スティック型PCとは コンパクトで便利、電源とHDMIがあれば使える!
スティック型PCとは、細長い形状でUSBポート、Wi-Fi、Bluetooth、microSDスロットル、HDMI端子をそなえているデバイスです。大きさはUSBメモリよりも大きく、タブレットよりも小さくなっています。
電源とHDMIがあればどこでもPCとして使用できるのが魅力です。自宅でも、自室やリビングと場所を変えて使用できます。一般的なPCよりもスペックは低いため負荷のかかる作業はできませんが、メールチェックやSNS、動画視聴などはこなせます。
スティック型PCの選び方 CPU、メモリとストレージ、USB、無戦LAN、冷却ファンをみる
それでは、スティック型PCの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の6つ。
【1】使い方に合わせたスペックのものを選ぶ
【2】セットアップとコストを考えてOSを選ぶ
【3】冷却ファン搭載かどうかをチェックして選ぶ
【4】USBポートの数などインターフェースをみて選ぶ
【5】ルーターの対応規格や通信環境をチェック
【6】周辺機器のセットもチェックしよう
上記の6つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】使い方に合わせたスペックのものを選ぶ CPUは「Atom」「Celeron」「Core M」から
スティック型PCに搭載されているCPUは、「Atom」「Celeron」「Core M」に大別できます。
スティック型PCでは、メモリは2GBまたは4GBの製品が主流です。
▼ライトな使い方なら「Atom・2GBメモリ」を選ぶ
インターネットを使ったサイトやSNSの閲覧、メールの送受信など負荷がかからない軽めの使い方が多い場合は、CPUはAtom、メモリは2GBのものでも十分です。
スティック型PCはサイズが小さいため、あまり高性能なCPUは搭載されていませんが、文書作成やWebサイトの閲覧といった軽めの作業なら十分実用的です。
▼PCのように使いたいなら「Celeron・Core m3・4GBメモリ」は必須
動画の視聴や画像の加工など、一般的なPCのような作業をスティック型PCでもしたい場合は、CPUはCeleronまたはCore m3、メモリは4GBのものを選びましょう。
スティック型PCはあとでCPUやメモリを換えられません。今後も幅広く使いたいならある程度スペックの高いものを選んでおきましょう。
なかでも性能は「Atom」が一番低く、「Celeron」が中位、「Core M」が上位となります。
快適に利用したいのなら、価格は上がりますが、「Celeron」か「Core M」が搭載されている製品を選ぶことをおすすめします。
後から増設できないので、できれば4GBの製品を選ぶことをおすすめします。
【2】セットアップとコストを考えてOSを選ぶ Windows10またはLunux
スティック型PCのOSは、Windows10またはLunuxなどを選びます。定番のものを使いたいときや、セットアップなどの手間をはぶきたいときにはWindows10がいいでしょう。32bitと64bitがあり、スペックの高い64bitを選ぶならスティック型PCはメモリ4GBのものにしましょう。
Lunuxはフリーで公開されているOSです。OSのコストをおさえられる一方、自分でセッティングやトラブル対応をしなければいけません。PCにくわしくない場合にはWindows10にしておきましょう。
【3】冷却ファン搭載かどうかをチェックして選ぶ CPUの温度上昇を軽減
スティック型PCは、サイズが小さいので、長時間使っていると内部の温度が上がりがちです。冷却用のファンを搭載した製品と、非搭載の製品に大別できますが、ファン搭載製品なら、内部の温度が上昇するとファンが回転し、温度を下げることができます。
内部温度が上昇すると、CPUの安全機能が働き、性能が低下しますので、長時間の連続利用が多いのならファン搭載製品がおすすめです。
一方、ファンが搭載されていると音が気になることがあります。PCへの負荷がかからない作業がメイン、かつ短時間の使用で静音性を重視したいなら、ファンレスのスティック型PCを選ぶ選択肢もあります。
【4】USBポートの数などインターフェースをみて選ぶ USB3.0かUSB2.0か仕様も確認
USBポートの数は製品によって異なりますが、ひとつまたはふたつが主流です。USB 3.0に対応した製品とUSB 2.0までしか対応していない製品がありますので、ポート数だけでなくUSBの仕様も確認しておきましょう。
また、ストレージは32GBまたは64GBが主流で、「eMMC」と呼ばれるフラッシュメモリタイプのストレージが採用されています。microSDカードスロットを備えた製品では、microSDカードを使ってストレージを増やせますので、ローカルに動画コンテンツを保存して再生したい場合などには、microSDカードスロットを搭載した製品を選ぶことをおすすめします。
【5】ルーターの対応規格や通信環境をチェック IEEE 802.11ac対応製品がおすすめ、有線LAN対応製品も
スティック型PCの通信規格をチェックしておきましょう。無線LANのものが主流ですが、有線LAN対応のものもあります。接続の安定性を重視したいなら、有線LAN対応のものや、USBでイーサネットできるものを選ぶ選択肢もあります。
また、無線LAN機能もIEEE 802.11n対応製品と、より高速なIEEE 802.11ac対応製品があります。将来性を考えると、より高速なIEEE 802.11ac対応製品がおすすめです。
【6】周辺機器のセットもチェックしよう キーボードやマウスもいっしょに
スティック型PCには、本体のほかマウスやキーボードなどの周辺機器がセットになっているものもあります。マウスやキーボードはなんでもよい、一緒にそろえたいときはセットだと便利です。
一方、セットであることを重視してしまうとスティック型PCのスペックや特徴などで選べなくなってしまいます。あくまでスティック型PCをメインに選び、納得のスペックや機能のものでセットがあれば購入、とすれば納得のものが見つかりやすいです。
スティック型PCのおすすめ10選 人気のインテル、ASUS、レノボほか、ハイスペックな高性能モデルも
うえで紹介したスティック型PCの選び方のポイントをふまえて、IT・テックライターの石井 英男さんに選んでもらったおすすめ商品、編集部で選んだ商品を紹介します。

