スリッカーブラシとは?使うメリットと効果 毛並みを整えるだけじゃない!
ペット・ケア・アドバイザー、ドッグライフカウンセラー
愛犬の被毛を整えるスリッカーブラシ。スリッカーは英語のSlick(「滑らかな」という意味の形容詞)から転じた言葉で、まさに毛並みを整え被毛を滑らかにするアイテムです。
毛並みを整えるほか、スリッカーブラシでブラッシングをすることにより、ホコリ・花粉・草などの除去や、ノミ・ダニの寄生予防、適度に皮膚を刺激することで血行促進などの効果も期待できます。
また、できものなど皮膚の健康状態の確認や、スキンシップにも役立ちますよ。
犬用スリッカーブラシの選び方 ペット・ケア・アドバイザーが解説!
スリッカーブラシのピン(ブラシの毛にあたる部分)の先端は針状のものと球状ものがあり、材質もさまざま。また、犬種により体の大きさや毛の長さが違うため、どんなスリッカーブラシを選ぶべきか、迷ってしまう人も多いのではないしょうか?
ここでは、ペット・ケア・アドバイザーの土井晴人さんに、犬用スリッカーブラシを選び方と注意点を教えてもらいました。ポイントは下記5点!
【1】スリッカーブラシは「ピン」に着目
【2】ピン先が丸いタイプは草やゴミがとりやすい
【3】持ち手の握りやすさもチェック
【4】サイズに迷ったら「縦45×横90mm」を目安に
【5】ワンタッチで毛を捨てられるとお手入れ簡単
それぞれ解説しているので初めて購入する方や、愛犬に適したものを選びたいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【1】スリッカーブラシは「ピン」に着目
ペット・ケア・アドバイザー、ドッグライフカウンセラー
スリッカーブラシを選ぶ際は、まずピンに着目することが大切です。
スリッカーブラシのピンの尖端が同じほうを向いてるか、手のひらにピンをあてても痛くないか、そのまま上下に動かしても痛みを感じないかを確認しましょう。
日常的に使うスリッカーブラシは、ピンの尖端が鋭利なタイプ(針状)で、ピンの土台はクッションがあるものをおすすめします。
また、ピンは金属なので、材質によってはサビるものがあります。一般的にスチール製はサビやすいので、ステンレス製などのなるべくサビにくいものを選ぶようにしましょう。
【2】ピン先が丸いタイプは草やゴミがとりやすい
ペット・ケア・アドバイザー、ドッグライフカウンセラー
公園や河川敷を散歩したあと、草や小さなゴミが犬の被毛にからんでいることがあります。春は道に散乱した桜の赤いガクが、また秋は枯れ葉がからまってなかなか取れません。トイ・プードル、マルチーズ、ミニチュア・シュナウザーなど、毛が伸びる犬種を飼っている方は経験があることでしょう。
そんなときは、ピンの尖端が丸くなっている玉付きスリッカーブラシがおすすめ。尖端が球状になっていると、毛のなかの混入物を掻き出すのに便利です。また、ピンがまっすぐのストレートタイプよりも、ピン先に角度がついているほうが掻き出しやすくなっています。
【3】持ち手の握りやすさもチェック
ペット・ケア・アドバイザー、ドッグライフカウンセラー
持ち手は滑らない材質のものを選ぶこともポイントです。
持ち手の長さは、小型犬の場合は8~10cmくらい、中型犬や大型犬の場合は11~12cmくらいのものが使いやすいと思います。
【4】サイズに迷ったら「縦45×横90mm」を目安に
ペット・ケア・アドバイザー、ドッグライフカウンセラー
スリッカーブラシのサイズは、ピンの土台の大きさ(横幅のサイズ)で変わります。耳の裏や脇などのこまかい場所には小さいサイズが使いやすく、背中や腰まわりなどの面積が広い場所をブラッシングするときは、大きいサイズが便利。
サイズ展開はS、M、Lなど豊富ですが、メーカーによってそれぞれ大きさが異なります。どの大きさを使ったらいいか迷う場合は、標準的な「縦45×横90mm」サイズを目安に選びましょう。
【5】ワンタッチで毛を捨てられるとお手入れ簡単
ブラッシングをするとスリッカーブラシにはたくさんの被毛やゴミが付着します。そのため、ワンタッチで後処理できるタイプだと手を汚さずに捨てることができます。日常的に使うものなので、ブラッシングしたあとの片づけが手軽に済ませられると便利ですよ。
犬用スリッカーブラシのおすすめ11選 痛くない! ペット・ケア・アドバイザーが厳選!
犬用スリッカーブラシの選び方がわかったら、次はどんな商品があるのか具体的にみていきましょう! ここからは、ペット・ケア・アドバイザーの土井晴人さんと編集部で選ぶ、おすすめ商品を紹介していきます。

