほかのレンズを選んだり組み合わせたりはできません。同じように、ニコンの2機種もメーカーがあらかじめ「AF-P DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR」と「AF-P DX NIKKOR 70-300mm F4.5-6.3G ED VR」の2本に決まっています。
どのズームレンズも小型軽量で扱いやすく、手ぶれ補正の機能も内蔵しています。これらの便利な2本のズームレンズに物足りなさを感じたら、次はF値の明るい単焦点レンズやマクロレンズなどを自分のレンズラインナップに加えてみてはどうでしょうか。たった1本単焦点レンズが加わるだけで、撮影領域がぐんと広がりますし、撮影がより楽しくなるものです。
一眼レフダブルズームキットのおすすめ11選 画素数・記録メディア・セットレンズもチェック!
うえで紹介した一眼レフダブルズームキットの選び方のポイントをふまえて、写真家・カメラ評論家の田中希美男さんと編集部がおすすめ商品を厳選。
ミドルクラスに対応するタイプやタッチシャッター搭載のもの、家族旅行や野球の観戦にも活躍するキットなどご紹介しています。それぞれの機種の違いを比較したうえで、自分に最適の商品を選んでください。
世界最軽量で思い出を記録
大きい、重いというイメージがある一眼レフの中でも、キヤノンがこだわってきた軽さ。その中でもこの商品は、バリアングル液晶モニターを搭載した一眼レフの中では世界最軽量を実現。高度な機能を備えながらちょっとしたお出かけにも持っていける普段の生活でも使いやすい商品です。再現が難しい夕焼けの空の複雑なグラデーションもこのカメラなら滑らかに表現できます。

将来のステップアップを見越したダブルズームキット
ダブルズームキットにはエントリー(初心者向け)モデルのカメラが多いのですが、このEOS 80Dはキヤノンではミドルクラス(中級者向け)モデルに位置づけられています。将来のことを考えてワンランク上のモデルを狙っている人におすすめです。
約2420万画素のAPS-C判CMOSイメージセンサーを使用し、最高感度は最大ISO25600まで設定可能。ファインダーは視野率100%のガラスプリズムを使った光学式ですが、インテリジェントファインダー機構を採用して各種の撮影情報をファインダーを覗きながら確認できます。
キットになっているズームレンズは「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」と「EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM」で、2本のレンズだけで広角29mm相当から超望遠400mm相当の画角をカバーできます。

買ってすぐに使えるリーズナブルな初心者用キット
Kiss X9iは9000Dとカメラの基本性能はまったく同じで、異なるのは外観デザインと操作系だけです。しいて言えば、上級者のようなカメラ操作を望んでいる人に9000D、家族みんなで気軽に使いたい人にKiss X9iが向いていると思います。
Kiss X9iには液晶情報パネルはなく、上部右肩にモードダイヤルがあるだけで操作系はだいぶシンプル。初心者にもわかりやすいように配慮されています。キットになっている2本のズームレンズも9000Dと同じ「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」と「EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM」。広角29mmから望遠400mm相当の画角をたった2本のレンズでカバーして撮影することができます。
9000Dキットモデルに比べて価格がリーズナブルです。

タッチ操作でピント合わせ「タッチシャッター」
Kiss X9はEOS一眼レフシリーズのなかではとくに「エントリー」の機種です。徹底して小型化で軽量化がはかられたカメラですが、撮影機能としてはじゅうぶん満足なものを備えています。
カメラボディだけの重さを比べれば、Kiss X9iよりも約100グラムほど軽量。背面の液晶モニターも可変式を採用して、画面を撮影者側に向けて「自撮り」することもできます。画素数は約2420万画素で、ISO感度は最大ISO51200まで選択可能。さらに連写性能は最高約5コマ秒でメモリーカードいっぱいまで連続撮影ができるなど、撮影機能としては上級機種並みです。
カメラボディと2本のズーム(EF-S18-55mm F4-5.6 IS STMとEF-S55-250mm F4-5.6 IS STM)を合計しても約1キログラム未満。とにかく軽くて小さくて安くて、でもじゅうぶんな機能の一眼レフを望んでいる人におすすめなカメラです。

