パルスオキシメーターとは
パルスオキシメーターとは、指にはさむことで動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定する機器です。SpO2とは、血液中に十分な酸素が取り込まれているかどうかの指標となる値で、病状の把握や健康管理に役立ちます。
機器に指を差し込み本体のスイッチを入れると、内部のセンサーによって測定される仕組みで、家でも簡単に使うことができます。ただし、測定値をどのように判断するかについては、医師などの指示を仰ぐ必要があります。
厚生労働省による新型コロナ感染症重症度評価基準にも
SpO2は、厚生労働省が定める新型コロナ感染症の重症度を評価する基準にも用いられています。
具体的な評価基準は以下の通りです。
・96%以上:軽症
・93%超96%未満が中等症Ⅰ(呼吸不全なし)
・93%以下が中等症Ⅱ(呼吸不全あり)※。
※新型コロナウイルス診療の手引き第8.1版(2022年10月) 「重症度分類とマネジメント」参照
ただし、SpO2の値だけで新型コロナへの感染の有無を判断することはできません。
パルスオキシメーターの選び方
ここからはパルスオキシメーターを正しく選ぶためのポイントについてお伝えします。
ポイントは下記。
【1】医療機器認証を受けているかどうか
【2】「PI値」が表示されるモデル
【3】ディスプレイ機能
【4】インナーアジャスターの有無
【5】ポーチやストラップ付きのもの
【6】充電機能の有無
【7】アラーム機能
【8】保証期間と内容
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】医療機器認証を受けているかどうか
まず、医療機器として公的に認証された製品であることを確認しましょう。中には認証されていないにもかかわらず、パルスオキシメーターという名前で売られている商品もあるため注意してください。
認証品には、数字とアルファベットで構成された16桁の認証番号が付与されています。
また、製品の信頼性を示す重要な指標の1つになるのが測定精度です。パルスオキシメーターには、JIS(日本産業規格)およびISO(国際標準化機構)によって精度基準が定められており、適合製品は測定値に一定の精度が保たれることを意味します。
【2】「PI値」が表示されるモデル
PI値とは還流指標とも呼ばれ、指先を循環する動脈の量によって変動します。指先の循環が悪くなると、PI値は下がります。PI値が下がると、パルスオキシメーターでのSpO2の測定値が安定しないことがあります。(PI値が1.0以上が望ましい)
なお、PI値表示機能は、測定値の正しさを確認するのに役立ちます。
遮光ガードの有無が精度に影響を与える
パルスオキシメーターは周囲の光が強すぎてしまうと、正しく測定できないことがあります。そのため、屋外などで測定する時には、遮光ガードモデルの製品が安心です。
パルスオキシメーターを使う場合、直射日光が当たらないことが大前提。遮光ガードモデルの製品は、測定時に機器の隙間から光が差し込むのを防ぐよう設計されているため、屋外などでも使う可能性があるなら、必須と言えるでしょう。
【3】ディスプレイ機能
主流のLEDや有機ELのディスプレイは暗い場所でも見やすく、夜間の測定に特に適しています。また、看護師、家庭で子供や要介護者の看護をするなら、画面表示の向きを変えられるマルチアングル機能を搭載していると便利。
測定する手を変える時、測定する本人以外が数値を見る時にも数値が見やすくなります。
【4】インナーアジャスターの有無
製品によってはインナーアジャスターを取り付けることで、大人だけでなく子供の指の幅に対応できるよう工夫されたものもあります。また、アジャスターがついていなくても、指がしっかりフィットするかは重要です。
さまざまな体格の方が1台を共用するときには、こういったポイントも検討するとよいでしょう。
【5】ポーチやストラップ付きのもの
持ち運びに便利なポーチやストラップが付属している製品もあります。パルスオキシメーターは外出時や登山、スポーツシーンでも使われますが、小さな機器なので紛失に注意が必要です。
【6】充電機能の有無
家庭用のパルスオキシメーターは電池式が主流ですが、中には充電できる製品もあります。充電式の製品は高機能タイプが多く、SpO2測定以外の機能が付属していたり、長時間連続の測定に適したものなどがあります。
【7】アラーム機能
高機能タイプのパルスオキシメーターには測定値が一定のラインを超えるとアラーム音が鳴る製品もあります。多くの手頃な価格の製品にはアラーム機能はありませんが、数値が点滅するなど、表示のわかりやすさに工夫が施されたものもあります。
【8】保証期間と内容
パルスオキシメーターは精密機器なので、保証期間とその内容も確認しておきましょう。多くの製品は1年保証です。メーカーによる問い合わせ対応、保守点検のサポートが充実しているとより安心です。
パルスオキシメーターおすすめ9選
ここからは、家庭で使えるパルスオキシメーターをご紹介します。医療機器の認証を受けた製品に限定し、なおかつ、比較的安価に購入できる電池式タイプ製品をピックアップしました。
ぜひ、ご購入の参考にしてみてください。

PI値表示が身体の状態把握の参考に
末梢血流状態を知るための参考となる、PI値表示機能が備わったパルスオキシメーターです。ディスプレイには暗い場所でも数値が見やすい有機ELが採用されています。
画面のアングルはボタンを押すと4方向に切り替えられるので、自身での体調チェックだけでなく介護の場面でも快適に使えるでしょう。本体カラーは1色(ホワイト)です。

