電子キーボートとは
電子キーボードと電子ピアノは、よく似ていますが実際は音も用途も異なる楽器です。電子ピアノがピアノの音色を再現することに重きを置いて作られている一方で、電子キーボードは鍵盤楽器をかんたんに楽しめるように作られています。
鍵盤の数も、電子ピアノは88鍵のものが多いですが、電子キーボードは32~61鍵のものもたくさんあります。また、弾いたときの感触も異なり、電子キーボードは触れただけで音が出ますが、電子ピアノはしっかりとした打鍵感があるのが特徴です。
電子キーボードはシンセサイザーやドラム、弦楽器の音色なども奏でられるので、さまざまな音色で演奏が楽しめるのも魅力です。
サウンドクリエーター / キーボーディスト
選ぶ際は目的をはっきりさせよう!
いざ電子キーボードを購入すると決めたら、目的をできるかぎり明確にしておくことが重要です。
たとえば、練習用であれば、鍵盤のサイズや鍵盤数などを優先して検討するのがよいでしょう。また、趣味として演奏を楽しみたいのであれば、自動伴奏機能などの付加機能に注目して検討するほうがよいでしょう。
電子キーボードの選び方
それでは、電子キーボードの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】鍵盤数と大きさ
【2】鍵盤のタッチや内蔵音
【3】タッチレスポンス機能の有無
【4】携帯性・収納性
【5】そのほかの便利機能
上記の5つのポイントをおさえると、より具体的に自分に合う電子キーボードを選ぶことができます。一つひとつ解説していきます。
【1】鍵盤数と大きさをチェック
演奏するうえで一番肝心なのは、鍵盤の数や大きさです。
自宅でのレッスン用であれば、61鍵以上で標準鍵盤のモデルがおすすめです。充分な演奏音域が確保できますし、両手でしっかり演奏したい方にも適しています。自宅以外でも使用する場合は、ミニ鍵盤サイズのものがおすすめです。鍵盤数にもよりますが、気軽に外に持ち出せます。
【鍵盤数】
●49鍵以下…鍵盤数が少ないぶんコンパクトで持ち運びしやすい。初心者や子どもも弾きやすい。
●61鍵…もっともスタンダードなタイプ。自宅でのレッスン用に。
●88鍵…一般的なピアノと同等の鍵盤数。上級者や本格的な演奏向き。
【鍵盤サイズ(鍵盤自体の大きさ)】
●標準鍵盤タイプ…ピアノと同サイズ
●ミニ鍵盤タイプ…持ち運びしやすいサイズ
【2】鍵盤のタッチや内蔵音をチェック
電子キーボードの場合は、見た目はピアノ鍵盤と同じ形状をしている場合もありますが、ほとんどの商品がオルガンと同じタッチの鍵盤です。生ピアノのタッチ感との違いほどではないものの、実際に弾いてみると機種によってタッチ感が異なるのに気がつくと思います。鍵盤タッチは良し悪しというよりは、実際に試奏してみて自分の弾きやすさで選びたいところです。
また、内蔵音色も最近のモデルはどれも豊富な音色を装備していますが、音の質感はメーカーごとに特徴が現れます。ピアノの音色をはじめ、よく使用する音色をそれぞれで弾き比べて、より自分の好みの音色のモデルを選ぶとよいでしょう。
【3】タッチレスポンス機能の有無をチェック
「タッチレスポンス機能」とは、鍵盤を押したときの力に応じて音に強弱がつく機能です。タッチレスポンス機能が搭載されていることで、指先の感覚がダイレクトに鍵盤に伝わり、本物のピアノのように繊細な表現が可能になります。ピアノの練習用としてキーボードを検討している方には、ぜひチェックしてほしい機能です。
【3】同時に演奏できる音の数をチェック
実際に触ってみて選ぶ機会があるなら、同じ音を連続して出す「同音連打」を試してみてください。どの程度の速さまで反応できるのか、ひとつひとつの音が切れていないか、などに性能があらわれます。
連打性能だけでキーボードの性能がはかれるわけではありませんが、同一価格帯で迷ったときは、ひとつの目安になります。
【4】携帯性・収納性をチェック
路上や音楽教室などで演奏するために持ち運びたい、という方も多いと思います。持ち運びが多い方には、重さ4kg程度の61鍵盤か、それ以下の鍵盤数の電子キーボードが向いています。