小型軽量で家族旅行にも最適な初心者用モデル
ニコンのエントリークラスのカメラは、ビギナー向けとはいうもののたいへんにしっかりしたつくりになっていて一眼レフカメラのすぐれた操作性、操作感があります。
D5600もそうした「ニコンの真面目さ」が感じられるカメラです。撮影機能はミドルクラスに匹敵するものがあります。画素数は2416万画素、ISO感度は最高ISO25600、最高5コマ秒の連写性能、タッチパネル式の角度可変式の液晶モニターを搭載。さらにWi-Fi、Bluetooth LE、NFCの機能を備えているので画像の転送は容易にできます。
キットレンズは2本とも手ぶれ補正を内蔵した「AF-P DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR」と「AF-P DX NIKKOR 70-300mm F4.5-6.3G ED VR」で、広角27mmから望遠450mm相当の画角をカバーします。とてもコストパフォーマンスの高いキットモデルで、その価値を「わかってる人」におすすめ。
初心者でもこだわりたい人におすすめ
動く被写体に正確にピントをあわせることができる光学ファインダー撮影に、映像エンジンDIGIC 8と大型センサーで、Kissならではのやわらかいボケ味や暗い場所での高い描写力を発揮してくれます。また、X10の連続撮影速度、5.0コマ/秒をうわまわる最高7.0コマ/秒で決定的な瞬間を逃さず撮影。被写体検出に優れた高性能ライブビューも特徴で、初心者でも安心して扱えるモデルとなっています。

初心者でも大丈夫! 基本機能を備えた入門機
ニコン一眼レフカメラのなかでローエンドの機種です。このD3500は大きさも重さも上位機種であるD5600とほとんど同じ。撮影機能もほぼ同じです。相違点はD3500にはWi-Fi機能がなくBluetooth LEのみで、スマホなどに画像転送するにはそれを利用。また、背面液晶モニターが固定式であることも相違点です。
ただしD5600のキットモデルに比べると価格が安いのが魅力。撮影機能やカメラサイズ、セットズームレンズのことを考えると、とてもお買い得だと思います。実際に私もしばらく使ってみましたが、まったく飽きのこない満足なカメラでした。
カメラとスマートフォンの登録と簡単切替搭載
カメラとスマートフォン/タブレットをシームレスにつなぐアプリケーション「SnapBridge」に対応。一度設定するだけでカメラとスマートフォンがBluetoothで常時接続。カメラのシャッターを切るたびにスマートフォンへ転送してくれるので、すぐにSNSやメールなどで家族や友達にシェアすることが可能です。200万画素の画像なら無制限で自動アップロードができるので容量を気にせず撮影ができます。
BluetoothとWi-Fiでスマホに簡単に!
最大143点の測距点でより広い範囲でのピント合わせを実現できるこの商品。最高約10.0コマ/秒の高速連写でベストショットを逃さないで思い出を記録することができます。バリアングル液晶で自由な視点での撮影も楽しむことができるのです。BluetoothとWi-Fiでカメラの電源はOFFのままスマホに写真を転送を簡単にできます。
アウトドアに最適な防塵・防滴ボディ
防塵・防滴構造、氷点下10度での動作保証など、 厳しい自然環境に耐えうる高い信頼性を持ち運びしやすい小型ボディにギュッと凝縮してある商品です。撮影フィールドを広げる、全天候型一眼レフ。腕を伸ばしてのハイアングル撮影や地面すれすれのローアングル撮影など撮影シーンを広げるバリアングル液晶モニター搭載してあります。
持ち運びしやすい軽量ボディ
『PENTAX K-S1』の上位機種として、アウトドアでのアクティブな使用に便利な防塵・防滴対応で世界最小を実現したモデルです。暗さや動きにも強いシステムを搭載したほか、光学ローパスフィルターと同等の効果が得られるローパスセレクター、ボディ内手ぶれ補正、本格機能を搭載しています。さらに、リモート撮影や画像の転送に便利な無線LAN(Wi-Fi)やNFCも搭載し、スマートフォンやタブレットとの連携を強化しています。
【比較一覧表】料金などを比べる
【ランキング】通販サイトの最新人気! 一眼レフのダブルズームキットの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでの一眼レフのダブルズームキットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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【まとめ】付属レンズは新旧モデルとも共通! 写真家・カメラ評論家からのアドバイス
ここで紹介したおすすめ機種はメーカーが現在、生産を続けている販売中の製品。実際の市場では、現行品にモデルチェンジされる前のカメラ、いわゆる「型落ち」、「旧型」とよばれるひと世代前の製品があります。生産は中止されたものの、修理やその他のサービスはメーカーが責任をもって対応してくれるものも。利点は安いことです。
キットモデルの場合は、カメラボディは新製品になってもセットになっているレンズは新旧とも共通です。ただし、最新型のカメラには新しい機能や機構が盛り込まれていて魅力があるのも事実。ひと世代前ぐらいの機種と比較して、どのような進化を遂げているのかチェックするのもよいでしょう。長く愛用することを前提に、現行機種を選ぶのがおすすめです。
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多摩美術大学付属多摩芸術学園・写真科卒業。撮影分野は、おもにクルマを中心に人、モノ、料理、風景、スナップ、ファッション、ドキュメントなど被写体を問わない。 ほかに、カメラ雑誌などに新型カメラやレンズのテストのレポート、撮影技法などの解説をする。