ハーモニカの選び方 演奏する曲やテクニックが必要かどうかがポイント
ハーモニカの選び方をチェックしていきましょう。レコーディングエンジニア・小野寺孝樹さんのアドバイスもご紹介しています。自分の使い方にぴったりのハーモニカを選ぶために参考にしてみてくださいね。
種類で選ぶ|ハーモニカの特徴も知っておこう
最初にハーモニカの種類についてかんたんにご説明すると、まず、大きく「ダイアトニックハーモニカ」と「クロマチックハーモニカ」の2種類に分けられます。
ダイアトニックハーモニカ
レコーディングエンジニア
ダイアトニックハーモニカのなかには10穴ハーモニカや複音ハーモニカが含まれ、教育用ハーモニカもこのカテゴリーに属します。ダイアトニックハーモニカは派生音を含まないため比較的演奏しやすのが持ち味です。
クロマチックハーモニカ
レコーディングエンジニア
クロマチックハーモニカはピアノで言えば黒鍵部分の派生音と白鍵部分の幹音が上下に配列された上下式と、レバーを押すことによって派生音を演奏できるスライド式があります。クロマチックハーモニカの演奏は多少難易度が高くなります。
演奏する曲の音域やキーに合わせて選ぶ
レコーディングエンジニア
10ホールズ・ハーモニカは誰でも比較的かんたんに演奏できたり、3オクターブの音域をカバーできたりする半面、臨時記号に対応できなかったり、省略されているノート(音)があったりなどの制約も多いです。
ハーモニカだけで演奏するのであれば、どんなキーでもお持ちの楽器に合わせて移調をすればよいのですが、たとえばできあがっているカラオケやギターの伴奏に合わせて演奏する場合などは、そのキーに合った楽器を用意する必要があります。
そういう場合は、演奏は多少難しくなりますが、どんなキーにも対応できるクロマチックハーモニカのほうがおすすめです。また音域の広さで選ぶならば、21穴や23穴が主流の複音ハーモニカを選択肢に入れてもいいでしょう。
材質や構造による音色の違いで選ぶ 金属製・木製・樹脂製では音色や響きが違ってくる
レコーディングエンジニア
本体の材質の違いによっても若干得られる音色に違いがあります。金属製のものはシャープでクリアながら重厚な音色、木製のものは響きが柔らかく温かい音色が得られ、樹脂製のものはその中間といったところです。たとえば、ソロ用には金属製、バッキングや合奏用には木製など、用途やお好みにより選んで見るのもいいでしょう。
また、複音ハーモニカはリードが2枚あることにより、美しいコーラスや疑似的なトレモロ効果が得られます。その豊かな郷愁を誘う響きには深い味わいがあり、童謡や歌謡曲などを演奏するのにはぴったりで、とても雰囲気が出るのでおすすめです。
演奏ジャンルで選ぶ
演奏するジャンルにより最適なハーモニカが異なってきますので、ここではそれぞれのジャンルを演奏しやすいハーモニカをご紹介していきましょう。
ロックなどバンドのなかで演奏する場合
ロックやブルーズなど、バンドのなかで演奏するときには、ほかの楽器とハーモニカのキーを合わせることが必要です。そこで使いやすいのが、キーごとに種類が用意されている「ブルースハープ」です。
ひとつのキーの音しか出ないつくりなので合奏していても違和感が出にくく、演奏のなかで悪目立ちすることがありません。また、複数用意すれば曲中にキーが変わっても対応でき、表現の幅が広がります。
ジャズなど表現力のある演奏をしたい場合
音の組み合わせによって多彩な音楽を表現するジャズやクラッシクなどを演奏する場合にぴったりなのが「クロマチックハーモニカ」です。1台のハーモニカで半音上げた音まで出すことができるので、途中で交換しなくてもさまざまな音を奏でられます。
幅広い音が出せるため、演奏するキーや曲調を選ばず使用でき、一度にさまざまな音楽を演奏するときにも活躍します。
演歌などレトロな雰囲気で演奏する場合
演歌や童謡といったレトロな雰囲気を出して演奏をしたいときに重宝するのが「複音ハーモニカ」です。複音ハーモニカは上下の穴から同時にふたつの音が鳴るつくりになっており、少しずれた音の組み合わせが懐かしい雰囲気を醸し出します。
さらに、異なる雰囲気の音が同時に鳴るため、ふたりで演奏しているように聞こえ、ひとりでも深みのある演奏ができます。
演奏する音楽のジャンルが決められないときは
レコーディングエンジニア
ハーモニカ選択の基準として、おもにどのような音楽を演奏するのかというのは重要です。
しかし、あまりイメージがかたまっていない、もしくはいろいろなジャンルの曲を演奏したいという場合、まずはオールマイティに使えるクロマチック・ハーモニカを選ぶのがよいかと思います。
また、ダイアトニックを選ぶ場合でも、まずはある程度汎用性のあるC調のものを選び、徐々にほかのものもそろえていくというのもよいでしょう。
もし弾き語りやバンドをやっているならば、ご自分の歌のキーに合わせたものをまず入手すると、無駄なく使えるのではないでしょうか。
ハーモニカおすすめ10選 【評判の人気ブランド・メーカー】ホーナー、トンボ、スズキほか
うえで紹介したハーモニカの選び方のポイントをふまえて、レコーディングエンジニア・小野寺孝樹さんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介します。それぞれが特徴的なモデルで、使用目的に応じた製品選びの大切さがわかります。ご自身のやりたい音楽に適したものをさがしてみましょう。

