USBメモリとは? PCにある文書や写真、音楽データなどを手軽に持ち運び可能
USBメモリは、PCのUSBポートに接続して保存されている文章や写真、音楽データなどを記録し、手軽に持ち運びをすることができるアイテムです。USBフラッシュメモリやUSBフラッシュドライブと呼ばれることもあります。
PC以外にも、ゲーム機やスマートフォンなどUSBに対応している機器は、別の媒体にデータを移し替える、データのバックアップを取っておくといった使い方も可能です。
【注意点1】紛失に気を付ける
小型で持ち運びしやすいのがUSBメモリのメリットですが、取り外したあと紛失しやすいので注意が必要です。家の中で保管場所を決めておく、キーホルダーやストラップをつけて目印にしたりカバンなどにつけておくなどの工夫をしましょう。
【注意点2】長期保存向きではないので、別の保管場所も用意する
USBメモリは、データ書き込み可能回数に上限があったり、しばらく使わないと絶縁体の経年劣化でデータが消えてしまう可能性があるので、一時的にデータを持ち出す用と考え、長期保存したいなら別の保管場所(記録媒体)を用意したほうがいいでしょう。
なお、メーカーにもよりますが、USBメモリの寿命は低価格だと1~2年(使用環境や使用頻度、メーカーにより異なる)、高品質だと10年対応するものもあります。購入時には必ず動作保証年数を確認することをおすすめします。
USBメモリの選び方 転送速度や耐久性など
データの持ち運びに便利な「USBメモリ」。データ保存機器としてはコンパクトで手軽なのがうれしいアイテムです。しかし、さまざまな機能を備えたモデルが続々と販売されているため、どれを選べばよいか迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、ITサポートエンジニア・古賀竜一さんに教えていただいた、USBメモリの選び方をご紹介します!
ポイントは下記。
【1】容量
【2】転送速度
【3】デバイスの接続端子
【4】機能
【5】端子の収納方法
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】容量で選ぶ
USBメモリには、ビジネス向きやプライベート使用が向いているものなど、さまざまな製品があります。1GBの低容量タイプから1TBの大容量タイプまであるので、事前に用途を考えてから購入することをおすすめします。
一般的には、16~64GBのものが主流になっていますが、もう少し容量が欲しい人は128GBを選ぶとよいかもしれません。文書や写真などの保存なら8GB~16GBで、動画などの大きなデータ保存なら64GB~128GBの容量保存が向きます。
一般のビジネス文書や写真などのファイルはそれほど容量も大きくなく、ファイル数が多くても、大容量化している最近のUSBメモリなら問題なく格納できるようになりました。
しかし、動画ファイルなどは依然として容量が大きく、大容量化したUSBメモリでも格納できるファイルの数には限界があります。
また、そのような大容量のデータを頻繁に扱う場合は、転送速度もある程度の高速性が必要。価格だけで選んでしまうと、速度や容量が用途と合わないものとなってしまう可能性があります。
大きな容量のファイルをほとんど扱わない場合は、格安の小容量のUSBメモリでも問題はないでしょう。
【2】転送速度で選ぶ

一般的には「USB X.X」の数字が大きい方が転送速度が速くなります。
大容量のデータを何度も転送する予定がある方は「転送速度」をチェックして選びましょう。製品によって差はありますが、一般的には「USB2.0」よりも「USB3.0」「USB3.1」の方が転送速度が速くなります。
最近では、Type-C端子に対応した「USB 3.2」規格のUSBメモリも売られています。
【3】デバイスの接続端子で選ぶ
接続したいデバイスに対応する端子であるのかもチェックすることが必要です。デスクトップのPCでは、USB Type Aが一般的になります。一方で、ノートPCやタブレットではUSB Type-Cのみ搭載されている製品もあります。
iPhoneに接続したい場合は、Lightning端子製品を。Androidのスマホは、USB Type-CとmicroUSBの2種類があるので確認しておきましょう。
【4】機能で選ぶ
USBメモリを選ぶ際には、セキュリティや耐衝撃なども考慮しましょう。
セキュリティ機能を忘れずに
会社PC内にある重要なデータを保存して持ち出す頻度が高いなら、セキュリティ機能は必須と言えるでしょう。セキュリティ対策としては「暗号化ソフト」を搭載したモデルもあり、保存データを暗号化しておけば、紛失の際にも第三者にデータを閲覧されるリスクが低減されます。
