PCオーディオとは?
かつては「CDプレーヤー」など専用の再生機を使って音楽を聴いていましたが、最近ではパソコンやスマートフォンをオーディオプレーヤーとして活用している人の方が多いかもしれませんね。
しかし、パソコンの内蔵システムや付属スピーカーには限度があり、オーディオ専門機器と比べると音質は劣ります。そこで登場したのが「PCオーディオ」です。PCオーディオとは、パソコンやスマホで再生した音楽を高音質で楽しむための機器のことを指します。
そして、PCオーディオの筆頭とも言えるのが「USB DAC」。USB接続で使用する外付けのデジタル/アナログコンパーターで、パソコンとヘッドホン、またはパソコンとアンプ+スピーカーの間に設置。DACを使用することで、ハイレゾ音源なども高音質で再現することができるようになります。
本記事ではPCオーディオの入門機とも言える「USB DAC」や、DACを組み込んだ「PCスピーカー」のおすすめ品をご紹介します。
PCオーディオの選び方
ITジャーナリストの安蔵靖志さんに、PCオーディオを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
ポイントは下記。
【1】USB DAC内蔵アンプかUSB DAC単体かを選ぶ
【2】対応フォーマットをチェック
【3】入力端子をチェック
【4】Bluetoothやネットワークオーディオ機能などにも注目
上記のポイントを押さえることで、あなたに合った商品を見つけることができます。ぜひ参考にしてみてください。
【1】USB DAC内蔵アンプかUSB DAC単体かを選ぶ
一般的なオーディオアンプはアナログ音声を取り扱う機器です。パソコン上のMP3やWAVはデジタルデータなので、アンプで鳴らすためにはデータをアナログ信号に変換する必要があります。
このアナログ変換に必要なのが「USB DAC(USB接続のデジタル・アナログコンバーター)」という訳です。
しかし、最近ではパソコンと接続できるUSB端子やデジタル入力端子を備えるアンプも増えています。オーディオシステムを新規に導入する場合は、デジタル入力に対応する「インテグレーテッドアンプ(プリメインアンプ)」がおすすめです。
インテグレーテッドアンプとスピーカーなどによるオーディオシステムがすでにある場合は、USB DACを購入するだけでオーディオシステムと接続ができます。
【2】対応フォーマットをチェック
PCオーディオは一般的なデジタル音源だけでなく、高音質を実現した「ハイレゾ音源」も取り扱えるのが魅力です。
フォーマットはCDなどに用いられるもっとも一般的な「リニアPCM方式」と、SACD(スーパーオーディオCD)などに用いられる「DSD方式」に大きく分かれます。どちらも対応する数字(リニアPCMの場合は192kHz/24bit、384kHz/32bitなど、DSDの場合は2.8MHz、5.6MHz、11.2MHzなど)が大きいほど対応する音源の幅が広がります。
数字が大きければ高音質というわけではありませんが、確認するべきポイントのひとつです。
【3】入力端子をチェック
入力端子はUSBのほか、光デジタルや同軸デジタルなどの端子を備えるモデルも多くあります。入力端子が多いほど接続できる機器も増えるので、なるべく多くの端子を備えるモデルのほうが楽しみ方が広がります。
インテグレーテッドアンプの場合、最近人気のアナログレコードからの入力も可能なフォノ端子が搭載されているかどうかもポイントです。
【4】Bluetoothやネットワークオーディオ機能などにも注目
オーディオアンプというともともとアナログ入出力しかないものが主流でしたが、最近ではUSB DACを内蔵したものや、デジタル入力端子を搭載するモデルなどもあります。
こうしたことから、AVアンプのようにスマホなどから音声を出力できるBluetoothや、ネットワーク経由でデジタル音源を再生できるAirPlay、DLNAなどの機能を搭載するモデルも増えています。
Bluetoothやネットワークオーディオ機能などを搭載するモデルは比較的カジュアルなものが中心ですが、より多くの音源を楽しみたい人にはおすすめです。
多数の組み合わせで試聴してみよう!