鈴木楽器製作所 SUZUKI(スズキ) 『シングルハーモニカ S-15C』

出典:Amazon
穴の数 | 15 |
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サイズ | W150 x D40 x H24 mm |
重さ | 63g |
吹きやすい入門用ハーモニカ
創業より60年あまり、教育用ハーモニカを作り続けている、スズキの商品です。どなたにもわかりやすいように「どれみふぁそらしど」と表記にまで気を配っており、金属部分の断面が口に触れない設計となっているため、安心して使うことができます。
さらに気密性を高くすることによって、少ない息でも音が鳴るようにするなど、子どもでも使いやすいようにこだわって作られています。また、子どもに限らず、あまり力のないお年寄りでも、吹きやすく持ちやすいように作られているのもおすすめしたいポイントです。
軽くて持ち運びが便利なケースもついていますし、プレゼントにもよろこばれると思います。

HOHNER(ホーナー) 『Blues Harp MS 532/20/X』

出典:Amazon
穴の数 | 10 |
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サイズ | W105 mm |
重さ | - |

TOMBO(トンボ) 『No.1710 メジャーボーイ』

出典:Amazon
穴の数 | 10 |
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サイズ | W105 x D30 x H18 mm |
重さ | 63g |

鈴木楽器製作所 SUZUKI(スズキ) 『高級ミヤタ MH-21』

出典:Amazon
穴の数 | 21 |
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サイズ | W164 x D31 x H23 mm |
重さ | 124g |

HOHNER(ホーナー) 『Chromonica 280 280/64』

出典:Amazon
穴の数 | 16 |
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サイズ | W193 mm |
重さ | - |
幅広いジャンルで活躍できる中級者以上向けの1台
クロマチック・ハーモニカのなかでも中級者以上へのおすすめ機種です。正直、「ハーモニカにしてはちょっと手が出ないかな」と思ってしまうお値段。
しかし、ダイアトニックハーモニカならキーに合わせていくつか用意しなければならないところを、こちらはキーに縛られずクロマチックで鳴らせるので、1台ですみます。それを考えると、意外とコストパフォーマンスにすぐれていると言えるのでは?
スティービー・ワンダーやトゥーツ・シールマンスなど、ジャズやポップスの世界的なアーティストも愛用しており、幅広いジャンルに適応する機種だと思います。
4オクターブの広い音域をカヴァーしますが、ある程度の力量がないと鳴らしきれないので注意が必要です。
キョ―リツコーポレーション『s.yairiハーモニカ(SYH-20)』

出典:Amazon
穴の数 | 10 |
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サイズ | - |
重さ | - |
荒井貿易『ARIAハーモニカ(AH-1020)』

出典:Amazon
穴の数 | 12 |
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サイズ | W104×H28×D21mm |
重さ | 60g |
鈴木楽器製作所 SUZUKI(スズキ)『HAMMOND (HA-20)』






出典:Amazon
穴の数 | 10 |
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サイズ | w100×D27×H20mm |
重さ | 90g |
鈴木楽器製作所 SUZUKI(スズキ)『エアーウェーブ(AW-1)』








出典:Amazon
穴の数 | 10 |
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サイズ | W165×D57×H20mm |
重さ | 70g |
TOMBO(トンボ)『トンボ・シングル(No.1222)』








出典:Amazon
穴の数 | 22 |
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サイズ | W176×D36×H22mm |
重さ | 86g |
「ハーモニカ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ハーモニカの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのハーモニカの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ハーモニカのお手入れの方法
レコーディングエンジニア
ハーモニカは素材によってお手入れの仕方も変わります。本体が木製のハーモニカは、水分を過剰に含み膨張してしまうことがあるので、水洗いはできません。しかし、子ども用の場合は常に清潔にしておきたいですから、水洗いも可能な樹脂製やプラスチック製のものがおすすめです。
演奏した後のお手入れについて、どのタイプにもいえることですが、内部に水分が付着したままにしておくと金属部分が腐食してしまうので、乾いた布で拭くなどして完全に乾燥させるようにしましょう。
また、安心して長く使用するためには、市販のハーモニカ除菌クリーナーやクリーニンググロスも用意しておきたいアイテムのひとつです。
編集部まとめ
ハーモニカの選び方からおすすめの商品までご紹介してきました。ハーモニカは安い値段で買える数少ない本格楽器です。吹き方も簡単で初心者でも最初から音を鳴らすことができるので、いつでも気軽に始められるのが良いところです。思った時が吉日です。思い切って始めてみてもよいかもしれませんね。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(制作協力:拝島 祐子、掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/01 コンテンツを追加更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 花島優史)
1989年株式会社ゼロスタジオに入社。 アシスタントを経て、1992年チーフエンジニアに昇格。 その後、数々のレコーディングに携わる。 2001年ゼロスタジオを退社、フリーランスとなる。 以降、レコーディング・ミックスからプログラミングまで、またアイドルソングからプログレまでなんでもこなす便利な人として、活躍中。"