ピン先が丸く、皮膚にやさしいスリッカー
ステンレス製のピンで、尖端が球状のスリッカーブラシ。ピンに角度がついているので、被毛にからまった草や小さなゴミを掻き出すのに便利です。使用しているスリッカーブラシが使いづらいと感じる方、被毛のなかの混入物がとれなくてお困りの方におすすめです。
とくに落ち葉やガクが犬の脚にからみついたときや、公園でひっつき虫が脚の毛に付着したときに威力を発揮します。
ワンクリックで簡単に抜け毛を処理できる!
ブラッシング後にボタンを押すだけで簡単に抜け毛を処理できるスリッカーブラシです。汚れがたくさん付いている被毛を手軽に捨てられるのが魅力です。針の先端には、小さな丸いビーズが付いているのでペットの肌を保護しながらブラッシングできます。
さらに、ハンドルも大きいので持ちやすいのもポイントです。

クッション入りで使いやすく、サビにくいスリッカー
プロのトリマーも使っているすぐれもの。ピンの尖端が針状のタイプでサビない材質です。クッション入りで力を入れずにブラッシングができるので、初心者の方にもおすすめ。
サイズはミニ・小・中の3種類。小サイズが縦45×横90mmと一般的なサイズです。小型犬は小サイズを、中型・大型犬もまずは小サイズを試すのがおすすめ。というのも、小さいサイズの方が耳の裏側などの細やかな場所をブラッシングするときに便利だからです。
ただし、体をブラッシングするときに小サイズだと物足りないときは、中サイズに切り替えるのがいいでしょう。短毛と長毛のどちらもふっくらと仕上がります。

持ち手が長めの最高品質のスリッカーブラシ
「キンペックス」は、「岡野製作所」とともにプロのトリマーに人気のメーカー。この商品は持ち手が115mmと少し長めなので、シェットランド・シープドッグ、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、スタンダード・プードルなどの中型・大型犬のブラッシングにおすすめです。
軽くて持ったときにバランスがいいので、女性でも負担なく使うことができます。
ワンプッシュでお掃除が簡単!
ブラシに絡まった抜け毛を、ワンプッシュで取り除けるのが特長のスリッカーブラシです。ボタンを押すと抜け毛が持ち上がるため、簡単に捨てられて便利。抜け毛の多い犬種や換毛期におすすめです。
皮膚への当たりをソフトにするクッションベースもポイント。適度に皮膚へ刺激を与えながら、抜け毛をしっかり除去できます。プラスチック部分は抗菌仕様で、持ち手は握りやすいラバーグリップを採用。サイズはSとMを展開しているので、体の大きさに合わせて選ぶとよいでしょう。

創業200年を越える英国老舗メーカーの逸品
ペット先進国イギリスの老舗ブランド「ローレンス」。高品質のピンは尖端が針状のもので、ピンの土台は軽量アルミを使用しています。持ったときのバランスがいいので女性からも人気があります。
サイズはSS・S・M・Lと4つのバリエーションがあります。犬の体を中心にブラッシングをする場合、中型犬や大型犬ならMサイズがおすすめ。ただし、耳の裏などこまかい場所をていねいにブラッシングしたい場合は中型犬、大型犬でもSSやSサイズがよいでしょう。
ピンがこまかくてやわらかいソフトタイプと、太くてかたいハードタイプがあります。日常的に使う場合はソフトタイプ、毛のもつれや毛玉がひどいときはハードタイプがおすすめです。

長毛種のムダ毛・抜け毛をざっくり除去できる
ダブルコート犬種のムダ毛や抜け毛を除去するのにすぐれたアイテム。ダブルコートとは、被毛がアンダーコートとオーバーコートの二重構造になっていることを指し、換毛(かんもう)期に下毛が抜けます。犬種だとゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、シェットランド・シープドッグ、ポメラニアン、ミニチュア・ダックスフントなど。
『ファーミネーター』は短毛や長毛によって刃先のバリエーションがあり、また体の大きさに合わせてSS・S・M・Lサイズなどがあります。ザクザクと抜け毛やムダ毛が除去できるので、換毛期に抜け毛が多くてお困りの方におすすめです。
根本の抜け毛までしっかり除去できる
初心者でも使いやすい、ソフトタイプのスリッカーブラシです。ピンは細めなので被毛の根本まで届き、抜け毛や毛玉を取り除きます。グリップにはラバーコーティングを施しているため持ちやすく、小さめなので女性の手にもフィットして使いやすいでしょう。
ブラシに付いた抜け毛を取る、お掃除クシが付いているのもうれしいポイントです。Mサイズは長毛・短毛の兼用タイプなので、犬種を問わず使用できます。小ぶりのSサイズは短毛用と長毛用があり、小型犬や細かい部分のお手入れにおすすめです。
柔らかいブラシで、しっかり抜け毛を取り除く
皮膚に優しいラバータイプのスリッカーブラシです。ブラシ部分が柔らかいシリコンゴムでできているので、皮膚への負担が軽減できるのが特長。マッサージしながら根本までブラッシングできて、抜け毛もしっかりキャッチします。
ブラシに付いた毛が飛び散りにくく、簡単に取り除けるのもポイントです。汚れやホコリもブラシに吸着するため、毛並みがきれいになるメリットも。水洗いができるので、細かい毛や汚れなども落とせて清潔に保てます。
プロトリマーに人気!軽くて使いやすいスリッカー
ベルギーのグルーミング世界チャンピオンが考案したスリッカーブラシ。使いやすさが人気で、多くのプロトリマーも使用しているタイプです。長めの持ち手はグリップが付いていて持ちやすく、軽量なので手にかかる負担を軽減します。
ピンは長めでアンダーコートにも届き、根本近くにある毛玉も除去できるのが魅力。被毛の奥までしっかりブラッシングできるので、長毛種や毛量の多い犬種におすすめです。ブラシ面がカーブしているため、力を入れずにブラッシングでき、皮膚への負担が少ないのも特長です。
プロも愛用する高品質のスリッカーブラシ
岡野製作所のスリッカーブラシはプロも愛用する人気商品です。こちらはスリッカーブラシのハードタイプ。ピンの密集度が高いので細かい部分までブラッシングでき、毛がふわふわに仕上がります。クッションには天然ゴム製の極厚ラバーを使用しているため強度も高く、ピンはサビにくいステンレスで、持ち手には天然木を採用。
品質にこだわっているので、長く使えるでしょう。トイプードル、ゴールデンレトリバーなど毛玉ができやすい犬種や、長毛種におすすめです。サイズは小と中があるので、愛犬の大きさに合わせて選べます。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 犬用スリッカーブラシの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの犬用スリッカーブラシの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
スリッカーブラシの使い方に関するQ&A
ここでは「スリッカーブラシのソフトとハードの違い」や「ブラッシングの頻度」、「はじめるタイミング」「上手なブラッシングのやり方」など、愛犬のブラッシングに関する疑問について解説していきます!
スリッカーブラシのソフトとハードの違いは?