IT・家電ジャーナリスト
ITジャーナリストからのアドバイス
ひとくちにPCオーディオといっても、DACやオーディオアンプ、スピーカーと、選ぶポイントはたくさんあります。どれかひとつでも好みに合わないと、PCオーディオシステムを組んだとしてもお望みの音質にたどり着かないかもしれません。
オーディオ専門店や家電量販店などに行けば、オーディオアンプとスピーカー、それぞれ多数の組み合わせで試聴できる場合もありますので、さまざまなパターンを試して、自分の好みのモデルを見つけてほしいです。
PCオーディオおすすめ11選
上記で紹介したPCオーディオの選び方のポイントをふまえて、実際にITジャーナリストの安蔵靖志さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。
USB DAC内蔵! 劣化しない高品質な音質
USBでPCと接続できるUSB DAC内蔵スピーカー。アナログ信号変換を経由しないため、高品質で音源を再現できます。外部のACアダプターを必要とせず、本体サイズも小さいのでPCまわりをすっきりとさせたい人向きです。
外部入力に3.5mmステレオミニジャックが用意されているので、手持ちの音楽プレーヤーからも再生できるのがうれしいポイント。さらに、縦置きでも横置きでも使えるため、さまざまな場面で活躍できるスピーカーとなっています。
接続方法を選べるのが使いやすい製品
こちらの商品は、高音域を再生するツィーターと低音再生に向いているバフレフポートを装備しています。PCからの音源を忠実に再現できる2chスピーカーです。Bluetoothにも対応しているのでPCだけでなく、スマートフォンやゲーム機でも使えます。
有線接続でなくワイヤレスなので場所を選ばず置けます。電源供給はUSBケーブルを使ってできるのでPCから充電することが可能です。
音圧のコントロールもできるスピーカー
音楽に関するさまざまな製品を取り扱っているヤマハが作り出したスピーカーです。スピーカー部には多くの工夫があり、音がよく聞こえるようにスピーカーからの音を何度も調節して、もとの音源の再現度を上げています。
かんたんなイコライジングも可能です。重厚感のある音をコンパクトなボディで作り出していて、PC周辺の少しのスペースに設置することができます。
シンプルなデザインと高音質が魅力のUSB DAC
パソコンからのUSB入力のほかに、光デジタル入力と同軸デジタル入力を備えるUSB DAC。別途オーディオアンプが必要になるものの、解像感の高い圧倒的な描写力が大きな魅力です。
すでにオーディオシステムを持っている人、徹底的に高音質を追求したい人は、このモデルのようなUSB DACを選ぶとさらに音質を追求できるかもしれません。
汎用性の高さが特徴、便利な変換アダプター付き
低音域と中音域のバランスが良いスピーカー。BasXportテクノロジーによる低音域のクリア感の向上、グラスファイバーコーンを使ったドライバーの中音域の安定感が特徴です。RCAピンジャック - ステレオミニプラグ変換アダプターが付属しているので、映像機器やゲーム機との接続にも対応しています。
サブウーファー用の出力が用意されていないため、重低音より中音域の安定性を求める人に向いています。
AUX入力をふたつ備えた使いやすいPCスピーカー
ふたつ用意されたAUX入力のうち、ひとつはPCに常時接続し、もう片方は音楽プレーヤーなどと適宜接続するなど自由度の高い使い方ができる点が特徴です。抜き差しの手間が少なくなるだけでなく、スピーカーへの電気的な負担も軽減されます。
ボリューム端子が前面についており、手元で音量調整ができる利便性の高さもポイント。PCを使いながら手を伸ばせる距離におくことで、メリットを最大限引き出すことができます。
自分好みの音域に調整ができる!トーン付スピーカー
BasXPortにより低音域もしっかりと伝わるスピーカー。ツイーターとミッドレンジドライバーが採用されており、中~高音域をきれいに聞きたい人向きです。
ウーファーは非搭載ですが、独自の構造により深みのある低音を表現しているのがポイント。トーンつまみを使い低音域を強調するなど、自分好みの音域に調整できるスピーカーです。
重低音を余さず楽しめるサブウーファーつきセット
サブウーファーがセットになった、重低音をしっかりとカバーしてくれる2.1chスピーカーです。音質にこだわりはじめると、どうしても気になるのが重低音のもの足りなさ。後から購入して統一感のない環境を作るより、セットで購入したほうが相性やインテリアとしての見栄えもよくなります。
野外でも使える120Wの大出力も魅力的。映画や音楽を大音量で楽しみたい人にぴったりです。
ハイレゾ音源とBluetooothに対応
Edifierの『ED-S880DB』は、さまざまな音響環境に対応できるスピーカーとなっています。音へのこだわりが強く、チタンやアルミニウムといった金属材料によって作られたスピーカー部は今までのスピーカー音質と違って、再現度がよいでしょう。
ハイレゾ対応音源にも対応しており、有線で接続した場合に楽しむこともできます。 Bluetoothにも対応しているので置き場を選ばず、自分の好きなレイアウトでスピーカーを設置できるところもポイントです。
低音から高音域まで美しく再現できるハイレゾ対応
再生周波数帯域が最大40kHzのハイレゾ対応スピーカー。幅広い音域の再現性を高めるため、低音域用のウーファーには音の伝達バランスがいいグラスファイバー振動板を採用。高音域用のツイーターには、ミッドレンジ付近の音をきれいに表現できるシルクドームを採用しています。
ボリューム調整が背面にあるのが惜しい点。しかしそれを補うほどアンプ内蔵型ハイレゾ対応スピーカーとして使いやすい商品です。
パワフルな音質がリアルな音場を楽しめる
音楽家もじゅうぶんに使えるとしているパワードスピーカーになります。小さいながらもパワフルな音質を体感可能です。ツィーターとウーハーユニットで広音域において再現性のよい製品で、全体の音がよく聞こえるので音楽作成が進みます。
入力端子もステレオミニプラグとRCAピンジャックと選べるので、PC以外でもかんたんに使いやすいです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの人気ランキング PCオーディオの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのPCオーディオの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
PCオーディオに関連する記事のご紹介
PCオーディオでクリアな音を楽しもう
ITジャーナリストである安蔵靖志さんへの取材をもとに、PCオーディオの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。アンプ、USB DAC、スピーカーなど揃えたいものがたくさんあるため、大変に思うかもしれません。
しかし、それぞれをきちんと理解することで、音量をしっかり出すにはどんなアンプが必要なのか、ノイズを減らすにはどうすればいいのかなど、よりよい再生環境を作ることができます。
どんなに高音質の音楽を手に入れても、アンプやスピーカーが対応していなければ宝の持ち腐れ。あなた好みの再生環境を手に入れて音楽をさらに楽しんでください。
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一般財団法人 家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout オーディオプレーヤー、スピーカーなどのガイドを務める。 日経BP社『日経ネットナビ』『日経ネットブレーン』『デジタルARENA』『日経トレンディネット』などを経てフリーに。 デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。 KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」に出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの構成などにも携わっている。