そのほか、「パスワード設定」「指紋認証」「アンチウイルスソフトを搭載」などがあるので、持ち出すデータや使い勝手を考慮して選びましょう。
耐衝撃性・耐塵性・耐湿性・長寿命など
近年のUSBメモリには、付属機能がついた商品も多く販売されています。
持ち運ぶことが多い場合は、「耐衝撃性」「耐塵性」「防水・防塵仕様」と書かれた耐久性にすぐれた壊れにくいモデルを選ぶといいでしょう。
また、より長寿命の商品を選ぶためには、動作保証年数を確認することも大切です。USBメモリの寿命は安いものだと1~2年程度といわれていますが、高品質のものだと10年以上もつものもあるようです。
USBメモリは持ち運んで使用する場合、移動中のカバンやポケットのなか、外での使用などさまざまな環境に置かれます。
通常仕様のものはそのような苛酷な環境では壊れやすくなりますので、できれば耐衝撃性、耐塵性、耐湿性などを備えているものを選びましょう。
また、外装に金属を使用したものはプラスチックのように割れることもなく、余計な電磁波や電波のシールドとしての機能が期待できます。
金属外装は熱を持ちやすいUSBメモリの放熱にも有利で、より信頼性を求めたい場合は、多少高額になってもそのような仕様のものを選ぶことも必要です。
【5】端子の収納方法で選ぶ
最近のUSBメモリはより小型化し、超小型のものやスリムタイプ、ノック式キャップレスなど、機能性や操作性も随分とよくなったものが主流になっています。
しかし、現在でも隣のUSBポートに干渉してしまうような大きさのものが存在するため、選択の際にはサイズに気をつけましょう。
外形がUSBコネクタと同サイズの超スリムタイプのものや、ノートPCに差したままでも邪魔にならない超小型のものなどは、隣り合ったポートへの干渉を回避できます。
また、コネクタがノック式になっているキャップレス式のものは、キャップの管理のわずらわしさが要らず快適です。
エキスパートのアドバイス
USBメモリはデータを一時的に保管するもの
USBメモリは、家電量販店で格安セールの目玉商品になることも多く、家電雑貨として認知されるようになっています。しかし、大切なデータを受け渡しする媒体ですから、ある程度の信頼性や耐久性も求めたいところ。
USBメモリに使用されているフラッシュメモリは物理的な性質上、長期のデータ保存には不向きです。
USBメモリは本来、データを移動したり、一時的に保管しておくためのもの。恒久的にデータを保存する記憶媒体としては推奨できないものなのです。
USBメモリを選択する際には、いかにデータを長期保存するかではなく、いかにスムーズにデータをやり取りするかということを重視しておく必要があります。
USBメモリのおすすめメーカー 各メーカーやブランドの特徴を解説
厳選したUSBメモリの人気メーカーをご紹介します。
ELECOM(エレコム)
エレコムは、大阪にある創業30年を超える日本の大手メーカーで、マウスやキーボードなどの13部門で業界トップシェアを誇ります。
エレコムのUSBの特徴はデザイン性にすぐれた製品が多い点、暗号化機能が付いた製品もありセキュリティ機能が充実している点になります。
USBの見た目にこだわる人、気密性が高いデータをよく扱う方におすすめです。
Transcend(トランセンド)
台湾の台北に本社があるトランセンドは、半導体メモリ製品を中心に製造を行っています。同社のUSBメモリは、低価格でありながら品質が高いので、コスパ重視の方におすすめです。
また、USB Type-AとUSB Type-Cの両方のコネクタを搭載、キャップレス製品、耐久性にすぐれたモデルもあります。
BUFFALO(バッファロー)
バッファローは、無線LANやHDDなどの分野で高いシェアを誇り、愛知県に本社があるコスパのいいPC・ネットワーク周辺機器を取り扱う大手メーカーです。
1,000円未満で購入できる安価な製品から、パスワードロック機能やウイルスチェック機能を搭載した高性能モデルまで幅広いラインナップが特徴です。
また、バッファロー独自のカラーバリエーションが展開されているので、ほかの人と差別化したい人、複数のPC間でデータを扱うビジネスマンにおすすめです。
USBメモリおすすめ13選 高性能~おしゃれデザインまで
うえで解説したUSBメモリの選び方のポイントをふまえて、実際にITサポートエンジニア・古賀竜一さんと編集部が選んだおすすめ商品をご紹介します。
容量や材質、耐環境性能にすぐれた商品などがあります。自分の用途にあった商品を探してみてください。
わずか10gなので、持ち運びに便利!