目安として76鍵盤は7kg、88鍵盤は10kg程度とかなり重たく、キーボードケースの重さも加味すると持ち運びがかなりたいへんになります。特に88鍵盤は安全のためにも、大人ふたりで持ち運ぶ必要があるので、この点も考慮に入れて選んでください。
【5】そのほかの便利機能をチェック
電子キーボードを選ぶときは、外部出力の可否や演奏支援機能の有無など、そのほかの機能もチェックしてみましょう。
▼自動伴奏機能、演奏支援機能
電子キーボードには、ジャズやロック、EDMなどのリズムが内蔵されていたり、コードや鍵盤などを押さえるとそれに見合ったバッキング(伴奏)を自動演奏してくれたりなど、演奏支援機能を内蔵しているモデルが多くあります。
これらの機能はメーカーよって異なり、同一メーカーの製品ラインナップによっても内蔵数や有無が異なるので、充分にチェックしましょう。
ピアノの音色でシンプルに曲を演奏するのもひとつの楽しみ方ですが、オリジナル曲を弾き語りしたり、ヒット曲を伴奏つきで楽しみたいときなどには、ドラムやベースをはじめとしたさまざまな楽器の演奏がバックにあるといっそう楽しさが増すでしょう。
▼「光る鍵盤」なら初心者も練習しやすい
楽器初心者の方や幼い子どもが練習用として使う場合、鍵盤が光るタイプのものがおすすめ。次に弾くところはどこかをナビゲートしてくれるので、楽譜が読めない人でもかんたんに演奏できるのです。
商品によっては、正しい指使いを教えてくれる練習機能も付いているので、より速く上達したい初心者さんに向いています。
エキスパートのアドバイス
サウンドクリエーター / キーボーディスト
付属品の有無やオプションなども忘れず!
電子キーボードはACアダプター以外に乾電池で動作するものが多く、商品によってはACアダプターは別売となっている場合があります。長時間使用する場合、乾電池よりはACアダプターを使用したほうが安定した動作が得られ、経済的です。最初にACアダプターが付属しているのかどうかを確認しておくとよいでしょう。
また、商品によっては楽曲の演奏データなどさまざまなコンテンツを本体に読み込んで、カラオケ的な使い方ができるものもありますが、最初から付属するものとオプションで別売になるものもあります。これらについてもあらかじめ確認しておくと、初期導入費用の予算見積の目安になります。
電子キーボードの代表的なメーカー
YAMAHA(ヤマハ)
言わずと知れた、日本を代表する楽器メーカー・ヤマハ。グランドピアノをはじめ、電子ピアノやキーボードなど、多様な製品を幅広くラインナップ。
高品位なピアノ音色とタッチ感は、さすが老舗メーカーの実力。トップアーティストからの信頼度も高く、電子キーボード選びに迷ったらヤマハの製品を見て検討するのがおすすめです。
CASIO(カシオ)
時計メーカーで知られるカシオは、電子キーボードも取り扱っています。カシオの魅力は、コストパフォーマンスが高いこと。ほかのメーカーに劣らない性能を兼ね備えながら、低価格のモデルも用意されています。
趣味として、気軽に電子キーボードを始めてみたい初心者の方も、手が出しやすい価格帯のものがそろっています。
Roland(ローランド)
ローランドは、電子楽器を多く扱っているだけあって、デジタルに強みをもつメーカーといえます。スマホやスマートスピーカーと連動することで、好きな音楽を再生しながらいっしょに演奏することもできます。
初心者でも挑戦しやすいエントリーモデルも用意されていて、気軽に音楽を楽しむことができます。
電子キーボードのおすすめモデル
それでは、おすすめの電子キーボードをご紹介いたします。すぐに各商品が見たい方は、下記のリンクをクリックしてくださいね。
▼おすすめ3選|49鍵以下
▼おすすめ8選|61鍵タイプ
▼おすすめ2選|76鍵タイプ
▼おすすめ1選|88鍵タイプ
▼おすすめ商品の比較一覧表
▼おすすめ3選|49鍵以下タイプ
お子さまのはじめての鍵盤楽器に、コンパクトで収納に困らない49鍵以下の電子キーボードをさらにご紹介します。