Intel(インテル)『Intel Compute Stick STK1AW32SC』














出典:Amazon
Atom搭載のスタンダードモデル
インテルのスティック型PC「Intel Compute Stick」のスタンダードモデル。OSはWindows 10(64bit)を搭載。CPUとして「Atom x5-Z8300」を採用し、メモリは2GB、ストレージは32GB eMMCです。USB 2.0ポートとUSB 3.0ポートをひとつずつ備え、microSDカードスロットも備えています。
無線LAN機能はIEEE 802.11ac対応で、高速な通信が可能です。冷却ファンも搭載しているので、長時間の利用も安心です。バランスのとれた製品で、インテル純正の安心感もありますので、幅広い層におすすめします。

ASUS(エイスース)『VivoStick(TS10)』












出典:Amazon
4GBメモリと64GBストレージが魅力
ASUSのスティック型PC。OSはWindows 10(64bit)を搭載。CPUとして「Atom x5-Z8350」を採用し、メモリは4GB、ストレージは64GB eMMCとスティックPCとしては大容量です。USBポートもUSB 2.0とUSB 3.0をひとつずつ備えていますが、microSDカードスロットは非搭載です。
無線LAN機能も高速なIEEE 802.11ac対応で、ファンも搭載していますので、温度が上昇して性能が低下する心配はありません。microSDカードスロットが搭載されていないのが残念ですが、メモリとストレージに余裕があるので快適に利用できます。

Intel(インテル)『Intel Compute Stick STK2m3W64CC』














出典:Amazon
Core M搭載の高性能モデル
インテルのスティック型PC「Intel Compute Stick」のハイエンドモデル。OSはWindows 10(64bit)を搭載。CPUとして「Core m-6Y30」を採用し、メモリは4GB、ストレージは64GB eMMCと基本スペックが充実しています。
本体に用意されているUSBポートはUSB 3.0がひとつのみですが、ACアダプター側にUSB 3.0ポートがふたつ用意されているので、合計3ポートのUSBポートを利用できることも特長です。
また、microSDカードスロットも備えています。無線LAN機能は高速なIEEE 802.11ac対応です。冷却ファンも搭載しています。価格は高めですが、その分高性能なので、性能重視の人におすすめします。

サードウェーブ『Diginnos Stick DG-STK5S』
















出典:Amazon
Celeron搭載でさまざまな用途に対応
サードウェーブのスティック型PC「Diginnos Stick」シリーズの製品です。OSはWindows 10(64bit)を搭載。CPUとして「Celeron N4000」を採用し、メモリは4GB、ストレージは64GB eMMCとスペックも充実しています。USBポートはUSB 3.0がふたつで、ひとつはType-C対応となっています。microSDカードスロットも搭載しており、無線LAN機能も最新のIEEE 802.11ac対応、Bluetoothも5.0対応です。
冷却ファンの搭載に加え、日本古来のデザインである毘沙門亀甲をイメージした形の通気口により効率的な冷却を実現していることも魅力で、さまざまな用途に対応できます。
マウスコンピューター 『MS-NH1-W10』

出典:楽天市場
Skynew『スティック型パソコン』


















出典:Amazon
Passion(パッション)『スティックPC(MK-809C)』










出典:Amazon
Lenovo(レノボ)『ideacentre Stick300』








出典:Amazon
I-O DATA(アイ・オー・データ)「 Compute Stick(CSTK-32W)」


















出典:Amazon
ASUS(エイスース)『Chromebit(B013C)』
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「スティック型PC」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スティック型PCの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのスティック型PCの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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サブPCとして持っているとなにかと便利! 活用方法や使い方もいろいろ
IT・テックライター
スティック型PCは、とても小さくて軽いので、気軽に持ち歩けることが利点です。子どもにPCを使わせたいけど、親の目の届かないところで使われると困るといった場合でも、リビングのテレビのHDMI端子にスティック型PCを差し込むだけで、大画面でPCを使えます。また、出張の際などのサブPCとして持ち歩くのもおすすめです。
仮にノートPCが壊れても、ホテルの部屋のテレビを使って仕事ができます。コンテンツの閲覧が主なら、スペックが低い製品でも十分ですが、文書作成などを行うなら、Celeron搭載以上の製品がおすすめです。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。 ライター歴25年。PC/ITに関するテクノロジーの解説や製品レビューを得意とする。 最近は、STEM教育や3DプリンターやCNCを初めとするデジタルファブリケーションに興味を持ち、積極的に取材や記事執筆を行っている。 また、子どもへのプログラミング教育にも関心があり、CoderDojo守谷のメンターを務めている。