20×9×55mm、わずか10gのコンパクトでシンプルなデザインが特徴のUSBメモリ。ストラップホールドがついているので、紛失を防ぐことができます。
USB3.1(Gen1)/USB3.0に対応し、USB2.0用USBメモリの約2.5倍の転送速度があるため、待ち時間でイライラすることもないでしょう。フォルダー内のサムネイルも高速表示してくれます。

ノック式で高速高機能なUSBメモリ
ノック式でかわいいキャラクタープリントが入っているのにUSB3.1対応の高速・高機能な、まさに羊の皮をかぶったようなUSBメモリです。
さらにユーティリティーとして暗号化ソフトや、アクセス管理ソフトが利用でき、実用的で操作性も抜群のユーティリティー群がそろっています。USBの使用を禁止されていないけれど、しっかりとした管理を求められる立場や職業にある方にも最適なUSBメモリです。

超コンパクトだけどUSB3.0対応
突出幅がわずか5mmという超コンパクトサイズでUSB3.0対応の高速USBメモリ。ノートPCによってはUSBポートの位置が外形サイズに対して、奥まっていれば完全に隠れてしまうくらいコンパクト。
USBメモリを差したまま、頻繁にパソコンをバッグに出し入れすることが多い場合などにぴったりです。USBメモリの出っ張りを気にすることがなくなって作業にも集中できます。USB3.0対応ですから、超小型ながらデータの高速転送も可能です。ビジネスで頻繁に出張がある方などにもおすすめ。

超コンパクトで低価格なUSBメモリ
超コンパクトサイズで、ノートパソコンに差したままバッグに収納できるUSBメモリ。対応はUSB2.0ですが、価格もリーズナブルで速度的にも比較的速いので、動画などの書き込みを頻繁に利用しなければ、通常の利用で問題ないでしょう。
作業のバックアップ用やUSBブートOS(USBメモリの中に自分のPC設定やデータをOSごとまるごと格納しておき、出先のPCなどどこでもふだんと同じ使い勝手を実現させられる)用などとしてもぴったりです。さまざまなデバイスなどでUSBメモリをつけたまま利用するような使い方なら、このUSBメモリはおすすめです。

使う場所を選ばないスポーティーなUSBメモリ
最近では、仕事やレジャー、趣味などの際に外出先でもパソコンを使う機会が多くなっている方も多いでしょう。とくに動画配信やビデオの撮影などで、容量が大きなファイルの移動や保管の機会も増えています。
湿気、ほこり、落下の危険など苛酷な環境でも、このUSBメモリは耐衝撃、防滴、防塵で大切なデータをまもってくれます。外でもUSBメモリを使う機会がある方におすすめです。USB3.0対応ですから高速転送も可能。スポーティーなデザインとカラーラインナップで、存在感もじゅうぶんです。
たった2stepでバックアップと復元が可能
接続時にいちいちコネクターの向きを確認する必要がない両面刺し設計のUSB Type-Cコネクターと、USB-Aコネクター(本体背面)の両方を備えたUSBメモリ。USB Type-CとUSB-A間で簡単にデータの移行を行うことができます。
また、セキュリティ面も充実していて、エレコムのHPからパスワード自動認証機能付暗号化セキュリティソフトがダウンロードできます。これで、万が一の紛失や盗難にあってもデータの漏洩の心配は少なくなります。
さらに、無料でダウンロードできる専用アプリの「EXtorage Link」で、スマートフォンやタブレットのバックアップと復元がたった2ステップで可能です。
最大420MB/sのスピードを実現
最大で420MB/sの読出しと400MB/sの書込みスピードを実現した、トランセンドのUSBメモリ。左右にUSB Type-CとUSB-Aがあり、スマホやゲーム機、パソコンなどのファイル転送に重宝します。
また、ストレージから削除してしまった写真や音楽、動画ファイルなどが復元できる「RecoveRx」、データのバックアップ、暗号化などが可能な「Transcend Elite」はともにウェブサイトからダウンロード可能となっています。