手頃な価格で基本機能をカバー
歴史ある日本の医療機器商社である松吉医科器械が、エコノミータイプとして販売するパルスオキシメーターです。安価である一方、±2%(70~100%)のSpO2測定精度、自動電源オフ、暗所でも見やすいダブルカラーOLEDディスプレイなど、パルスオキシメーターに求められる基本の機能をカバーしているのが魅力になります。
本体カラーは1色(ブルー)です。

小児の使用にも対応できるパルスオキシメーター
パルスオキシメーターを中心に、病院で用いられるさまざまな医療機器を取り扱うCONTEC社の製品。4歳以上かつ体重15~110kgの人に使用可能とされているので、お子さんが使う場合も安心です。
画面表示はマルチアングルで、スマートフォンのように本体を傾けると画面の向きが切り替わります。本体カラーは1色(ホワイト)。

外出・スポーツ時にも安心の遮光カバーモデル
家庭・育児用ヘルスケア商品を中心に取り扱うちゃいなび社の商品。同社の複数のパルスオキシメーターのうち、この商品は屋外での使用にも適した遮光カバーモデルである点が特長です。
また、同社の商品はいずれもPI値表示機能が備わっています。機能性とデザイン性を兼ね備えたラインナップも魅力。本体カラーは1色(ブラック)になります。

アプリ連携で体調管理をサポートする高機能タイプ
Bluetooth通信機能が備わっており、測定したデータをアプリで管理することが可能。専用アプリはオムロン社の他のヘルスケア商品にも対応しているので、体温や血圧と合わせてSpO2を管理したいというニーズに対応しています。
比較的高額ですが、トータルでの健康管理を目指したい方におすすめ。本体カラーは1色(ホワイト)です。

身体の状態が一目でわかりやすい3段階レベル表示
家電からヘルスケアまで幅広く取り扱うドリテック社の商品です。このモデルはSpO2の3段階レベル表示や測定値が一定の値を下回った時のアラート機能(値が点滅)などを備え、状態を視覚的に把握しやすく改良されています。
また、前回の測定値も表示されるので、健康状態の変化を知る上で参考になるでしょう。本体カラーは2色(ブルー・ピンク)です。

小型で軽量、シンプル設計のパルスオキシメーター
ドリテック社のラインナップのうち、より機能を絞ったシンプルな商品。OX-102に比べ小型・軽量で、体重25kg以上にのみ対応しているため、お子さんの使用を考えている方は注意してください。
なお、画面のマルチアングル機能はないので、自分自身の健康管理に使いたい場合に適しています。本体カラーは1色(ブルー)のみです。

正確な測定をサポートするPI値表示機能
PI値表示機能を搭載した商品には比較的高額なものが多い中、手頃な価格とPI値表示機能を両立した商品になります。PI値表示にこだわりたい方はぜひチェックしてみてください。
ディスプレイ方式は有機ELが採用されており、画面方向の切り替えも可能なので、さまざまな利用シーンで快適に使えるでしょう。本体カラーは1色(ホワイト)です。

中国大手医療機器メーカーのパルスオキシメーター
中国の大手健康医療機器メーカーYuwell社ブランドのパルスオキシメーターです。5~8秒で測定できる速さが特長です。画
面表示方向の切り替えには、ボタンでの操作に加え、本体を傾けることで自動的に回転する重力モード機能も採用されています。好みに合った操作方法で快適に使えるでしょう。本体カラーは1色(グレー)です。
「パルスオキシメーター」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする パルスオキシメーターの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのパルスオキシメーターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
気になるパルスオキシメーターのFAQ
パルスオキシメーターでありがちな疑問を解消していきます。
パルスオキシメーターは何のために使う機器?

パルスオキシメーターは、手術中や救急医療の現場でSpO2を常にモニターし、酸素供給状況を監視するために使われます。
そのほか、日常の健康管理や新型コロナ感染時の自宅療養、登山時の高山病予防にも使われています。
新型コロナ感染症の診断と関係がある?

パルスオキシメーターで測定するSpO2の値は、新型コロナ感染症の重症度を分類する基準に用いられていますが、その数値だけで感染の有無を診断することはできません。
SpO2の値が正常でも、新型コロナに感染していることもあります。
どんなパルスオキシメーターを選べばいい?

医療機器認証を受けている製品を選ぶことが前提です。認証を受けていない製品は、パルスオキシメーターとして必要な基準を満たしていることが確認されていないことを意味します。
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医療機器認証を受けている製品を選ぼう
パルスオキシメーターはコロナ禍を境に多くの人にとって身近なものとなりました。パルスオキシメーターは医療機器であることを理解し、それぞれの製品の信頼性を踏まえて、日々の健康維持に役立つ製品を選びましょう。
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医療業界で培ったビジネス経験や知識を生かし、ライター・翻訳者として活動。特に医療分野、ビジネス・マーケティング分野での執筆に携わっている。元医療機器メーカー勤務。