レコードプレーヤーとは
CDが世に登場する前は、レコードが普及していました。そんなレコードを再生するためのオーディオプレーヤーをレコードプレーヤーと言います。
現在では、レコードの新規発売はほとんどないため、プレーヤー自体も減っており、なおかつ、レコードを聞く用途でしか使用できないと思われています。しかし、ターンテーブルやトーンアームなど、各部品を変えることで音質をカスタムできるなど、音楽好きには魅力の多いデバイスです。
さらに、デザイン自体がレトロであるため、近年ではインテリアとしても人気が高く、購入数も増えています。デバイスのデジタル化もされており、まだまだ魅力のあるオーディオプレーヤーです。
レコードプレーヤーの選び方
それでは、レコードプレーヤーの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の7つ。
【1】回転方式
【2】SPレコード対応か
【3】カートリッジ(針の部分)
【4】トーンアーム
【5】フォノイコライザーの有無
【6】スピーカー内蔵かどうか
【7】デジタル機能が使用できるか
上記の7つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】回転方式をチェック
レコードプレーヤーには、「ベルトドライブ式」と「ダイレクトドライブ式」の2種類の回転方式があります。ここでは、それぞれの特徴についてご紹介します。
▼ベルトドライブ式
ベルトドライブ式は、レコードの回転盤とモーターが別々になったタイプ。ベルトがモーターの振動を吸収し、なめらかな回転になるのが特徴です。ただし、レコードの音質劣化につながる回転ムラが起きやすいのが欠点で、また、ベルト部分は経年劣化するため、定期的に交換が必要です。
▼ダイレクトドライブ式
モーター軸に直接ターンテーブルを置いて回転させるタイプがダイレクトドライブ式です。回転ムラや故障が少なく、安定しているのが特徴です。一方で、モーターに直接つながっている分、振動対策が問題となる点と高価な点がデメリットでもあります。
【2】SPレコード対応かチェック
レコードには、録音時間の長い「LP」と片面約5分程度の「SP」レコードがあります。LPレコードの回転数は33回転ないしは45回転なのに対し、SPレコードは毎分78回転。
最近ではほとんど見かけなくなりましたが、古いSPレコードを再生するようなら、SP対応かどうかもチェックしておきましょう。
【3】カートリッジ(針の部分)をチェック
アナログ信号を読み取る上で重要なのがカートリッジで、「ムービング・マグネット型(MM型)」と「ムービング・コイル型(MC型)」の2種類に分けられます。
MM型はVM型とも呼ばれ、比較的安価で使いやすいのですが、より微細な音を精密に読み取れるMC型も人気です。
安価なプレーヤーですとカートリッジを取り外すことができないようになっているモデルや、専用カートリッジしか使えないモデルが多いのですが、高価なプレーヤーですとカートリッジが交換可能な場合が多いです。
しかし、選択肢が増える分、最適なカートリッジの選び方が難しくなります。初めて購入する場合には、カートリッジが付属しているものや一体型のモデルをおすすめします。
【4】トーンアームをチェック
トーンアームとは先端にカートリッジを付けて針をおとすためのアームです。また、針がレコードの溝を正確になぞれるように安定させる働き、そして、かける圧力の調節もできたりします。
トーンアームには、「インテグレーテッドタイプ」と「ユニバーサルタイプ」の2種類があります。インテグレーテッドタイプは、カートリッジとアーム一体型で安価なのが特徴です。
また、ユニバーサルタイプは、アームとカートリッジが別々のタイプです。ユニバーサルタイプは、カートリッジを交換して音質の変化を楽しみたい方におすすめのタイプです。
【5】フォノイコライザーの有無をチェック
レコードプレーヤーはレコードに刻まれた溝から、カートリッジ(レコード針)がアナログ音声信号を読み取りますが、記録された信号はそのまま増幅してもまともに聴くことができません。そのため、フォノイコライザー(フォノアンプ)と呼ばれる機器で信号を整える必要があります。
しかし、一般的に高級なレコードプレーヤーはフォノイコライザーを内蔵していない(そもそもレコードプレーヤーではなく、アナログターンテーブルと呼ばれることが多いです)ため、別途購入する必要があります。
初めて購入する人や、昔集めたアナログレコードを手軽に楽しみたいという人は、フォノイコライザー内蔵モデルがおすすめです。
【6】スピーカー内蔵かどうかチェック
スピーカー内蔵のプレーヤーであれば、フォノイコライザーも搭載しており、本体1つあれば手軽にレコードを再生することができます。また、製品によっては、コンパクトに持ち運べるものもあり、手軽にレコードを楽しみたい人におすすめです。
【7】デジタル機能が使用できるかチェック