抗ウイルス・抗菌対応を施した表面が特徴
「RUF3-K32GB」同様、コンパクトで持ち運びしやすいサイズ感だけでなく、表面に抗ウイルス・抗菌対応を施し、ウイルスや細菌が抑えられると謳っているUSBメモリです。
セキュリティは最新の「SecureLock Mobile2」で、パスワードとパターン認証による暗号化が可能になっています。
キャップレスなコンパクト型
サンディスク製のコンパクトなUSBメモリ。
スライド式のキャップレスなデザインなので、キャップを紛失する心配がありません。SanDisk独自の『SecureAccess』ソフトウェアを搭載しているため、ファイルをパスワードで保護できます。
カラバリ豊富なノック式
ネイルボトルをイメージしたデザインのUSBメモリ。USB端子の出し入れはノック式なので、長めのネイルの方でも使いやすいでしょう。
カラーバリエーションは、「Rointe(ロアンテ)」「Ceinte(スアンテ)」「Jainte(ジュンテ)」「Sainte(センテ)」の4色展開です。
シンプルなUSBメモリ
シンプルなUSBメモリです。価格と性能のバランスがいいため、デザインや機能にこだわりがなければこちらが使いやすいでしょう。
とりあえず1本ほしいという場合に選びたい商品です。
国内メーカー製のUSBメモリ
価格も性能もシンプルなUSBメモリです。
「キオクシア」は「東芝メモリ」という社名でしたが2019年10月1日付で社名が変更になりました。そのため、国内メーカーの商品にこだわりがある方にはおすすめの製品です。
USB Type-C端子搭載のUSBメモリ
USB Type-AとUSB Type-Cの両方の端子を備えたUSBメモリです。最近のノートPCにはUSB Type-Cのコネクタしか付いていない製品も多いため、そういったデバイスを持っている方に適しているでしょう。
カラフルなブロックのようなデザインもポイントです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする USBメモリの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのUSBメモリの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかのUSBメモリの記事はこちら 【関連記事】
まとめ
USBメモリを選ぶ際に、安易に妥協をしてしまうと、便利なはずのものが逆に不便なものになることがあります。たとえば、転送速度を重視するべきであったのに、価格を重視したために安いけれど遅いものを選んでしまったり、サイズやデザインにもこだわりたいために、速度を軽視した結果、作業で時間がかかってしまったりすると、とても実用に耐えられなくなってしまいます。
しかし、速度は遅くてもとくに問題視しないのなら、価格やデザイン重視でもいいでしょう。転送速度を優先する、価格を優先する、デザインやサイズを優先するなど、プライオリティーをいったん決めたら必ずそれで選択をすることが、USBメモリ選びで失敗しないコツです。
また、外出先で急にデータのやり取りが必要になった際は、コンビニでUSBメモリが手に入る場合もあります。選択肢が多くなく、小容量でも高価格と、あまりコスパの良い商品はありませんが、いざというときには助かりますね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
令和3年度 中小企業庁 「中小企業119」登録専門家。 ITサポートエンジニアとして2002年に創業しこれまでに数多くのサポート実績があります。 オーダーPCの製作をはじめ、コンピューター端末・周辺機器などのハードウェア、IT環境保守が専門です。 個人、事業所問わず提案型技術アドバイザーとしてIT環境のリプレース、リペアを数多く成功させています。 メディアへの記事監修協力、IT記事寄稿なども行っています。