スリッカーブラシには、ハードタイプとソフトタイプがあり、主な違いはピンの金属の硬さです。ソフトタイプは、ピンがこまかくてやわらかいのが特徴。ハードタイプはピンが太くてかたい作りになっています。初心者の方や普段使いにはソフトタイプがおすすめです。
ブラッシングを嫌がる子への対策は?

ブラッシングを嫌がる子も多いですが、対策としてはできるだけ子犬のうちからブラシに慣れさせてあげることが大切です。子犬じゃなくてもはじめてブラッシングするときは嫌がる・怖がる子も多いので、まずは近づかせる、においをかがせるなどして慣れさせてあげましょう。
慣れてきたら狭い範囲から少しずつブラッシングをスタートし、徐々に全身へブラシを動かしていきます。ジッとしていないからと怒るのは絶対にNG。ブラッシングが嫌いにならないように嫌がったら手をとめ、安心させるためにも声をかけながら行なうようにしましょう。
ブラッシングの頻度は? 毎日やってもOK?

ブラッシングは基本的に毎日行なうのが理想です。ブラッシングをしないと毛玉ができ、ブラッシングをするときに引っ掛かってしまい、愛犬に痛い思いをさせてしまうことも。毛玉ができてからときにくくなってしまいます。
ただし一日数回などやりすぎには注意。皮膚を傷めてしまう原因にもなります。毎日が難しい場合、目安として週に2〜3回は全身をくまなくブラッシングしてあげるといいでしょう。ですが、換毛期は毎日抜けた毛をしっかり取り除いてあげてください。
ペット・ケア・アドバイザーからのメッセージ ブラッシングは力を入れないのがコツ!
ペット・ケア・アドバイザー、ドッグライフカウンセラー
スリッカーは、もともとは羊の毛をほどく道具として使われていたものです。ピンの先に角度がついているのは、肌をキズつけずに大量の羊毛を掻き出すための知恵のカタチ。毛が伸びる犬種・伸びない犬種(換毛期がある犬種)のどちらにも使えます。
大切なのは力を入れずにブラッシングできるものを選ぶこと。グルーミングスプレーと一緒に使うと、より快適にブラッシングができます。愛犬の健康管理やスキンシップのために、ぜひとも良質なスリッカーを使いましょう。
愛犬のケアにはこちらのグッズもおすすめ 関連記事
こちらの記事では、短毛種におすすめのラバーブラシなど、そのほかの犬用ブラシやブラッシングにあると便利なグルーミングスプレーのおすすめを紹介しています。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
1962年金沢市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。 愛犬ブラッキー(ウェルシュ・コーギー・ペンブローク)が5才のときに尿路結石症を患ったことがきっかけでペット・ケア・アドバイザー(愛玩動物飼養管理士)1級資格を取得(2000年)。 コラムやラジオでのペット・ケア・アドバイスのほか、駒澤大学総合教育研究部日本文化部門で「非言語コミュニケーション」の非常勤講師(授業終了)を務め、小型犬向けの犬のしつけ教室では11年間で約1,000匹の犬のしつけに携わる。 先代犬ブラッキーが12才のとき変形性脊椎症にかかり下半身不随状態に。 その後、2年半の完全介護生活を送り犬の介護の厳しさを経験(2007年 永眠)。 2010年よりトイ・プードルの小夏と暮らす。 2014年、ドッグライフカウンセラーの資格を取得。 犬のしつけは犬を自分に服従させたり制御して調教するのではなく、犬の意識を育てて考えるチカラを身につけさせることが大切と痛感。 座右の銘は「意識が変われば 景色が変わる」