最近のレコードプレーヤーには、USB対応やBluetooth機能が搭載されたモデルも登場しています。ここでは、USB搭載モデルとBluetooth対応モデルそれぞれの特徴についてご紹介します。
▼USB搭載
USBポートを搭載したプレーヤーであれば、PCやスマホとも接続することができ、アナログ音源をデジタル音源に録音することもできます。
また、一度録音すれば、次からはレコードに針を落とさなくともデジタル再生できるという手軽さ。また、レコードの摩耗も防げるため、一挙両得です。
▼Bluetooth対応
Bluetoothに対応したプレーヤーであれば、ワイヤレスでコンポやスピーカー、またはイヤホンやヘッドフォンで音楽を楽しむことができます。また、Bluetooth受信機能とスピーカーを内蔵したプレーヤーなら、スマホや別のプレーヤーから送信した音源データを再生することもできます。
エキスパートのアドバイス
IT・家電ジャーナリスト
オールインワンとカスタマイズ性のバランスが重要
レコードプレーヤーはカートリッジやフォノイコライザーの性能など、さまざまな要素が組み合わさっています。
また、カートリッジの針が、少なからずうねりを持ったレコードの盤面に沿って読み取っていくためには、細かいセッティングも重要となります。
とはいえ、初心者がいきなりすべてのパーツをそろえるのは至難の業ですので、まずは一体化したエントリーモデルが扱いやすくておすすめです。
ただし、カートリッジが交換できなかったり、フォノイコライザーをオフにできない仕様となると、もう少し深くまで踏み込んでみたいときに物足りなく感じます。
そこでどこの部分がどの程度のカスタマイズができるかという点に着目することで、より自分に適した一台に出会えるはずです。
レコードプレーヤーおすすめ8選
それでは、レコードプレーヤーのおすすめ商品をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。


本格仕様ながらワイヤレス再生や録音も可能
MM型フォノイコライザーを内蔵し、カートリッジを付属させたままでヘッドシェル交換が可能なユニバーサル式ヘッドシェルを採用した、本格派のレコードプレーヤーです。
また、Bluetoothスピーカーへのワイヤレス出力にも対応。Bluetoothの標準規格であるSBCだけでなく、さらに高音質なAACやaptXにも対応しているので、対応スピーカーとつなげばより高音質で楽しめます。
天然木目のウォルナット突板をオイル仕上げにした、柔らかい印象のデザインも魅力。USBケーブル経由でパソコンにデジタル出力する機能も備えており、さまざまなデジタル的な楽しみ方ができます。

おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする レコードプレイヤーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのレコードプレイヤーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
まとめ
本記事では、レコードプレーヤーの選び方やおすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?商品を選ぶ際は、下記の7つのポイントを抑えておきましょう。
【1】回転方式
【2】SPレコード対応か
【3】カートリッジ(針の部分)
【4】トーンアーム
【5】フォノイコライザーの有無
【6】スピーカー内蔵かどうか
【7】デジタル機能が使用できるか
レコードを再生してくれるレコードプレーヤー。現在では、レコード自体が少ないため、昔のレコードを再生することが多いでしょう。しかし、近年の商品は、Bluetoothでスピーカーに接続できたり、レトロな部屋のインテリアとして使用できるなど、再生以外の用途もあります。ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリの商品を選んでくださいね。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
一般財団法人 家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout オーディオプレーヤー、スピーカーなどのガイドを務める。 日経BP社『日経ネットナビ』『日経ネットブレーン』『デジタルARENA』『日経トレンディネット』などを経てフリーに。 デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。 KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」に出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの構成などにも携わっている。