CASIO(カシオ)『32ミニ鍵盤 電子キーボード(SA-46)』












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CASIO(カシオ)『CTK-240』












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カシオ(CASIO)『電子キーボード Casiotone (CTK-240)』












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▼おすすめ8選|61鍵タイプ
自宅でのレッスンに最低限ほしい、5オクターブ弾ける61鍵の電子キーボードをご紹介します。
CASIO(カシオ)『LK-228』










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YAMAHA(ヤマハ)『PORTATONE(ポータトーン)(PSR-E363)』






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YAMAHA(ヤマハ)『PORTATONE(ポータトーン)(EZ-J220)』












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Roland(ローランド)『GO:KEYS(GO-61K)』
























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クリエイティビティを喚起する個性派モデル
電子キーボードのイメージを一新する洗練されたモダンなデザインが印象的です。この電子キーボードは、自動伴奏機能に大きな特徴があります。
多くのモデルでは、自動伴奏の各楽器のリズムパターンがひとつのまとまった形で用意されていますが、この商品では各パートのフレーズを自由に組み合わせて「ループミックス」というバックトラックをつくることができます。この「ループミックス」をもとにさらにフレーズを重ねて録音をすることもでき、クリエイティブな演奏者にとっては魅力的な機能です。
既存曲を演奏して楽しむという使い方よりは、曲づくりをより楽しむためのキーボードとして重宝するでしょう。
Roland(ローランド)『 GO:PIANO(GO-61P)』


























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CASIO(カシオ)『電子キーボード(LK-315)』












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CASIO(カシオ)『電子キーボード(LK-515)』














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ヤマハ(YAMAHA)『電子キーボード(NP-12B)』






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▼おすすめ2選|76鍵タイプ
61鍵よりワングレード上、6オクターブ演奏できる76鍵の電子キーボードをご紹介します。
YAMAHA(ヤマハ)『piaggero(NP-32)』






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CASIO(カシオ)『WK-6600』
![CASIO(カシオ)76鍵盤電子キーボードWK-6600[ベーシック]](https://m.media-amazon.com/images/I/415iNgqBzLL.jpg)
![CASIO(カシオ)76鍵盤電子キーボードWK-6600[ベーシック]](https://m.media-amazon.com/images/I/51ymaT6JYXL.jpg)
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▼おすすめ1選|88鍵タイプ
生ピアノと同じ88鍵の本格的な電子キーボードをご紹介します。
YAMAHA(ヤマハ)『電子ピアノ (P45B)』
















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▼おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする キーボードの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのキーボードの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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まとめ
電子キーボードも楽器ですので、演奏性だけでなく「どんな音が出るのか」という点は非常に重要です。音については、Webサイトなどの情報だけでは判断しにくい部分が多いので、やはり実物を自分で見て、試奏してチェックするのがよいでしょう。
また、意外と見落としがちなのが、楽器の置き場所です。据え置き状態にする場合には、楽器の横と後ろには少し余裕をもたせておくことも忘れずに。ペダルの接続端子やヘッドフォンなどの抜き差しがしやすくなります。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。 S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIプロジェクトでのレコーディング、ライブなどから、イベント、キャンペーンソング、放送メディアのテーマ曲、BGM製作等、その活動の幅は多岐に渡る。 また、DTM黎明期より音楽制作系ライターとしても広く知られ、近著は「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ音作り大全」(技術評論社刊)など。 数多くの音楽専門学校、ミュージック・スクールなどでおよそ30年以上に渡り講師を務め、数多くの人材を輩出する実績を持つ。 有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会委員。